グリプス戦役とは、『機動戦士Ζガンダム』で起きた戦争。
概要
宇宙世紀0087年~0088年にて行われたエゥーゴとティターンズ、終盤はアクシズのジオン残党を交えた戦争。
30バンチ事件に代表されるようなティターンズのスペースノイド弾圧と連邦内部での勢力伸長に対し、地球連邦軍の将校であったブレックス・フォーラが反連邦政府組織エゥーゴを結成してティターンズに対抗したのがきっかけとなり、ある意味では地球連邦内部の内乱ともいえる。
また様々な人物や勢力が関わっている為に複雑でありティターンズの「ジオンの残党狩り」などのせいで誤解されがちだが、末端の兵士はともかくトップにとってはエゥーゴとティターンズ、アクシズ共々「地球上から人間を排除し地球を救う」というジオン・ズム・ダイクンの思想を元にした目的行動というのは共通している。
作中ではエゥーゴによるガンダムMk-II奪取以降、地球圏各地で激しい交戦状態となり、0087年11月16日、ダカールの連邦議会に置けるシャア・アズナブルによるダカール演説により、ティターンズの権威は失墜、最終的にはアクシズを交えてグリプス2を舞台に激しい戦闘が行われティターンズは壊滅。エゥーゴが勝利を収めるものの膨大な戦力を失ってしまう。
戦後アクシズはネオ・ジオンを名乗り、地球圏への本格的な進行を開始。『機動戦士ガンダムΖΖ』における第1次ネオ・ジオン抗争へと移行することになる。
『劇場版 機動戦士Ζガンダム』ではダカール演説等のいくらかの主要な事件や作戦が省かれており、また結末もTV版と違うため、第1次ネオ・ジオン抗争もやや違った展開になったと思われる。
SRWでの扱い
ガンダムMk-IIの強奪、ダカール演説やホンコン・シティでのサイコガンダム戦などが再現されているが、ジャブロー攻略やメールシュトローム作戦はあまり再現されない。
『Zガンダム』が参戦している場合であっても既に終戦を迎えているケースも多く、そういう場合にはカミーユ、ファ、クワトロ、ハマーンだけの参戦になるか、あるいはティターンズの残党がちらほら出てくるだけ(現にティターンズ残党は『ZZ』の後日談である『機動戦士ムーンガンダム』(SRW未参戦)の時代でもまだ活動している)というケースも。
関連人物
エゥーゴ
- ブレックス・フォーラ
- ティターンズの専横に対しエゥーゴを創設した地球連邦軍の将校。連邦議会にてティターンズの非道を糾弾しようとしたが、ティターンズの手で暗殺された。
- クワトロ・バジーナ
- エゥーゴのモビルスーツパイロット。その正体はジオン・ズム・ダイクンの遺子であり、地球圏に偵察に来ていたシャア・アズナブルで、ブレックス死後、エゥーゴの中心人物となってダカール演説を行い、ティターンズの権威を失墜させたが、最終決戦で行方不明となる。
- カミーユ・ビダン
- 機動戦士Ζガンダムシリーズの主人公で、ティターンズのパイロット・ジェリド・メサとの諍いがきっかけでエゥーゴのモビルスーツパイロットとなる。たくさんの出逢いと別れを経て人間的に成長しガンダムMk-IIとΖガンダムのパイロットとして戦い抜いたが、思春期故の強すぎる感受性に加え、戦争で敵味方を問わずたくさんの死別を経験したことでTV版ではパプテマス・シロッコを倒した直後に彼の怨念に飲み込まれ精神崩壊を起こす。劇場版では一部の場面や設定が変更されたことで徐々に落ち着きを見せるようになり、精神を病むことなく終戦を迎える。
ティターンズ
- ジャミトフ・ハイマン
- ティターンズを創設した地球連邦軍将校。ティターンズ総帥として地球連邦全体の実権掌握を謀ったが、パプテマス・シロッコにより暗殺される。
- バスク・オム
- ティターンズの実戦司令官。30バンチ事件等の残虐な事件を引き起こし、グリプス戦役終盤に戦死した。
- パプテマス・シロッコ
- 木星帰りのティターンズ軍人。ジャミトフを暗殺し、独自の行動を起こすが最終決戦で戦死。
アクシズ
関連用語
- 30バンチ事件
- ティターンズによる毒ガスを用いたスペースノイド虐殺事件。エゥーゴ創設の切欠となった。
- グリプス2
- サイド7のコロニーであるグリーンノア2をコロニーレーザーに改造した姿。終盤の舞台となる。
- アポロ作戦
- ティターンズによる月のフォン・ブラウン市制圧作戦。
- ダカール演説
- エゥーゴがダカールの連邦議会を制圧し、クワトロ・バジーナがシャア・アズナブルであることを明かしてティターンズの非道を訴えた演説。この演説以後、ティターンズは急速に支持を失った。
- ゼダンの門
- 旧ア・バオア・クー。ティターンズの拠点となった。
- メールシュトローム作戦
- ネオ・ジオンからグリプス2のコロニーレーザーを奪取する作戦。コロニーレーザーを渦のように取り囲むように遂行したことから名付けられた。