ファンネル(Funnel)
『ガンダムシリーズ』に登場する、オールレンジ攻撃用武装の一種。
主に宇宙世紀を舞台にした作品に登場。ニュータイプの感応波によって無線誘導される小型のビーム砲台端末である。
スパロボでは、NT用モビルスーツの最強武装として用いられる事が多く、高火力の武器と思われがちだが、モビルアーマーに搭載されている大型ファンネル、メガ粒子砲を発射するνガンダムのフィン・ファンネル等の一部の例外を除き、関節などの装甲の弱い部分を攻撃する為の武器であるため、厳密には単体火力の高い武器では無い。
スパロボでの「最強武装」のイメージは、原作などで散見される「1体のモビルスーツを複数のファンネルがよってたかって蜂の巣にする」という描写からきているものと推測される。具体例として、キュベレイMk-IIのファンネルの出力が1.3MWとメタスのアームビームガンの2.0MWよりも低い。一方でα・アジールのファンネルは20.4MWとΖΖガンダムのダブルビームライフル1射の10.6MW×2に匹敵する。
また、キュベレイなどファンネルの再使用の為の燃料・エネルギーの再充填機構をファンネルの搭載箇所に持つ機体も稀に存在するが、基本的に使い捨てである。
本来は空間戦用の兵器(スペースコロニー内などの疑似重力化なども含む)であるが、地上においても使用する事自体は可能であり、『機動戦士ガンダムΖΖ』においても地上でファンネルを使用しているシーンが存在する。
第2次ネオ・ジオン抗争(『逆襲のシャア』)以後は連邦側のサイコミュ兵器対策が進み、もはや絶対的脅威とはみなされなくなる。戦乱の減少や使い手の不足もあり、ファンネルは戦場からその姿を消していく。
なお、宇宙世紀0203年頃を舞台にした小説作品『ガイア・ギア』(SRW未参戦)においては、オールドタイプも使用可能なファンネルも開発されている。
ちなみに正式名称は「ファンネル・ビット」。「ファンネル」とは英語で「漏斗」(『じょうご』あるいは『ろうと』)のことである。キュベレイのビットが漏斗の形をしていたためにこの名前で呼ばれたが、その後は形状によらず多くのサイコミュビット兵器がファンネルと呼ばれるようになり、νガンダムのフィン・ファンネルに至ってはもはや筒型ですらない。
スパロボにおいてはUC系ニュータイプが武器名を叫ぶ武器としてお馴染みであり、本来ならばファンネルそのものが登場しない作品(Vガンダムなど)のキャラを乗せても武器名を叫ぶことが多く、声付きの作品の場合、大抵音声収録がしっかりと為されているため、「ファンネル(あるいはフィン・ファンネル)使用時の声を聞きたいがために乗り換えを多用する」プレイヤーも少なくない。
ファンネル(ビット)搭載機
UC0070年代
- エルメス
- ビットを装備。ビット兵器や小型ビーム兵器の黎明期であったせいか、1基が10m程度とかなり大きい。
UC0080年代
- キュベレイ
- 「ファンネル」を初めて搭載したMS。漏斗状のファンネルを10基搭載。1.5~2m程度とかなり小型。
- キュベレイMk-II / キュベレイMk-II (プルツー用)
- キュベレイと同じく漏斗状のファンネルを10基搭載。キュベレイのマイナーチェンジ機であるため、性能もほぼ同等であると考えられる。
- 量産型キュベレイ
- 他のキュベレイシリーズの機体と異なり、後部のコンテナに漏斗状のファンネルを30基搭載している。
- ゲーマルク
- マザー・ファンネル、チルド・ファンネルを装備。
- サイコガンダムMk-II
- リフレクター・ビットを装備。
- クィン・マンサ
- キュベレイと同型のファンネルを使用するが、機体の大きさゆえに3倍の30基を搭載可能。
UC0090年代
- νガンダム / νガンダムHWS装備型
- νガンダムは、UC系ガンダムで唯一ファンネルを搭載した主人公機。フィン・ファンネルを装備。ジェネレータ内蔵式で出力3MWと他のファンネルと比較して高出力。
- Hi-νガンダム
- フィン・ファンネルを装備。搭載方法が見直され、再充填可能となっている。
- 量産型νガンダム(フィン・ファンネル装備型)
- フィン・ファンネルを装備。
- サザビー
- ヤクト・ドーガと同型の円筒形のファンネルを装備。
- ヤクト・ドーガ (ギュネイ専用) / ヤクト・ドーガ (クェス専用) / ヤクト・ドーガ
- 円筒形のファンネルを装備。
- α・アジール
- ジェネレータを搭載した大型のファンネルを装備。出力が上述のようにMS用と比較してはるかに高い。
- ナイチンゲール
- α・アジールと同型のファンネルを装備。
- クシャトリヤ
- 『UC』に登場したMSで唯一のファンネル搭載機。多くの敵機を撃破してはいるものの、散弾でまとめて破壊されたり、特殊部隊員とはいえ生身の兵士に無力化されたりと、ファンネルがかつてほどの脅威でなくなったことを示すような描写も多い。
UC0120年以降
- ディビニダド
- フェザー・ファンネルを装備。
アフターウォー
関連用語
- オールレンジ攻撃
- 遠隔誘導操作システム等を用いることによって機体に搭載されている武装端末を飛ばして、敵機の死角部分から攻撃を仕掛ける方法。ファンネルもそれに該当する。
- サイコミュ
- 宇宙世紀ガンダムシリーズ作品に登場する技術で、「サイコ・コミュニケーター」の略称。これによって、人間の感応波によるファンネル等の遠隔操作兵器の精密な操作が可能になった。
- フィン・ファンネル
- 装着時の見た目は排熱放射板と勘違いされるようなシンプルな形状となっている。「コ」の字に変形して粒子加速器とすることでビームを放つことが出来るが、既存のファンネルと違って独自のジェネレータを内蔵しているためにビームの出力が桁違いで、これは最低でも前の時代のジェネレータ内蔵型ビーム砲であるハイパーメガランチャー級、出展元によっては携帯可能なサイズに縮小される前のV.S.B.Rの雛形では、とするものすらある。さらに複数の基板を形成することで「Iフィールド・バリア」を発生させる。νガンダムのバリアフィールドは強力な電磁波で形成されている。後のガンダム作品にもこれに類似した兵器が搭載されている。
- ファンネルミサイル
- 小説『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』(SRW未参戦)に登場。主役機のΞガンダムとライバル機のペーネロペー(オデュッセウスガンダム)に搭載しているミサイル型のサイコミュ兵器。ミノフスキー粒子下では旧来の誘導ミサイルは無力化されてしまうが、サイコミュで操作する事で運用を可能としている。これに類似する武器として『機動戦士クロスボーン・ガンダム』に登場する「ディビニダド」が搭載する「フェザー・ファンネル」がある。
- AFS
- 松浦まさふみ氏の漫画作品『機動戦士ガンダム ムーンクライシス』とその続編『機動戦士ガンダムReon』(共にSRW未参戦)に登場。「アンチ・ファンネル・システム」の略で、ファンネルに代表されるサイコミュ兵器などを無効化する。対オールレンジ攻撃用の防御システム。
- ファンネルなどに対して非常に有効な防御手段ではあり、上記の登場作品内では「このシステムの登場によりサイコミュ兵器が一気に時代遅れと化した」という描写がされ、後の時代でサイコミュ兵器が殆ど使用されていない件に対して独自の理由付けをしている。
メモ
- 「ファンネルが地上で使用できるか否か」と言う論議に関しては、右のリンク先に詳しいまとめがある。ファンネルは地上で使えるのか?(外部リンク)
- ただし、これも一個人の推測にすぎず反論の余地もあり、サイコガンダムMk-IIはミノフスキークラフトの応用でビットを浮かせたという説もある為、結局のところ、公式なアナウンスがない限り、真相は不明のままである。
- なお、『機動戦士ガンダムUC』に登場した水陸両用MA・シャンブロに装備されたリフレクター・ビットは、回転翼を用いたホバリング能力が持たされており(簡単に言えば「動力の付いた竹とんぼ」)、これによって重力下での運用を可能にしている。
- ただし、これも一個人の推測にすぎず反論の余地もあり、サイコガンダムMk-IIはミノフスキークラフトの応用でビットを浮かせたという説もある為、結局のところ、公式なアナウンスがない限り、真相は不明のままである。