リシュウ・トウゴウ
リシュウ・トウゴウ(稲郷 利秋 / Risyuu Tougou)
- 登場作品:バンプレストオリジナル
- 声優:佐藤正治
- 種族:地球人(日本人)
- 性別:男
- 年齢:66歳
- 所属:テスラ・ライヒ研究所
- 役職:技術顧問待遇
- 主な搭乗機:グルンガスト零式
- キャラクターデザイン:河野さち子
漢字表記は稲郷 利秋。薩摩示現流と呼ばれる剣技の達人で師範号を持つ。弟子にゼンガー・ゾンボルト、ブルックリン・ラックフィールド、ムラタがいる。剣技は常人の域を超えており、ゾル・オリハルコニウムの仕込み杖で銃弾を弾くほど。また、戦術眼に優れている一面もある。
現在はテスラ・ライヒ研究所に技術顧問として在籍し、グルンガストシリーズの設計、特に剣撃モーションデータの作成とそれに対応した剣の開発を担当している。「斬艦刀」や「シシオウブレード」は彼が手がけたもの。
普段は温厚な老人で、色恋沙汰の相談にも乗るなど気の良い人物だが、ひとたび戦闘になると、老人とは思えぬほどの圧倒的な戦技で敵を斬り捨てていく。自身の分身とも言うべきグルンガストシリーズにしか搭乗出来ないが、それが欠点になりえないほどの強さを持つ。また、仮にダイゼンガーに乗れるとすれば恐らくゼンガー以上の動きを見せる可能性もあるが、リシュウの肉体年齢ではキツいかもしれない。
ジ・インスペクターでは「武神装攻ダイゼンガー」においてその腕がみられたが、66歳の老人とは思えぬ俊敏な動きと鋭い剣捌きでバイオロイド兵3体を瞬く間に切り捨て、3体目に至っては「雲耀の太刀」そのものの跳躍唐竹割りをやってのけるという神業を披露。ゲームでもこの動きだったとすると、レーツェルの援護は本当にいらなかったかも知れない。
なお、ファンの間ではゼンガーの愛称が「親分」であるのに対してか、リシュウを「大親分」と呼ぶ事もある。
現時点でOGシリーズ内でパイロット登録される人物としては、ダイテツやショーンを抜いて、最年長の人物である(年齢が確定しているメンバーのみ。ギリアムは実年齢がさらに上の可能性がある)。
没データでは斬艦刀装備の参式に搭乗可能であり、参式斬艦刀使用時にはきちんと台詞もある。また、壱式や弐式の武器を使用する際にも台詞がある。流石はグルンガスト系列のモーション担当である。
シシオウブレードの攻撃モーションも彼が造ったものだが、こちらは連続斬りになっている。「二の太刀要らず」はどうしたのだろうか、と思えるが一般パイロットでも扱えるモーションとして用意したのがあの連続斬りと考える事も出来る。 また、あの連続斬りのモーションは薩摩示現流の特徴的な稽古「立木打ち」を参考にしているという説もある。
登場作品と役柄
OGシリーズ
- スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION
- 本シリーズでゼンガーの師範として登場。彼自身は物語に深く関わらないが、のちのαシリーズで彼の設定が組まれている。
- スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION2
- ゾル・オリハルコニウム製の斬艦刀を開発。実は自身もゼンガーに勝るとも劣らぬ剣技の使い手であることが判明する(後述)。
- スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATIONS
- 2.5版ではグルンガスト零式に乗り込む。以前テスラ研が占拠された際に「零式をバラしていなければ」と語っていることから、その後自ら戦場に立つことを予測していたらしい。直撃と乗機のアーマーブレイカーは重要な戦力。
- スーパーロボット大戦OG外伝
- 2.5版の流れと同様に最後まで参戦。ゼンガーと同等以上の能力値。性格も本来ボス敵専用のはずの大物であるため、気力があっという間に溜まる。デフォルト機は零式だが、相性が非常に良いグルンガスト参式に乗せ換えるといい。攻略上、彼の精神コマンドのてかげんが非常に重要になる局面も(14話と29話)。
- 第2次スーパーロボット大戦OG
- 終盤に差し掛かる段階で参戦。技量が高い上に再攻撃を備えているので主力として活躍できる。OG外伝と変わらない戦法を展開できる。今回は先祖からの因縁が続くバラルがいるため、主要キャラとして絡んでくる。今回も彼の「てかげん」が活躍する。
パイロットステータス設定の傾向
能力値
ゼンガーに勝るとも劣らない格闘値と技量値の持ち主。特に技量の高さは圧倒的で、てかげんを最も有効に使えるパイロットである。そのパラメーターをゼンガーと比べてみると、「驚異的な剣技の達人」というキャラクター設定を忠実に再現しており、射撃は大きく劣るが、格闘・回避は並び、後は全て勝っている。
精神コマンド
ツイン精神
- 大激励
- 数少ない持ち主。グルンガスト参式に乗り込み、分離と合流でツインユニットを組めば即座に発動。その為には早めにエースにして強化パーツや闘争心で気力を上げる、分離前に激励をかけるなどサブパイロットと共に気力を上げる必要がある。
- 信念
- 第2次OGではこちらに差し替えられた。デフォルトの搭乗機である零式はフルブロック持ちのため、実質死に精神に近いのが残念。
特殊技能(特殊スキル)
エースボーナス
- クリティカル率+40%
- ただでさえ技量の高さからクリティカルを連発するのに、手を付けられないほどになる。
パイロットBGM
- 「悪を断つ剣」
- ゼンガー・ゾンボルトのデフォルトBGMだが、OGSより専用BGMに。
人間関係
- ゼンガー・ゾンボルト
- ATX計画において剣術を教える。グルンガスト零式以降は斬艦刀を装備する機体に搭乗し、リシュウの技術と志を受け継いだ。
- ブルックリン・ラックフィールド
- ゼンガーの弟弟子で、L5戦役後もテスラ研では指南を受ける毎日。虎龍王の操者である。
- クスハ・ミズハ
- かつてリシュウの先祖が乗り込んだ龍虎王の操者で、ブリット共々指南を受けている。リシュウによるとクスハの容姿は「亡くなった家内の若い頃に似ている」とのこと。
- ジョナサン・カザハラ
- テスラ研所長。彼が手がけたグルンガストシリーズに剣撃のモーションデータを組み込んだ。
- フィリオ・プレスティ
- 同じくテスラ研の所員。フィリオがコンピュータのエキスパートなら、リシュウは剣のエキスパートといったところ。
- マリオン・ラドム
- 「零式斬艦刀」を「出刃包丁」と評して、リシュウに「武士の魂」と激怒された。グルンガストシリーズの設計にも関与。
- ムラタ
- かつての弟子で、ゼンガーとブリットにとっては兄弟子に当たる。「道場剣法」として示現流を児戯と評し、シシオウブレードを奪って逃走。そのためリシュウはテスラ研でリハビリと称してグルンガストシリーズの操縦に慣れ、「人斬りの快楽を追及する愚者」を倒すべくインスペクター事件後に対決することに。そして、封印戦争においてついに決着をつけることとなった。
- 稲郷隆馬
- 先祖。『超機人 龍虎王伝奇』第1部における龍王機の操者。
- 文麗
- 先祖。『超機人 龍虎王伝奇』第1部における虎王機の操者。
- 飛麗
- 先祖。稲郷隆馬と文麗の孫で『超機人 龍虎王伝奇』第2部に登場。
- 稲郷兵馬
- 先祖。飛麗の曾孫で『超機人 龍虎王伝奇』外伝に登場。
- 稲郷瞬馬
- 先祖。『超機人 龍虎王伝奇』第2部に登場予定だったが打ち切りにより未登場に終わった。
- アーチボルド・グリムズ
- 超機人やバラル関係で先祖が因縁のある相手。『龍虎王伝奇 外伝』の内容から、縁戚関係になっている可能性がある。
名台詞
戦闘台詞
- 「行けい! 噴射拳!」
「超絶熱線砲! くらえい!」 - ブーストナックル、ハイパー・ブラスター使用時。先生は横文字の武器名は言いづらいらしい。
- 「お主が拳の修羅なら、ワシは剣の修羅!」
- 対アルカイド戦闘台詞。行く道と在り様は違えど、同じく「修羅」が激突する。なお、同様の台詞は実はアルカイドの方にもあり、そちらは「剣」と「拳」が逆になっている。
- 「我が斬艦刀に断てぬものなし!」
- 斬艦刀でトドメを打ち込むとこの台詞が出る。ゼンガーも使う決めの台詞なのだが、リシュウは言いまわしがゆっくりのため、少しでも早回しにすると最後の部分が相手の台詞に被ってしまう事がある。なお、本編では零式のものしか聞けないが、内部データでは参式斬艦刀使用時にも出る。
- 「我が太刀に断てぬものなし!」
- グルンガスト改等の斬艦刀以外の刀、剣を使用する技でトドメをさした場合はこちらの台詞がでる。「我が太刀」というのはリシュウだけである。
- 「剣は抜かずに済めば無事太平……」
「抜いたからには、一刀両断!!」 - 斬艦刀使用時の台詞の一つ。リシュウにとっての「剣」がどういうものかがよく分かる。なおこの台詞はOG1キョウスケ編において、決戦を前にゼンガーとブリットに送った訓示が元となっている。
- 「ワシを呼んだか! ゼンガー・ゾンボルト!」
- ゼンガーへの援護台詞。キョウスケに対するゼンガーの援護台詞と同じ言い回しなのがミソ。
インターミッション
- 「あれは一の太刀さえ打ち込めれば充分じゃ。今のままでも予定通りの破壊力を発揮しおる」
- 「斬られる前に斬れ」より、零式斬艦刀&グルンガスト零式評。ゼンガーが乗るのだから確かに一の太刀だけでも十分だが、マリオンには理解できなかったらしい。
- 「で、出刃包丁じゃと!? 武士の魂を何だと……」
- 「鋼鉄の孤狼」にて、マリオンが零式斬艦刀を「出刃包丁」呼ばわりしたことに激昂する。……先生には残念だが、零式斬艦刀はどうみても大きな出刃包丁にしか見えない。
- 「そりゃそうじゃろ。特にアルトの杭打ち機なんぞ、実戦では使い物にならんわい」
「武士なら、剣が一振りあれば充分じゃ」 - 直後の台詞がこれ。よほど悔しかったのだろうか。
- 「トウゴウ家の男は代々しぶといのが信条じゃ。そう簡単に死にはせん」
「特に、リュウマ・トウゴウというご先祖はな、中国で……」 - 「亡霊、過去より来たりて」より。さらっと「龍虎王伝奇」の内容に触れている。
- 「……グレッグに諭されてな。マリオンを連れてラングレーから脱出する時の立ち回りでちっとな」
- RoA5巻にて怪我の理由を聞かれて。どうやら左腕でマリオンを担いだまま刀一本で大立ち回りをやらかしたらしい。テスラ研奪還時の神業に通じる剣の腕がここでも垣間見られる。
- 「今はわからんでもいい。じゃが、斬られる前に斬れという教えは…」
「必勝、さらに『必生』の極意でもある」「決して、捨て身の意味をはき違えてはならんぞ、ブリット。そして、ゼンガー…」
「剣は抜かずに済めば、無事太平…」
「じゃが、抜いたからには打と意地を以て、立ち塞がる敵を倒せ。よいな?」 - 「作戦コードS・R・W」にて、修練に打ち込む弟子二人に対して。特にゼンガーがこの戦いで死ぬつもりでいた事を察し、生きて帰らなければ剣を抜く意味はないのだと諭す。
- 「ふふ、ワシの見切りとゾル・オリハルコニウム製の仕込み杖をなめるでないわ」
「それに、弾を跳ね返すぐらい、リューネの嬢ちゃんも朝飯前でやりおるわい」 - テスラ研がインスペクターに占拠された際、5人のバイオロイド兵を切り捨てた上で銃撃を仕込み杖で跳ね返した際のリシュウの言。余りの凄さにレーツェルは(援護する必要は……なかったかも知れんな)と驚愕していた。なお、会話シーンでの出来事であり実際はどのような剣さばきなのかはわからないが、前述の通りジ・インスペクターで本当に神業だったことが判明した。
- (……龍虎王、そして虎龍王。ブリットやクスハを頼むぞ)
(そして、我が先祖よ……超機人に乗り、戦いし者達よ)
(ワシの弟子達を……この世界を守ってやってくれ……) - 「武神装攻ダイゼンガー」より。初めて見た龍虎王に、先祖の言い伝えを思い起こして弟子のブリットやクスハを見守ってくれるよう願う。
- 「黙れい!」
「そして、聞けい! 我が名はリシュウ! リシュウ・トウゴウ!」
「我は悪を断つ剣なり!!」 - OG2.5「欺かれた観客」より。まくし立てるムラタを一喝して名乗りを上げる。弟子のゼンガーの名乗りは、師匠譲りであることが解る。さらに元を正せばリシュウの先祖であるリュウマから代々受け継がれて来たものであり、決め台詞の「我に断てぬものなし!」もまたトウゴウ一門の伝統らしい。
- 「ムラタよ! お主に剣を教えた事は、ワシの罪!」
「お主に償いをさせることこそ、ワシの師としての最後の務めと知れい!」 - 「欺かれた観客」にて。ムラタの過ちを非難しつつも、彼を正そうとするリシュウの弟子への思いが感じ取れる。
- 「ムラタよ……修羅の道の先にあるものは、破滅ぞ……」
- 大連で撤退したムラタに対して。討つべき相手であっても、一度は弟子だった男が気にかかるようだ。ちなみにリシュウのこの言、後に本物の修羅が証明することに。
- 「ふん……他人を利用し、己に克って何とする?」
「お主はもう負けておる。自分自身にな……!」 - ODEシステムで悲しみを克服したとするユルゲンに対し、自分と向き合うことを止めた時点で負けだと一蹴する。
- 「聞けい、妖仙共! 我が名はリシュウ・トウゴウ! 代々に渡るバラルとの因縁、斬艦刀にて断つ!」
- OG2nd「蒼炎の逆鱗」にてATXチームの救援に現れた際、夏喃を一喝して。「龍虎王伝奇」の因縁が、極東の地でついに相見える。
- 「観念せい、ムラタ。お主は剣の悟りを得るどころか、修羅の道を究めることも能わぬ」
「お主は正道を外れ、闇に堕ち、行く先を見失った。それはその機体の名の如く……“無明”じゃ」
「……言ったはずじゃ。我は悪を断つ剣なり……とな」 - 「紅の聖誕祭」にてムラタを撃墜した際に。己の欲望を満たすために剣を振るう「悪」を両断し、師としての最後の務めを果たす。なおゼンガーで撃墜した場合は2行目の台詞のみとなる。
- 「不退転、それが我らの流儀! そして、我が血脈、我が意地がお主を両断する!」
「されど、ワシには先祖より受け継いだ魂力がある! それをお主の身に刻み込んでやるわ!!」 - 対孫光龍。隆馬、瞬馬、兵馬……形はどうあれ、バラルと戦った先祖たちの意地と魂を受け継ぎ、示現流・稲郷利秋が四龍の長に斬りかかる。
搭乗機体・関連機体
メモ
- 漢字表記が「稲郷」であって「東郷」ではないことに注意。実際に示現流は後述する流祖・東郷重位(とうごう・ちゅうい)の家系によって現在も続いているので、流石にそのままでは…という理由での漢字表記かもしれない。なお、名前の「利秋」は、幕末の薩摩藩士(当然示現流使い)で、後に陸軍大将になった中村半次郎こと桐野利秋(1838-1877)に由来するもとの思われる。
- 示現流は戦国末期から江戸時代初期の薩摩藩の武士、東郷重位(1561-1643)が創設したもので、初太刀で何もかも終わらせる極めて攻撃的な剣術として知られている。実際はかなり複雑な体系をもった剣術ではあるが、ゲームなどでは新撰組で隊士達にアドバイスされていた対策などから、一発の威力はあるが躱されるともろいという描写がなされることが多い。
- 特徴的なのは右手を耳の辺りまで掲げ、左手を添えた「蜻蛉の構え」という独特の構えで、「左肱切断」という敢えて左肘の動きを殺すことによって高速で刀を振り下ろすことができる。ダイゼンガーの雲耀の太刀のデモでそれらしき動作をしているのが確認できる。