ブルーコスモス
ブルーコスモスとは、『機動戦士ガンダムSEED』シリーズに登場する組織。
概要
「青き清浄なる世界のために」をスローガンとする反コーディネイター団体。
ブルーコスモスは元来アズラエル財閥をパトロンとした同名の自然愛護団体だったらしいが、やがてカトリックやイスラムなどの宗教関係者達が適度な距離を保って合流しつつ緩やかに繋がっていった事によって、具体的な団体から集団の面も持つ一大イデオロギーへと変化していった模様である。
ブルーコスモスは構成員を自称するものを含めて、総数は数十万人程度と規模そのものは地球全域に影響力を持つにしては中小レベルに過ぎない。しかし、心情的にその主義主張に共感する人々は世界中に存在するため、人数面の不利は存在しない。
また、「自分達の主義主張に共感してくれる者であるならば、コーディネイターであっても受け入れる」という意外なまでの門戸の広さに加え、コーディネイターの中にも出生に苦悩した末に反コーディネイター思想に生きる道を見出した者がいるため、少数ではあるが構成員や賛同者の中にはコーディネイターも含まれる。
経緯
『機動戦士ガンダムSEED』作中では地球連合軍内部にまで影響を及ぼしており、多くの連合軍人が加入している。「血のバレンタイン」を切っ掛けの一つとして、地球連合はコーディネイター国家であるプラントと全面戦争となり、連合軍人でなくともブルーコスモスメンバー(あるいはシンパ)によるコーディネイターに対するテロが行われた。
アズラエル財閥の出身であるブルーコスモス盟主ムルタ・アズラエルは軍の行動にも口出しできる程の力を持ち、対プラント戦争を強力に推進した。
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の時代においても新たな盟主であるロード・ジブリールの元、強い影響力を残している。また、ジブリールが代表を務める軍産複合体「ロゴス」がブルーコスモスの支持団体であった事実も明かされている。
しかし、プラントとの二度目の大戦においてプラントの指導者であるデュランダル議長の演説によってロゴスの悪事が糾弾された事が切っ掛けでロゴスは崩壊し、彼等によって支持されていたブルーコスモスはその巻き添えを食らった。
登場作品
スパロボで扱われるときは、異星人や機械生命などの「地球上で自然に生まれた生命ではないものたち」に対しても反目的になることが多い。
αシリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦α
- 『SEED』設定。原作の地球連合軍ではなく地球連邦軍ではあるものの、軍内部で急速に台頭し、αナンバーズを太陽系追放にまで追い込む。
- 本作でのブルーコスモスの勢力拡大の裏には『新世紀エヴァンゲリオン』のゼーレの影があり、裏ではゼーレに利用されていた。
Zシリーズ
- スーパーロボット大戦Z
- 『DESTINY』設定。『SC2』同様、『機動戦士Ζガンダム』のティターンズとの関係が深い。
Scramble Commanderシリーズ
- スーパーロボット大戦Scramble Commander the 2nd
- 『DESTINY』設定。世界観が近いこともあり、『機動戦士Ζガンダム』のティターンズの面々も加わっていた。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦J
- 『SEED』設定。原作とほぼ変わらない。本作では『宇宙の騎士テッカマンブレード』のコルベットも「青き清浄なる世界のために」のスローガンを発言する。
- スーパーロボット大戦W
- 『SEED』設定。『J』と世界観が似ているために扱いもほぼ同じ。本作ではマリーメイア軍やアマルガムと結託している。
- スーパーロボット大戦K
- 『DESTINY』設定。『蒼穹のファフナー』の新国連の面々もブルーコスモス寄りではあったが、コーディネイターよりも人外の敵の方が遙かに脅威である事は理解していた。
- スーパーロボット大戦L
- 『DESTINY』設定。ほぼ原作と同じ扱い。序盤では国連議会に多大な影響力を持ち、地球連合軍を復活させたが、プリベンター等の組織によってLOTUSが結成された他、内通者が送り込まれていたなど対抗活動を敢行され、最後は概ね原作通りに壊滅された。
単独作品
- スーパーロボット大戦Card Chronicle
- 『SEED』と『DESTINY』設定。両作品での展開に準じている他、木連の祖先にあたる火星に移民した地球人を木星の衛星に追い払うという暴挙を敢行していた。
人物
- ムルタ・アズラエル
- 『SEED』時代のブルーコスモスの盟主。地球連合軍の行動に口出しするだけに終わらず、最前線に出てまで直接指揮を取るという積極性を見せている。
- ロード・ジブリール
- 『DESTINY』時代の盟主。しかし、終始陰からの暗躍に徹したためかアズラエル程の活躍はできなかった。
- ウィリアム・サザーランド
- ブルーコスモスシンパの地球連合軍大佐。SRW未登場。
- ジョージ・アルスター
- 表向きは事務次官だが、裏ではブルーコスモスの幹部格であった。これが原因で、娘のフレイはコーディネイターに強い偏見や憎悪を向けるようになった。
- ナタル・バジルール
- (思想面含めて)ブルーコスモスの一員ではないが、命令上アズラエルの非人道的な命令には従わざるを得なかった。最後はアズラエルに反逆する。
他作品の関連する人物
三輪やコルベット等、各作品の軍事組織の急進派の代表格が傘下に加わっているが、その中の何人かは異星人等の存在を相手に戦っている人物達であり、その人物達はコーディネイターよりもそれらの方が遥かに脅威である事を知っている為、内心ではそれらの存在を無視してコーディネイター殲滅を優先するアズラエルやジブリールのやり方に否定的な考えを示すなど、原作では見られなかった常識人の一面を見せる事もあった。
ガンダムシリーズ
- デキム・バートン
- バートン財団のトップで、マリーメイア軍の実質的な指導者。『W』では裏ではアズラエルと結託しており、共にコーディネイターの排除を企てていた。
- ジャミトフ・ハイマン
- ティターンズとブルーコスモスとは思想が似通った所もあるため、『Z』においては彼もブルーコスモス寄りになっている。
- なお、『SC2』には登場せず。
- バスク・オム、ジャマイカン・ダニンガン
- ジャミトフと同様、『Z』にのみ登場している。シロッコ、デューイ、エーデルの三者によるクーデター後はジブリール共々新連邦に追われる身となる。
- トロワ・バートン
- 『L』ではファントムペインに潜入して捜査を行っていた。潜入先にてトロワはジブリールをして「生粋のブルーコスモス」と言わしめるほどの演技を見せており、ロゴス壊滅までその正体が露見することはなかった。
スーパー系
- 三輪防人
- 『第3次α』における幹部格の一人で、同作では未登場人物であるウィリアム・サザーランドの役割も務める。
- 前作で失脚していた所をアズラエルに拾われ、ブルーコスモスの力で復権し、連邦軍内での発言力を強めた。コーディネイターに対して向ける敵意は、バーム星人をはじめとする異星人達に向けるものと同様に強い。
- ただし、ブルーコスモスの思想に賛同こそしていても、アズラエルのやり方には内心辟易するなど、彼への疑念も抱いている。故に、珍しく常識的な反応や思考も垣間見せている。
- サントス
- 『第3次α』においてはアズラエルと繋がっており、ブルーコスモス寄りの人間である事がうかがい知れる。
- キール・ローレンツ
- ゼーレの首魁。『第3次α』ではブルーコスモスをティターンズに代わる新たな手駒として、黒幕として裏から操っていた。『L』でもゼーレはロゴスの黒幕である為、ブルーコスモスの黒幕ともいえる立場にある。
- コルベット
- 『J』および『W』における幹部格でサザーランドのポジションにいて、彼と同様に連合軍内におけるブルーコスモス派の代表。
- 『J』『W』の両方とも『SEED』の世界観がベースとなっている為、スローガンを口にする等、三輪長官以上にブルーコスモス派としての色彩が強い。ただし、三輪長官同様にアズラエルよりは常識的な面を見せることもある。
リアル系
- レナード・テスタロッサ
- アマルガムの幹部。『W』ではアズラエルに雇われ、彼にフェルミオンミサイルを提供するなど、様々な協力をしている。
- ヘスター・ギャロップ
- 『K』における地球連合の代表格であると同時に、ブルーコスモスの代表格の一人。
- ただし、三輪やコルベットと同様に(コーディネイターよりも人外の敵勢力の方が地球にとって脅威である事を理解していた為か)、内心ではジブリールと相いれない側面もある(むしろ彼のやり方に完全に呆れ果てていた)。