MODEL-X
概要
ツェントル・プロジェクトの試作10号機ガルベルスのコードネームで、メンテナンスフリー機体の開発を標榜する同計画の最終開発目標。ただしMXにガルベルスは登場せず、コードネームであるMODEL-Xが語られるのみである。
本機は、同計画の責任者であるミタール・ザパト博士が開発した自律型金属細胞ラズムナニウムを装甲として採用して自己修復能力を持たせ、TEエンジンから理論上場所を問わず無限に供給されるターミナス・エナジーにより半永久的に稼働する、完全メンテナンスフリーの機体を目指して制作されていた。しかしラズムナニウムとTEエンジンの動作は不安定極まりなく、試作4号機までの試験段階で完全な統合は不可能であった。
そのため一旦ラズムナニウムを試作5号機のメディウス・ロクスへ、TEエンジンは試作6号機のサーベラスと試作7号機のガルムレイドへ別々に搭載することが決定。それぞれの機体で運用データ収集と性能改良を行った後、改めて各要素を統合したMODEL-Xの製作を目指すことになった。ザパトは協力者のアルベロ・エストによってメディウスが強奪されたかのように演出し、ヒューゴ・メディオ及びアクア・ケントルムに残った機体の片方を与えて追跡・交戦させた。
実は本機の開発計画はプロジェクトを裏で取り仕切るゼーレのAI1計画に組み込まれており、ゼーレはメディウスへ極秘に搭載・学習されたAI1をMODEL-Xに移植することで、人類補完計画(MXでは多元世界補完計画)遂行の予備策にしようとしていた。だがザパトはMODEL-XからAI1を排除し、純粋な人の手による機動兵器にするつもりだった。またAI1の開発者であるエルデ・ミッテは、AI1の進化に執着していた(後にAI1に対して「あなたこそが真のMODEL-X」と呟いている)。
それぞれの思惑や利害の不一致は徐々に表面化し、機体の開発計画にも軋みが生じていく。最終的にはエルデによるザパトの殺害、彼女がAI1に取り込まれて死亡したこと、ゼーレの壊滅などが理由でツェントル・プロジェクトは解体。それと共にMODEL-Xも幻の機体となった。
ただし、AI1による進化を続けるメディウス・ロクスはストーリーの途中でサーベラス・ガルムレイドからTEエンジンを取り込んでおり、ある意味MODEL-Xと呼べる状態にまで辿り着いている。(その姿が開発に関わった者の思惑通りであったとは限らないが・・・。)
名称は『スーパーロボット大戦MX(MODEL-X)』から取られている可能性が高い。また『X』には、ローマ数字の『10』と言う意味合いも掛けられている。