3行目: |
3行目: |
| | | |
| === 基本概要 === | | === 基本概要 === |
− | 電子頭脳(電脳)が搭載されており、ある程度の自律行動が可能。基本装甲はニューロカーボン、表面装甲はナノセラミック製。動力については原作・アニメとも言及がないが、描写からすると電力であると思われる。機体ごとに家紋のような「意匠」を持ち、全部で11体存在する。「ドレスクラー・ソイル」(アニメ版での名称。原作漫画版では名称自体付けられていない)というナノマシンにより自己修復が可能であり、人間に固有ナノマシンを移植することでその人間を「[[ファクター]]」と呼称する専属パイロットとし、戦う。ファクターとなった人間はマキナと命を共有する代わりに常人を超越した力を得、搭乗時に眼球に赤い紋章が浮かび上がる(ファクターアイと呼称する)。
| + | 電子頭脳(電脳)が搭載されており、ある程度の自律行動が可能。基本装甲はニューロカーボン、表面装甲はナノセラミック製。動力については原作・アニメとも言及がないが、描写からすると電力であると思われる。「ドレスクラー・ソイル」(アニメ版での名称。原作漫画版では名称自体付けられていない)というナノマシンにより自己修復が可能であり、人間に固有ナノマシンを移植することでその人間を「[[ファクター]]」と呼称する専属パイロットとし、戦う。ファクターとなった人間はマキナと命を共有する代わりに常人を超越した力を得、搭乗時に眼球に赤い紋章が浮かび上がる(ファクターアイと呼称する)。 |
| | | |
| === 原則 === | | === 原則 === |
32行目: |
32行目: |
| まず、そもそも「ラインバレル」の舞台となった世界は天児がマキナを開発した時代の過去ではなく、その時代から降った時代であった(つまり久嵩が「未来人」という認識は誤り)。 | | まず、そもそも「ラインバレル」の舞台となった世界は天児がマキナを開発した時代の過去ではなく、その時代から降った時代であった(つまり久嵩が「未来人」という認識は誤り)。 |
| | | |
− | 元々は天児がナノマシンの実用化に成功したのが始まり。その能力を把握するため様々な研究が続けられていたが、その過程で生まれたのが人工筋肉や人工血液、電脳である。当初は兵士を強化する外骨格から始まり、人型ロボットからマキナへと発展していった。この時、世界で初めて大型のマキナとして完成したのが、現在「ロストバレル」と呼称されている黒いマキナである。
| + | 元々は天児がナノマシンの実用化に成功したのが始まりで、その能力を把握するため様々な研究が続けられていたが、その過程で生まれたのが人工筋肉や人工血液、電脳である。当初は兵士を強化する外骨格から始まり、人型ロボットからマキナへと発展していった。この時、世界で初めて大型のマキナとして完成したのが、現在「ロストバレル」と呼称されている黒いマキナである。 |
| | | |
| これ以降、様々な国でマキナが造られるようになったが、その頭脳である電脳は非常に高性能であり、自律意志を限定的ながら持っていた。そのため、完全な意志を持って反乱を起こさないよう、前述の原則が設定された。それ以後、ナノマシン技術は本来の目的である医療用に使われ、戦争そのものもマキナによる代理戦争へと変わっていった。だが、これによって人類は完全ではないが「不老不死」を得てしまい、その結果生物としての人間たる所以を忘れ、現状に甘んじて未来を想像しなくなっていった。これにより「想像力を失った」人類は、ファクターとなっていた一部を残し、自殺によって本編の660年前に絶滅した(この自殺に至るシステムは「自滅スイッチ」と呼ばれる)。この生き残ったファクター達が、浩一や森次など現在の人間の祖先にあたる(マキナの総数からして、天児、久嵩や宗美、絵美以外にもかなり多くのファクターが存在していたと思われる)。 | | これ以降、様々な国でマキナが造られるようになったが、その頭脳である電脳は非常に高性能であり、自律意志を限定的ながら持っていた。そのため、完全な意志を持って反乱を起こさないよう、前述の原則が設定された。それ以後、ナノマシン技術は本来の目的である医療用に使われ、戦争そのものもマキナによる代理戦争へと変わっていった。だが、これによって人類は完全ではないが「不老不死」を得てしまい、その結果生物としての人間たる所以を忘れ、現状に甘んじて未来を想像しなくなっていった。これにより「想像力を失った」人類は、ファクターとなっていた一部を残し、自殺によって本編の660年前に絶滅した(この自殺に至るシステムは「自滅スイッチ」と呼ばれる)。この生き残ったファクター達が、浩一や森次など現在の人間の祖先にあたる(マキナの総数からして、天児、久嵩や宗美、絵美以外にもかなり多くのファクターが存在していたと思われる)。 |
51行目: |
51行目: |
| | | |
| === ヒトマキナ === | | === ヒトマキナ === |
− | 原作漫画版に登場する、死を認識し、その中で想像力を得ることで「'''人間になったとされるマキナ'''」のこと。当然のように自意識と感情、そして想像力を備え、人語を解する。ただし、会話は通常のヒトマキナは出来ず、「主」と呼ばれる[[デウスエクスマキナ]]以外では、特使として現れた通称「お爺ちゃん」と呼ばれる人間型、離反してJUDAについた大場真来梓が可能となっている。<br/>但し飽くまで会話が出来ないと言うだけで、通信やデータのやり取りによるコミュニケーションは勿論可能である。 | + | 原作漫画版に登場する、死を認識し、その中で想像力を得ることで「'''人間になったとされるマキナ'''」のこと。当然のように自意識と感情、そして想像力を備え、人語を解する。ただし、会話は通常のヒトマキナは出来ず、「主」と呼ばれる[[デウスエクスマキナ]]以外では、特使として現れた通称「お爺ちゃん」と呼ばれる人間型、離反してJUDAについた[[大場真来梓]]のみが可能となっている。<br/>但し飽くまで会話が出来ないと言うだけで、通信やデータのやり取りによるコミュニケーションは勿論可能である。 |
| | | |
| 殺し合いを経て想像力を得た個体は、その後全てのマキナを破壊しようと孤独に戦っていた天児&ラインバレルと戦い、次々と破壊されて行った。 | | 殺し合いを経て想像力を得た個体は、その後全てのマキナを破壊しようと孤独に戦っていた天児&ラインバレルと戦い、次々と破壊されて行った。 |
76行目: |
76行目: |
| これに先立ち、マキナ達は人類絶滅を回避するため、計画のブレインとなるシミュレーターマキナを完成させていた。このマキナはどうすれば人類の絶滅を回避できるか、それを確かめるべく紀元からあらゆるパターンを模索。結果、西暦1871年から「やり直す」のが最適だと判断。そこでそのマキナは、自らの内部に仮想世界を構築し、'''実際に自我・意志・記憶を持つ人間のデータを構築、1871年の段階でそのデータを、現実で作成されたファクターたちにインストールした'''。このため、新たな人類達は最初から意志や記憶を当たり前のように持ち、自らの知る歴史が現実に存在すると疑わなかった。 | | これに先立ち、マキナ達は人類絶滅を回避するため、計画のブレインとなるシミュレーターマキナを完成させていた。このマキナはどうすれば人類の絶滅を回避できるか、それを確かめるべく紀元からあらゆるパターンを模索。結果、西暦1871年から「やり直す」のが最適だと判断。そこでそのマキナは、自らの内部に仮想世界を構築し、'''実際に自我・意志・記憶を持つ人間のデータを構築、1871年の段階でそのデータを、現実で作成されたファクターたちにインストールした'''。このため、新たな人類達は最初から意志や記憶を当たり前のように持ち、自らの知る歴史が現実に存在すると疑わなかった。 |
| | | |
− | かくして人類滅亡回避の計画はスタートしたが、これは初期段階でいきなりつまずいた。それは、宇宙に脱出していたシャングリラと、そのファクターとなった加藤久嵩が地球に帰還したことにある。
| + | かくして人類滅亡回避の計画はスタートしたが、これは宇宙に脱出していたシャングリラと、そのファクターとなった加藤久嵩が地球に帰還したことで初期段階でいきなりつまずいた。 |
− | クローン施設を見た久嵩は世界再生の事実に気づき、自らも人類の絶滅を回避しようと行動を開始。持ち出していた天児の細胞サンプルからクローンを作成した。これが「推進派」である。
| + | クローン施設を見た久嵩は世界再生の事実に気づき、自らも人類の絶滅を回避しようと行動を開始。持ち出していた天児の細胞サンプルからクローンを作成した。これが「推進派」である。このため、マキナ達はイレギュラーたる久嵩&シャングリラを加えた上でシミュレートを行ったが、その結果最悪の結末を見たシミュレーターマキナはヒトマキナと化してしまった。これが[[ジュダ]]である。 |
− | | |
− | このため、マキナ達はイレギュラーたる久嵩&シャングリラを加えた上でシミュレートを行ったが、その結果最悪の結末を見たシミュレーターマキナはヒトマキナと化してしまった。これが[[ジュダ]]である。
| |
| | | |
| ヒトマキナとなったジュダは、新たな計画を立案。それは、久嵩を「人類の敵」とし、ヒトマキナ達が「正義の味方」となることだった。そのために、ジュダはまず、ヒトになれなかったマキナ達に自分達の情報を持たせ、ハグレマキナに見せかけて地球に投下。これに飛びついた久嵩は、入手した情報を元に行動を開始。その後、ジュダは計画の仕上げのため自ら地球に降下。久嵩に接触し、マキナ達が「正義の味方」として降臨すべき状況を作り出そうとした。 | | ヒトマキナとなったジュダは、新たな計画を立案。それは、久嵩を「人類の敵」とし、ヒトマキナ達が「正義の味方」となることだった。そのために、ジュダはまず、ヒトになれなかったマキナ達に自分達の情報を持たせ、ハグレマキナに見せかけて地球に投下。これに飛びついた久嵩は、入手した情報を元に行動を開始。その後、ジュダは計画の仕上げのため自ら地球に降下。久嵩に接触し、マキナ達が「正義の味方」として降臨すべき状況を作り出そうとした。 |
91行目: |
89行目: |
| | | |
| ==該当機体== | | ==該当機体== |
| + | マキナは基本的に機体ごとに家紋のような「意匠」を持つ。 |
| === 主役機 === | | === 主役機 === |
| ;[[ラインバレル]] | | ;[[ラインバレル]] |
114行目: |
113行目: |
| :装甲と砲撃能力を重視した支援型。ファクターは[[山下サトル]]。原作漫画版では浩一の発案で「ハインドタンク」なる戦車形態が登場。 | | :装甲と砲撃能力を重視した支援型。ファクターは[[山下サトル]]。原作漫画版では浩一の発案で「ハインドタンク」なる戦車形態が登場。 |
| ;[[ペインキラー]] | | ;[[ペインキラー]] |
− | :拠点防衛能力(原作では拠点強襲能力)に特化した支援型。ファクターは[[九条美海]]。原作漫画版では支援機を持ち、合体機構を備える。 | + | :拠点防衛能力(原作では拠点強襲能力)に特化した支援型。ファクターは[[九条美海]]。原作漫画版では支援機を持ち、合体機構を備える。原作漫画版では最終的に電脳を破壊され機能停止。 |
| ;[[ディスィーブ]] | | ;[[ディスィーブ]] |
| :後付けではあるが唯一の複座機にして非戦闘型、そして非人型という異色の機体。ファクターは[[遠藤イズナ]]。原作漫画版では後に死を認識してしまい、ヒトマキナと化して暴走を起こす。最終的には合体状態のペインキラーに頭部を噛み砕かれたことで電脳を破壊され機能停止した。 | | :後付けではあるが唯一の複座機にして非戦闘型、そして非人型という異色の機体。ファクターは[[遠藤イズナ]]。原作漫画版では後に死を認識してしまい、ヒトマキナと化して暴走を起こす。最終的には合体状態のペインキラーに頭部を噛み砕かれたことで電脳を破壊され機能停止した。 |
152行目: |
151行目: |
| ==== ヒトマキナ ==== | | ==== ヒトマキナ ==== |
| ;エイヴラハム・リンカーン(お爺ちゃん) | | ;エイヴラハム・リンカーン(お爺ちゃん) |
− | :地上にいたヒトマキナの一体。『嘗て実在した』リンカーンの姿をしている。真来梓に対し、「人間を救うにはどうすればいいか、人間を見て考えなさい」と言いつけている。特使としてアメリカ大統領との会談にやって来たが、真の目的はロストバレルのファクターとなった沢渡との接触であった。 | + | :ヒトマキナの長の一人で、最新鋭のマキナ。『嘗て実在した』リンカーンの姿をしている。真来梓に対し、「人間を救うにはどうすればいいか、人間を見て考えなさい」と言いつけている。特使としてアメリカ大統領との会談にやって来たが、真の目的はロストバレルのファクターとなった沢渡との接触であった。 |
| :加藤の話では、アメリカ大統領と会談したさい、「人類のリセット」を宣告したらしいが……? | | :加藤の話では、アメリカ大統領と会談したさい、「人類のリセット」を宣告したらしいが……? |
− | : ヒトマキナの長の一人で、最新鋭のマキナ。戦闘用の外骨格を持ち、戦闘力は「真のファクター」となった浩一の乗るラインバレルをしのぐ。浩一にヒトマキナ達の計画とそれを成そうとしている「強硬派」の存在を明かした後、形は違えどマキナを持った人とヒトマキナの戦いを止めた(「メテオ」での帰還時)彼に後を託して自らラインバレルに撃たれ、消滅した。 | + | :戦闘用の外骨格を持ち、戦闘力は「真のファクター」となった浩一の乗るラインバレルをしのぐ。浩一にヒトマキナ達の計画とそれを成そうとしている「強硬派」の存在を明かした後、形は違えどマキナを持った人とヒトマキナの戦いを止めた(「メテオ」での帰還時)彼に後を託して自らラインバレルに撃たれ、消滅した。 |
| :外骨格なしでの単独オーバーライド能力を持つ。 | | :外骨格なしでの単独オーバーライド能力を持つ。 |
| :;レイル・スプリッター | | :;レイル・スプリッター |
191行目: |
190行目: |
| | | |
| ==関連用語== | | ==関連用語== |
− | ;[[アルマ]]:マキナを模して地球の技術で作られている。原作漫画版では加藤機関独自の兵器。TVアニメ版では設定の違いがあり、マキナ以外のロボット兵器の総称である。 | + | ;[[アルマ]] |
− | ;[[加藤機関]]:アニメ版では大半のマキナはもともとここに所属していた。 | + | :マキナを模して地球の技術で作られている。原作漫画版では加藤機関独自の兵器。TVアニメ版では設定の違いがあり、マキナ以外のロボット兵器の総称である。 |
− | ;[[JUDA]]:アニメ版では石神がマキナを持ちこんだ。 | + | ;[[加藤機関]] |
− | ;キリヤマ重工:プリテンダーを所有している。 | + | :アニメ版では大半のマキナはもともとここに所属していた。 |
− | ;[[迅雷]]:キリヤマ重工により、アルマに更にプリテンダーのデータを加えて開発された。その名の通り新型迅雷の原型。TVアニメ版ではアルマの意味がマキナを除いたロボット兵器の総称となっているため、この機体もアルマの一種とされる。 | + | ;[[JUDA]] |
− | ;[[統一意志セントラル]]:TVアニメ版の黒幕。マキナを侵略兵器として使おうとしていた。 | + | :アニメ版では石神がマキナを持ちこんだ。 |
− | ;パルド・ロック:原作版ペインキラーの随伴機。 | + | ;キリヤマ重工 |
− | ;「ラインバレル」世界の人間達:原作漫画版では深いかかわりを持つ。 | + | :[[プリテンダー]]を所有している。 |
| + | ;[[迅雷]] |
| + | :キリヤマ重工により、アルマに更にプリテンダーのデータを加えて開発された。その名の通り新型迅雷の原型。TVアニメ版ではアルマの意味がマキナを除いたロボット兵器の総称となっているため、この機体もアルマの一種とされる。 |
| + | ;[[統一意志セントラル]] |
| + | :TVアニメ版の黒幕。マキナを侵略兵器として使おうとしていた。 |
| + | ;パルド・ロック |
| + | :原作版ペインキラーの随伴機。 |
| + | ;「ラインバレル」世界の人間達 |
| + | :原作漫画版では深いかかわりを持つ。 |
| | | |
| ==余談== | | ==余談== |