シーゲル・クライン

シーゲル・クライン(Siegel Clyne)

プラント最高評議会議長であり、ラクス・クラインの実父。

プラントの最高責任者として、血のバレンタイン事件後、地球連合に対し開戦するが、自身は地球連合との交渉を考えていた穏健派であり、コーディネイターの出生率低下に対してはナチュラルと交雑、回帰により解消すべきと考えていた。

強硬派のパトリック・ザラと激しく対立して彼によりその地位を逐われ、ラクスによるフリーダム強奪事件の後、クライン派の兵と共に行方をくらますもパトリックの指示を受けた特殊部隊により発見・射殺された(フリーダム強奪以前は行方を晦ましていなかった事を考えると、結果的に娘の行動が原因となって暗殺に追い込まれたとも言える)。

穏健派と言われており、劇中でもそのような印象を受けるが、エイプリルフール・クライシスでニュートロンジャマーの大量投入を決定し、地球人口の一割(およそ10億人程度と言われている)を死に追いやった際の最高評議会議長は彼である。この事件は、反コーディネーター感情を持たない地球の人々にも大きな被害を与え、ナチュラル・コーディネーター間の関係に決定的な亀裂をもたらしたとされるため、彼は本作最大の虐殺者であり、戦争の直接的な元凶の一人である(もちろん、そこまでにも様々な事件や対立は有ったものの、それらはあくまで「地球連合とプラントの対立」であり、それを「ナチュラルとコーディネーターの対立」にまで押し広げたのは、本事件が大きな原因とされる)。

無論、血のバレンタイン事件などによる世論の影響から、地球への攻撃を強行せざるを得なかった可能性は高いが、この時強硬派とされるパトリックは攻撃による報復を主張していた。ニュートロンジャマー投下の犠牲は核攻撃より遥かに被害が大きかったため、こちらの案を承認したシーゲルは、強硬派より遥かに過激だったと言う事になり、穏健派と言うには大いに無理が生じる。

しかしながら、劇中では一貫して穏健派として扱われ続けており、実際に交渉の手段を模索している。政治的な重要度に反して彼の出番は少ないため、この矛盾に対する回答が可能な描写は存在しない。SEED全体における説明不足や、設定の後付による被害者の一人とも言え、実情の見えにくいキャラである。

登場作品と役柄

αシリーズ

第3次スーパーロボット大戦α
謀殺される経緯も含め、概ね原作同様の役回りを演じる。

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦J
名前のみの登場。
スーパーロボット大戦W
今回も役回りは大体同じで、パトリックに火星の後継者と手を切るように忠告した。
スーパーロボット大戦L
ラクスの父として名前のみ登場。

人間関係

ラクス・クライン
娘。
パトリック・ザラ
政敵。旧友でもあり、時折ファーストネームで互いを呼び合う。しかし、路線対立の末にパトリックが送った刺客によってシーゲルは暗殺されてしまった。
叢雲劾
シーゲルはサーペントテールを高く評価し、何度も仕事の依頼をしている。

名台詞

「パトリック! 命は生まれ出ずるものだ。作り出す物ではない!」
「我らは進化したのではないぞ……」
第20話「おだやかな日に」より。パトリック・ザラと議論した際に言った台詞。両者の性格や考え方の違いがよくわかるシーンでもある。