バルビエル・ザ・ニードル

2015年10月7日 (水) 05:15時点におけるTakaraza (トーク | 投稿記録)による版 (→‎Zシリーズ)

バルビエル・ザ・ニードル(Balbiel the needall)

特殊工作部隊「アンタレス」の隊長を務めるサイデリアル三大幹部の一人。毒々しい化粧と口元にピアスをしているのが特徴。

自分以外の全ての存在を憎悪しており、露悪的な言動で敵を挑発、その心の隙に付け込む作戦を得意としている。また、そのような作戦の補助としてアン・アーレスに搭載されているナノマシン「サソリの毒」などを併用している。

さらに、「怨嗟の魔蠍」のスフィア・アクトにより他者の憎しみを暴走させて暴徒と化す、連携を分断するなど、人の精神や関係性を攻撃するような搦め手を好むが、本人も純粋にパイロットとしても凄腕であり、サード・ステージのリアクターとして圧倒的な力を操る。反面、憎しみに呑まれていると評されるほどに強烈な憎悪の持ち主であるためか、精神的に安定している他のサイデリアルのリアクターに比べると非常にキレやすく苛烈な一面を持つ。

元々は別の世界の地球の軍人であり、搭乗機の名前も「ガン・アーレス」だった。サイデリアルの侵攻に抗戦していたものの力及ばず、ついに地球人が完全滅亡するに至って憎悪を爆発させ、「怨嗟の魔蠍」を完全覚醒させて一気にサード・ステージへ躍り出、サイデリアルを全滅させた。ちなみにこの時の侵攻部隊を指揮していたのがサルディアスであり、両者の因縁はここから始まっている。また、この因縁から恐らく過去のバルビエルを唯一知っているであろうサルディアスは、母星を失った怒りと悲しみが憎しみに転じた事が覚醒の原因と語るため、元々は母星を愛し、他者を思いやる心を持っていた事を伺わせる。

この功績が御使いの目に留まり、有能な存在として認められ、「怨嗟の魔蠍」の洗礼名である「バルビエル・ザ・ニードル」の名を授かる。以降は本名と過去を捨て、機体の名も「アン・アーレス」に改め、その名に誇りを持って戦うようになった。

絶大極まる御使いへの忠誠心は厚く、そのため彼らを倒すために動いていたヴィルダーク、エルーナルーナ、尸空からは相容れない立場であり、その計画から除外されていた。 最後にはラース・バビロンの決戦で敗北し、ヴィルダークによってアン・アーレスごと跡形もなく抹殺され、「怨嗟の魔蠍」を奪われる末路を辿った。

……のだが、その魂はなおも「怨嗟の魔蠍」に宿ったまま眠っており、超時空修復に際して地球から届けられた生命の力により、他の死したリアクター達共々覚醒して助力。憎しみから解放され、新たな地平へと去っていった。この時の彼はスフィアの呪縛から解放された影響もあってか落ち着いた様子でセツコに語り掛けていた。

登場作品と役柄

Zシリーズ

第3次スーパーロボット大戦Z連獄篇
記憶喪失を装ってセツコ達と行動を共にしていた。最終話クリア時に離反するため、途中で離反するサルディアスと違い、実質こちらでは終始味方。「オリオン」名義でアンゲロイに搭乗しており、有能なサポート役として活躍してくれる。シナリオ中ではセツコ以外に殆ど心を開かず、会話も多くがセツコとのものである。ちなみに、オリオン名義の時は髪の先端と唇に施された特徴的な毒々しい化粧はしていない。
第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
序盤から何度も顔を出し、さらにスフィア・アクトによる憎しみの励起でストーリー上でも目立つ。この関係で版権キャラの大半から因縁を持たれることになっており、サイデリアルの幹部ではもっとも存在感が大きい。
反面、出番の多さが災いしてか、中盤以降は自分が覚醒させたアムブリエルC.C.らに「坊や」呼ばわりされて逆ギレしたり、セツコに「可哀想な人」扱いされた挙句イベント戦闘で一撃KOされたり、ご自慢のサソリの毒を鉄の女に一蹴されて無様にうろたえたりと、パイロットとしては相変わらず強敵なものの、イベントでは妙に小者臭い描写が増える(このあたり、「UX」のクラウディウスに通じるものがある)。
アン・アーレスの武器が凶悪な上にバルビエルの方は「精密攻撃」持ちなので、不意のクリティカルが怖い。

パイロットステータス設定の傾向

能力値

回避も含め全能力が高いレベルで平均化されている強敵。アン・アーレスの運動性が高いため、下手をすると精神コマンド抜きでは全く当てられない、という事態が普通に発生する。オリオン名義で参戦する時も自軍パイロット最高クラスの能力で、アンゲロイに改造を施せば1軍として活躍してくれる。

精神コマンド

第3次Z
祝福直感てかげん直撃
連獄篇・天獄篇ともこのラインナップ。魂の修得レベルが僅か30と非常に速い為、サブに回すのは勿体無い一面もある。祝福はスフィアの影響を受ける前の人間性を暗に示しているのだろうか、はたまた御使いの祝福を受けたという意味か?

特殊技能(特殊スキル)

第3次Z連獄篇
天才底力L6、気力限界突破
「天才」持ちなので、サポート役としての信頼性が高い。より信頼性を上げるために見切りをつけるなり、サポート特化にすべく援護攻撃をつけるなりしてみよう。自軍パイロットでは初の仕様変更後の天才と底力を両方とも併せ持つパイロットで、しかも気力限界突破まで備えているなどかなり恵まれている。
第3次Z天獄篇
天才底力L3、ガード気力+ボーナス気力限界突破精密攻撃マルチターゲット3回行動
全体的に攻撃的な構成になっており「天才」も健在なのだが、なぜか「底力」のレベルが連獄篇から大幅にダウンしており、しぶとさが下がっている。ボス御用達の「精神耐性」もなく、憎しみを露にして忍耐力がなくなったのか?

エースボーナス

攻撃を命中させた相手のSP-10
連獄篇・天獄篇とものボーナス。敵がSPを消費して精神コマンドを使う訳ではないので味方時では無意味なボーナス。逆に敵対時では非常に面倒なボーナスと化し、ノキサス・ブロッサムを食らわされると合計で20ポイントもSPを持っていかれてしまう。ENや気力ならともかく、SPはリカバーの手段が少ないので、48話では絶対に手番を回さないように。ノキサス・ブロッサムのSP低下は精神耐性で防御できるが、こちらは防御できない。

パイロットBGM

「怨嗟のサバト」
危険な雰囲気の漂うダークなロック調の曲。

人間関係

サルディアス・アクス
副官。実はお互いに仇敵であり、バルビエル曰く「人を人とも思っていない」者同士。そのためあえて副官に抜擢している。
ギルター・ベローネ
部下。手駒として扱っていた。ちなみに指揮能力については全く期待しておらず、最終的に使い捨てている。
クラヴィア・アーゴ
連獄篇にて彼女を偽のリアクターとして利用する。
セツコ・オハラ
連獄篇の時点でセツコに執着しており、本性を表して以降は彼女に愛憎入り混じった強烈な感情を向け、何度となく激突することになる。「スフィアの相性なんて関係ない」と断言した上で彼女を拘束し自分の手元に置こうとした事があったほか、死に際には彼女に助けを求めた。
尸空エルーナルーナ・バーンストラウス
同僚。尸空との仲はあまり良くないようで、日常的に皮肉を言い合っているらしい。
ガドライト・メオンサム
同僚だが、バルビエルは彼に対して見下した態度をとっていた。
西条涼音
彼女にナノマシンを使用したことでアムブリエルの人格を呼び起こした。
しかし、当のアムブリエルからは坊や呼ばわりされた上、度々からかわれている。
皇帝アウストラリス
上司だが、実質的には上下関係は無い。最期は彼に自分の命諸共スフィアを奪われてしまう。
御使いに心酔していた為、彼の正体と真の目的について知らされていなかった。
アサキム・ドーウィン
リアクター達からスフィアを奪う彼の存在は知っており、ラース・バビロンでは一度戦闘する。
彼が撤退した後に「デク人形」と呼んでおり彼の正体を知っていたと思われる。
御使い
サイデリアルのリアクターの中では、唯一彼等に心酔している。しかし、アドヴェントの存在については知らなかった模様。

版権作品との人間関係

ゼロ
トウキョウの市民にスフィア・アクトを使用して暴走させたため、それを収めるためにギアスの使用を余儀なくされた。この一件により彼からは敵愾心を強く持たれている。
ロラン・セアック
彼の∀ガンダムによって、「サソリの毒」を相殺される。
ハマーン・カーン
彼女にもサソリの毒を使用したが、プライドの高さから一蹴され全く効果がなかった。
タカヤノリコ
市民を使った人間の盾によって、彼女とガンバスターを捕獲した。

名台詞

戦闘台詞

「無能な指揮官が来たか」
「自分の無能さをまだ認めないか」
連獄篇でのギルターとの特殊戦闘台詞。オリオン時は天獄篇と比べると尸空に近い感情の起伏をあまり感じさせない喋り方をするが、多分に毒が混じっている。
「その醜く卑小な魂は、僕のものとなる!」
「ジ・エンド・オブ・デスペア」使用時の一節。文章だけだと分かりづらいが、後半は岸尾氏の怪演が光りまくっている。
「血が目に入る! 世界が赤に染まる!」
被弾時、大ダメージを受けた際の台詞。憎しみを力にしているためか、かなりの迫力で叫ぶ。
「憎いんだろう? 若社長。大企業が、不況が、赤字が」
ワッ太に対しての特殊戦闘台詞。彼の台詞には他者へ憎悪をぶつけるか、他者の憎悪をあおるようなものが多いが、その中でも特に生々しい。
「ガンダム! 見ているだけでイライラするよ!」
ストレートに怒りをぶつけているのは彼の来歴ゆえだろうか?
「その歌をやめろ…!耳障りなんだよ…!」
対バサラ。サイデリアルのメンバーではバルビエルだけが彼の歌を嫌っている。
「お前達は選ばれない! 選ばれたのは洗礼名を持つ僕だ!!」
最終戦でのリアクターからの被弾時。

会話

「…僕の心の奥では一つの感情が渦を巻いている…」
「サイデリアルに対する憎しみだよ。その感情が何から来ているかはわからないが、僕はそれを晴らすために戦う」
連獄篇第7話で「オリオン」名義で参戦した直後のセツコとの会話にて。バルビエルが心酔しているのはあくまで御使いであり、サイデリアルの方はやはり憎かったようだ。
「期待を寄せるから、こんな結果になる。最初から他人に何も依存しなければ、傷つく事もないのに」
連獄篇第13話「迫る猛毒」のシナリオデモにて、アドヴェントが「裏切りは心に大きな傷を残す」と発言したのを受けて。全てを拒絶する憎しみがゆえの「怨嗟の魔蠍」のリアクターだが、その心のあり様は裏を返せば信じて傷つくことへの恐れなのかも知れない……。
「逃げる…? それは君達の方じゃないのか?」
連獄篇最終話「死闘の果てに」にて、搭乗者を失ってなおも動き続けるアン・アーレスを目の当たりにしながら、不敵に笑う。そしてその瞬間、真の蠍が本性を露にした。
「セツコ…」
「…君は誰にも渡さない。君の存在は僕にとって諸刃の剣だ。だから…永遠に僕の傍においておく。アウストラリスにも渡さない…君は僕の中に残った最後の執着だ。それによって滅びる事になっても…僕は…君を誰にも渡さない」
「セツコ…君を殺したい」
天獄篇31話「憎しみと悲しみと」で、捕らえられて眠っている(あるいは気絶している?)セツコの前で一人悦に浸りながら。
「狂気の粘着男」そのものだが、悲しいかなセツコには彼以上に年季の入ったストーカーが既におり、結果的にそいつのせいで彼女に逃げられることに…。
「そうだ、それでいい。君は戦う姿こそが美しい」
「だから僕が、君の中の憎しみの全てを解き放ってあげるよ!」
宇宙ルート第38話「ハマーンのためらい」で、Z-BLUEに敗北したハマーンに「サソリの毒」を仕掛け、暴走させようとする。が……。
「馬鹿な!? 僕の毒が効かないのか!?」
キュベレイが真っ先に狙ったのはアン・アーレス。「鉄の女」のプライドの前にはサソリの毒も無力であった……。
「セツコ…」
「セツコ…セツコ…セツコ…セツコ…セツコ…セツコ…セツコ…セツコ…セツコ…セツコ…セツコ…セツコ…セツコ…セツコ…セツコ…」
「セツコォォォォッ!!」
「殺してやる……! それが僕の愛だよ、セツコ!」
天獄篇第48話「燃える地球」のセツコとの戦闘前会話。セツコへの愛憎が如実に現れている。
「い、嫌だ! 僕は……僕はまだ死にたくない!」
「セツコ! 僕を助けてよ、セツコ!」
「ガン・アーレス! 僕を未来に導いてくれよ! 僕は永遠を手に入れて太陽の輝きに―――」
同じく第48話より。最後まで生と憎悪に執着するも、アン・アーレスごと肉体を粉砕され、スフィアを奪われることになった。が……。

迷台詞

「憎しみは誰の中にもあり、それはほんの少しのきっかけで噴き出す…命中率90%超えの攻撃を敵にかわされた時…命中率一桁の攻撃を敵に当てられた時…人はゲームを憎む…そう…この『スーパーロボット大戦』は憎しみを募らせるゲームだ」
中断メッセージの一部より。メタ全開の発言。実際今までのスパロボにおいて、ザコ相手にバルビエルの指摘した通りの展開になってしまい、憎むとまではいかずともイラッとしたプレイヤーは多いのではないだろうか?
実は吉田創氏のカツネタとしてこの発言その物が漫画になっている。また、こういう状況が多発しがちなためか、「バルビエルはあの作品をやったんじゃないか」とネタにするプレイヤーも。
アイム「待っていますよ、あなた達を」
バルビエル「その時は再会を喜ぼうじゃないか」
最終話「果て無き世界」クリア時、生と死の狭間でセツコたちと対面した際に。スフィアの呪縛から解放されたためか負の感情が揃って消え失せているが、行いが行いだけにランドから「お前らに言われるとどうにも不安になる」と返されたのはむべなるかな。果たして、次なるシリーズで再会した時の彼らの去就やいかに。

搭乗機体

アンゲロイ
オリオンとしてセツコ達と同行していた際に搭乗していた。
アン・アーレス
愛機。本来の名称はガン・アーレス
  1. 18歳のメールが「あの子」と呼んでいるので同世代かそれより下と思われる(つまり10代後半程度)。