時流エンジン
時流エンジンとは、『スーパーロボット大戦R』に登場する動力炉。
概要編集
フェル・グレーデンと、ラージの父が開発した、エクサランスの動力源となっているエンジン。時粒子(時の流れ)を動力源として稼動する、燃料を必要としないいわゆる「永久機関」である。ただし、時の流れが一定である以上生産できるエネルギーは常に一定であり、消費に供給が追いつかなかった場合、エネルギー不足に陥る。これを克服するにはエネルギーの変換効率を上げるしか方法はない。
本来はタイムマシンの動力源として開発されたものであり、臨界点を越えるとタイムスリップを引き起こす性質がある。ただし実際にこのエンジンで時間転移・次元間跳躍を引き起こすには巨大なエネルギーの爆発的な発生が必要であり、意図して発生させることは不可能。
このエンジンの特異性は、時間の流れからエネルギーを発生させるという特殊な動力機関でありながら、既存の部材のみで建造・量産が可能という一点にある。『R』ではデュミナス事件の後に改めて実用化され、レスキューマシンとなった新型エクサランスや星間連絡船のエンジン、あるいは発電施設として使用されるなど、永久機関としての用途を高く評価されている。
『OG』シリーズでも基本的な性質は同じだが、時間跳躍とほぼ同義である次元転移を引き起こすトラブルメーカーとしての側面がピックアップされており、シャドウミラーの前例もあって転移装置そのものに否定的な考え方が強かったため『OG外伝』の後に解体処分された。
しかし『OGMD』ではラースエイレムを用いるフューリーへの対抗手段が地球側に存在しないことが発覚し、可逆性タービンを組み込んだ新型が急遽再建造、実戦投入されている。このエンジンでは、従来の時流子によるタイムタービンの回転に加え、追加でエネルギーを注入することによって時粒子を加速させることが可能である[1]。
これによってラースエイレムの「システムを持たない機体の時粒子の運動速度を極限まで低減する」という性質に対抗することが可能となったが、同時に多少ながら暴走のリスクを孕んでいる。時粒子を意図的に加速できるということは、時間の流れを意図的に加速できるということを意味するため、使い方によっては極めて危険な、今後のOGシリーズにも大きな影響を及ぼし得る要素となった。
登場作品編集
携帯機シリーズ編集
- スーパーロボット大戦R
- ラー・カイラムの核エンジンまたはナデシコCの相転移エンジンの爆破に巻き込まれ、タービンが臨界点を突破し過去にタイムスリップ、ここから本編が始まる。
- 時間転移を引き起こす性質については何度も言及されており、そこに目をつけたデュミナス一派に狙われる。
- スーパーロボット大戦K
- Wスロットシステムによる強化パーツとして登場。ENを1ターンに30%回復させる。
単独作品 編集
- スーパーロボット大戦30
- AOSアップデートの武器改造設備を最大強化した後にMxPを20000支払うことで入手できるレア度4の強化パーツ。
- 装備すると最大ENが+200され、自軍行動開始時にENが最大値の50%回復の効果を得る。
OGシリーズ編集
- スーパーロボット大戦OG ORIGINAL GENERATIONS
- 設定が少し変更され、時間だけでなく空間・次元間の転移もできるようになった。ただし、これは時間転移と同様、イレギュラーで非常に危険な現象として扱われている。
- 『OG外伝』のEDでは前述の理由により、次元転移の危険性と時流エンジンの悪用を恐れたラウル達によって、エクサランスごと解体されてしまった。
- スーパーロボット大戦OG ムーン・デュエラーズ
- ラースエイレムの対抗策として復活。『OG外伝』以前の時流エンジンは全て解体され、関連データも全て削除されていたため、「実はこっそりバックアップを取っていたのか」と作中と問われるが、ラージは「自身とミズホの頭の中の設計図を基に(つまり記憶を頼りに)再作成した」と答えている。[2]
- 完全に前と同型ではなく、「可逆性タービン」という機構を組み込んだ新型のエンジンとなっている。
- また、ゾヴォーク(ゴライクンル)からも目を付けられており、グランゾンやサイバスターらと同様に鹵獲対象の筆頭に数えられている。
関連用語編集
関連人物編集
- デュミナス
- 『R』では過去に跳ぶための、『OG外伝』では転移の手段として利用価値を見出した。
- ギリアム・イェーガー
- 前述のシステムXNに転用できると可能性を見出していた。
- シャドウミラー
- 時流エンジンをあくまで転移能力に利用価値を見出していた。