ネバンリンナ | |
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外国語表記 | Nevanlinna |
登場作品 | |
声優 | 鶴ひろみ |
デザイン | 渡邉亘 |
分類 | 文明再建システム |
性別 | ガイノイド |
開発 | 超文明ガーディム |
所属 | 超文明ガーディム→単独行動 |
概要
『スーパーロボット大戦V』のラストボス。本項では後述の「システム・ネバンリンナ」についても記述する。
容姿と性格
青白く輝く長い髪のようなチューブと白いボディを備えた女性型アンドロイド(ガイノイド)の姿をしており、その外見は自身の端末であるエージェントに似ている。
整ったスタイルをしているが、腹部には穴が空いており、その中で歯車型のギアが回転している。胸は巨乳だが、どう見ても形が浮き出ている。
彼女はガーディム再建の為に地球の人類や技術のデータ収集を行っており、その過程で地球人類の人格や感情を知り「素晴らしい人間」と評して好感を抱いている。逆に自らを造り出した旧ガーディム人に対しては「滅んで当然の存在」と最低の評価をしている(その理由は後述)。
だが自らを「人間を超えた者」と自称しており、頑固で融通が利かない。これは、文明を一から創造可能という極めて高度な性能を持っているが故に生まれた傲慢さが原因。それは、彼女自身が嫌う旧ガーディム人特有の「他者を自分より下位だと見下す醜い傲慢さ」と「理解出来ない存在は全て滅すという負の思考」そのものであり、彼女がそれを自覚していないのが皮肉である。
システム・ネバンリンナ
超文明ガーディムが、万が一の時に備えて開発していた文明再建システム。
ガーディム人は自分達の文明が何らかの要因で滅亡してしまった場合、銀河上に存在する他の惑星をガーディムの母星と同じ環境に改造し文明を再生する保険として、このシステムを用意した。また、ガーディムの兵器やアンドロイドの開発機能も搭載されており、これによってガーディムの戦力もすぐに生産・補充することが出来る。
アールフォルツ率いるガーディム第8艦隊は、このシステム・ネバンリンナを使って「超文明ガーディムの再建・復興」を企んでいる。だがシステム・ネバンリンナを完全に起動させるには、ヤマトの波動エンジンと次元制御技術の解析データや、ナデシコのボソンジャンプ関連の解析データ等が必要であり、地球艦隊・天駆が様々な敵勢力と戦う中でデータを得ようと暗躍してきた。
実はナインは、このシステムの情報収集端末「スレイブ」の内の1機であり、後にオーパーツとして新正暦世界で発見された。
ガーディム滅亡~暗躍開始
システム・ネバンリンナを開発した超文明ガーディムだったが、彼等の文明は異常なまでに徹底されていた管理社会であった為に、徐々にその管理社会の歪みが原因で行き場のない不平不満が溜まっていた。遂には極限まで溜まった不平不満が爆発してしまい内乱が発生、ガーディム人は自らが招いた管理社会の歪みと内乱によって自滅した。
しかし、それでも管理社会に不満を持った良識的なガーディム人も存在しており、僅かに生き残った彼等は他の文明との共存共栄を選び、大マゼラン銀河を離れて別の銀河に移住した。結果、彼らが新たな新天地として選んだ惑星が地球であった。この時、ガーディム人の生き残りによってシステム・ネバンリンナも地球に持ち込まれた。
しかし、当時の地球ではゲッター線を欲するミケーネの神々とエンブリヲが激しい争いを繰り広げており、運悪く彼等の戦いとゲッター線の暴走に巻き込まれたガーディム人達は殆どが死亡してしまう。
ガーディム人達が死亡してしまったことでシステム・ネバンリンナだけが残ることになったが、目覚めたシステム・ネバンリンナの人工知能は、本来の目的である「ガーディムの再建・復興」を自己定義として定め、『V』の物語の裏で密かに活動を開始する。
本編における動向
手始めにシステム・ネバンリンナは地球人類のデータを解析するべく、その為のサンプルとなる人物を定めることにした。だがサンプルとして選ばれたのが、よりにもよってあのエンブリヲであった。
ネバンリンナはエンブリヲをデータサンプルと定めて観察を開始。長らく彼の行動を調査していたが、ある時エンブリヲはラグナメイルを伴って西暦世界に転移し、ネバンリンナもエンブリヲの後を追って西暦世界に転移する。更なるデータ収集を行っていたネバンリンナは、本編序盤で刹那とティエリアが巻き込まれた量子ワープ実験の事故によって、新たに新正暦世界の存在も認知する。これにより、ネバンリンナは3つの並行世界の地球を巡ったことで様々な技術とデータを収集することが出来、希望や善心に溢れた地球人類を「素晴らしい人間」と評価する。
地球人の素晴らしさを知ったネバンリンナは、そのデータを元に超文明ガーディムの再建を開始する。その過程において、数少ない生前の旧ガーディム人のデータからアールフォルツ、ジェイミー、グーリーのアンドロイドを創造した。これが現代におけるガーディム第8艦隊の正体である。ネバンリンナが彼等をアンドロイドとして創造したのは、彼等をガーディム再建のサンプルとする為だったのだが、今まで収集した地球人類のデータといざ比較してみると、旧ガーディム人は醜いまでの傲慢と独善の塊であることが一目瞭然となる。この結果から、ネバンリンナは旧ガーディム人の存在に対して激しい嫌悪感と拒絶感を示し、彼等はこの銀河に存在する資格はない滅んで当然の種族であると結論付ける。
実際は彼女も、旧ガーディム人が少しでも守る価値がある種族であれば共に超文明ガーディムの再建に尽力しようと考えていたのだが、地球艦隊・天駆との最終決戦において過去の世界から現れたオリジナルのアールフォルツは、彼を模したアンドロイド以上に傲慢と独善の権化であり、これによりネバンリンナは完全に旧ガーディム人を見限る。
アールフォルツに反旗を翻したネバンリンナは、まずアールフォルツが過去から呼び寄せた第8艦隊の生き残りをエージェント達を使って全員殺害。艦隊を乗っ取ると共にガーディム人の遺伝子データを収集する。掌握と収集を完了したネバンリンナは、自らの肉体と戦闘用のボディを得る為に旗艦バースカルの動力炉を欲し、バースカルを破壊すると共にアールフォルツを殺害。バースカルの動力炉から、自分の肉体と戦闘用のボディ・アーケイディアを造り出した。
最終決戦
ネバンリンナとの最終決戦は「通常ルート」と「困難ルート」の2つのルートが存在する。それぞれのルートでネバンリンナの性格や印象が異なっているのが特徴的。
通常ルート
ネバンリンナは圧倒的な戦闘力を発揮し、地球艦隊・天駆を苦戦させる。だが、地球艦隊・天駆の面々はネバンリンナの力を目にしても決して諦めることなく何度も立ち向かっていく。ネバンリンナは何度も向かって来る彼等の闘志を理解できず、突如ヒステリックな口調に変化。今まで余裕のあった威厳のある態度とは打って変わって、ヒステリーを剥き出しにした正反対の態度となる。
実はネバンリンナは、自分の端末の一つであるナインを通じて地球艦隊・天駆の面々のデータを収集していたのだが、その過程で彼等の精神面まで学んでしまい、それにより感情面がバラバラな状態になってしまったのである。その中で彼女の最大の弱点となってしまったのが「愛」という感情を学ぶことが出来なかったことである。
ネバンリンナが「愛」を知らなかったのは、天駆の面々が「愛」についてナインの質問に明確に答えることが出来ず(恥ずかしがって質問された人物が逃げ出してしまったり、抽象的な答で理解がより難しかった)、ナインが「愛」というものを十分に理解できる機会がなかったのが原因である。今までナインを通じてデータを得ていたのだから、ネバンリンナが「愛」を学ぶことが出来ないのは至極当然であり、更にネバンリンナを開発したガーディム自体が愛情が欠如した文明であったのが更なる拍車をかけている。
自身の理解できない感情について考えようとした結果、ネバンリンナは混乱してシステムエラーが発生してしまい、そこから地球艦隊・天駆の反撃を許すことになってしまい、最終的に彼等に敗れる。
困難ルート
こちらのルートのネバンリンナは、データ収集の対象(エースパイロット)が豊富であったのが影響し、常に落ち着きと威厳を保っている。
だが通常ルート時よりもシステム寄りの性格になったことで、機械的な冷酷さも増大しており、その思考も旧ガーディム人により近づいた状態になってしまっている。
ネバンリンナは自らの使命を完全に遂行すべく、第8艦隊の全艦を使って自身の肉体とアーケイディアを創造すると同時に、更に自身とアーケイディアの量産・複製を行う。ネバンリンナは、まったく同様のスペックを持つ自分自身とアーケイディアを25体にまで増加させ、恐るべき戦力で地球艦隊・天駆に襲い掛かってくる。
通常ルート時を上回る強さで地球艦隊・天駆を苦戦させ、更に地球滅亡のタイムリミットも迫る等、彼等を絶体絶命の危機に追い詰める。この危機を打開すべく、ナインは自らのデータをネバンリンナに送り込むことで両者の精神をリンクさせ、そこで自壊プログラムを発動させて自分諸共ネバンリンナを葬る特攻を仕掛けようとする。しかし、ナインの自壊プログラムはネバンリンナに停止させられてしまい、そのまま主人公の元に送り返されてしまう。
ネバンリンナはナインの新たなデータを吸収するが、その際にナインが「愛」という感情をブランクとして埋めていなかった事を知り、ナインがこのブランクを埋める事を渇望していながら遂行していない事を理解できず、そこから徐々に綻びが生じていく。更に沖田から、「愛という感情を理解できないままのネバンリンナが文明の再建を行ったところで、結局は旧ガーディム人と同じ末路を辿るだけである」と論破されてしまう。
自らの欠陥を突き付けられたネバンリンナは、自身の理解できない「愛」の感情を持つ存在を徹底的に滅ぼそうと暴走し、改めて地球艦隊・天駆と決戦を繰り広げる。その死闘の末に25体のアーケイディアとネバンリンナは全滅する。だが最後の悪足掻きとして、ネバンリンナは人為的に時空の歪みを加速させることで、3つの地球を融合させ滅ぼそうとする。だが、マジンガーZERO・真ゲッターロボ・EVA初号機(EVA13号機)等の時空や次元に干渉する程の力を持つ3機や、地球艦隊・天駆の機体全てがストッパーとなって発射されたヤマトの波動砲によって時空の歪みは消失。ネバンリンナは今度こそ完全敗北する。
敗北後
通常ルート・困難ルートのどちらでも、ネバンリンナは「愛」を理解することが出来なかったのが原因で敗れることになる。
敗北後、ナインからガーディム人についてある事実を聞くことになる。実は地球に移住したガーディム人はミケーネとエンブリヲの戦いで全滅したわけではなく、僅かながら生き残っていたガーディム人もおり、生き残った彼等は地球の原住民と交わることで子孫を残していた。それが、新正暦世界における現在の地球人である。ナインの調査によると、間違いなく一部の地球人はガーディムの遺伝子を引き継いでいることが判明している。
ナインから事実を聞いたネバンリンナは、本来守るべきガーディムの子孫を自らの手で滅ぼしかけたことを悔い、ナインから諭されたこともあって戦意を喪失。ナインや地球艦隊・天駆の面々に希望を託して満足気に消滅した。
登場作品と役柄
単独作品
- スーパーロボット大戦V
- 本作のラスボス。通常ルートと困難ルートで強さやキャラクター性が異なる。
人間関係
- アールフォルツ・ローム・ハルハラス
- 旧ガーディム人の一人。劇中では、彼のデータからサンプル用のアンドロイド「アールフォルツ:A0012M」を創造した。
- 過去の世界から現れたオリジナルのアールフォルツは、ネバンリンナですら嫌悪する程の傲慢かつ冷酷な性格であったことから、最終的にバースカルの破壊と共に殺害した。
- ジェイミー・リータ・スラウシル、グーリー・タータ・ガルブラズ
- アールフォルツ同様、彼等のデータからもアンドロイドを創造したが、彼等のことも酷評している。
- エージェント
- 表向きはガーディムのアンドロイド兵だが、その正体はネバンリンナの端末。
- ナイン
- 自身の情報収集端末「スレイブ」の一機で、娘ともいえる存在。彼女が様々な感情のデータを収集することで、ネバンリンナは「人間」という存在を学習していた。
版権作品との人間関係
リアル系
名台詞
迷台詞
通常ルートではイベント発生してからの言動がほぼ全て迷台詞と化してしまう。 しかし、その良くも悪くも人間臭いところが通常ルートにおけるネバンリンナの魅力でもある。
- 「決して諦めない不屈の闘志…。それに敬意を表する…」
「…と言いたい所だが、いい加減にしろ」
「少しは現実ってものを認めなさいよ! ポジティブにも限度があるじゃない!」
「残り時間は、あとわずか! おまけに敵は圧倒的! どこに逆転の要素があるのよ!?」
「それよ、それ! そうやって今まで逆転できたかも知れないけど、もう無理だって諦めなさいよ!」
「ああ、うるさい! うるさいっ!! 我の言葉を聞く気がないんなら、力づくで教えてやる!」 - 通常ルート最終話において、HPを半分まで減らした状態でのイベントにて。それまでの超越的な姿から一変し、突如ヒステリーを発生させる。その姿には地球艦隊・天駆の面々だけでなくプレイヤーも唖然とした。
- また、その姿やさりげない所に伏線があることにインファレンスと共通点を見出したプレイヤーも出てきている。
- 「キンケドゥ・ナウ!お前は二度とパンを焼く事はない!」
- キンケドゥとの特殊戦闘台詞。
- 「剣鉄也!この嘘つきの裏切り者め!」
- 鉄也との特殊戦闘台詞。
- 「知っているぞ、タスク!お前は、女の敵だ!」
- タスクとの特殊戦闘台詞。
搭乗機体
余談
- 名前の由来は、フランスの数学者「ロルフ・ネヴァンリンナ」だと思われる。