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== 使徒(Angel) ==

=== 一般 ===
主としてキリスト教、及びイスラム教で用いられる語。[[日本]]ではイスラム教に馴染みが薄いため、「使徒」といえば一般にキリスト教のそれを指す。その意味に則って言えば、狭義にはイエスがその教えを世に伝えるために地上に残した12人の弟子(所謂「十二使徒」)を、広義には宣教師全般を意味する。軽々しく使える言葉ではなく、ある程度重要な役割を果たした人物に対して用いることが多いようである。

なお、使徒と呼ばれる敵性体が登場する作品『[[新世紀エヴァンゲリオン]]』(同作における「使徒」の詳細は後述)の影響により、この言葉が「[[天使]]」として捉えられることも多くなっている(エヴァンゲリオンの「使徒」の英訳も「Angel」である)が、上記の点からも明らかな通り、本来は天使を指して用いる言葉ではないため注意。また、天使の名前が採用されているとされる同作の敵性体の個体名についても、[[第1使徒アダム|アダム]]、[[第2使徒リリス|リリス]]、リリン以外の個体については、旧約聖書の所謂偽典である「エノク書」に登場する天使の名前が採用されている。この為、一般に流通している旧約聖書にはこれらの敵性体の名称は一切登場しない。

=== 使徒([[新世紀エヴァンゲリオン]]) ===
『[[新世紀エヴァンゲリオン]]』に登場する敵。

一様に[[ネルフ]]の[[第3新東京市]]の地下を目指して侵攻する謎の存在。<br />
SF作品の怪獣的なフォルムを持つ物から、微生物、光源体、そして人間体と様々な形態を取るものがいる。その全てが[[A.T.フィールド]]と呼ばれる[[バリア]]に身を包んでおり、現用の兵器では手傷を負わせることはできない。唯一対抗できる存在が[[人造人間]]「[[エヴァンゲリオン]]」である。

その正体については謎が多く、全てが明らかになったのは番組終了後暫く経ってからである。

彼らの正体は[[南極]]の地下にある「[[第一始祖民族]]」が生み出した「[[白き月]]」より生まれた、別個体としての「人間」である。元々は白き月から生まれた彼らが地上に栄えるはずであったが、何らかの理由で活動を休止。代わりに地上には「[[黒き月]]」より生まれた原始生命の末裔たる使徒…即ち、現人類が栄えた。白き月の民は永遠の命を、黒き月の民(=人間)は永遠の命と引き換えに食した「知恵の実」の力により、知恵・心を持つ存在である。

時は流れ1999年、葛城博士([[葛城ミサト]]の父)率いる調査団による南極調査の過程で、白き月と、そこに眠っていた第1使徒「[[第1使徒アダム|アダム]]」を目覚めさせてしまった。このままでは他の使徒まで目覚めさせることになると考えた一行は、[[第1使徒アダム|アダム]]を卵の状態に戻そうと試みるが、その過程で暴走、副産物のエネルギーの余波により南極大陸は消滅した。これが「[[セカンドインパクト]]」である。

しかしそれから15年、使徒は目覚め、[[第3新東京市]]を襲撃する。これは[[第3新東京市]]の地下
に幽閉されている「[[第1使徒アダム|アダム]]」と融合することによって「[[サードインパクト]]」を引き起こし、[[黒き月]]の民である人類を滅亡させるためであった(実際、[[第1使徒アダム|アダム]]は[[セカンドインパクト]]の発生後に胎児の状態にまで退行し、それは加持によって[[ネルフ]]本部へ届けられていた。しかし[[渚カヲル|カヲル]]曰く、[[ジオフロント]]に幽閉されていたのは[[第1使徒アダム|アダム]]ではなく、黒き月の民の始祖「[[第2使徒リリス|リリス]]」であった)。即ち、使徒と[[EVA]]の戦いとは、「[[白き月]]」より生まれた使徒と呼ばれる人類と、「[[黒き月]]」より生まれた現人類との種族間の闘争であった。

この事実を知るものは「[[死海文書]]」と呼ばれる預言書の存在を知るもののみである。彼らは使徒が単独で襲ってくること、及びそのスケジュールも把握しており(この辺りの詳細は未だ不明)、最終的には[[ゼーレ]]が自ら送り込んだ最後の使徒「[[渚カヲル]]」の消滅によって使徒の殲滅に成功、スケジュールは完遂された。

=== 原作に登場する使徒 ===

==== [[新世紀エヴァンゲリオン]] ====
サンダルフォン、サハクィエル、イロウル、レリエル、アラエルはSRW未登場。

;[[第1使徒アダム|アダム]](第一使徒)
:人類が確認した最初の使徒。その後卵の状態に戻され、特殊ベークライトで固めて封印されていた。ビデオ版24話の追加シーンにて[[碇ゲンドウ]]の左手に寄生している姿が確認できる。TV版では寄生の過程は描かれていないが、漫画版では何と'''ゲンドウが胎児状のアダムを食べる'''場面が描かれている。
;[[第2使徒リリス|リリス]](第二使徒)
:第二の使徒。人類の祖先でもある。魂は[[綾波レイ]]に移植され、体はネルフ本部の地下に、[[ロンギヌスの槍]]で封印されていた。
;[[第3使徒サキエル|サキエル]](第三使徒)
:第1話で登場。最初に[[ネルフ]]に侵攻した使徒。[[EVA初号機]]により殲滅。
;[[第4使徒シャムシェル|シャムシェル]](第四使徒)
:二番目に侵攻した使徒。[[EVA初号機]]により殲滅。爆発する事なく原型を留めた状態で回収される。
;[[第5使徒ラミエル|ラミエル]](第五使徒)
:正八面体の形をしている。[[EVA初号機]]の長距離射撃により殲滅。鳴き声(?)は非常に印象的。
;[[第6使徒ガギエル|ガギエル]](第六使徒)
:魚類のように海を泳ぐ。[[EVA弐号機]]により対艦砲の攻撃で殲滅。
;[[第7使徒イスラフェル|イスラフェル]](第七使徒)
:分離型使徒。[[EVA初号機]]と[[EVA弐号機]]の同時攻撃により殲滅。
;サンダルフォン(第八使徒)
:浅間山のマグマ層に卵の状態で眠っていたが、目覚めた。[[EVA弐号機]]により殲滅。
;[[第9使徒マトリエル|マトリエル]](第九使徒)
:蜘蛛型使徒。[[EVA]]のライフル一斉射により殲滅。
;サハクィエル(第十使徒)
:自らの身体を質量爆弾とし、[[第3新東京市]]に投下を行ったが、[[EVA]]3機により殲滅。
;イロウル(第十一使徒)
:細菌、あるいはコンピュータのような使徒(基本は不定形だが、コンピュータ回路の様な形態に変化した)。MAGIシステムをハッキングしてネルフ本部を自爆させようとしたが、自立自壊プログラムを送り込まれて消滅。[[EVA]]以外で倒した使徒でもある。
;レリエル(第十二使徒)
:球体型使徒。実際は球体の影の中に広がる虚数空間が本体(つまり球体自体が立体的な影である)。[[EVA初号機]]により殲滅。
;[[第13使徒バルディエル|バルディエル]](第十三使徒)
:粘菌型使徒。[[EVA3号機]]を乗っ取ったが、[[EVA初号機]]により殲滅。
;[[第14使徒ゼルエル|ゼルエル]](第十四使徒)
:[[EVA弐号機]]と[[EVA零号機]]を倒すが、[[EVA初号機]]により捕食された。
;アラエル(第十五使徒)
:巨大な光の鳥のような使徒。成層圏から[[EVA弐号機]]のパイロットの心を探るが、[[EVA零号機]]の[[ロンギヌスの槍]]によって殲滅。
;[[第16使徒アルミサエル|アルミサエル]](第十六使徒)
:紐のような形状の使徒。[[EVA零号機]]と融合し、パイロットの心を探るが、零号機の[[自爆]]で殲滅。
;[[第17使徒タブリス|タブリス]](第十七使徒)
:人型使徒。「'''[[渚カヲル]]'''」と呼ばれる人間として侵攻するが、[[EVA初号機]]により握り潰された。
;リリン(第十八使徒)
:リリスから生まれた原始生命の進化の先に位置する現人類。つまり、[[碇シンジ|シンジ]]達(さらに言えば地球上の生命全般)も実質的には使徒である。

==== [[ヱヴァンゲリヲン新劇場版]] ====
;第2の使徒
:旧世紀版のリリスに相当。
;第3の使徒
:新劇にて新登場。デザインは鬼頭莫広氏。
;第4の使徒
:旧世紀版のサキエルに相当。
;第5の使徒
:旧世紀版のシャムシェルに相当。
;第6の使徒
:旧世紀版のラミエルに相当。旧世紀版とは違い驚異的な変形をする。
;[[第7の使徒]]
:新劇にて新登場。
;第8の使徒
:旧世紀版のサハクィエルに相当。
;第9の使徒
:旧世紀版のバルディエルに相当。
;第10の使徒
:旧世紀版のゼルエルに相当。

== 関連する用語 ==
;[[A.T.フィールド]]
:直訳すると「絶対恐怖領域」。心の壁とも言うべきもの。使徒とEVAのものは[[バリア]]として作用し、現用兵器による攻撃がほぼ通用しない。
;[[S2機関]]
:「スーパーソレノイド機関」。電子エネルギーを対消滅させることで半永久機関として活動する。使徒の心臓にあたる器官。
;コア
:使徒の命を封じたもの。使徒の頭脳にあたる器官。[[S2機関]]と混同されやすいが別。
;[[ロンギヌスの槍]]
:SRWにおいては武器として使用される事が多いが、厳密には[[S2機関]]制御装置であり、「生命」以外にどの程度の効力があるかは不明。
;[[第一始祖民族]]
:「[[黒き月]]」と「[[白き月]]」の創造した人類。

== シリーズ ==

=== 旧シリーズ ===
;[[スーパーロボット大戦F]]([[スーパーロボット大戦F完結編|F完結編]])
:登場順は意外とバラバラ。発売当初は使徒の詳細設定は不明だったため、単なる「怪獣」扱いであった。バッドルートでは以前倒した使徒([[第6使徒ガギエル|ガギエル]]除く)が復活する。数値はさほど変わっていないが味方が攻撃力過多なユニットだらけなので蹴散らされる運命。

=== [[αシリーズ]] ===
;[[スーパーロボット大戦α]]
:原作再現が進んだこともあり、未登場使徒を除けば原作の登場順に沿った順番で登場する。こちらもほぼ「怪獣」扱いだが、[[死海文書]]が方々に流出しているようで、[[EVA]]と使徒について意味深発言をする者多数。[[第3次α]]に繋がる裏設定はこの時点で確定していた可能性はある。なお、[[α]]では「サハクィエル」の代わりに[[マスドライバー]]で打ち出された物体を3機で受け止めるイベントや「アラエル」と「アルミサエル」の役割を、[[アンティノラ]]に乗った[[ユーゼス・ゴッツォ]]が同時に果たしている。なお、αでは[[宇宙怪獣]]と似た姿に対して、宇宙怪獣と似た姿になる事で災厄を逃れたという仮説がある。
;[[スーパーロボット大戦α for Dreamcast]]
:追加ルートにより、[[碇ゲンドウ]]が断片的に使徒の正体を語った。
;[[第3次スーパーロボット大戦α]]
:[[MX]]と同じであるが、原作設定が[[αシリーズ]]に組み込まれていたことが明らかに。[[第一始祖民族]]の思念体が「[[アポカリュプシス]]」を引き起こしたというオリジナル展開となった。敵としては[[第5使徒ラミエル|ラミエル]]、[[第16使徒アルミサエル|アルミサエル]]、[[第14使徒ゼルエル|ゼルエル]]といずれも原作中では特に強敵として表現されていたモノが登場するが、いずれも中ボスクラスの凡庸な能力しかない。

=== 携帯機シリーズ ===
;[[スーパーロボット大戦L]]
:プレイヤーが戦闘できるのは第4~7の使徒のみで、第3、8の使徒はイベントによって倒される。第9、10の使徒は「あまりにも世界が歪み過ぎた」との理由で現れず、人類補完計画が頓挫した後は、使徒についての詳細はほぼ語られることは無い。

=== Scramble Commanderシリーズ ===
;[[スーパーロボット大戦Scramble Commander]]
:シャムシェルまでは倒しているが、ゼルエルはまだという状態から始まる。

=== 単独作品 ===
;[[スーパーロボット大戦MX]]
:遂にSRWにおいて使徒の詳細が明らかとなった。また、オリジナル展開として「欠番」使徒が作られた。

== メモ ==
富士見文庫から出版された『新世紀エヴァンゲリオンRPG 決戦!第3新東京市』においては、「数えられぬ使徒(ロスト・ナンバーズ)」と総称される、上記のリストに該当しないオリジナル使徒が登場している。
;アドヴァキエル
:水母型使徒。触手を生かした肉弾攻撃のほか、高圧エネルギー弾を発射する。
;ゼフォン
:人型使徒。強力な陽子エネルギー砲を有する。
;アタリブ
:人型使徒。自身の周囲に冷気フィールドを展開する能力を持つ。
;アズラエル
:異形型使徒。重力を操って攻撃を行う。

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