ゲイツ (SEED)
ゲイツは「機動戦士ガンダムSEED シリーズ」の登場メカ。
ゲイツ | |
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外国語表記 | GuAIZ[1] |
登場作品 | |
初登場SRW | 第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ |
SRWでの分類 | 機体 |
スペック | |
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分類 | 汎用モビルスーツ |
生産形態 | 量産機 |
型式番号 | ZGMF-600 |
全高 | 20.24 m |
重量 | 80.2 t |
動力 | バッテリー |
開発 | ザフト |
所属 | ザフト |
主なパイロット | ラウ・ル・クルーゼ |
概要
ラウ・ル・クルーゼの搭乗した白のカラーリングの指揮官機仕様の他、物語の終盤には緑系統のカラーリングとなる量産型の機体が大量に実戦投入される事になる。
機体概要
第1次連合・プラント大戦の終盤にて開発された最新鋭主力機。これまでザフトの使用した機体の数々は、ハインライン、アシモフ、クラーク、ヴェルヌといった複数の設計局によって開発が行われてきたのに対し、本機はそれらを統合させた「統合設計局」とプラント国営軍需企業「マイウス・ミリタリー・インダストリー社(M.M.I.)」の共同で開発が行われる事になっている。本来、ジンの後継機となる量産機はシグーとなる予定であったのだが、敵対勢力である地球連合軍側もまたモビルスーツの開発に乗り出し、しかもそちら側は並のモビルスーツを一撃で破壊出来るビーム兵器を標準装備化している上に実弾兵器を無効化してしまうフェイズシフト装甲までも採用する形で数歩先に進んでいた事実を知った結果、プラント上層部は地球連合側の軍事力を軽視し過ぎていた事を痛感。シグーをも上回る新たな主力量産機の開発を検討しなくてはならなくなり、大戦の前半期にある程度の完成を迎えていた本機に、クルーゼ隊の奪取した4機の「G」であるGAT-Xシリーズ(イージス、デュエル、バスター、ブリッツ)に使用されていた技術を導入させる事で、モビルスーツのビーム兵器の標準装備化を計画する。しかし、本来ビーム兵器を装備するはずでは無かった本機に対し、新たにビーム兵器を標準装備出来るよう設計全体に大幅な見直しをするのは非常に困難となり、当然生産も大きく遅延した結果、本来の予定よりも半年以上も経ってから、ようやく完成するに至った。
GAT-Xシリーズの技術も加えている事もあって、基本性能はジンやシグー、地球連合軍のストライクダガーを上回り、オーブ軍のM1アストレイにも引けを取らない物となっている。最大の特徴はビーム兵器を標準装備している点で、メイン武装となる「MA-M21Gビームライフル」はジンが装備していた大型ビーム砲である「M69バルルス改」に比べて取り回しが大きく改善され、連射性にも優れており、バッテリー内臓式となっているのかシグー等の旧型でも使用出来る。一方、小型の対ビームシールドの先端部に内蔵された「MA-MV03二連装ビームクロー」やビーム砲を内蔵した有線式アンカーである「エクステンショナル・アレスターEEQ7R」等、敵の意表を突く様な武装も多く、近接戦闘時で対峙する敵との「駆け引き」において有利に立つ事も可能である。
先行量産機はエースパイロットへ優先的に配備され、大戦末期となるボアズ攻防戦時には大量に量産されている。また、その後に開発されたザフト製ガンダムである「ZGMF-Xシリーズ」のベース機に採用されている。特にドレッドノートは外見状かなり酷似しており、ある程度の互換性も持っていたのか、本来の頭部が無かった時期は本機の頭部で代用していた(通称『ゲイツヘッド』)。また、先行量産機の内の数機は、ジャスティスやフリーダムが使用する予定だった火器類の試験目的の為にも利用され、それらに加えてフェイズシフト装甲も採用されている「火器運用試験型ゲイツ改(SRW未登場)」が存在。第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦では実戦投入もされている[2]。第1次連合・プラント大戦終結後は一部の仕様を変更したゲイツRが開発され、新規格の量産機であるザクウォーリア(ファントム)へ機種転換されるまでの主力機となっている。
劇中での活躍
本編
『SEED』の第1次連合・プラント大戦の終盤にクルーゼの搭乗する先行量産機が先駆けて登場。コロニー「メンデル」に立ち寄っていた三隻同盟を襲撃し、ムウ・ラ・フラガの搭乗するランチャーストライクと交戦し、ムウがまだストライクでの宇宙戦に慣れていない事もあってか、中破させる形で優位に立つが、その直後にキラ・ヤマトのフリーダムによって、ライフル、頭部、両足の順番で破壊され、大破した。その後、戦闘の継続は不可能だった為、クルーゼはこの機体の予備のビームライフルを装備したシグーで再出撃している。
ボアズ攻防戦の時期には量産型が大量配備される事になっているが、地球連合軍の投入したブーステッドマン達の搭乗するカラミティ、フォビドゥン、レイダーの第二世代GAT-Xシリーズの3機には全く太刀打ち出来ず、次々と撃墜されている。特にビーム兵器を無効化させてしまうフォビドゥン相手には、まともにダメージを与えられないまま返り討ちに遭って撃墜されるシーンが描かれている。
第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦にも大量に投入された他、イザーク・ジュールの搭乗するデュエル(アサルト・シュラウド仕様)を隊長機としたジュール隊の主力機となり、新規入隊したばかりのザフト兵達が搭乗して出撃している。
続編『SEED DESTINY』FINAL-PLUS「選ばれた未来」で追加されたシーンにも一カットだけ登場しており、一部はそのまま運用されているようである。
外伝作
『SEED ASTRAY』では、本機の配備されていたザフトの部隊に対し、ロンド・ギナ・サハクによってアストレイゴールドフレーム天の性能テストを兼ねた襲撃が行われ、殆ど太刀打ち出来無い形で撃墜されている。その後は、行方不明となったレアメタル捜索の為、複数のゲイツで構成された部隊が蘊・奥の居住するデブリ海に浮かぶ居住衛星「グレイブヤード」へと侵入するも、こちらも反撃に転じた蘊・奥によってビームライフルの砲身を刀で切られてしまったり、彼が搭乗したジン(それもまともに修繕されたとは言えない状態)によって次々と撃墜され[3]、挙句の果てにはレアメタルで完成させた巨大刀剣である「105ガーベラ」を携えたロウ・ギュールのアストレイレッドフレームによって一網打尽にされてしまう等、最新鋭機とは思えないまでのやられメカぶりを見せている。
『X ASTRAY』では、頭部を失っていたドレッドノートをとりあえず運用出来る様にすべく、本機の頭部を利用する形での応急処置が行われている。しかし、こちらでもカナード・パルスの搭乗するスーパーハイペリオンによってジンと共に次々と撃墜されたり、ロンド・ミナ・サハクの宇宙拠点である「アメノミハシラ」を襲撃してソキウス(SRW未登場)の搭乗するソードカラミティによって返り討ちにされる等、やはり悲惨な描かれ方をしている。
一般公募で生まれたゲイツ
サンライズが一般公募で募集したキャンペーンで選ばれた機体[4]を大河原邦男氏がリファインしている。最初はクルーゼ機が「ストライクを中破にまで追い込む」という活躍を見せたが、その直後にキラの乗るフリーダムにより性能差もあってか撃墜されている。
クルーゼ機の扱いはまだマシな方で、一般機の場合は「初の戦闘シーンでいきなりストライクダガーに撃破されて吹き飛ばされた頭部が場面一杯に映る」、「第二世代GAT-Xシリーズに蹂躙され、ジンと全く大差がない扱いを受ける」、公式外伝でも「ガンダムタイプどころかジンにまでボコボコにされる」等…あまりかっこいい場面は描かれていない。一応、ストライクダガーを撃破する場面等もしっかりと存在するのだが、同時に反撃を受けて撃破されている場面も目立ち、パイロットがナチュラルよりも優れたコーディネイターであるとの意識も相まって、ストライクダガーが頑張って奮戦している印象が強くなってしまっている。これに関しては、「性能はゲイツの方が上である」のは確かなのだが、そもそもこの頃になると「ストライクダガーやM1アストレイといった新規の量産機では、並のモビルスーツを一撃で撃破出来るビーム兵器を標準装備しているのが当然」となっており、「最新鋭機であるゲイツであっても、ビーム兵器の一撃でやられてしまう『並のモビルスーツ』の領域から抜け出すのは叶わない物となっていた」という事情があったと言える。ましてや、地球連合軍の擁するストライクダガーに関しては、ストライク系統の特徴であるストライカーパックシステムを廃してまで大量生産へと漕ぎつけた機体であっても性能はジンを凌駕しており、しかも物量面に関してはゲイツを完全に上回っていた以上、その総合的かつ圧倒的な火力の前に押されてしまう事になったとしても何ら不自然では無く、いくら最新鋭機といってもモビルスーツの性能差だけで戦況を覆すのは不可能となっていたと言える[5]。
『SEED』はそもそも敵味方でメインキャラが多く、彼らを華々しく活躍させなければならないというメタ的な事情があり、ゲイツがいわゆる「敵のやられメカ」になってしまうのは必然ともいえ、特別扱いが悪いわけではない。むしろ最初に活躍の場をもらっていたり、外伝作や続編でも派生機や発展機が登場したりと、『SEED』量産機の中では目立っている方であり、何よりも「ザフト製ガンダムのベース機に選ばれた」という追加設定まで加えられているので、これらも元が一般公募故の優遇と言っても過言では無いと言える。
なお『SEED』は1stガンダムオマージュが強い作品であり、ゲイツは「後半に登場するビーム兵器搭載機」ということからゲルググのポジションにあたる。「性能は高いのに、配備が遅すぎたせいで活躍がいまいち」という悪い意味でのオマージュまでされてしまっているが…。
登場作品と操縦者
αシリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ
- 初登場作品。原作同様に後半に登場。しかし、こちらもエースパイロットがきっちり育成を終わらせた後の登場なので、ザコに違いない。
- クルーゼ機はPS装甲は無いが、クルーゼ自身の能力が高いので油断は禁物。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦J
- 後半に登場。流石にジンよりは強いが、雑魚に過ぎない。
- クルーゼ機はかなり厄介な敵。
- スーパーロボット大戦W
- 第2部後半に登場。苦も無く倒せる。2周目以降はショップで1機購入できる。
- 購入機体の中では割と高性能な部類に入り、エクステンショナル・アレスターが長射程かつ低燃費で使いやすく、他の武装もソツが無いため援護攻撃要員等に起用すると地味に役立つ。
- クルーゼ機はネームド機故に、一般機と比べてHPが跳ね上がっている。
単独作品
- スーパーロボット大戦DD
- 2章Part1にてクルーゼ機がアイコンのみ登場。
装備・機能
武装・必殺武器
- MMI-GAU2 ピクウス76mm近接防御機関砲
- 頭部に内蔵された近接防御兵器。フリーダム等の物と同型。
- エクステンショナル・アレスターEEQ7R
- 左右両腰に装備したビーム砲内蔵型ロケットアンカー。
- 接近戦に有効な武器だが射程が短く、相応の技量を持つパイロットでないと使いにくい為、ゲイツRでは使いやすいレールガンに変更された。
- ちなみにスパロボWなど一部作品では原作での使いにくさとは真逆に低燃費で長射程という破格の性能を誇っている。
- シールド
- 左腕に装着。ドレッドノートやプロヴィデンス等に装備された複合兵装防盾システムの原型。
- MA-MV03 2連装ビームクロー
- シールドに2基内蔵したビームクロー。
- MA-M21G ビームライフル
- マティウス・アーセナリー社製の武装。ザフトの量産機では初の標準装備。
特殊能力
移動タイプ
サイズ
- M
関連機体
- ゲイツR
- 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場するゲイツの改修機。機体名の「R」は「Reinforce(強化する)」の意。
- ドレッドノート
- ザフト製ガンダムのプロトタイプ機の一つ。開発期間を短縮させる為に、頭部以外のパーツはゲイツの物を流用している。
- 火器運用試験型ゲイツ改(SRW未登場)
- 『機動戦士ガンダムSEED MSV』に登場。フリーダムとジャスティスのプロトタイプと言うべき機体であり、フリーダムとほぼ同様の武装とジャスティスのものに酷似した背部リフターを装着している。
- ゲル・フィニート(SRW未登場)
- ゲイツと次期主力コンペティションを争ったアクタイオン・インダストリー社製の競合機。地球の企業がプラントの国策企業を相手に勝てるはずもなく、不採用に終わった。しかし、本機に搭載された量子通信技術「バチルス・ウェポンシステム 」は、プロヴィデンスなどに採用されることとなるドラグーンシステムの雛型となった。
- ゲルググ
- オマージュ元とも言える機体。
余談
- ザフト製のモビルスーツのガンプラ等のフィギュア商品は登録商標の都合上、頭に「モビル~」が付けられている(例:「モビルジン」など)のだが、ゲイツだけ「モビルスーツゲイツ」という商品名になっている。これは世界的に有名な実業家「ビル・ゲイツ」とのバッティングを避けたため。
- 実は公式年表によると、物語の第1話に当たる東アジア共和国のカオシュン基地陥落前後にザフト軍から一般公開が行われている。しかし直後に地球連合軍のGAT-Xナンバーの強奪に成功し、連合側のモビルスーツ性能を目の当たりにした結果、武装や設計の再検討を強いられたと思われ、結果的に本編終盤しか実戦配備に至らなかった経緯がある。この設計変更前と思われるゲイツに関しては全く情報がないため、仔細は不明。
脚注
- ↑ MECHA、機動戦士ガンダムSEEDシリーズ公式サイトより。
- ↑ 『機動戦士ガンダムSEED スペシャルエディションVol.3』に登場。
- ↑ あくまでも搭乗者の技量の差による物だが、一方的なやられっぷりからも、「下手をするとジンよりも性能が低いのではないか」と誤解されかねない描写となっている。
- ↑ 応募時の名前は「アラウクネ」で、応募者はブリッツガンダムの後継機としてデザインしている(ただし、一部武装等は『アーマード・コアシリーズ』の機体武装を模している)。また、設定に「エースパイロットに支給」と書かれているが、本編ではクルーゼ以外にMSVを含めてもゲイツもしくはゲイツの改造機に乗ったキャラクターは存在しない。
- ↑ ただし、ボアズ攻防戦やプラント防衛線は地球連合軍の方が物量が上なので「撃破されても物量差が原因」と言える反面、ジェネシスの攻撃を受けた後の第二次ヤキンドゥーエ攻防戦では戦力を消耗しているのは地球連合軍側という状況なので、物量差も言い訳には出来ない部分もある。
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