クロスボーン・ガンダムX1フルクロス

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クロスボーン・ガンダムX1フルクロスは『機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人』の登場メカ。

クロスボーン・ガンダムX1
フルクロス
外国語表記 Crossbone Gundam X1 Full Cloth
登場作品

ガンダムシリーズ

デザイン カトキハジメ
初登場SRW スーパーロボット大戦V
SRWでの分類 機体
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スペック
分類 他惑星用モビルスーツ
生産形態 改修機
型式番号 XM-X1
頭頂高 15.9 m
動力 熱核融合炉
出力 5280 kW
推力 25t×4(最大30t×4)
装甲材質 ガンダリウム合金ハイセラミック複合材
原型機 クロスボーン・ガンダムX1パッチワーク
所属 クロスボーン・バンガード
パイロット トビア・アロナクス
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概要

新生木星帝国の「神の雷作戦」を阻止するための「鋼鉄の7人作戦」に向けて、クロスボーン・バンガードサナリィ月面支部が所有する全ての予備パーツを投じて組み上げられた、クロスボーン・ガンダムの最終仕様機。20時間程度で突貫改修された機体なので「あくまでも既存汎用技術の集合体」でしかないが、強襲任務のために特化調整されたその性能は当時の地球圏において最強クラスである。

だが、そんな本機を持ってしても、幾多の激戦を潜り抜けて歴戦の戦士となったトビアの反応速度にはあと一歩及んでいなかった(本機の限界機動中の場面ではトビア本人よりも、機体反応速度やバイオコンピュータへの負荷のほうが問題化していた。 さらに言うと、当のX1自体が激戦による損耗の累積と経年劣化で限界も同然であった)。このような半ば型落ちした機体で、最新鋭のワンオフ機であるディキトゥス2機のコンビネーションを凌ぎきった(しかも仲間たちをかばいつつ)トビアの技量は「鋼鉄の7人」の中でも群を抜いていると言えるだろう。

ムラマサ・ブラスターにピーコック・スマッシャーと、これまでの主要装備をまとめて装着。さらに残存するABCマントを積層化した特殊装甲「フルクロス」を装備したその姿はまさに海賊船長。なお直前の戦闘で大破した上に、既に純正パーツが残っていなかった両腕部はF97量産機であるフリントからの流用品なので、Iフィールド・ハンドではなくブランド・マーカーとなっている。また、通信能力の向上の為に、左側頭部にブレードアンテナが追加されている(限界機動中に破損したあとは根元からパージされたようで、見せ場はほとんど皆無だが)。「鋼鉄の7人作戦」に置いては近接防御(コロニーレーザーへの攻撃を担当する機体を敵MSから守る役割)を担当するため、対弾性能や防御力に特化した改造が施されている。

ガンダムデスサイズヘルのように全身を覆う形で装甲を追加しているが、元々の機動力に加えてフルクロスユニット自体に高出力スラスターが内蔵されている事もあり、機動力は下がるどころかより向上している(作中で使用されたのは宇宙戦のみなので、空中戦などではどう作用するのかは不明)。だが可動部が設けられているとはいえ、その構造は機体の動きと露骨に干渉する難点がある(特に腕部・脚部の可動および腰部武装の運用、プラモデル版では特に顕著)ため、必要に応じて不要箇所ごとにパージできるようになっている。

登場作品と操縦者

単独作品

スーパーロボット大戦V
初登場作品。表記は「XBガンダムX1 フルクロス」。
本作ではスカルハートの予備パーツを各種世界の技術と組み合わせて新造された設定でスカルハートとは別機体として自軍参入するため、フルクロス部分をパージしてスカルハートに戻ることができない(この為、本作品のみ本機体と原型機の2体のX1が使えると言う事)。ただし改造段階はスカルハートのものを引き継ぎ、キンケドゥに返却したスカルハートには量産型ガンダムF91の改造段階が反映される。
また武装構成が若干変更されており、ピーコック・スマッシャーがザン・バスターの代わりに射撃武器になり、スクリュー・ウェッブ並びにブランド・マーカーの射程が下がるため全体的な射程が少しだけ下がる。
スーパーロボット大戦X
第34話で加入。『V』と同様に「XBガンダムX1 フルクロス」表記。今回はヘルメスの薔薇によって技術の前倒しが起こり、X1改・改が改修される。その為、スカルハートは残らない。
今作では味方にニュータイプ強化人間技能を持つパイロットが非常に多い(宇宙世紀出身キャラ全員が所持)関係かオールドタイプ用の強力なMSが不足しており、ガンダム系主役機の中でNT技能を必要とする武装、機能を一切持たない本機はオールドタイプを使っていく際ののせかえ候補の最右翼となる。候補としては本作最強クラスのオールドタイプパイロットであるクリム・ニックが挙げられる。彼の元々持つ天才に加え見切りを習得させておけば本機のカスタムボーナスと合わせて見切り発動時の基本補正が最低でも7割というクリティカルの鬼と化す。
正規パイロットのトビアは、高いNT技能もあって他のNT専用機に乗せた方が自軍全体における機体の無駄を生じさせずに済むという利点(或いはもう一つの事情)もあるので、一考の余地あり。
EDにてフルクロス装備は、Hi-νガンダム同様にアル・ワースに放棄されている。
スーパーロボット大戦T
参戦は第33話。新たにザンバー・コンビネーションが追加され、スカルハート・スペシャルの穴である射程1が埋まった。
なお、改造はトビアが参戦時に乗っていた量産型F91の改造を引き継ぐ為注意。

装備・機能

武装・必殺武器

武装

バルカン砲
頭部に2門内蔵。劇中では使用されていない。
ガトリング砲
本来はX3に追加された武器。胸部前面に装備されている。後述のX1パッチワークに修復する際にX3の予備パーツだった胴部を用いたことでX1にも搭載されることになった。
装備されてはいるが、劇中では使用されていないため、SRWでも未採用。
シザー・アンカー
右前部スカートが変形することで使用可能になる装備。本体とチェーンで繋がっている。これを武装として使うことは殆ど無く、敵機の四肢を拘束する等の搦手として使用している。
これまでにもビームザンバー振り回しなどで用いられていたが、本機ではついにムラマサ・ブラスターを振り回す事となった(正確にはムラマサ・ブラスターを保持していた左腕を捕まえて振り回した)。
ヒートダガー
脚部内に収納され、脚部スラスターの余剰熱で瞬時に加熱する。脛から取り出し手に持つことも可能だが、足の裏から刃だけを出した状態で蹴りつけたり、ダガーそのものを足の裏から射出する使い方も多い。
装備されてはいるが、劇中では使用されていない。
『V』では蹴りバージョンがブランド・マーカーのモーションに組み込まれる形で採用。
ブランド・マーカー
両手の前腕部に装備された、先端にビームを収束させた武器。ビームシールドとしても使用可能。ビーム発生基部の取り外しが可能で、外してもしばらくは内蔵バッテリーでビームを展開できる。
最初期のX1から用いられていた武器だが、これの有無が最後の決め手となった。
『V』ではシザーアンカー→ヒートダガーキック→本武装の連携攻撃となっている。『X』でも同様だが、ブランド・マーカー展開時の台詞が削られている。
ビームシールド
ビームの防壁を発生させ、攻撃を無力化。本機のはビームを中心部に集束させて広範囲に広げる。
劇中ではシールド展開された場面は無い。
ビームサーベル
両肩に装備された武器。装備状態のまま、ビームバルカンおよびビームガンとして使うこともできる。
装備されてはいるが、劇中では使用されていないため、SRWでも未採用。
ビームバルカン
両肩にマウントされた状態のビームサーベルから発射される。また、ビームガンとして撃ち分けが可能。バルカン砲と一斉射して使われる事が多い。コア・ファイター時の主兵装としても使用。
SRW未採用。
スクリュー・ウェッブ
ドリル状の先端を高速回転させることで貫通能力を高めた鞭。
左前部スカートに装備されてはいるが、劇中では使用されていない。
ムラマサ・ブラスター
大型実体剣状の刀身に配された14本のビームサーベルと、切っ先に配された1門のビームガン(ビームサーベル兼用)を装備したオプション兵器。ビーム刃をフル展開すると、ノコギリとも七支刀とも見受けられるゴツい外見になる。接近戦用武器としての破壊力は非常に高く、ビームザンバーと同様に相手のビームシールドごと敵機を切断することができるが、その威力は段違い。
ちなみに無印でX3に使用されていたときはビームガンとして用いられておらず、本機で射撃に使用されたのが作中では初の描写になる。
「鋼鉄の7人作戦」開始時はピーコック・スマッシャーでの射撃を行うために所持しておらず(アンヘル・ディオナの補給用コンテナに収められている)、第二段階の開始時に受け取っている(この時の描写は後述のスカルハート・スペシャル開始時のポージングに採用されている)。
前作に引き続いてその威力を存分に発揮したが、ディキトゥスのハイパービームアックスよりは出力が劣るようで、機体側の損耗もあって幾度か刃を交えた結果ヘシ折られてしまった。余談だが、本装備に類する武器をガンダム型MSが使用した場合、経緯こそ違えど最終的には毎回ヘシ折れるという末路を辿っている。
『V』では斬撃を数度浴びせた後、一旦ビーム刃を消して実体剣で相手を串刺しにし、そこからビームを全開にして相手を内部から破壊する演出になっている。ビームガンモードは非実装。
『X』では足裏からヒートダガーを射出して敵機体に突き刺し、飛び蹴りで更に奥に差し込んだ後に斬撃を数度浴びせた後、一旦ビーム刃を消して切っ先からビーム刃を再展開して斬りつける演出に変化している。
ピーコック・スマッシャー
スカルハート以降のX1を象徴する武器。ボウガンのような外観が特徴。
いわば「ビームライフル版ムラマサ・ブラスター」であり、汎用品のビームライフルに水平8連装のビーム砲ユニットを組み合わせてある。収束モードと展開モードを使い分けることでき、おおまかな威力と攻撃範囲の調整が可能。
これはサナリィの純正品ではなく、スクリューウェップ同様に海賊軍があり合わせのパーツで作った急造品なのだが、正規品の重火器に匹敵する破格の高性能に仕上がっている。何気に「鋼鉄の7人作戦」の為に改修が行われていたようで、劇中ではリロードの為にパーツを交換する場面が存在しない(アンヘル・ディオナの補給用コンテナにも交換用パーツらしきものは見当たらない)。
どうやらジェネレーター出力に依存しない携行用武器らしく、他の機体が使用する事も可能。なお、ピーコックとは「孔雀」を意味する。
『V』ではスカルハートのザンバスターに相当する武器性能に設定されているため、同機の同じ名前の武装とは性能・モーション共に大きく異なる。
フルクロス
スラスターを内蔵したフレームに積層化したABCマントを組み込んだ特殊装甲。肩部に装備されたスカルヘッドユニットでIフィールドを展開でき、ビームに対して圧倒的な防御力を誇る。
このように非常に優れてはいるものの機体への干渉が大きく、ムラマサ・ブラスター受け取り時に(ディキトゥスの攻撃で溶解していた事も相まって)正面左側がパージされている。その後はトビアが攻撃専念したこともあり次々と破損していき、コロニーレーザーへの直接攻撃時には右肩を残して全損していた(X1本体も左腕・左足・背部スラスター2基を失った中破状態)。
ショルダーアーマー(スカルヘッドユニット)
ガイコツそのものの外見をしている、フルクロスのショルダーアーマー部分。X3のIフィールド・ジェネレーターをガイコツの「目」の部分に片側2基(合計4基)搭載してある。このため、X3のIフィールド・ハンドの弱点であった稼働時間と冷却時間の差による無稼働時間の穴が存在しなくなっていると思われ、前述の特殊装甲と合わせ、フルクロスが健在な限り本機はビーム攻撃に対して無敵に近い。
また、本来想定された使われ方ではないが劇中では武装を失ったトビアのとっさの機転により、ディキトゥスのハイパービームアックスに対抗するべく右手に装備してナックルガードとして転用された。
なお、両肩のIフィールド発生装置というのはV2アサルトガンダムと共通している。同じ強襲性能強化形態であり、V2の元となったF99はサナリィで作られたことからフルクロスを元にアサルトパーツが作られたと考えることもできる(長谷川氏が逆算して搭載したともいうが)

オプション装備

ビームザンバー
原作では装備していなかったが『T』にて演出で使用。

必殺技

スカルハート・スペシャル
『V』における必殺技。ピーコック・スマッシャーとムラマサ・ブラスターを同時に使用し、連続攻撃を叩き込んで最後にスカルヘッド・ナックルガードを装備して殴りつける。トドメ演出ではマスクカバーを閉じるリアルカットインが入る。
ちなみに原作ではナックルガードの使用自体は、上項のように敵機のビーム兵器への対抗のためであって直接的な攻撃目的ではなかったため、このような殴打に用いる使われ方はオリジナル描写になる。
『X』ではこれにツッコミが入ったのか、最初のピーコック・スマッシャー連射以降の演出が変更され、〆の一撃が宙返りしながらのアンカーで保持したムラマサ・ブラスターでの斬撃になった。なお、地味に宇宙適応がSになっている。
スマッシャーでの殴打、高速移動しながらの斬撃、〆の一撃は『鋼鉄の7人』の原作再現。原作では光のカリストのディキトゥスにブラスターを持った左腕を切断された際、とっさにアンカーでブラスターを左腕ごと掴んで繰り出した反撃だった。
ムラマサ・ブラスター+ビーム・ザンバー
『T』で追加。ムラマサ・ブラスターとビーム・ザンバーの二刀流での攻撃。

特殊能力

盾装備
フルクロスでシールド防御を発動する。
Iフィールド

移動タイプ

飛行可能。

サイズ

M

カスタムボーナス

全ての格闘武器に特殊能力「バリア貫通」を付加し、CRT+30。
後は、パイロットの側に「サイズ差補正無視」を養成すれば、攻撃面で不利を被ることは無くなる。
『V』では木連系、『X』ではアンチスパイラル系などバリア対策が必要となる機会は少なくないため、彼等を相手にする戦いでは優先的に枠を割いてあげよう。

機体BGM

「スカルハート見参」
V』で採用。

関連機体

クロスボーン・ガンダムX1改・改(スカルハート)
本機の原型機は本来X1パッチワークであるが、X1パッチワークが登場しないゲーム作品等では本機を原型機として扱われることがある。なお、両腕の武装がブランド・マーカーに戻っているため、より厳密にはスカルハートとパッチワークの中間の機体がコアとして使用されていることになる。
クロスボーン・ガンダムX1パッチワーク
中破したスカルハートをX3のパーツで改修した機体。構成部品の殆どがX3の為、ブランド・マーカーの代わりにIフィールドとガトリング砲が使用可能。SRW未登場。
クロスボーン・ガンダムX0フルクロス
クロスボーン・ガンダムX0に同装備を装備した形態。部分的に改修が加えられており、パーツの部分展開が可能となっている。ただし、ベースであるX0自体が17年前の物なので、本機ほどの超高速機動戦を繰り広げてはいない。SRW未登場。
ガンダムF90Iタイプ、ガンダムF91 (ハリソン専用)
「鋼鉄の7人作戦」にてチームを組んだ機体。F90IタイプはSRW未登場。

余談

  • 当初は文字通り最後のクロスボーン・ガンダムのはずであったが、後に失われていた4機目:クロスボーン・ガンダムX0が登場した。この機体も劇中での最終決戦時に合わせて同様の装備が施され、フルクロスの名を付けられている。
    • X0フルクロス登場に合わせて、フルクロスの設定そのものが若干改変された。単行本書き下ろしページでは「オプションパーツとして開発された使い捨てのシェルフノズル式高速推進器が原型で、これにABCマント処理を施したもの」、「原型機は少数とは言えF97用オプションパーツとして複数生産され、X0と同じ補給艦にも積み込まれていた」(同作での実装が遅れたのは、調整時間の不足&主戦場との兼ね合いのため)、「肩部のIフィールド発生器は元々組み込まれてあったもので、X3のパーツ流用ではない」(「Iフィールド・ハンド関連の技術・パーツは秘匿されていた」というX1パッチワークの機体解説と矛盾するが、開発順的にこうなってしまったもよう)と解説されている。
      • すなわち【ウモン特製である唯一品の追加装甲をベースに、ついでに推進器も組み込んでみた】のではなく【既製品の外付け用使い捨てブースターを、追加装甲っぽく魔改造した代物】ということになってしまった。タイムリミットによる焦りのためか、X1最終調整時の現場チーフを務めていたウモン(および作者)の発想は相当にブッ飛んでいたことが窺える。
  • 原作ではビームザンバー並びにバスターガンを装備していないが、単行本ではビームザンバーを装備しているページが描き下ろされており、一部ゲームでは装備している物もある。

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