スーパーロボット大戦OG ORIGINAL GENERATIONS
- 発売日
- 通常版:2007年6月28日
- Best版:2008年8月7日
- 機種:プレイステーション2
- 開発:バンプレソフト、トーセ
- 発売:バンプレスト
- 定価
- 通常版:7,329円(税込)
- Best版:2,940円(税込)
- CERO区分:B(12歳以上対象)
- 前:スーパーロボット大戦W(DS)
- 次:スーパーロボット大戦Scramble Commander the 2nd(PS2)
ゲームボーイアドバンスで発売された『OGシリーズ』の『スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATION』と『スーパーロボット大戦 ORIGINAL GENERATION2』を一本にまとめ、新機体、新キャラクター、新シナリオ等を追加した作品。
製作に関してはトーセが担当。そのため効果音や操作性、画面レイアウトなどは『スーパーロボット大戦MX』に近い。
基本的に『OG1』『OG2』の移植であり、キャラクターの能力値も作品ごとに別個である。シナリオもほぼ同一だが、『OG2』では主にATXチームやシャドウミラー勢のテキスト周りに手が加えられ、アクセル・アルマーは『OG2』とはまったく異なる印象を受けるほどに性格が変更されている。
完全な追加要素として、『OG2』の後日談「バルトール事件」を扱った『OG2.5』が収録されている(全12ステージ)。
公式表記は『スーパーロボット大戦OG ORIGINAL GENERATIONS』。スーパーロボット大戦OGs、OGsなどと表記したりもする。
続編に当たる作品は『スーパーロボット大戦 OG外伝』。同作をプレイする際、本作のクリアデータが保存されたメモリーカードを読み込むと資金が追加される。クリアした作品数が多いほど、獲得資金は増加する。仕様はOG外伝の公式HPに明示されている。
新システム
ツインバトルシステムの採用により、GBA版からプレイ感覚はかなり変化した。他の新システムや変更点も、ツインバトルシステムの影響を受けているものが多い。
- ツインバトルシステム
- マップ上で、気力110以上のユニット2機で『ツインユニット』を編成し、2機のユニットで戦闘をすることが可能になった(戦艦系は不可能)。小隊システムの派生的要素だが、マップ上で臨機応変に解散・合流可能な柔軟性を持つ。敵ユニットの場合は、気力に関係なく最初からツインユニットを組み、基本的にマップ上での再編成はしない。
- ツイン精神コマンド
- ツインユニットを組んだ時のみ使用可能な精神コマンドで、両者のSPを消費して使用する。魂や修行、闘志などがOGシリーズで初登場した他、同調や連撃などの新コマンドが追加され、GBA版の一部の精神もツイン精神に移行した。消費SPはどのパイロットでも一定で、レベルに関係なく使用可能。戦艦の艦長や専属サブパイロットは所持しない。
- 特殊弾
- 武器性能を変化させる弾丸。実弾系かミサイル系の換装武器に一種類だけ装填可能。特殊弾素材を2~3個組み合わせて開発する。素材によっては下がるステータスもある。特殊弾を元の素材に分解することも可能。
- 機体特性
- 機体に『格闘』『念動』など7つの特性が設定され、どのユニットもそのうち一種類のみを持つ。単機では何の意味も持たないが、ツインユニットを組むと両機の特性を反映した能力ボーナスが加算される。
主な既存システムと変更点
- パイロット養成
- 技能ラインナップが一部変更され、気力限界突破やラーニングなどがOG初登場。GBA版から一部の技能の消費PPが見直された。また、能力値を1上げるのに必要なPPがαシリーズと同じ10に増加した。
- 熟練度
- GBA版と違い獲得値に関係なく、原作における隠し最終話へ進めるようになった。OG2では該当シナリオ「荒ぶる星神」とユニット「ノイレジセイア」が削除されている。
- ダブルアタック
- MXから復活し、ALLW属性の武器で隣接した敵ツインユニット最大4機を攻撃可能になった。これに伴い、GBA版OG2にあった連続攻撃は削除された。
- 全体攻撃
- ツインユニット制の採用に伴い、OGシリーズでも採用された。また条件を満たせば、ツインユニットで同時に全体攻撃を行えるようになった。全体攻撃はαシリーズ同様援護攻撃に使えないので、援護用の武器の選択肢はGBA版より狭まった。
- 換装武器
- 一部の武器に全体攻撃やダブルアタック、バリア貫通などの効果が追加された。また一部武器で、先述の特殊弾の装填が可能。一方チャクラム・シューターやビームカタールソードなど、GBA版で換装武器だった武器の幾つかが、本来の所持ユニットの固有兵装に戻っている。
- マップ兵器
- ツインユニットの採用に伴い、こちらも全体攻撃化した。敵を撃墜した時、獲得PPも半減されるようになった。ツイン精神の修行である程度のフォローは可能。
- 特殊武器
- 第3次αの仕様が輸入され、P系(パイロット)とR系(ロボット)の区別や、L1~3までの効果レベルが設けられた。また、「~無効」は全て「~ブロック」に差し替えられた。ただし、第3次αの没データ「モジュールブロック」は削除。
- フル改造ボーナス(+カスタムボーナス)、エースボーナス、EX-HARDモード、スペシャルモード
- GBA版OG2から追加された要素で、リメイクに伴いOGsのOG1にも設定された。
- 周回特典
- OG1でも、1周クリアするだけで特典を受けられるようになった。PPの引き継ぎ方式は、MXの全パイロットの平均値を算出する方式になった。3部作化したことにより、引き継ぎの仕組みは複雑化している。
難易度
基本的には原作を踏襲しているものの、GBA版から一部パイロットの精神コマンドや特殊技能などが変更されたり、念動フィールドSが弱体化する等の調整が加わった。ツインバトルシステムなどの採用によって味方機の1戦闘あたりの攻撃力が高まり、GBA版と比べて撤退するボスを撃墜しやすくなっている。
シナリオを進めていくに連れて難易度は上がっていく。特に終盤戦は、HP10万単位の相手と連戦する。
なお余談だが、一部のボスユニットから飛行能力が削除されている。
演出面
多彩なアニメーションとカットイン数、エフェクトの豊富さは据え置き機でもトップクラス。
GBAからPS2へとハードが移行した事により、戦闘中の台詞はすべてフルボイス化された。過去からの流用も少なからずあるものの、大半が新規録音である。
一部を除いたほとんどの機体間で自由に乗換えが出来るため、キャラごとに機体特有の武装の台詞が存在する。これは序の口であり、ほかにも特定のネームド敵、あるいはザコ敵に至るまで、攻撃台詞、回避台詞、小破、中破、大破の被弾台詞が用意されている(中には視聴可能なタイミングのない没台詞もある)。極めつけはOG2シナリオの「楽園からの追放者」で、増援のランドグリーズの中に、檜山氏が声を担当する一般兵が乗っている。
特定キャラ間同士の援護攻撃および援護防御台詞なども『OG2』からさらに追加されており、その総量はただただ圧倒的の一言である。
また、デモ中の会話も、GBA版では既存作品からの流用が多かった(特にSRXやイングラム関連のイベントはほとんどαからの流用)が、今作では新規のものに差し替えられ、所々に新しい台詞が追加されている。
BGM
GBA版では採用されなかった原作曲や、新曲が多数追加された。曲についてはトーセとサラマンダー・ファクトリーの合同共作の形となったため、『αシリーズ』および『OGシリーズ』と『IMPACT』系列のBGMが混在することになった。また、旧シリーズからも「VIOLENT BATTLE」や「WILDERNESS WAR」などが出張しており、楽曲面でもバンプレストオリジナルの総決算となっている。
一方、GBA版にあった一部の楽曲(「例え偽りの記憶であろうとも」など)が削除された。主にイベントやマップ上のBGMの幾つかが対象となっており、GBA版でそれらの曲が使われていた場面は、OGsでは新曲に差し替えられている。
話題
- 2006年の春に発表となり、秋頃に発売する予定だったが、最終的には発表から1年遅れの発売となった。原因は発表されてないが、製作過程で何らかの致命的なミスが生じたことは確実視されている。
- この発売延期によって、2006年の「スパロボ15周年記念」に間に合わせることはできなかった。しかし売り上げはOGシリーズ中最大で、発売1週間だけで約35万本を販売。バンプレストオリジナルのキャラクターやロボットそのものに高い人気があることを証明した。
- 『OG2.5』の存在については発売前には一切の情報が出されず、ユーザ-にとっては完全なサプイライズ要素となった。
- 予約購入特典として、設定資料集『Super Robot Wars OG Official Perfect File』が配布。本作に登場するロボットやキャラクターの設定、パーソナルトルーパーやアーマードモジュールの開発史、SRX計画の発足秘話などが収録されている。ただし、ヒュッケバインシリーズに関する情報は記述されていない。
- 続編である『スーパーロボット大戦 OG外伝』は、本作の発売から1ヶ月経たずに開発が発表された。
ヒュッケバイン問題
真偽は定かでないが、延期に前後して「ヒュッケバインの造形がガンダムに似ていることについて版権元から指摘を受けたのが理由」との噂が流れた。ヒュッケバインがガンダムに似ていることは1994年の登場時点で既に明らかであったが、メディアへの露出が増えてしまったので注意を受けたとのこと。
本来の発売日と同時期に放送されたTVアニメ『スーパーロボット大戦OG ディバイン・ウォーズ』にはこの噂のとおりにヒュッケバインシリーズが一切登場せず、プラモデルも絶版となり、更にはこのことについてバンプレストから公式発表が一切なされなかったため、本作でもヒュッケバインシリーズの退場説(さらに言えば、OGsでの新参戦が予告されていたART-1は退場するヒュッケバインの代理であるとの観測もあった)も囁かれた。
その後、公式ブログ『熱血!必中!スパログ!』で縦読みではあるが「ひゆつけハ出ます」と発表され、実際に登場している。なおガンダムシリーズの版権元である創通は本作のスペシャルサンクスの欄に名前が掲載されている。また本作以降のスパロボシリーズにはサンライズ作品は引き続き登場している。
前述のメディアへの露出云々の問題からか、アニメにはヒュッケバインが一切登場していない。
『ディバインウォーズ』では存在自体がぼかされており、ヒュッケバインシリーズに搭乗するキャラクターは乗機を変更、月面基地での暴走事故の回想シーンでも機体名に触れない、外見をはっきりと写さないという形にされていた。 DVDのみに収録された26話では開発中の機体としてデータとしての登場はしたものの「ヒュッケバイン」という名称自体は明言されず「Mk-II」、「Mk-III」とのみ呼ばれていた。
『ジ・インスペクター』においてはMk-II以前は009(後述)を除き登場しない。Mk-IIIもタイプLが登場せず初出撃及びウラヌスシステム起動イベントもエクスバインというヒュッケバインEXをリデザインした機体(設定としては009の改修機となっている)に差し替えられた。 Mk-IIIタイプRもガーバインというガーリオンのパーツを使用してカムフラージュを施した形態でのみの登場となった。(これに関してはインスペクターが該当機を狙っているが故のカムフラージュと設定された。) Mk-IIIはどちらもガンダムに似ているとされる最大の要因のひとつである頭部のデュアルアイを中心にデザインを変更されている。 また、物語終了後、主力機として生産される機体も量産型ヒュッケバインMk-IIから量産型ビルトシュバインに変更されている。
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