ナイア

2013年6月1日 (土) 19:13時点における202.148.250.93 (トーク)による版 (→‎余談)

ナイア(Nya)

  • 登場作品機神咆吼デモンベイン
  • 声優:折笠愛
  • 種族:邪神(外なる神々)
  • 性別:不明(「ナイア」としての外見は女)
  • 年齢:不明(「ナイア」としての外見年齢は20代)
  • 所属:なし
  • キャラクターデザイン:Niθ(原案)、橋本秀樹、桜井正明

アーカムシティにある古本屋の女主人。大十字九郎の前に現われては意味深な言葉を残して立ち去っていく謎の人物で、マスターテリオンとも浅からぬ関係を持つ。

その正体はクトゥルフ神話に名高い邪神ナイアルラトホテップ(ニャルラトホテプ)の化身の一つであり、全ての事件の黒幕。
這い寄る混沌」、「千の無貌」など様々な異名を持ち、その化身があらゆる世界に偏在しているとされている。
表向きは掴みどころのない性格の女性を演じているが、その本性は性悪かつ邪悪そのもので、皮肉と嘲笑、悪意で満たされている。幾星霜も繰り返される九郎とマスターテリオンの戦いを楽しみつつ独自の計画を遂行させている。

登場作品と役柄

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦UX
初登場作品。UXの世界そのものと、そこで起こる戦いの真相に当初から気づいている……と言うより、彼女のやっていることが全ての元凶であり、簡単に言えば「だいたいこいつのせい」である。
原作同様に本作でも全ての運命を弄ぶ黒幕として暗躍し、この世界に生きる全ての者たちの生き様、正義、理想、勇気、誇り、野望など、それらの全てを盤上の駒と嘲笑いながら、逃れられぬ運命の罠を蜘蛛の巣の如く、そして完璧に張り巡らす。
しかし、完璧に張り巡らしていたが故にヒーローマンを始めとする数多の不確定要素への対応や自身がやらかしたミスのリカバリーができず、結局UXでも彼女の計画は木端微塵に粉砕され、『ユガ』の向こう側に放逐される結末を迎えた(原作と同じく、今際の台詞では自身の計画さえもより大きなループに組み込まれていた事を仄めかしている)。
もっとも、エンディングでデモンベインの続編『機神飛翔』の事件が起こってているため、違う世界では依然として暗躍しているものと思われる。
なお『機神咆吼』の時点では自ら戦闘に参加していないため本作でも直接戦闘する機会はなく、音声も収録されていない。

人間関係

アウグストゥス
原作やその続編では彼と同じ姿をした化身が登場し、ナイアとコンビを組んでいる(単に姿をコロコロ切り替えているだけかもしれないが)。また、その特徴の数々からアウグストゥス自身が無自覚なナイアルラトホテップの千の貌(分身)の一つであるとする説もある。
大十字九郎マスターテリオン
玩具。彼らに限らず、ナイアにとって全ての人間はいいように弄ぶ玩具でしかない。故に侮り、倒されることになる。ある意味手塩にかけて育てた人材なだけにそれなりの思い入れ(本人曰く愛)はあるようだが、それも宇宙的悪意に満ちたおぞましいものである。
旧神
魔を断つ剣の行き着く可能性の1つであり、自ら生み出してしまった『愛しの怨敵』。愛/憎悪/憧憬などが入り混じった複雑な感情を抱く。幾億もの戦いを繰り広げ、負け続けている。
ドクター・ウェストリューガ
彼女にすら予測できなかったイレギュラー達。特にウェストの場合(機神飛翔デモンベイン)では彼女の構築したシナリオを序盤の段階で致命的なまでに捻じ曲げてしまい、想定外の事態として物語を強制的に終了させる、という特殊エンドが存在する(最後はおとぎ話の紡ぎ手だったエンネアが超展開に耐え切れなくなり、ぶっ倒れて終了する)。

他作品との人間関係

上述の通り、どの作品の人間でも基本的に態度は同じである。 しかし、一部のキャラに対してはそれなりに警戒する姿勢を見せた。

ジョセフ・カーター・ジョーンズ
UXではイレギュラーであるヒーローマンの使い手だけに警戒する。
ヒーローマン
UXでは初めて現れたイレギュラーに警戒している。ヒーローマンこそ、彼女の罠を破壊するために到来した本物のヒーローであり、実際に彼女のシナリオはヒーローマンの登場を皮切りに徐々に崩壊していった。
曹操ガンダム司馬懿サザビー
UXでは異世界・三璃紗より転移してきた彼らの前に現れ彼らの素性を知っていることを突きつけると共に、彼らの思惑を見抜き、「G記」の黙示録の一節などを投げかけて彼らを惑わす。
しかし、ナイアの言葉は、曹操のUXへの参加の意思を固めさせることとなり、それは彼女のシナリオの破綻の一歩に繋がる。
シェリル・ノームランカ・リー
UXでは彼女たちの歌も「所詮自身の描いたシナリオのクライマックスの前座」と嘲笑う。しかし、その彼女たちの歌の力も、ナイアのシナリオを打ち砕く力の一端となる。
フェイ・イェンHD、初音ミク
UXでのナイアのシナリオにおいて決定的と言えるほどの最大の不確定要素。
ノーヴル・ディラン
UXの世界において、ナイアの「領域」に踏み込んでいる数少ない人間。
カリ・ユガ
UXのラスボスであり、全ての可能性を閉じる力を持つ「神にして悪魔」。ナイアの悪意によって繰り返され続け、可能性を生みすぎた世界を完全に閉ざすべく、UXの前に姿を現す。

名台詞

「そうつれなくするなよ、九郎君。たしかに僕にとって君は手駒だったけどね。」
「君のことを気に入っていたのは事実。」
「僕は君を愛しているのさ。ただ僕にはこんな愛し方しか出来ないだけで」
「全ては終わったんだ……後はただ、君のことを愛し続けよう」
原作ゲームより。悪夢の世界の入り口にて。トラペゾヘドロンを今まさに解き放たんとする勇者を捕らえ、邪神は囁く。これは愛なのだと。
真実の悪は愛にも似て英雄を堕落へ導く―――
大十字九郎が彼女の誘惑を破れるかは、直前の選択肢にかかっている。汝、三位一体の英雄。汝の片翼に真実の愛を示すべし―――
「然らば、私も苛烈なる憎悪を以って、お前たちを愛し抜こう!」
「魅せてみよ!この、盲目にして痴愚なる神の夢―――」
「泡沫の宇宙で何処まで生き足掻く事が出来るか……この私に魅せてみよ!」
「神のシナリオすら超える窮極の破壊者!神殺しの刃!」
「そう、お前達はヒトが創りし神!」
「最も新しき神―――『旧神』よ!」
原作ゲームアルルートノーマルエンドより。邪神が紡いだ物語は終わった。残るは最も新しき旧き神と、曠野の混沌の永劫の争いのみ。かくて、神話は大団円―――最も陳腐な大団円(デウス・エクス・マキナ)を迎える―――
「……どうやら完全に僕の負けのようだね。真逆、こんな奇蹟が起こるなんて。僕ですら予測もつかなかった」
「だけどね。輪廻が砕ければ、今までの世界もまた砕け散る。結局、君達の世界は、僕の輪廻の上に在ったんだ」
「総てはなかったことになる。アル。九朗君。瑠璃お嬢ちゃん。君達の戦いも苦しみも勇気も絶望も、出会いも別れも喜びも悲しみも全部。ただの幻なのさ」
「君達も所詮は狂った因果の産物さ。さあ……総ては正しく因果に還る。君たちも還るが良い。僕はまた、宇宙の外から、生き足掻くちっぽけな君たちを嘲笑い続けよう」
原作瑠璃ルートトゥルーエンディングより。概ね、この邪神の失敗は敵を侮りまくった末の「予想外・予測不能」である。自業自得といえるが、この周回はただの少女にループを粉砕されてしまったというクトゥグアにマイフィールドを焼きつくされた時並の大黒星となってしまった。
そしてこの無貌の邪神は、今回のように、スーパーロボット大戦UXでの結末がそうであるように、永劫に敗れ続ける運命であるといえる。なぜなら、そのちっぽけなヒトの意思を幻と嘲笑することしか出来ないのだから。

迷台詞

「想定外の事態が発生したため、これ以降の展開は用意されておりません」
「『納得いかない!』とお怒りのお客様につきましては、次の中からお好みのエンディングをご自由にお選びください」
続編『機神飛翔デモンベイン』特殊EDにて。上記の通りドクター・ウェストによって予定が全部覆されてしまい、話を強制終了せざるを得なかったことについてのアナウンス。こころなしか事務口調のため邪神様のSAN値がヤバイとか言われることもある。げに恐ろしきは○○○○である。
急遽用意したエンディングの内容も投げやりにもほどがあるものばかり。地球皇帝の幻影が語りかけてきたり、往年の格ゲーのエンディングをパロってみたり、往年の名推理小説の犯人当てのセリフ(UXでは寺生まれのDさんが述べた)言ってみたり、果ては前作のエンディングすらパロった挙句、その神話の紡ぎ手であったエンネアが倒れて終わりを告げた…。

余談

  • クトゥルフ神話におけるトリックスター的存在で、知名度においてはクトゥルフ神と同等かそれ以上と思われる。
    基本的に人間に適当な事を囁いて破滅させる他、やりすぎて暴走した人物を始末する為に現われる事が多い。
    未知の恐怖と戦う探索者達にとっては宿敵とも言うべき存在である。
  • その一方で「皮肉と嘲笑と悪意を好む」という性質から人間と同じ土俵に降りてくる事も多く、結果として弄んでいた相手に陰謀を打ち砕かれる事も少なくない。「デモンベイン」もそういった作品の一つである。
    • クトゥルフ神話においては、クトゥグアと呼ばれる火の邪神のことだけは一貫して苦手としており、ある作品に至っては追い詰めた人間に反撃として召喚されたクトゥグアにホームグラウンドたる「ンガイの森」をなす術もなく完膚無きまでに焼き尽くされるという、前代未聞の大黒星がついてしまった。(デモンベイン原作でも、初めて九郎がクトゥグアの力を使った際に「気に入らないけど許す」と零していた)
  • クトゥルフシリーズ以外では『這いよれ!ニャル子さん』や、アトラスの『女神転生シリーズ』とその派生作品の『ペルソナシリーズ』など、日本のオリジナル作品にも多数登場しており、クトゥルフ神話は知らなくてもナイアルラトホテップの事は知っている人も多い。特にペルソナ2というゲームでは、登場人物を操って時間ループに干渉と、ほぼ同じようなことをやっている(何回もループしてはいないが)。
    これらの作品の世界観は当然ながら独立しているが、そもそもこの邪神には特定の姿形はおろか、時間や空間、世界という概念すら存在しないので、全ての作品に登場する彼らは同一の存在という解釈も成り立つ。
    • ちなみに『ニャル子さん』はパロディが多いが『デモンべイン』もしっかり拾われており、登場人物がデモンベイン召喚時の口上の一部を発したことも。…それどころか、PS2版主題歌「機神咆吼ッ!デモンベイン!」がカバーアルバム「邪名曲たち」に収録された(同アルバムは全てクトゥルフ神話が何らかの形で関わっている作品からのカバーであるため)。歌うのは主人公の八坂真尋を演じる喜多村英梨。
      • これにより、両作を知るファンに「真尋の使用するフォーク=魔を断つ剣」とネタにされた(『ニャル子さん』では八坂親子が使用するフォークは邪神達に大ダメージを与える)。
    • 上記のパロディのためか、『ニャル子さん』はニトロプラスの2013年エイプリルフール企画『渾沌大殲』でニトロプラス発の作品以外では特に扱いが良かった。