53行目: |
53行目: |
| キオ編以降における度重なるヴェイガン殲滅発言が視聴者の強い印象に残ってしまったのか、[[ガンダムシリーズ]]は勿論ロボットアニメにおいても数少ない[[主人公]]でありながら「殲滅至上主義者」というその特異のキャラクター性が、特に語り草となっている。それ故に、[[パトリック・ザラ]]や[[ミツヒロ・バートランド]]、終いには[[三輪防人]]といった他作品の主人公達と敵対・対立する立場にある醜悪に歪んだ過激思想を持った人物達の同類と見做されてしまいがちな傾向もある。<ref>実際、『[[機動戦士ガンダムAGE]]』が『[[スーパーロボット大戦BX]]』への参戦が決まった際に、ユーザーから「フリットの殲滅思考が過剰に強調されてしまうのではないか?」と懸念もされた程であった。</ref> | | キオ編以降における度重なるヴェイガン殲滅発言が視聴者の強い印象に残ってしまったのか、[[ガンダムシリーズ]]は勿論ロボットアニメにおいても数少ない[[主人公]]でありながら「殲滅至上主義者」というその特異のキャラクター性が、特に語り草となっている。それ故に、[[パトリック・ザラ]]や[[ミツヒロ・バートランド]]、終いには[[三輪防人]]といった他作品の主人公達と敵対・対立する立場にある醜悪に歪んだ過激思想を持った人物達の同類と見做されてしまいがちな傾向もある。<ref>実際、『[[機動戦士ガンダムAGE]]』が『[[スーパーロボット大戦BX]]』への参戦が決まった際に、ユーザーから「フリットの殲滅思考が過剰に強調されてしまうのではないか?」と懸念もされた程であった。</ref> |
| | | |
− | しかしながら、フリットがヴェイガンに対しての過激なまでの殲滅思想を抱くようになった背景には、彼が幼少期からの悲劇的な経験を多く得た事も関係している。すなわち、フリットの殲滅思想は、大切な人々をヴェイガンの襲撃から守りきることができなかった事に対する後悔の念に端を発するものであり、その悲劇を繰り返させまいとする強い決意と責任感の表れでもあった。<ref>ちなみに、フリットが抱く「人類を守る救世主にならなければならない」という使命感もまた、既述した彼自身の悲劇的な経験に由来するものである。このフリットの純粋な願望は、自身を救世主だと称した[[リボンズ・アルマーク]]の様な傲慢な意思とは全く無縁なものであった。</ref><ref>また、(少年期に親しい人々の命を[[ヴェイガン]]から奪われてもなお)フリットは「アセム編後半あたりまではヴェイガンとの和平を目指していた」という設定もある。そんなフリットが極端な殲滅思想を抱くまでに至った原因を作ったのは、[[フェザール・イゼルカント|イゼルカント]]によるところが大きい。</ref> | + | しかしながら、フリットがヴェイガンに対しての過激なまでの殲滅思想を抱くようになった背景には、彼が幼少期からの悲劇的な経験を多く得た事も関係している。すなわち、フリットの殲滅思想は、大切な人々をヴェイガンの襲撃から守りきることができなかった事に対する後悔の念に端を発するものであり、その悲劇を繰り返させまいとする強い決意と責任感の表れでもあった。<ref>ちなみに、フリットが抱く「人類を守る救世主にならなければならない」という使命感もまた、既述した彼自身の悲劇的な経験に由来するものである。このフリットの純粋な願望は、自身を救世主だと称した[[リボンズ・アルマーク]]の様な傲慢な意思とは全く無縁なものであった。</ref><ref>また、(少年期に親しい人々の命を[[ヴェイガン]]から奪われてもなお)フリットは「アセム編後半あたりまではヴェイガンとの和平を目指していた」という設定もある。そんなフリットが極端な殲滅思想を抱くまでに至った原因を作ったのは、[[フェザール・イゼルカント]]によるところが大きい。</ref> |
| | | |
| そして、何よりも'''フリットは口でこそ過激な発言をするものの、人としてあるべき心をも失った上記の面々と違って人としての良心も強く残しており、実際に一線を越えてしまった事は全く無い'''点を留意すべきであろう。ただし、本当に一線を越えようとしてキオら他の人々に水を差されて不発に終わったこともあるため、「自分を止めてくれる人がいてくれたから外道に堕ちずに済んだ」という解釈も捨てきれない。そういう点では「多くの悲劇を経験したが、得難い人々に恵まれもした男」であったとも言える。 | | そして、何よりも'''フリットは口でこそ過激な発言をするものの、人としてあるべき心をも失った上記の面々と違って人としての良心も強く残しており、実際に一線を越えてしまった事は全く無い'''点を留意すべきであろう。ただし、本当に一線を越えようとしてキオら他の人々に水を差されて不発に終わったこともあるため、「自分を止めてくれる人がいてくれたから外道に堕ちずに済んだ」という解釈も捨てきれない。そういう点では「多くの悲劇を経験したが、得難い人々に恵まれもした男」であったとも言える。 |
180行目: |
180行目: |
| === [[ガンダムシリーズ]] === | | === [[ガンダムシリーズ]] === |
| ;[[ブライト・ノア]] | | ;[[ブライト・ノア]] |
− | :『[[スーパーロボット大戦BX|BX]]』ではかつての部下。彼とは強い信頼関係にあり、中盤に再会した際、彼とバナージを引き合わせる。 | + | :『[[スーパーロボット大戦BX|BX]]』では、かつての部下。ブライトとは強い信頼関係にあり、中盤に再会した際、彼とバナージを引き合わせる。 |
| ;[[カイ・シデン]] | | ;[[カイ・シデン]] |
| :『BX』では[[第1次ネオ・ジオン抗争]]以来の旧知の仲で、協力者。 | | :『BX』では[[第1次ネオ・ジオン抗争]]以来の旧知の仲で、協力者。 |
| ;[[バナージ・リンクス]] | | ;[[バナージ・リンクス]] |
− | :『BX』ではロストロウラン戦の直後に戦いに悩み苦しむ彼を気遣い、彼をブライトと引き合わせる。 | + | :『BX』ではロストロウラン戦の直後に戦いに悩み苦しむバナージを気遣い、彼をブライトと引き合わせる。 |
| ;[[オットー・ミタス]] | | ;[[オットー・ミタス]] |
| :『BX』では[[ブライティクス|自軍部隊]]の[[まとめ役|首脳陣]]仲間の一人で、ジェフリーやアズベスらも交えて共に何度か酒を酌み交わし、語らう場面も。 | | :『BX』では[[ブライティクス|自軍部隊]]の[[まとめ役|首脳陣]]仲間の一人で、ジェフリーやアズベスらも交えて共に何度か酒を酌み交わし、語らう場面も。 |
| ;[[マリーダ・クルス]] | | ;[[マリーダ・クルス]] |
− | :『BX』では[[ビスト財団]]に洗脳され操り人形にされた彼女の実情を知った事で、第25話ではいち早く[[バンシィ|彼女の機体]]を停止させて彼女を救う事を提案する。 | + | :『BX』ではビスト財団に洗脳され操り人形にされた彼女の実情を知った事で、第25話ではいち早く[[バンシィ|彼女の機体]]を停止させて彼女を救う事を提案する。 |
| ;[[オードリー・バーン]]([[ミネバ・ラオ・ザビ]]) | | ;[[オードリー・バーン]]([[ミネバ・ラオ・ザビ]]) |
| :『BX』では[[ラプラスの箱]]の開示後、彼女から[[サイアム・ビスト|サイアム]]が遺言で伝えた銀の杯条約以前の技術や[[EXA-DB]]の一端の真実を告げられると共に、自身の[[正義]]と[[理想]]に歪みがあることを指摘される。 | | :『BX』では[[ラプラスの箱]]の開示後、彼女から[[サイアム・ビスト|サイアム]]が遺言で伝えた銀の杯条約以前の技術や[[EXA-DB]]の一端の真実を告げられると共に、自身の[[正義]]と[[理想]]に歪みがあることを指摘される。 |
206行目: |
206行目: |
| === リアル系 === | | === リアル系 === |
| ;[[ジェフリー・ワイルダー]] | | ;[[ジェフリー・ワイルダー]] |
− | :『[[スーパーロボット大戦BX|BX]]』では旧知の戦友でかつては同じ部隊で共に戦った過去を持つ。 | + | :『[[スーパーロボット大戦BX|BX]]』では旧知の戦友で、かつては同じ部隊で共に戦った過去を持つ。 |
| ;[[アズベス]] | | ;[[アズベス]] |
| :『BX』では関わる場面も多く、互いに敬意を表している。 | | :『BX』では関わる場面も多く、互いに敬意を表している。 |
215行目: |
215行目: |
| :『BX』では地球連邦軍の改革派に属し、自身の支持者の一人である。 | | :『BX』では地球連邦軍の改革派に属し、自身の支持者の一人である。 |
| ;[[草壁春樹]] | | ;[[草壁春樹]] |
− | :『BX』ではイゼルカントの同盟者であり、自身の歪んだ正義のために姦計を弄する彼に激怒する。 | + | :『BX』ではイゼルカントの同盟者であり、自身の歪んだ正義のために姦計を弄する草壁に激怒する。 |
| | | |
| === スーパー系 === | | === スーパー系 === |
| ;[[獅子王凱]] | | ;[[獅子王凱]] |
− | :『BX』では初対面時にオリバーノーツでの戦いでゼハートを撃退するためにあえて強硬な策をとったことに関して彼から難色を示されたが、直後にフリットの人間性の本質を悟った彼からも信頼を得る。 | + | :『BX』では初対面時にオリバーノーツでの戦いでゼハートを撃退するためにあえて強硬な策をとったことに関して凱から難色を示されたが、直後にフリットの人間性の本質を悟った凱からも信頼を得る。 |
| ;[[篠田俊太郎]]、[[姫木るる子]] | | ;[[篠田俊太郎]]、[[姫木るる子]] |
| :『[[スーパーロボット大戦BX|BX]]』では序盤に彼らの直談判を受け入れ、[[地球防衛組]]と[[ブライティクス|自軍部隊]]への同行を認める。 | | :『[[スーパーロボット大戦BX|BX]]』では序盤に彼らの直談判を受け入れ、[[地球防衛組]]と[[ブライティクス|自軍部隊]]への同行を認める。 |
313行目: |
313行目: |
| :小説版第5巻より。火星圏から帰還し、ヴェイガンの実情を知った孫・キオに対して。 | | :小説版第5巻より。火星圏から帰還し、ヴェイガンの実情を知った孫・キオに対して。 |
| :そして、かの民達を「自分達の苦境に甘え、意志決定をイゼルカントという独裁者に投げ出した無責任な人々」と断じ、改めて殲滅の意志を固めつつそれをキオにも語る。 | | :そして、かの民達を「自分達の苦境に甘え、意志決定をイゼルカントという独裁者に投げ出した無責任な人々」と断じ、改めて殲滅の意志を固めつつそれをキオにも語る。 |
− | :「『根絶やしにすべきなのは、人々ではなく誤った思想である』と語りながら、結局はその思想の持ち主である人々の殲滅を意図する」という老フリットの心の歪みを象徴する台詞である。 | + | :「『根絶やしにすべきなのは、人々ではなく誤った思想である』と語りながら、結局はその思想の持ち主である人々の殲滅を意図する」という老フリットの矛盾および心の歪みを象徴する台詞である。 |
| ;ファルシア……! 殺人を強要されたユリン・ルシェルを縛ったモビルスーツ、それを今また私の孫に向けてくる、その歪みきった精神性! やはりきゃつらは根絶やしにせねばならん……! | | ;ファルシア……! 殺人を強要されたユリン・ルシェルを縛ったモビルスーツ、それを今また私の孫に向けてくる、その歪みきった精神性! やはりきゃつらは根絶やしにせねばならん……! |
| :同第5巻において[[フォーンファルシア]]の姿を初めて目の当たりにしての地の文での台詞。フリットにとって因縁のある機体のためか、憎悪を露わにした。 | | :同第5巻において[[フォーンファルシア]]の姿を初めて目の当たりにしての地の文での台詞。フリットにとって因縁のある機体のためか、憎悪を露わにした。 |