28行目: |
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| *「偽りの黒羊」は「いがみ合う双子」の相反する感情を偽って無力化する | | *「偽りの黒羊」は「いがみ合う双子」の相反する感情を偽って無力化する |
| *「悲しみの乙女」は「怨嗟の魔蠍」の憎しみを悲しみで包み、癒す | | *「悲しみの乙女」は「怨嗟の魔蠍」の憎しみを悲しみで包み、癒す |
− | *「揺れる天秤」は「沈黙の巨蟹」の虚無を強い意思で乱す
| |
| *「傷だらけの獅子」は「欲深な金牛」の与える痛みに耐えることで互いの力を高める | | *「傷だらけの獅子」は「欲深な金牛」の与える痛みに耐えることで互いの力を高める |
| *「尽きぬ水瓶」は「揺れる天秤」の強い意思に触れることでその慈愛を深める | | *「尽きぬ水瓶」は「揺れる天秤」の強い意思に触れることでその慈愛を深める |
| + | |
| + | また、これ以外に「揺れる天秤」が「沈黙の巨蟹」に強いと推測されているが、尸空が苦手としていたのはクロウの意志であり、「スフィアは関係なくお前が気に入らない」と述べていた。そのため、相性がよいのか悪いのかどちらでもないのか不明。 |
| | | |
| === ルーツ === | | === ルーツ === |
61行目: |
62行目: |
| 反作用の内容だけなら一番安全であり、極まると己の死すらも嘘に出来るため、生存性もかなり高い。 | | 反作用の内容だけなら一番安全であり、極まると己の死すらも嘘に出来るため、生存性もかなり高い。 |
| スフィア・アクトを発現すると目の前の現実すらも偽ることが出来、再世戦争では実体を持った分身を多数出現させていた。 | | スフィア・アクトを発現すると目の前の現実すらも偽ることが出来、再世戦争では実体を持った分身を多数出現させていた。 |
| + | |
| + | 対極となる「揺れる天秤」に対し、このスフィアの力は「'''己を偽る力'''」と言える。 |
| + | |
| + | 洗礼名は不明だが、守護天使の名前はマルキダエル。 |
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| ;牡羊座(アリエス) | | ;牡羊座(アリエス) |
86行目: |
91行目: |
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| スフィア・アクトは他者の力を奪い取ること。機動兵器での戦闘では相手の機体のエネルギーを強制的に低下させるという形で現れる。そのため、「欲望のままに奪う」このスフィアは、「奪われる痛みに耐える」傷だらけの獅子との相性が良く、ぶつかると互いに力を上昇させる。 | | スフィア・アクトは他者の力を奪い取ること。機動兵器での戦闘では相手の機体のエネルギーを強制的に低下させるという形で現れる。そのため、「欲望のままに奪う」このスフィアは、「奪われる痛みに耐える」傷だらけの獅子との相性が良く、ぶつかると互いに力を上昇させる。 |
| + | |
| + | 他者の力を欲望のままに奪うこのスフィアの力は、反対の位置の「怨嗟の魔蠍」に対し「'''他を求める力'''」と言える。 |
| | | |
| 洗礼名は不明だが、守護天使の名前はアスモデル。 | | 洗礼名は不明だが、守護天使の名前はアスモデル。 |
120行目: |
127行目: |
| 真のスフィア・アクトは、多元世界の万物万象すべてに宿る意志、即ち霊子とリンクし、それを仲間に伝播させる力。当然ながら仲間同士の意志もリンクするため、この力を受けた者は己の肉体や乗っているマシンをより直接的に操れるようになる(ゲーム中では技量の上昇という形で表される)。この力はソルの心の中心核として感情を統合していた頃の名残であり、スフィア・リアクターの意志が揃えばそれを統合することで、自由自在に事象を制御することが可能。 | | 真のスフィア・アクトは、多元世界の万物万象すべてに宿る意志、即ち霊子とリンクし、それを仲間に伝播させる力。当然ながら仲間同士の意志もリンクするため、この力を受けた者は己の肉体や乗っているマシンをより直接的に操れるようになる(ゲーム中では技量の上昇という形で表される)。この力はソルの心の中心核として感情を統合していた頃の名残であり、スフィア・リアクターの意志が揃えばそれを統合することで、自由自在に事象を制御することが可能。 |
| | | |
− | 太極たる至高神ソルの存在は、多くの矛盾を孕みながら生きていく「人間」そのものであり、その核たるこのスフィアは太極の簡易版、つまりミニチュアとしての側面を持つ。そんなこのスフィアの力は、いわば「'''自分に打ち勝とうとする力'''」と言える。
| + | 太極たる至高神ソルの存在は、多くの矛盾を孕みながら生きていく「人間」そのものであり、その核たるこのスフィアは太極の簡易版、つまりミニチュアとしての側面を持つ。そんなこのスフィアの力は、反対の位置にある「立ち上がる射手」とは逆、いわば「'''自分に打ち勝とうとする力'''」と言える。 |
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| 相反する感情のバランスが崩れると力が破壊されるため、その均衡を嘘でかく乱する「偽りの黒羊」に無力化される。しかし、嘘とは基本的に弱さに起因するためか、嘘を生ませないほどの揺るぎなく圧倒的な意志があれば決して有効ではない模様。 | | 相反する感情のバランスが崩れると力が破壊されるため、その均衡を嘘でかく乱する「偽りの黒羊」に無力化される。しかし、嘘とは基本的に弱さに起因するためか、嘘を生ませないほどの揺るぎなく圧倒的な意志があれば決して有効ではない模様。 |
153行目: |
160行目: |
| 発動キーの正体は「死への志向性」であり、自らの感情を抑圧し、己の精神を死に向かわせようとする意志によって力を発揮し、その中に己を保とうとする理性によってサード・ステージに移行する。 | | 発動キーの正体は「死への志向性」であり、自らの感情を抑圧し、己の精神を死に向かわせようとする意志によって力を発揮し、その中に己を保とうとする理性によってサード・ステージに移行する。 |
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− | 死者は感情を動かさないため、強い意思と感情によって生を表現する「揺れる天秤」によって無力化される。
| + | スフィア・アクトは感情の動きの抑圧。相手の戦う意志や抗う精神を無力化し、耐性のない者が受け続けると意識を喪失する。しかし、頑ななまでに自己意識を貫く「揺れる天秤」には効かず、その意志に虚無の奥の感情を揺るがされて無力化される。 |
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− | スフィア・アクトは感情の動きの抑圧。相手の戦う意志や抗う精神を無力化し、耐性のない者が受け続けると意識を喪失する。しかし、頑ななまでに自己意識を貫く「揺れる天秤」には効かず、その意志に虚無の奥の感情を揺るがされて無力化される。
| + | ひたすらに己の自我を抑え、理性で全ての行動を行おうとするこのスフィアは、対極にある「知りたがる山羊」とは逆の「'''欲求を制する理性'''」と言える。 |
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| 洗礼名は「'''ムリエル・ザ・ゲート'''」。 | | 洗礼名は「'''ムリエル・ザ・ゲート'''」。 |
168行目: |
175行目: |
| :タロットでは「戦車」と関連付けられる。また、このカードのデザインは「宿命」「変容」を表しているとされる。 | | :タロットでは「戦車」と関連付けられる。また、このカードのデザインは「宿命」「変容」を表しているとされる。 |
| :「戦車」の寓意は正位置が'''「勝利」「征服」「行動力」「積極性」「解放」'''、逆位置が'''「暴走」「不注意」「身勝手」「挫折」「焦り」「好戦的」'''。 | | :「戦車」の寓意は正位置が'''「勝利」「征服」「行動力」「積極性」「解放」'''、逆位置が'''「暴走」「不注意」「身勝手」「挫折」「焦り」「好戦的」'''。 |
− | :描かれているのは「若い王が乗り、四本の柱を持ち、二頭の馬を生やし、車輪が横向きに取り付けられた戦車」。このデザインは「人間の内面のさまざまな要素が一つの方向に揃う」ことを意味しているが、車輪が横向きであるため動けない。また、人間の内面=精神の要素が一つの方向を向くということは、単純に考えると思考が一点に固定される、つまりはある種のパニック状態とも取れる。 | + | :描かれているのは「若い王が乗り、四本の柱を持ち、二頭の馬を生やし、車輪が横向きに取り付けられた戦車」。このデザインは「人間の内面のさまざまな要素が一つの方向に揃う」ことを意味しているが、車輪が横向きであるため動けない。これがつまり、死の方向に精神を統一することで稼動する設定に繋がっていると見られる。 |
| :タロットの正位置・逆位置共に、尸空のキャラクターとは全く合致しない(辛うじて正位置の「征服」が当てはまる)上に性別の割り振りも違う。これはおうし座、さそり座も同じであり、サイデリアルのリアクター達は神話や大アルカナのモチーフとはほとんど関係ない設定を組まれている(そもそもキャラの掘り下げが少ないせいもあるが)。 | | :タロットの正位置・逆位置共に、尸空のキャラクターとは全く合致しない(辛うじて正位置の「征服」が当てはまる)上に性別の割り振りも違う。これはおうし座、さそり座も同じであり、サイデリアルのリアクター達は神話や大アルカナのモチーフとはほとんど関係ない設定を組まれている(そもそもキャラの掘り下げが少ないせいもあるが)。 |
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185行目: |
192行目: |
| また、ガンレオンの意志によって、メールが死亡した際に分離・融合して蘇生させた経緯があり、以後多元戦争終結までの間、機体とメールに分かれて存在していた。 | | また、ガンレオンの意志によって、メールが死亡した際に分離・融合して蘇生させた経緯があり、以後多元戦争終結までの間、機体とメールに分かれて存在していた。 |
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− | スフィア・アクトは痛みに耐える生命の力を周囲に伝播させること。
| + | スフィア・アクトは痛みに耐える生命の力を周囲に伝播させること。痛みに耐える生命の力によって発動するこのスフィアの力は、対極にある「尽きぬ水瓶」に対し、わかりやすく「'''痛みに抗う力'''」と言える。 |
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| 洗礼名は「'''ウェルキエル・ザ・ヒート'''」。 | | 洗礼名は「'''ウェルキエル・ザ・ヒート'''」。 |
213行目: |
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| 多元戦争時にリアクターとなったセツコは反作用によって味覚が消失し、視覚も消えつつあったが、それに負けずに戦う意志を貫徹したことで覚醒が進み、いち早くサード・ステージに足を踏み入れている。ただし、彼女だけは機体から降りているときにその症状が発生している。そのため、搭乗時に発症する本当の反作用は、「五感の過敏化」であった可能性がある(例えば、爆音を聞いた後はまともに音が聞こえなくなる、といった具合に高負荷状態に慣らせてしまう)。スフィア・アクトはニュータイプなどのような感覚強化の延長とも取れる。 | | 多元戦争時にリアクターとなったセツコは反作用によって味覚が消失し、視覚も消えつつあったが、それに負けずに戦う意志を貫徹したことで覚醒が進み、いち早くサード・ステージに足を踏み入れている。ただし、彼女だけは機体から降りているときにその症状が発生している。そのため、搭乗時に発症する本当の反作用は、「五感の過敏化」であった可能性がある(例えば、爆音を聞いた後はまともに音が聞こえなくなる、といった具合に高負荷状態に慣らせてしまう)。スフィア・アクトはニュータイプなどのような感覚強化の延長とも取れる。 |
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− | スフィア・アクトは感覚を他者にリンクさせること。セツコが再世篇で見せていた「悲しみの感情の探知」はこれの片鱗であり、連獄篇では一気にサード・ステージに移行した影響で居合わせた全員の悲しみにリンクした結果、異様なローテンションに陥った反面戦闘力が爆発的に上昇していた(ゲーム的には気力限界を振り切って200になる)。また、この力を発現すると、リンクした相手の悲しみをも力として出力を上げていく性質がある。ゆえにこのスフィアの力は、いわば「'''過去を求める力'''」と言える。
| + | スフィア・アクトは感覚を他者にリンクさせること。セツコが再世篇で見せていた「悲しみの感情の探知」はこれの片鱗であり、連獄篇では一気にサード・ステージに移行した影響で居合わせた全員の悲しみにリンクした結果、異様なローテンションに陥った反面戦闘力が爆発的に上昇していた(ゲーム的には気力限界を振り切って200になる)。また、この力を発現すると、リンクした相手の悲しみをも力として出力を上げていく性質がある。ゆえにこのスフィアの力は、対位置の「夢見る双魚」に対して「'''過去を求める力'''」と言える。 |
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| 洗礼名は「'''ハマリエル・ザ・スター'''」。 | | 洗礼名は「'''ハマリエル・ザ・スター'''」。 |
244行目: |
251行目: |
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| スフィア・アクトはその強い意志力を他者に伝播させること。戦闘中ならば主に集中力の上昇という形で現れる。 | | スフィア・アクトはその強い意志力を他者に伝播させること。戦闘中ならば主に集中力の上昇という形で現れる。 |
− | 強い意志を持つということは、必然的にその根幹にある感情を高揚させることにも繋がるため、感情を制する理性が必要な「沈黙の巨蟹」を無力化し、自己犠牲による愛を力とする「尽きぬ水瓶」の力を高めることが出来る。
| + | 強い意志を持つということは、必然的にその根幹にある感情を高揚させることにも繋がるため、自己犠牲による愛を力とする「尽きぬ水瓶」の力を高めることが出来る。 |
| + | |
| + | 己の意志にひたすら従って動くことで力を発揮するこのスフィアは、対極の「偽りの黒羊」の逆、「'''己を偽らない力'''」と言える。 |
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| 洗礼名は「'''ズリエル・ジ・アンブレイカブル'''」。 | | 洗礼名は「'''ズリエル・ジ・アンブレイカブル'''」。 |
275行目: |
284行目: |
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| 憎しみに生きることを悲しみ、心を癒そうとする「悲しみの乙女」との相性が致命的に悪い。 | | 憎しみに生きることを悲しみ、心を癒そうとする「悲しみの乙女」との相性が致命的に悪い。 |
| + | |
| + | 欲求を力とする「欲深な金牛」に対し、このスフィアはいわば「'''他を拒絶する力'''」と言える。 |
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| 洗礼名は「'''バルビエル・ザ・ニードル'''」。 | | 洗礼名は「'''バルビエル・ザ・ニードル'''」。 |
329行目: |
340行目: |
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| スフィア・アクトは対象者のありとあらゆる情報の開示。そのあらゆる真実を暴き立てる力ゆえに、「偽りの黒羊」の嘘を暴いて無力化してしまう。フェイクの方は「バリア無効化」という形でこれを表現している。 | | スフィア・アクトは対象者のありとあらゆる情報の開示。そのあらゆる真実を暴き立てる力ゆえに、「偽りの黒羊」の嘘を暴いて無力化してしまう。フェイクの方は「バリア無効化」という形でこれを表現している。 |
| + | |
| + | 相対する「沈黙の巨蟹」が「意欲を相殺する理性」とするなら、暴いてはいけないものを暴くこのスフィアは「理性を超越する欲求」といえる。 |
| + | |
| + | 洗礼名は不明だが、守護天使の名前はハナエル。 |
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| ;山羊座(カプリコーン) | | ;山羊座(カプリコーン) |
| :星座のモチーフはヤギ頭の牧神アイギパーン。ただし下半身は魚となっている。 | | :星座のモチーフはヤギ頭の牧神アイギパーン。ただし下半身は魚となっている。 |
| :これはアイギパーンが魚に変身したことによるもので、その経緯についてはティターン神族との戦いの際に威嚇のために海に潜った時の姿という説と嵐の怪物テュポーンが襲来した際に変身もおぼつかないほど慌ててナイル川に逃げ込んだ時の姿という説が存在する。確証はないものの、前者の説は「深淵を覗き込んだ」といえることから、アサキムの前の所持者を彷彿とさせる。ちなみに、パーンは「Panic」の語源である。 | | :これはアイギパーンが魚に変身したことによるもので、その経緯についてはティターン神族との戦いの際に威嚇のために海に潜った時の姿という説と嵐の怪物テュポーンが襲来した際に変身もおぼつかないほど慌ててナイル川に逃げ込んだ時の姿という説が存在する。確証はないものの、前者の説は「深淵を覗き込んだ」といえることから、アサキムの前の所持者を彷彿とさせる。ちなみに、パーンは「Panic」の語源である。 |
− | :性格分類においては、「下心のない信頼関係を重んじる」ことを司り、転じて嘘を暴くことを力とすると思われる。相対する星座の蟹座が「意欲を相殺する理性」とするなら、暴いてはいけないものを暴くこのスフィアは「理性を超越する欲求」といえる。 | + | :性格分類においては、「下心のない信頼関係を重んじる」ことを司り、転じて嘘を暴くことを力とすると思われる。 |
| :割り振りは女性。 | | :割り振りは女性。 |
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| スフィア・アクトは不明だが、フェイクの能力が「EN回復封印」であることと、「いがみ合う双子」の例、そして再世篇のユーサーのエースボーナスから考えれば、恐らく「他者に力を与える」能力であろうと考えられる。 | | スフィア・アクトは不明だが、フェイクの能力が「EN回復封印」であることと、「いがみ合う双子」の例、そして再世篇のユーサーのエースボーナスから考えれば、恐らく「他者に力を与える」能力であろうと考えられる。 |
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| + | 洗礼名は不明だが、守護天使の名前はガムビエル。 |
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| ;水瓶座(アクエリアス) | | ;水瓶座(アクエリアス) |
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| 対応アルカナの「月」のカードにおいて、寓画の月が示すものは「真実への導きを与える、無名無形の見えざるもの」とされており、ここから「夢」というキーが設定されたと思われる。 | | 対応アルカナの「月」のカードにおいて、寓画の月が示すものは「真実への導きを与える、無名無形の見えざるもの」とされており、ここから「夢」というキーが設定されたと思われる。 |
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| + | 洗礼名は不明だが、守護天使の名前はバキエル。 |
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| ;魚座(パイシーズ) | | ;魚座(パイシーズ) |