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== 人間関係 ==
 
== 人間関係 ==
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;妻
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:地球の良家出身。見え透いた政略結婚であった<ref>ドゥガチの立場になってみれば地球生まれの若い女との結婚など、老い先短い自分の死後、「元総統の妻」という体裁を盾に連邦が木星を体よく支配する口実にすることは明白であっただろう。</ref>事に加え、当人がまるで地球の豊かさを体現したような心優しい女性だったために、ドゥガチは恵まれた土地への嫉妬や木星の不毛さ、引いては自分の無価値さを刺激させられ、地球を滅ぼすという凶行に走った。
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:一方で妻自身に対しては虐待など直接危害を加える真似はしておらず、むしろ彼女の優しさを認めてすらいるところにドゥガチの妻に対する複雑な想いが見て取れる。『第2次α』ではそんな彼の心境をキンケドゥやアムロが「なぜ人の心の優しさを素直に受け止められないのか」と非難し、ベラは「愛ゆえの憎しみ」と表現している。
 
;[[ベルナデット・ブリエット]](テテニス・ドゥガチ)
 
;[[ベルナデット・ブリエット]](テテニス・ドゥガチ)
 
:実の娘。「医者はそう言っていた」程度の認識しか無く、政略結婚の妻と同じく温厚な性格であることからそれと重ねて憎悪していた一方で、彼女に教えていた地球人の知識がデタラメだったことを責められた際には言葉を詰まらせており、[[エレゴレラ]]に乗せた際に「生身だったら情に流されていたかもしれない」と考えているなど娘への愛情も抱いていたように見える。木星の重役を含め帝国国民からは人気が高かったことからそれは利用しており、『鋼鉄の七人』ではトビアに奪還された後は海賊に殺されたことにして国民の海賊に対する敵意を煽っていた模様。
 
:実の娘。「医者はそう言っていた」程度の認識しか無く、政略結婚の妻と同じく温厚な性格であることからそれと重ねて憎悪していた一方で、彼女に教えていた地球人の知識がデタラメだったことを責められた際には言葉を詰まらせており、[[エレゴレラ]]に乗せた際に「生身だったら情に流されていたかもしれない」と考えているなど娘への愛情も抱いていたように見える。木星の重役を含め帝国国民からは人気が高かったことからそれは利用しており、『鋼鉄の七人』ではトビアに奪還された後は海賊に殺されたことにして国民の海賊に対する敵意を煽っていた模様。
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;「このわしが生身であったなら、情に流されて止めさせることもできたのかもしれぬが…」<br/>「わしは純粋なドゥガチの思考体であり…ドゥガチが心の奥深くでそう望んでいたのも確かなのだ!」<br/>「―――おまえは…母ににすぎている…」<br/>「わしは討ち滅ぼさねばならぬにおいをひきずりすぎているのだ!」
 
;「このわしが生身であったなら、情に流されて止めさせることもできたのかもしれぬが…」<br/>「わしは純粋なドゥガチの思考体であり…ドゥガチが心の奥深くでそう望んでいたのも確かなのだ!」<br/>「―――おまえは…母ににすぎている…」<br/>「わしは討ち滅ぼさねばならぬにおいをひきずりすぎているのだ!」
 
:テテニスをエレゴレラに乗せた際のモノローグ。地味に'''「生身だったらテテニスの説得に折れていたかもしれない」'''と考えており、(少なくともかつては)娘への情はあった模様。ついでに妻へのこだわりが強すぎるのもこの時点で認めている。
 
:テテニスをエレゴレラに乗せた際のモノローグ。地味に'''「生身だったらテテニスの説得に折れていたかもしれない」'''と考えており、(少なくともかつては)娘への情はあった模様。ついでに妻へのこだわりが強すぎるのもこの時点で認めている。
;トビア「ベルナデットは返してもらう――いや――!」<br/>ドゥガチ「貴様の…ものでも…あるまい…!」<br/>トビア「そうだな…ならば海賊らしく…!『頂いてゆく!』」
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;「貴様の…ものでも…あるまい…!」
:ベルナデットを巡るやり取り。全然惜しむ気など無い癖にいけしゃあしゃあと吐いてのける。ただし、ベルナデット自身はこの行為を「わざと自分を逃すためにやったことなのではないか」と解釈していた。一応前述の通りかつては娘への愛情があったこともあり、この返答も「曲がりなりにも一応親である以上娘の保護者なのだから、'''家族でもない赤の他人から『返してもらう』と言われるのはおかしい」「そんなに欲しいものなら力ずくで奪っていけ」'''と指摘している事にはなるため、ベルナデットの意見もあながち的外れな考察でもないのだが、この時のドゥガチがそこまで娘を思いやれるだけの感情があったかはわからない。ただし、トビアはベルナデットを気遣ってか「(ドゥガチがどんな人かは分からないが)最も近くにいた人間である君の信じることが一番近いことだと思う」と述べている。
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:トビアから「ベルナデットは返してもらう」と啖呵を切られて。全然惜しむ気など無い癖にいけしゃあしゃあと吐いてのける。もっとも「家族でもない赤の他人から『返してもらう』と言われるのはおかしい」と言われればそれまでだが。
:『第2次α』ではトビアの台詞も合わせて[[DVE]]で収録されている。
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:ちなみに、ベルナデット自身はこの行為を「わざと自分を逃すためにやったことなのではないか」と解釈していた。<ref>一応前述の通りかつては娘への愛情があったこともあり、ベルナデットの意見もあながち的外れな考察でもないのだが、この時のドゥガチがそこまで娘を思いやれるだけの感情があったかはわからない。ただし、トビアはベルナデットを気遣ってか「(ドゥガチがどんな人かは分からないが)最も近くにいた人間である君の信じることが一番近いことだと思う」と述べている。</ref>
;「貴様!貴様ごときに何がわかる!わしは……わしはたったひとりで木星圏を大きくしてきたのだぞ!たった……ひとりでだ!何もない世界を!吸う空気でさえ作り出さねばならぬ世界を!70猶予年をかけて人の住処に変えてきたのだぞ!それを……地球連邦は地球の周りでぬくぬくとしていた連中は何をしてくれた!?水を切りつめ、喰い物を切りつめ、欲しいときには何もよこさなかったくせに!ようやくどうにか木星圏が自立できるようになって『国』と言えるほどの力を持てるようになると奴らはわしに政略結婚を申し出おった!」<br/>「齡80歳に手の届く老人に地球の良家の娘をくれてやるからと、これで地球とは親類だから仲良くしましょうと言いおった……。尻尾を触れと言われたのだぞ!わかるか!?この屈辱が!?」
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;「貴様!貴様ごときに何がわかる!わしは……わしはたったひとりで木星圏を大きくしてきたのだぞ!たった……ひとりでだ!何もない世界を!吸う空気でさえ作り出さねばならぬ世界を!70猶予年をかけて人の住処に変えてきたのだぞ!それを……地球連邦は地球の周りでぬくぬくとしていた連中は何をしてくれた!?水を切りつめ、喰い物を切りつめ、欲しいときには何もよこさなかったくせに!ようやくどうにか木星圏が自立できるようになって『国』と言えるほどの力を持てるようになると奴らはわしに政略結婚を申し出おった!」<br/>「齡80歳に手の届く老人に地球の良家の娘をくれてやるからと、これで地球とは親類だから仲良くしましょうと言いおった……。尻尾を振れと言われたのだぞ!わかるか!?この屈辱が!?」
:最終決戦時にトビアから地球を狙う理由を問われて。「過酷な環境を開拓する中でこちらからの支援を蹴り続けた癖に、いざ国レベルまで発展した事が解るとドゥガチ死後の木星圏支配の為だと見え透いた政略結婚をされた」という、ドゥガチが地球連邦を恨む根本的原因が凝縮されている。木星圏開拓に生涯を捧げてきた実績は最早ドゥガチの生きる糧であり、人生を賭けた事業だったと言って間違いなかった<ref>事実若い頃のドゥガチは発展途上の木星圏を目に満足気な笑みをたたえているシーンがある。</ref>。それを今更感丸出しで、しかも逆撫でするような形で肯定する対応をされれば地球連邦を恨むのも無理はないだろう<ref>現にドゥガチからしてみれば地球生まれの若い女との結婚など、老い先短い自分の死後、「元総統の妻」という体裁を盾に連邦が木星を体よく支配する口実にすることは明白であり、それまで連邦側からは何の支援もしてくれなかったことも鑑みると、地球連邦へ抱く恨みと危機感は並大抵のものではないのである。</ref>
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:最終決戦時にトビアから地球を狙う理由を問われて。早い話が「'''散々こちらからの支援を蹴り続けた癖に、いざ国レベルまで発展した事が解るとドゥガチ死後の木星圏支配の為だと見え透いた政略結婚をされた'''」という事である。
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:木星圏開拓に生涯を捧げてきた実績は最早ドゥガチの生きる糧であり、人生を賭けた事業だったと言って間違いなかった<ref>事実若い頃のドゥガチは発展途上の木星圏を目に満足気な笑みをたたえている。</ref>。それを今更感丸出しで、しかも逆撫でするような形で肯定する対応をされれば地球連邦を恨むのも無理はないだろう。
 
:しかしそれだけなら「地球を滅ぼす」などと短絡的な行動に走らず、連邦の姿勢云々や木星圏への環境・待遇改善等を主張すればよかったはずだが……彼が凶行に走った理由は連邦への憎悪だけではなかった。
 
:しかしそれだけなら「地球を滅ぼす」などと短絡的な行動に走らず、連邦の姿勢云々や木星圏への環境・待遇改善等を主張すればよかったはずだが……彼が凶行に走った理由は連邦への憎悪だけではなかった。
 
;「さあ?医者はそうだと保証しておったがな。あるいはあやつが卑しい女であれば、あやつだけ憎んでおればそれで済んだのかも知れん」<br/>「だがあれは優しい女だったのだ。優しさを!豊かな土地で育った者にしか無い自然な心の余裕を見せ付けられるたびに、わしがわし自身をどれほどみじめに思ったか!それはわしの造って来た世界を!わしの全てを否定されるに等しかったのだ。きさまにわかるか?」
 
;「さあ?医者はそうだと保証しておったがな。あるいはあやつが卑しい女であれば、あやつだけ憎んでおればそれで済んだのかも知れん」<br/>「だがあれは優しい女だったのだ。優しさを!豊かな土地で育った者にしか無い自然な心の余裕を見せ付けられるたびに、わしがわし自身をどれほどみじめに思ったか!それはわしの造って来た世界を!わしの全てを否定されるに等しかったのだ。きさまにわかるか?」
:上記台詞の続き。トビアに「だけどベルナデットはその人との間の子なんだろう?」と問われて。
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:上記台詞の後、トビアに「だけどベルナデットはその人との間の子なんだろう?」と問われて。
:ここに来て地球滅亡を目論む真意が明かされる。それは「地球から政略結婚で来た妻がまるで地球の豊かさを体現したような心優しい女性だったために、恵まれた土地への嫉妬や木星の不毛さ=自分の無価値さを刺激させられたから。なまじ妻ができた存在なだけに直接彼女を迫害して憂さ晴らしすることもできず、鬱屈した感情を地球へ向けた」というあまりにも自己本位かつ八つ当たりに等しい理由であり、トビアを愕然とさせた。
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:ここに来て地球滅亡を目論む真意が「地球から政略結婚で来た妻がなまじ妻ができた存在なだけに直接彼女を迫害して憂さ晴らしすることもできず、鬱屈した感情を地球へ向けた」というあまりにも自己本位かつ八つ当たりに等しい理由であり、トビアを愕然とさせた。
:一方で妻自身に対しては虐待など直接危害を加える真似はしておらず、むしろ彼女の優しさを認めてすらいるところにドゥガチの妻に対する複雑な想いが見て取れる。『第2次α』ではそんな彼の心境をキンケドゥやアムロが「なぜ人の心の優しさを素直に受け止められないのか」と非難し、ベラは「愛ゆえの憎しみ」と表現している。
   
;「だから…わしは滅ぼすのだよ。わしを否定しようとする全てを!そして…世界の全てを木星と同じにしてやるのだよ!」<br/>「そうだとも!真の人類の未来?地球不要論!?そんなものは言葉の飾りだっ!わしが真に願ってやまぬものは唯ひとつ!紅蓮の炎に焼かれて消える地球そのものだーっ!」
 
;「だから…わしは滅ぼすのだよ。わしを否定しようとする全てを!そして…世界の全てを木星と同じにしてやるのだよ!」<br/>「そうだとも!真の人類の未来?地球不要論!?そんなものは言葉の飾りだっ!わしが真に願ってやまぬものは唯ひとつ!紅蓮の炎に焼かれて消える地球そのものだーっ!」
 
:上記に続きトビアとの戦いの最中ディビニダドに搭載された10基の[[核ミサイル]]を斉射しようとした際の台詞。
 
:上記に続きトビアとの戦いの最中ディビニダドに搭載された10基の[[核ミサイル]]を斉射しようとした際の台詞。
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