UN(Universal Network)
概要
UNIVERSAL NETWORKの略でユーエヌと読む。新地球連邦により一度情報インフラが完全に寸断された多元世界の情報網の一元化と共有化を目的に設置された情報網。この敷設の功が認められてエーデル・ベルナルは准将に昇格し、賢人会議の末席に名を連ねるまでになった。管理者はジエー・ベイベル。
急ピッチで工事が行われたため、断絶や通信障害などもよく起きているようである。
多元世界では相克界の持つ特性により、電離層や衛星を介した遠距離通信が不可能となっているため、実質的に全てのメディアがUNを介して情報をやり取りしていると考えられる。イメージとしてはテレビも電話も全てネットを介しているようなものである。しばしば現実のインターネットのような印象を受ける場面もあるが、多元世界の環境も相まって唯一無二のメディアとしてその重要性と影響力は現実のそれとは比較にならないほど高い物となっている。出身世界の違う者同士が集う『Z』では、多くのキャラクターがUNを通じて他世界の歴史や常識についてある程度の知識をもっており、シナリオ展開をスムーズに行わせている。
情報戦への活用
UNの管理システムは南米の軌道エレベーター跡地に集約されて一括管理されているため、管理者はある程度恣意的に情報を操作・改竄することが可能である。UNを用いた情報操作はエーデルが世界支配を行うための戦略の根幹であり、実働部隊であるカイメラ隊の手で大小様々な情報操作が行われているようである。
この情報操作は、新地球連邦の賢人派一掃(オペレーション・クルセイド)のスムーズな進行、二分化されたZEUTHを相撃ちに誘導するなど多くの成果を挙げたが、情報流通の独占のためには生命線たる管理施設の完全に掌握し続けることが必要であるという弱点もあり、実際、ZEUTHにより管理システムが占拠され真実が明らかにされると、これまでの情報操作の積み重ねが裏目に出ることとなってしまう。エーデルは施設を奪回しようとするも果たせずZEUTHの返り討ちに会い、彼女の野望は潰えることとなった。
エーデル打倒後はウィリアム・ウォーレス・フィッツジェラルド率いる新地球連邦が管理することとなった。
第3次Zの部隊となるADWと呼ばれる多元世界と融合した後の地球においても、引き続き重要な情報インフラとして利用されており、時獄篇では主人公のヒビキが後述のオカルトフォーラムを利用する場面が何度かある。天獄篇においてはサイデリアルによってかなりの機能制限がかけられてしまっている。
また、天獄篇においてシステム開発者のジエー・ベイベルが語ったUN開発の真の目的は利用する人間の集合無意識と集合知を集めることにあった。計画が成功していれば、Zシリーズにおいて共演しているボトムズシリーズのワイズマンやギアスシリーズの集合無意識のようなものが出来上がるはずだったようだが、この試みは失敗したらしい。なお、第3次Zにおいてジエーが収集していたZチップも人の感情や強い想いを集めて作り出すという形でUNの真の目的との類似性が見いだせる。
オカルトフォーラム
様々なオカルト情報を取り扱うUN上でのサイト。この手のジャンルでは最大規模を誇っており、UMAから異次元人、都市伝説、神話伝奇まで取り扱われ、その話題で日夜盛り上がっている。
内容が内容だけに信憑性に欠けるものが多く、それを逆手に取って冷やかしやデマを行う利用者も少なくない。
第3次Zの主人公ヒビキが「ナイト」のハンドルネームでこのサイトに書き込んでいる。
元ネタ
UNの元ネタは、恐らく『超時空世紀オーガス』に登場した光ファイバーネットワーク、並びに現実世界のインターネットおよびインターネットに依存するテレビやニュースなどだと思われる(実際、黒のカリスマという共有の名前でUNのフリースペース上に書き込みを行っている不特定多数の人々の存在は、現実世界の巨大掲示板『2ちゃんねる』を彷彿とさせる、ただしインターネット掲示板に類するものはフリースペース部分だけの話でありUN全体が2ちゃんねると同一というわけではないので注意されたし)。また、コズミック・イラ世界にも同様の通信システムがあることが小説版『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY』で語られている。