19行目: |
19行目: |
| [[一年戦争]]においては、[[スペースコロニー]]への毒ガス作戦や[[コロニー落とし]]など、人間の所業とは思えない様な残虐非道な行為を指揮する。人類の半数を抹殺した空前の大虐殺は、人口を強制的に減少させることにより[[地球]]環境の保全を図ろうとした為と見られる。<br /> | | [[一年戦争]]においては、[[スペースコロニー]]への毒ガス作戦や[[コロニー落とし]]など、人間の所業とは思えない様な残虐非道な行為を指揮する。人類の半数を抹殺した空前の大虐殺は、人口を強制的に減少させることにより[[地球]]環境の保全を図ろうとした為と見られる。<br /> |
| 末弟[[ガルマ・ザビ|ガルマ]]の戦死を全世界に同時中継するという派手な国葬という方法で利用し、密葬を望んだ父デギンと対立を深める。そしてデギンが講和のために単独で連邦艦隊に赴いた際、連邦軍もろとも[[ソーラ・レイ]]で焼き払った。しかし、その事を妹[[キシリア・ザビ|キシリア]]に知られ、父殺しの男として作戦指揮中に[[暗殺]]され、35歳で没した。 | | 末弟[[ガルマ・ザビ|ガルマ]]の戦死を全世界に同時中継するという派手な国葬という方法で利用し、密葬を望んだ父デギンと対立を深める。そしてデギンが講和のために単独で連邦艦隊に赴いた際、連邦軍もろとも[[ソーラ・レイ]]で焼き払った。しかし、その事を妹[[キシリア・ザビ|キシリア]]に知られ、父殺しの男として作戦指揮中に[[暗殺]]され、35歳で没した。 |
| + | |
| + | 大衆を魅了するカリスマ性および巧みな弁舌を持ち、圧倒的数量の[[地球連邦軍]]を相手にしながらもジオン軍有利に戦争を進めてきたギレンは、確かに天才的指導者であると言える。<br /> |
| + | しかし、己の才能に自信を持つ故か、一年戦争末期には不利な状況を軽視する傾向も見られ、そのことが最終的にジオン公国の滅亡および自身の死に繋がってしまったのは皮肉としか言えない。 |
| | | |
| ジオン・ズム・ダイクンの[[ニュータイプ]]思想を選民主義的に解釈した「[[スペースノイド]]は選ばれた民であり、更にその中の優良種がジオン国民である」という思想は、形を変えつつ後世にも残り続けることになる。ただし、ギレン本人はニュータイプ自体についてはさほど理解を示した様子は無かった(ニュータイプ思想はジオン軍が勝つための「方便」であるとデギンに対して言いきっている)。また、[[ガンダム]]や[[ホワイトベース]]の活躍に対してもさほど気に留めてる様子も無く、終盤においても「ガンダム一機に手こずるものだな」という程度の認識しか持っておらず、[[アムロ・レイ|アムロ]]や[[ブライト・ノア|ブライト]]達との接点は全くと言っていいほど無い。 | | ジオン・ズム・ダイクンの[[ニュータイプ]]思想を選民主義的に解釈した「[[スペースノイド]]は選ばれた民であり、更にその中の優良種がジオン国民である」という思想は、形を変えつつ後世にも残り続けることになる。ただし、ギレン本人はニュータイプ自体についてはさほど理解を示した様子は無かった(ニュータイプ思想はジオン軍が勝つための「方便」であるとデギンに対して言いきっている)。また、[[ガンダム]]や[[ホワイトベース]]の活躍に対してもさほど気に留めてる様子も無く、終盤においても「ガンダム一機に手こずるものだな」という程度の認識しか持っておらず、[[アムロ・レイ|アムロ]]や[[ブライト・ノア|ブライト]]達との接点は全くと言っていいほど無い。 |
36行目: |
39行目: |
| ;[[スーパーロボット大戦F完結編]] | | ;[[スーパーロボット大戦F完結編]] |
| :[[第3次スーパーロボット大戦|第3次]]で死亡したはずだが、謎の復活を遂げる。実は[[ゲスト]]により[[クローン]]として蘇らされていた。[[ハマーン・カーン|ハマーン]]に代わりDCの総指揮をとる。 | | :[[第3次スーパーロボット大戦|第3次]]で死亡したはずだが、謎の復活を遂げる。実は[[ゲスト]]により[[クローン]]として蘇らされていた。[[ハマーン・カーン|ハマーン]]に代わりDCの総指揮をとる。 |
− | :ギレンの選民主義はそれまでハマーンが行っていた[[スペースノイド]]を味方に付けるという方針とは異なり、結果的にコロニー連合とDCは対立。ミリアルド率いるコロニー連合軍に始末される(ポセイダルルート)。キシリアによる暗殺イベントもある(DCルート)。 | + | :ギレンの選民主義はそれまでハマーンが行っていた[[スペースノイド]]を味方に付けるという方針とは異なり、結果的にコロニー連合とDCは対立。[[ミリアルド・ピースクラフト|ミリアルド]]率いるコロニー連合軍に始末される(ポセイダルルート)。キシリアによる暗殺イベントもある(DCルート)。 |
| :[[ドズル・ザビ|ドズル]]ほど明言はしないが、終盤はギレンであってそうでない何者かとして生きることに不安を感じており、プレイヤーの手で倒すと自分の命が尽きることに安心すらしているかのようなセリフを遺す。第3次同様[[ドロス]]に搭乗する。 | | :[[ドズル・ザビ|ドズル]]ほど明言はしないが、終盤はギレンであってそうでない何者かとして生きることに不安を感じており、プレイヤーの手で倒すと自分の命が尽きることに安心すらしているかのようなセリフを遺す。第3次同様[[ドロス]]に搭乗する。 |
| :なお、この作品が発売された1998年4月には同じく[[セガサターン]]で『ギレンの野望』も発売され、ギレンの存在がクローズアップされている。 | | :なお、この作品が発売された1998年4月には同じく[[セガサターン]]で『ギレンの野望』も発売され、ギレンの存在がクローズアップされている。 |
47行目: |
50行目: |
| === [[αシリーズ]] === | | === [[αシリーズ]] === |
| ;[[スーパーロボット大戦α]] | | ;[[スーパーロボット大戦α]] |
− | :[[ジオン軍]]の総司令官として登場。原作と違い[[一年戦争]]後も生き残った事になっている。 | + | :[[ジオン軍]]の総司令官として登場。原作と違い一年戦争後も生き残った事になっている。 |
− | :パイロットとして登場するのは1話だけで、しかも5ターン以内に撃破しないとキシリアによる[[暗殺]]イベントが発生する為、資金が欲しい場合は積極的に攻め込む必要がある。 | + | :なお、パイロットとして登場するのは1話だけで、しかも5ターン以内に撃破しないとキシリアによる暗殺イベントが発生する為、[[資金]]が欲しい場合は積極的に攻め込む必要がある。 |
| | | |
| === 単独作品 === | | === 単独作品 === |
| ;[[スーパーロボット大戦GC]]([[スーパーロボット大戦XO|XO]]) | | ;[[スーパーロボット大戦GC]]([[スーパーロボット大戦XO|XO]]) |
− | :今回も[[ジオン軍]]の総司令官。序盤が一年戦争に沿った展開ながら、キシリアが自分を撃つ前にシャアに討たれてしまう為、中盤まで生き残り[[ハマーン・カーン|ハマーン]]一派と合流するも、最終的にはハマーンに暗殺されてしまう。戦闘では[[グワジン]]に乗る。弟や妹と違い、台詞の新規収録は行われず。 | + | :今回もジオン軍の総司令官。序盤が一年戦争に沿った展開ながら、キシリアが自分を撃つ前にシャアに討たれてしまう為、中盤まで生き残りハマーン一派と合流するも、最終的にはハマーンに暗殺されてしまう。戦闘では[[グワジン]]に乗る。なお、弟や妹と違い、台詞の新規収録は行われず。 |
| ;[[スーパーロボット大戦Operation Extend]] | | ;[[スーパーロボット大戦Operation Extend]] |
− | :ジオン軍の総司令官。外宇宙勢力の脅威の前になんとか和平に持ち込もうと画策するキシリアやデギンをよそに、徹底して抗戦姿勢を崩さない。デギンにより停戦が成立してもなおアステロイドベルトの勢力を「ネオ・ジオン」として再編。建前上は別組織にあたることを利用し、再び戦乱を巻き起こす。 | + | :ジオン軍の総司令官。外宇宙勢力の脅威の前になんとか和平に持ち込もうと画策するキシリアやデギンをよそに、徹底して抗戦姿勢を崩さない。デギンにより停戦が成立してもなお[[アステロイド・ベルト]]の勢力を「[[ネオ・ジオン]]」として再編。建前上は別組織にあたることを利用し、再び戦乱を巻き起こす。 |
| | | |
| == 人間関係 == | | == 人間関係 == |
| + | 非情な[[性格]]であり、[[ザビ家|血の繋がっている家族]]でさえも軽視していた。 |
| ;[[デギン・ソド・ザビ]] | | ;[[デギン・ソド・ザビ]] |
| :実父。老いぼれとみなし、軽視。連邦艦隊と共に[[ソーラ・レイ]]の犠牲にする。 | | :実父。老いぼれとみなし、軽視。連邦艦隊と共に[[ソーラ・レイ]]の犠牲にする。 |
68行目: |
72行目: |
| :面識は無かったが、血縁上の姪にあたる。 | | :面識は無かったが、血縁上の姪にあたる。 |
| ;[[シャア・アズナブル]] | | ;[[シャア・アズナブル]] |
− | :シャアからはザビ家の一員という事で憎まれているが、原作では直接は関わらない。SRWにおいては[[クワトロ・バジーナ|クワトロ]]時代のシャアと対決する事になる他、[[COMPACT]]ではキシリア共々彼に暗殺されてしまう。 | + | :シャアからはザビ家の一員という事で憎まれているが、原作では直接は関わらない。 |
| + | :SRWにおいては[[クワトロ・バジーナ|クワトロ]]時代のシャアと対決する事になる他、[[COMPACT]]ではキシリア共々彼に暗殺されてしまう。 |
| ;[[シャリア・ブル]] | | ;[[シャリア・ブル]] |
| :彼をキシリアへの牽制の為に彼女の[[ニュータイプ]]部隊へと送り込む。 | | :彼をキシリアへの牽制の為に彼女の[[ニュータイプ]]部隊へと送り込む。 |
| ;セシリア・アイリーン | | ;セシリア・アイリーン |
− | :ギレンの秘書(小説版ではほぼ愛人としても描写されている)。劇場版で僅かながら登場しているが、明確に彼女のものと分かる台詞は無い。 | + | :ギレンの秘書(小説版では、ほぼ愛人としても描写されている)。劇場版で僅かながら登場しているが、明確に彼女のものと分かる台詞は無い。 |
| :『ギレンの野望』シリーズでは大幅に出番が増えて、ある意味メインヒロインと化している側面も。なお、SRWでの出演は今のところ無い。 | | :『ギレンの野望』シリーズでは大幅に出番が増えて、ある意味メインヒロインと化している側面も。なお、SRWでの出演は今のところ無い。 |
| ;[[ブライト・ノア]] | | ;[[ブライト・ノア]] |
85行目: |
90行目: |
| :デラーズと同じく自身に忠誠を誓う人物であるが、[[第3次]]では状況によって反旗を翻す。 | | :デラーズと同じく自身に忠誠を誓う人物であるが、[[第3次]]では状況によって反旗を翻す。 |
| ;[[ハマーン・カーン]] | | ;[[ハマーン・カーン]] |
− | :競演する作品では部下であるが、F完結編では不信感を抱かれ、αでは途中で対立関係となり、[[GC]]([[XO]])では彼女に暗殺されてしまう。 | + | :競演する作品では部下であるが、[[F完結編]]では不信感を抱かれ、[[スーパーロボット大戦α|α]]では途中で対立関係となり、[[GC]]([[XO]])では彼女に暗殺されてしまう。 |
| ;[[グレミー・トト]] | | ;[[グレミー・トト]] |
− | :自身の落胤もしくは[[クローン]]という説があり、[[スーパーロボット大戦α|α]]では腹心の部下となっている。 | + | :自身の落胤もしくは[[クローン]]という説があり、αでは腹心の部下となっている。 |
| | | |
| === リアル系 === | | === リアル系 === |
97行目: |
102行目: |
| :[[スーパーロボット大戦α|α]]にて共闘。リアル系とスーパー系の悪の大ボスの競演が実現。 | | :[[スーパーロボット大戦α|α]]にて共闘。リアル系とスーパー系の悪の大ボスの競演が実現。 |
| ;[[諸葛亮孔明]] | | ;[[諸葛亮孔明]] |
− | :[[スーパーロボット大戦α|α]]にて、ギレンの落命を予期していた。尤も、彼はキシリアを利用する事で彼女にギレンを討たせたのだが。 | + | :αにて、ギレンの落命を予期していた。尤も、彼はキシリアを利用する事で彼女にギレンを討たせたのだが。 |
| | | |
| === [[バンプレストオリジナル]] === | | === [[バンプレストオリジナル]] === |
| ;[[ビアン・ゾルダーク]] | | ;[[ビアン・ゾルダーク]] |
− | :[[第3次スーパーロボット大戦|第3次]]では彼の死を祭り上げた演説を行い、DC総帥として地歩を固める事になる。 | + | :[[第3次スーパーロボット大戦|第3次]]では彼の死を祭り上げた演説を行い、[[ディバイン・クルセイダーズ|DC]]総帥として地歩を固める事になる。 |
| | | |
| == 名台詞 == | | == 名台詞 == |
129行目: |
134行目: |
| ===旧シリーズ=== | | ===旧シリーズ=== |
| ;「…私の命運もここまでということか…だが、何だ? この感覚は…安堵? だが何故? ふふふ、そうか、そういうこと…ふははははは!」 | | ;「…私の命運もここまでということか…だが、何だ? この感覚は…安堵? だが何故? ふふふ、そうか、そういうこと…ふははははは!」 |
− | :F完結編でプレイヤーにより倒された際の最後の台詞。死に際にあって全てを納得したようである。 | + | :F完結編でプレイヤーにより倒された際の最期の台詞。死に際にあって全てを納得したようである。 |
| | | |
| == 話題まとめ == | | == 話題まとめ == |
| *ギレン・ザビ役の[[声優]]である銀河万丈氏は後年ラジオ番組『サンライズラヂオG!』で、'''「(悪役が出来るのが売りという)自分のイメージを定着させたいという意味では、ギレンは落とせない役だと思った」'''と述べている。 | | *ギレン・ザビ役の[[声優]]である銀河万丈氏は後年ラジオ番組『サンライズラヂオG!』で、'''「(悪役が出来るのが売りという)自分のイメージを定着させたいという意味では、ギレンは落とせない役だと思った」'''と述べている。 |
− | *その性格から、ファンの間からもアドルフ・ヒトラーになぞらえられる事が多い。実際、富野監督はアフレコの際に銀河万丈氏に「ヒトラーのように喋ってくれ」と注文をつけたとのこと。なお、富野監督は自分が監督した作品の中で一番自分に近いキャラクターに、ギレンを挙げている。 | + | *その[[性格]]から、ファンの間からもアドルフ・ヒトラーになぞらえられる事が多い。実際、富野監督はアフレコの際に銀河万丈氏に「ヒトラーのように喋ってくれ」と注文をつけたとのこと。なお、富野監督は自分が監督した作品の中で一番自分に近いキャラクターに、ギレンを挙げている。 |
| **銀河万丈氏はギレンのトレードマークのようになったガルマ追悼演説について「(本放送時の演説は)自分では気に入らなくて、いろいろ直そうとしたが、結局録り直しにはならなかった」と明かしている。 | | **銀河万丈氏はギレンのトレードマークのようになったガルマ追悼演説について「(本放送時の演説は)自分では気に入らなくて、いろいろ直そうとしたが、結局録り直しにはならなかった」と明かしている。 |
− | *いわゆる「トミノメモ」によれば、[[グラナダ]]陥落後は最前線で指揮を執り、[[シャア・アズナブル|シャア]]の正体を知りながらも戦力として使える内は使うという鷹揚さを見せ、更に[[ニュータイプ]]部隊を積極的に前線に投入するなど、現在とはだいぶ異なった人物像であった。 | + | *いわゆる「トミノメモ」によれば、[[グラナダ]]陥落後は最前線で[[指揮]]を執り、[[シャア・アズナブル|シャア]]の正体を知りながらも戦力として使える内は使うという鷹揚さを見せ、更に[[ニュータイプ]]部隊を積極的に前線に投入するなど、現在とはだいぶ異なった人物像であった。 |
| *雑誌『ぴあ』のムック『愛と戦いのロボット 完全保存版』に掲載された読者アンケート「一番極悪な悪役・敵役は?」の項目では断トツの第1位に輝いている。 | | *雑誌『ぴあ』のムック『愛と戦いのロボット 完全保存版』に掲載された読者アンケート「一番極悪な悪役・敵役は?」の項目では断トツの第1位に輝いている。 |
| **ちなみに第2位は[[Dr.ヘル]]、第3位は[[キラー・ザ・ブッチャー]]、第4位は[[ムルタ・アズラエル]]とスパロボシリーズでお馴染みの悪役達が揃っているが、ギレンのカリスマには及ばなかったようで、3人の票を足してようやくギレンの票を僅かに超えた程である。 | | **ちなみに第2位は[[Dr.ヘル]]、第3位は[[キラー・ザ・ブッチャー]]、第4位は[[ムルタ・アズラエル]]とスパロボシリーズでお馴染みの悪役達が揃っているが、ギレンのカリスマには及ばなかったようで、3人の票を足してようやくギレンの票を僅かに超えた程である。 |