アウセンザイター
DGG-XAM2 アウセンザイター(Aussenseiter)
- 登場作品:バンプレストオリジナル
- 形式番号:DGG-XAM2
- 分類:ダイナミック・ゼネラル・ガーディアン【2号機】
- 異名:『トロンベ』
- 全高:55.9 m
- 重量:165.5 t
- 走行補助:テスラ・ドライブ
- 開発者:ビアン・ゾルダーク、テスラ・ライヒ研究所
- パイロット:レーツェル・ファインシュメッカー(エルザム・V・ブランシュタイン)
- メカニックデザイン:安藤弘
グルンガストシリーズの後継プロジェクトとして開発されたダイナミック・ゼネラル・ガーディアン(DGG、ダブルG)シリーズ全4機のうちの2号機。『スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION2』で初登場した、レーツェル・ファインシュメッカーことエルザム・V・ブランシュタインの専用ユニット。
アウセンザイターは英語で言えば「アウトサイダー」。直訳なら「部外者」で、主人公達とは離れたところで活動するレーツェルの立場を示唆するものと取れる。更に馬に対して使う場合、番狂わせを意味する穴馬(一般的にはダークホースを使用することが多いが)になる。姿形と驚愕の戦闘方法の「意外性」やその黒いボディ色への示唆も感じさせるなど、いろいろと解釈できる名前である。
重厚な外観を持ち、色は当然トロンベ色(黒ベースに赤・金)。肩当て兼投擲武器のシュルター・プラッテの片方にブランシュタイン家の紋章を備え、更にマントを持っている。ダイゼンガーと違い正式装備が整っている為、高出力・長射程のライフルであるランツェ・カノーネ2挺を中心とするDGG用武器の高性能さが分かる。また、両脚部の踵に装着された車輪『フェルゼ・ラート』で地上ではホバー気味の高速移動が可能で、夕日をバックにマントをはためかせながら疾走する姿はヒーローそのもの。単に車輪だけで走行しているわけではなく、爪先部に搭載された機能限定型のテスラ・ドライブにより慣性質量をコントロールし、軽快な動きを可能としている。これはプフェールトモード時も同様。
現状のDGGでは唯一DMLが搭載されておらず、通常の操縦系統となっている。コクピットに関してはヴァルシオンに使用されたものと同じだが、ジ・インスペクターではバイクに跨るような形となっており、コンソールにはブランシュタインの紋章が刻まれている。
馬への変形機構「プフェールト・モード」が搭載されていて、機能をオンにするとレーツェルの愛馬トロンベを模した形態へと変形する。この形態ではランツェ・カノーネが前後に分離し前脚と後脚になっている。この形態を指してレーツェル本人が冗談交じりに「ダイトロンベ」と言った事も。
更にダイゼンガー側のプフェールト・モードをオンにすることで、ダイゼンガーを乗馬させての活動が可能になる。ダイゼンガーには可変機能は存在しない為、向こう側のプフェールト・モードは馬形態のアウセンザイターへの騎乗戦闘用にプログラムを最適化している状態と推測される。なお、プフェールト・モードの時は、本機のマントはダイゼンガーが羽織る。
『馬への可変形態』『ダイゼンガーを騎乗させての戦闘』と言った実戦運用での実用度に疑問の残るギミックをあえて採用したのは、ビアン博士がエルザムの「トロンベと共に戦場を駆けたい」という思いを汲んでいた事と、敵軍に視覚的・精神的な衝撃や動揺を与える為である。これはヴァルシオンの開発計画である「プロジェクトUR」に基づく思想でもある。この試みは、機動性に欠けるダイゼンガーの短所を補う、という意味では確かに成功している。
排煙口が人型の後頭部や、プフェールト・モード時に突き出す馬の首背面の付け根の2箇所にある。たてがみや尻尾のように見える白いものはここから排出されている煙で、機体のラフや設定図ではかなりオーバーに出して欲しいとの指定が確認できる。
機体サイズは通常はダイゼンガーとほぼ同等だが、プフェールトモードでは全身が展開し、倍近い大きさに変化する。
ちなみにジンライ以前の3機では、唯一敵にまわった事がない(大雷鳳は雷鳳の時に暴走、ダイゼンガーはクスハ編でブリットの特訓相手になったことがある)。
また、正式名称で呼ばれたことが、登場から2014年現在までの7年間でなんとたったの3回しかない(OG2「武神装攻ダイゼンガー」、第3次α「駆け抜ける竜巻」、第2次OG「黒き迅雷」)。
登場作品
どの作品でも、レーツェル・ファインシュメッカーの専用ユニット。
- スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION2
- ダイゼンガーと共に登場。本作では、ダイゼンガー及びアウセンザイターはビアン・ゾルダーク博士がゼンガーとエルザムの専用機として設計し、テスラ・ライヒ研究所の最深部で最終調整が行われていたとされる。ゼンガーがダイゼンガーを強引に動かし、グルンガスト参式の斬艦刀を受け取って剣撃戦用にOSが書き換えられた後に満を持して登場し、いきなり合体技竜巻斬艦刀・逸騎刀閃を放っている。
- 第3次スーパーロボット大戦α
- スポット参戦が数話あり、途中から本格的に合流する。設定はOGシリーズとほぼ同じだが、ダイゼンガーよりかなり後に機体を受領した事になっている。ゲーム中のサブシナリオに受領の場面があるが、それから推測するとαナンバーズが木星圏でZマスターと対峙していた時期のようだ。本作ではアースクレイドル防衛用に開発され、テスラ・ライヒ研究所の隔離区画で最終調整が行われていた。その後、ゼ・バルマリィ帝国がテスラ研を襲った際に初出撃し、夕日をバックにしてダイゼンガーと共に大暴れした後、ゴラー・ゴレム隊を一蹴した。設計思想がOG2と変わらない事やゲーム中の台詞から、αシリーズにおいてもDGGはビアン博士が大きく関わっていた事が分かる。なお、スポット参戦時は主人公機の改造を引き継ぐのに対し、正式参戦した際には無改造で自軍に加わる点には注意が必要。全体攻撃を持ち射程が長いため、ダイゼンガーよりも小隊戦に向く。
- スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATIONS
- 基本的にOG2に準拠しているが、シナリオ、戦闘シーンなどの演出が大幅に強化され、より見ごたえのあるものになっている。
- スーパーロボット大戦 OG外伝
- 暫くクロガネの艦長を務めるので、参戦は第14話より。相変わらず最強の合体攻撃「竜巻斬艦刀・逸騎刀閃」の威力は凄まじい威力。最大ENが上昇した。
- 第2次スーパーロボット大戦OG
- パッケージイラストや、戦闘写真ではジンライに脚蹴りを受けている。今作でも前作までと同様優秀な機体であり、竜巻斬艦刀の威力も相変わらず自軍屈指。またMAP兵器が追加された。ただし今回のレーツェルは集中を覚えないために、被弾しやすくなっているのは注意が必要である。本作でようやく「アウセンザイター」の名前がクローズアップされることに。
- スーパーロボット大戦OG ジ・インスペクター
- 第15話「武神装攻ダイゼンガー」で登場。この時の「ランツェ・カノーネ発射!」はレーツェル役の稲田氏のアドリブであり、シュツルム・アングリフ(αバージョン)を彷彿させるものとなっている。最終話ではプフェールト・モードの完全変形を再現し、竜巻斬艦刀でノイ・レジセイアを粉砕した……が、ダイゼンガー共々ここを最後に出番がなくなってしまい、ベーオウルフ戦では登場しない。ちなみに疾駆の場面でわかるのだが、腰部についているシュルター・プラッテがダイゼンガーと同じサイズで描かれている。
装備・機能
サイズ的にはLでスーパーロボットだが、装甲の初期値と改造での伸びが悪く、逆に運動性はかなり上昇する。レーツェルの能力の高さと天才技能と相まって命中・回避が高い事から、実質的には当てて避けるリアル系機体として運用される。ただしHPは高く、装甲を改造しておくと援護防御で役に立つ事もある。
後半登場のスーパー系にしては…というより、「トロンベ」と呼ばれる機体にしては珍しく飛行できないが、移動力・地形適応とも全体的に高いのでそれほど大きな問題とはならない。
なおプフェールト・モードへの変形機構は特殊能力としては採用されていない為、合体攻撃時にしか見られない。ランツェ・カノーネが脚になり、シュルター・プラッテを投げる手もない以上、変形しても武器がない可能性が高い(ランツェ・カノーネには分離した足が接続されるため発射自体出来ない)。
武器
全ての武器が射撃系。合体攻撃も射撃モーションが全くないが、アウセンザイター側から始動した際は射撃攻撃となる。あらゆる距離や状況に対応できる武装が揃い、火力も高め。ただし特機なので、OGシリーズでは換装武器を装備できない。装備する必要があるかは疑問だが。
- ランツェ・カノーネ
- アウセンザイターの攻撃の大半に使用する、高出力・長射程のライフル。唯一の携行武装。OGシリーズではビーム属性を持つ。
- ランツェ・カノーネW
- ランツェ・カノーネを2丁同時に使用する事で、広範囲を攻撃できる。全体攻撃で、OGSはダブルアタック武器(ALLW)。
- クライス・カノーネ
- 第2次OGで追加された自機中心型MAP兵器。跳び上がってカノーネを撃ちまくる。射程3の無差別なので少々使いづらいが、連続行動+ヒット&アウェイで何とかすべし。
- シュルター・プラッテ
- 肩に装備された円形の投擲武器。主にザコの相手をするのに使用する。意味合いとしては「肩の盾」。まんまである。
- シュツルム・アングリフ
- 夕日をバックにフェルゼ・ラートをうならせ、某映画のガンアクションよろしくランツェ・カノーネを乱射しつつ突撃。切り立った崖の上から奇襲をかけ、猛攻を仕掛ける必殺技。OGシリーズと第3次αでは技の内容が異なり、前者は単機に対してマントを被せて敵機の視界を遮った状態で、ランツェ・カノーネによる苛烈な連続攻撃の後、零距離射撃を行うのに対し、後者はランツェ・カノーネによる乱れ撃ちで複数機を同時に攻撃し、蜂の巣にする技になっている。初出であるGBA版では結構地味で、接近しながら連射し、ゼロ距離で捉えた敵機をカノーネで持ち上げて後ろに持ってきた後撃ち抜く、というシンプルなもの。OG2ndではさらに変わり、マントを投げ上げた後崖から飛び降りながら連射、その後敵機の周囲を高速で旋回しながらカノーネを打ち込み、トドメに相手の横をすり抜けるようにビームを放った後、それを背後に設置したシュルター・プラッテで跳ね返して背後から撃ち抜き、落ちて来たマントを再装着して〆。
ゼンガーの影響か、トドメ時には『我を阻むものなし…!』という決め台詞が聞ける。武器が個別改造のOGシリーズでは非常に改造費が高いが、竜巻斬艦刀の攻撃力に影響する為、可能な限り投資しておきたい。……ちなみにGBA版だと、改造効率の関係で最大攻撃力がランツェ・カノーネWよりも下という現象が発生。龍虎王といいダイゼンガーといい、GBA版は武器強化のバランスがおかしい。
合体攻撃
- 竜巻斬艦刀 / 竜巻斬艦刀・逸騎刀閃
- ゼンガー・ゾンボルトのダイゼンガーとアウセンザイター双方のモードを『プフェールト』に設定する事で、ダイゼンガーが馬に変形したアウセンザイターに騎乗し『刃馬一体』となって突撃、敵を一刀の下に斬り捨てる。二人で行う攻撃だけに戦闘エフェクト・台詞も倍以上熱い。OGシリーズで初披露した際、ダイゼンガーの参式斬艦刀がその場しのぎの武装であった事や、レーツェルがアウセンザイターを受領した状況から、この合体攻撃は固い友情で結ばれた2人ならではのアドリブだった事が分かるが、同時に予め『ロボットによる乗馬戦闘』という手の込んだギミックを採用・導入してしまうビアン博士の凄まじさも再確認できる(本来はガーディアンズ・ソードを使用した攻撃を想定していたのであろうが)。なお戦闘アニメーションの長さは初登場のOG2において既に1分を超え、シリーズが進むごとに更に長くなっている。寺田プロデューサーは「トイレに行って戻ってきてもまだ終わっていない」と発言している。
- 実用性に疑問の残る攻撃ではあるが、「戦場を駆け抜ける巨大な騎馬武者」の姿は確かにインパクト抜群であり、敵異星人を衝撃と混乱の中に叩きこんだ。そうやって無防備になっている隙に全力を叩き込むのだと考えれば、圧倒的な威力も納得がいく…かもしれない。『ジ・インスペクター』では宇宙空間での披露となったが、テスラ・ドライブを使っているらしく宇宙空間を普通に走っていた(第2次OGではこの演出がそのまま採用されている)。疾駆の間に標的を捕捉しているらしく、こちらから撃つと射撃扱いなのはそのためだろう。第2次OGでは使うたびにご丁寧に変形プロセスを見せてくれる。
特殊能力
- 盾装備
- シュルター・プラッテによってシールド防御を発動させる。
カスタムボーナス
OG2以後のOGシリーズのみ。
機体BGM
- 「Trombe!」
- レーツェルの機体である以上、BGMはこの曲しか有り得ず、OG2ではちゃんと機体BGMになっている。しかし、レーツェルのBGM固定のため、アウセンザイター側から「Trombe!」を戦闘BGMにすることはできない(OG外伝のライブラリーで武器ムービーを見た場合、機体BGMが優先再生されるためそこならば聞ける。同じ事ではあるが)。OGS以降は剣・魂・一・擲の尺八と対比するかのように何とコーラスがついている。
対決・名場面
- OG2共通ルート第30話(OGSでは第37話)『武神装攻ダイゼンガー』
- 友であるゼンガー・ゾンボルトが駆るダイゼンガーと共に合体攻撃「竜巻斬艦刀・逸騎刀閃」を放ち、インスペクター四天王の一角、ヴィガジの搭乗するガルガウを中破、撤退させる。
- OG2地上ルート第36話(OGSでは第44話)『眠れ、地の底へ』
- 弟であるライディース・F・ブランシュタインが駆るR-2パワードと連携し、仇敵であるアーチボルド・グリムズに引導を渡す。
余談
- 発音の都合上『アウゼンサイダー』『アウゼンザイター』『アウセンダイサー』『アウセンダイザー』など誤記が多い。
- 機体名を付けたのはレーツェルだが、戦闘時には相変わらずトロンベと呼ぶ。アウセンザイターと呼んだのは、上述の対ヴィガジ戦(αシリーズのゴラー・ゴレム戦)で初登場した時くらい。
- ダイナミックゼネラルガーディアンの2号機なので、本機も広義ではダイゼンガーとなる。実際にヴィガジに「それもダイゼンガーか!?」と言われた際にレーツェルは肯定している。
- 馬は人間と比較してずっと巨大な生物(例えばサラブレッドの平均体重は450~500kg程度)である。一方で本機とダイゼンガーはサイズ・重量に殆ど差異は無い。ダイゼンガーを乗せた姿は実際ならばかなり滑稽なものになると思われるが、脚部になるランツェ・カノーネの砲身の長さで丈を補っているのだろう。ジ・インスペクターでは全身が上下・前後に展開する形で変形している。
- 竜巻斬艦刀のモチーフか元ネタかは不明だが、某ファンタジーの幻獣である「オーディン」の特徴(マントを羽織った騎士が八本脚の馬に乗り、剣で一刀両断する)とよく似ている。ただし、大元となる北欧神話のオーディンは剣ではなく槍使いである事に注意(ガグンやスヴァイサーの方がオーディンに近い)。
- 「龍王逆襲」ではダイゼンガーとスレードゲルミルを二体同時に乗せ逸騎加勢・十文字竜巻斬艦刀を繰り出している。この時の描写では普段のプフェールト・モード時より更に巨大になっている。
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