ゼハート・ガレット
ゼハート・ガレットは『機動戦士ガンダムAGE』の登場人物。
ゼハート・ガレット | |
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外国語表記 | Zeheart Garette |
登場作品 | |
声優 |
神谷浩史 能登麻美子(幼少期) |
デザイン |
千葉道徳 長野拓造(原案) |
初登場SRW | スーパーロボット大戦BX |
SRWでの分類 | パイロット |
プロフィール | |
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種族 | 地球人 |
性別 | 男 |
年齢 | 17歳 → 18歳(アセム編) |
出身 | 火星 |
身長 | 175.5 cm |
所属 | ヴェイガン |
役職 |
地球制圧軍総司令官(アセム編) イゼルカント直属司令官(キオ編) ヴェイガン新指導者(三世代編) |
概要
第二部・アセム編より登場。ヴェイガンに所属する軍人の一人であり、長い銀髪と褐色肌が特徴の美青年[1][2]。スペシャルエディションOVA『機動戦士ガンダムAGE MEMORY OF EDEN』(以下、『MOE』と表記)では事実上の主人公[3][4]となる。
来歴
アセム編
ガンダムAGE-1及びAGEシステムの奪取を目的とするため、コロニー・トルディアへと潜入。その際に身分を偽りスージー・マスコビー・スクールの学生として転入し、アスノ家の人間であるアセムとの接触を図るが、部活動「MSクラブ」を通して友情を感じていき戸惑うようになる。
転入して一年半後の卒業式の日に、自身の正体を晒し決別。その後は連邦軍へ入隊したアセムと多く交戦する。当初は自身の操縦技術の高さとXラウンダー能力も相まって、アセムを圧倒していたが、次第に追いつかれるようになる。最終決戦では移動要塞ダウネスが地球へと落下し始めたため、アセムと共闘し食い止めるものの、大気圏へと突入。その際に、ドール・フロストに庇われ一命を取り留める。その後はイゼルカントの元でコールドスリープへと入った。
キオ編・三世代編
推定実年齢55歳前後。コールドスリープから目覚めた後、新たな専用機ギラーガを駆りオリバーノーツを強襲。その際、民間人への被害を一切躊躇しないなど非情な面が描かれている。キオと対峙して、それを非難された際に「戦争はゲームではない」と切り返した。
ルナベースではアローン・シモンズと共謀して乗っ取りに成功したが、アスノ家を筆頭とした奪還作戦にて内応者のジラードが戦死したのと、連邦軍パイロットのセリックによる降伏勧告を受けたのを機に全軍撤退を余儀なくされる。その際アセムから聞かされたプロジェクト・エデンの真意を帰還後に主君イゼルカントに問い詰めたところ、その全てを明かされた上でヴェイガンの全権を委ねられる事になる。その真意である「宇宙規模の戦争による人間の選別と、それに伴うエデンの実現」にはさすがに衝撃を受けていた(有体に言えば、引いていた)が、マーズ・レイで既に瀕死のイゼルカントへの同情、さらに知らずとはいえそのために死んでいった仲間達の意志やこれまでの人生を否定する事が出来ず、引き受ける事になった。
だが、その重圧はあまりにも大きく、時間が経つにつれて精神的に追い詰められていき、最終的には今まで自分に希望を託した者や、亡兄デシルの幻影を見るまでに追い詰められる。最終的にはイゼルカントと死者達が目指した理想の完遂のため、部下を大切に思っていた本来の心を殺して、遂には自分を愛してくれたフラムにまで、間接的にだがエデンのために死ねと命じるまでになってしまう。
ラ・グラミス攻防戦ではイゼルカントから受領したガンダムレギルスでキオのガンダムAGE-FXと交戦。フラムと共にあと一歩のところまで追い詰めるが、この土壇場で発生したザナルドの反乱を受けて仕留める事が出来ず、やむなくその場をフラムに任せて撤退する。その後、フラムにガンダムとディーヴァの足止めをするように指示を出し、ラ・グラミスのディグマゼノン砲にてガンダムとディーヴァを一掃しようとする。しかし、この攻撃はフリットに見抜かれており、ディーヴァを沈めるもガンダムを一機も仕留める事が出来ず、しかも母艦の役割をディーヴァクルーが乗り込んだバロノークが引き継いだ事で指揮系統の瓦解も達せられなかった。
フラムを犠牲にしたにも関わらず何の結果も得られなかった事に怒りと焦りを抱いたゼハートは再びレギルスで出撃、アセムと激突する。しかし、デシルを始めとする死者達の幻影と嘲笑、さらに背負ったものと現在の状況に対するプレッシャーでレギルスの力を全く引き出す事が出来ず、たったの55秒で無力化。最後の最後で人らしい生き方を掴んだアセムが羨ましかったと語り、爆発から逃すためにダークハウンドを蹴り飛ばす。そして、彼にとっての「エデン」であるアセムやロマリーと過ごした日々を思い返しながら、レギルスの爆発に消えていった。
OVA『MOE』では、プロジェクト・エデンを実行する事が即ち「同胞の犠牲を無駄にしないために同胞の犠牲を無駄にする」という矛盾である事に気付き、しかしそれをやめる事も引き返すことも出来なくなって追い詰められていく過程が描かれている。さらに最終決戦前の連邦との戦いでは敵のモビルスーツを次々と撃破しながらも次第に精神が壊れ始め、イゼルカント曰くの「真のXラウンダー」=理性なき野獣へと目覚めていく様子が克明に描写されている。
また、アセムとの最終決戦もTV版のような一方的なものではなく、両者とも傷付きながらも感情をぶつけ合う激しいものとなっている。そして、『MOE』のエピローグではゼハートとフラムの墓が建てられており、アノン兄妹と共に「エデン」の地で安らかに眠っている。
キャラクターの総評
ゼハートの生き様は言うなれば、道を間違えたアセム、家族や友人に恵まれなかったフリットという彼等の「もしも」の姿とも言い換える事が出来る。全てを一人で背負い込み、それを分かち合える家族や友が誰もいなかったゼハートには頼れるものは自分以外になく、さらに「ゼハート・ガレット」という個人と向き合ってくれるのが実質、敵となったアセム以外にいなかったのも大きい。ヴェイガンの絶対的指導者であるイゼルカントから全てを受け継いだ男、有数のXラウンダー、エデンの住民の代表たるゼハートには、陰ながら支えようとする者達は多くいたものの、正面から諌め、あるいは共に歩いてくれる者は誰もおらず、フラムですら表面的には「上官と部下」の関係で留まっていた。結局のところ、ゼハートにとって本当に必要だったのは「ヴェイガンの未来」という重荷を分かち合える仲間であり、一人で背負えるはずのないものを無理に一人で背負ってしまったのが一番の不幸だったと言える。
その表れか、軍人としては確かに有能なものの指揮官としては疑問符が付き、事実ゼハートが担当した作戦は、作中描かれた限りほとんど失敗している[5]。更には最高クラスのXラウンダーであり、優れたパイロットでもあったゼハートが精神の平衡を保てなかった事が原因で殆ど力を発揮できず、心の強さこそが最も重要なスーパーパイロットとなったアセムに圧倒される、というかなり皮肉な敗北をしてしまった。
登場作品と役柄
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦BX
- 初登場作品。序盤からギラーガに搭乗し、幾度も自軍部隊と対峙する。終盤にガンダムレギルスに乗り換える。撃墜すると声優繋がりでスキルパーツ「ミシェルの眼鏡」を落とす場合がある。
- 高いXラウンダー能力もあって強敵となっており、最終的に第41話にてヴェイガンギア・シドの攻撃からアセムを庇い死亡するが、隠し要素の条件を満たす事で生存し、フラムやレイルと共にブライティクスに参加。ロマリーやフリットとも和解する。味方になった後はアセムとの合体攻撃も用意されているが、機体の得意レンジが反対なので足並みを揃え難いのが問題。
- キャンペーンマップ「硬きもの」「ハイスピードチェイサー」ではなぜかマノンと共に戦術指揮のメンバーに加わっている[6]。
- なお、本作ではオリバーノーツ襲撃時に当初の座乗艦であったファ・ゼオスを失わなかったので、その後の乗艦ファ・ザードは登場せず、終始ファ・ゼオスの指揮を執っている。
パイロットステータス
精神コマンド
特殊スキル
- BX
- Xラウンダーは普通に進めればまず間違いなく敵・味方両方でL9になっているので、かなり当てて避けてくれる。
戦術指揮
- 回避率上昇、全体攻撃時の攻撃力上昇、移動力1上昇
- 『BX』で採用。Xラウンダーの面目躍如か。
人間関係
地球連邦
- アセム・アスノ(キャプテン・アッシュ)
- コロニー・トルディアにて潜入した頃からの奇妙な友情で結ばれた親友にしてライバルと言うべき存在。ゼハート自身の正体がアセムに知れ渡ってからは、彼と戦場で度々交戦した。
- しかしながら、ゼハートはアセムの性格を「優しすぎる」と評して、戦いから遠ざけようとするなど非情になりきれない面を見せる事が多かった。
- ちなみにゼハートの一人称は基本的に「私」だが、アセムと対している時(特に、動揺している場合)には「俺」になる事が多い。
- 『BX』で条件を満たして生存した場合は、決戦後、バロノークで学生時代にはできなかった酒の酌み交わしを行った。
- ロマリー・ストーン
- 同級生。淡い想いを寄せられていた(TV版)が、ゼハート本人はアセムとの仲を後押しする事が多く、ゼハートがヴェイガンへと戻ってからも度々気に掛けていた。
- 一方でゼハートは後ろめたさもあったのか、ロマリーの事はあまり気にかけていない様子ではあった。
- 『BX』では、原作ではなかった、妻となり母となった彼女との再会を果たす。
- シャーウィー・ベルトン、マシル・ボイド
- 潜入時の同級生。彼らと同じMSクラブに所属。今際の際の回想では彼らMSクラブとの楽しかった日々を思い起こしており、その友情は本物だった。
- キオ・アスノ
- キオ編にてオリバーノーツを強襲し、因縁が出来る。その後は親友であるアセムとロマリーの息子という事もあって(当時はアセムが死んでいたと認識していた事もあるが)、深く気にかけるようになる。精神的な未熟さを利用することもあったが、戦士としての腕は認めていた模様。
- フリット・アスノ
- 直接の関係は無いが、ビッグリング攻防戦を始めとする多くの戦局にて交戦。また、ゼハートの生き様は奇しくもフリットに通ずるものがあった。
- ジラード・スプリガン
- ヴェイガンへ寝返った連邦軍大佐。亡き恋人のために殉じた彼女の生き様を戦士として評価していた様子。
ヴェイガン
- デシル・ガレット(SRW未登場)
- 実兄だが、彼の苛烈な性格も相まってか仲は良くない。自身が地球攻撃の司令官に抜擢された時は強い嫉妬を向けられていた。最終的には見殺しにしたが、その事に少なからず罪悪感を覚えていた。
- 小説版では、かつて民間人の少女を利用した卑劣な作戦をとった彼を明確に軽蔑しており、最終的にはヴェイガンの要塞を地球に落下させようとするという凶行に奔った彼をアセムと一時的に共闘して阻止している。
- 『MOE』では、ゼハートの夢の中に何度も登場し、辛辣な言葉で彼を苦しめている。一方で、ゼハートが目を背けている物を的確に指摘する事も。
- メデル・ザント(SRW未登場)
- アセム編での副司令。元々は総司令官だったが、ゼハートにその座を譲る。ゼハートの下に就いた後も一切含むことなく献身的に彼を支えている。
- ダズ・ローデン(SRW未登場)
- アセム編での補佐官。コロニー「トルディア」へゼハートと共に潜入していた。
- 『MOE』では、潜伏先のトルディアで学園生活を送るゼハートに対して親のように接する。また、ゼハート自身はアセム達にダズの事を「おじさん」と偽って紹介している。
- ドール・フロスト(SRW未登場)
- アセム編での部下マジシャンズ8のリーダー。コロニー「ノートラム」攻防戦終盤で、大気圏に落ちたゼハートを庇い、戦死。
- フラム・ナラ
- キオ編以降での副官。彼女の兄・ドールが戦死した要因となった事もあってか、ゼハートを懐疑的に見ていたが、次第に彼に惹かれていく(『MOE』では恋人関係になる)。
- 『MOE』では、彼女に対して「私が死んだ兄の命に値しない男だと判断したらいつでも私を撃て」と言う。
- レイル・ライト
- キオ編以降での部下。フラムと二人でゼハートを支えている。
- ダレスト・グーン(SRW未登場)
- キオ編以降での部下。
- ザナルド・ベイハート
- ヴェイガンの指揮官。ゼハートを疎んでいる。最終的には自身に叛旗を翻した彼を粛清する。
- 小説版では決定的な対立は無く、自身の亡き後にヴェイガンの未来を託す者として、彼の事も認めていた。
- 『BX』では生存フラグを満たしていない場合、彼のけしかけたヴェイガンギア・シドの攻撃からアセムと法術士ニューを庇う形で死亡するが、生存フラグを満たしていた場合は逆にアセムとの連携で彼に引導を渡す。
- フェザール・イゼルカント
- 幼少期より彼を信奉していた。アセムとの交流もあってか、三世代編では懐疑的に見るようにもなったが、最終的に彼の後継者となった。
- 小説版では「プロジェクト・エデン」の真相を知った事で、表向きは彼の後継者として振舞いながらも、彼の計画に叛旗を翻す。
- 『BX』においても彼への懐疑がアニメ版よりやや強くなっており、「プロジェクト・エデン」に本心では反対していた。そのため決戦直前で法術士ニューに、イゼルカントの処遇についてある命令を下す。
- フラグが成立した場合、彼から「お前の目指したものこそが真のエデン」と伝えられ、ようやく重荷から解放される事に。
- ゼラ・ギンス
- 主君イゼルカントのクローン人間で、ゼハートと同じくイゼルカントの後継者候補として想定されていた人物[4]。
他作品との人間関係
- 法術士ニュー
- 『BX』では異世界からの来訪者であり、プロジェクト・エデンを引き継いだゼハートの参謀役となる。彼を信頼し、ブライティクスと地球連邦軍との最終決戦の際には彼にある密命を与える。
- 参戦フラグを満たした場合、間一髪のところを彼の転移魔法に救われる。エンディングでは人知れずスダ・ドアカワールドに帰ろうとしていた彼をフラムやレイルと共に見送る。
- ロニ・ガーベイ、ジオン残党軍
- 『BX』ではブライティクスに敗北した彼女たちを救い、ロストロウラン攻略作戦へ参加させる。なお、同道しない兵士については途中で降ろす配慮も見せている。
- ロニの生存フラグが成立した場合、彼女をセカンドムーンに保護する。
- 白鳥九十九、月臣元一朗、高杉三郎太、秋山源八郎
- 『BX』では同盟組織の将である彼らと何度も共同戦線をとる。
- 草壁春樹
- 『BX』では同盟組織の司令官同士の関係。互いに共同歩調をとり地球連邦とBXに対抗するが…。
- ハリケーン、フラッシュ、ミスティ
- 『BX』ではオリバーノーツでの戦いで彼女達を一蹴するが、彼女達の決死の反撃もあって撤退に追い込まれる結果に。
- ティエリア・アーデ
- 同じく神谷浩史氏が演じるガンダムキャラ。『BX』では特殊戦闘台詞がある。
名台詞
アセム編
- 「あそこには、私の欲していたものがあったのかもしれない…」
「だが、私は…故郷の惨状を忘れてはいない。かりそめの安らぎなど、戦士には不要だ!」 - 第18話より。卒業式の日、搭乗するゼダスRのモニターに映るスージー・マスコビー・スクールを眺めて。学生として一年半をすごした母校での思い出を振り切り、ゼハートはヴェイガンの戦士へと戻る。
- ちなみにゼハートは、第18話において郊外でMSの戦闘を行い、母校をMSの戦闘に巻き込まないように配慮している[7]。
- 「アセム、お前とは、あのまま友達でいられたかもしれない。だが、俺には戦士として背負うものがある。譲る事の出来ない、戦う理由がある。」
「お前にはあるのか? それ程の覚悟が! 俺だと知ってお前は撃てるのか!?」
「お前のような優しい奴は戦うべきじゃない…!」 - 同上話。アセムに自らの正体を明かしての発言。これから戦いになれば友達同士でも戦わなければならず、ゼハートなりにも彼を説得する。
- アセムの優しさを知っているからこその言葉だったが…。
- 「この機体は私に付いて来る!!」
- 第20話より。自身の能力に応えるゼイドラの性能に歓喜する。
- 「これが、Xラウンダーの力だ。お前が戦いに向かないのは甘さだけじゃない。」
「アセム…二度と俺の前に現れるな…。」 - 同上話にてアセムのガンダムAGE-2を圧倒し、こう言い残して去って行った。
- 力の違いを見せつけてでもアセムを戦いから遠ざけようとする友としてのせめてもの情けだったが、皮肉にもこれがアセムの苦悩の始まりになってしまう。
- 「私は、戦いに生きるべき宿命を背負っている。しかし、お前は違う。戦わない道を選択できる。」
「お前はお前のままでいられる。優しい、私が好きだった友達のアセムのまま。」 - 第24話。ソロンシティにてアセムと再会、再度軍を抜ける様に説得する。この時はゼハートも笑顔で接している。しかし、今のアセムは精神的に追い詰められており、ゼハートの言葉は届かず逆に嫉妬心をぶつけられてしまう。
- 「お前が戦場にいては、私が私でいられなくなる! 目的の妨げになる! 私はヴェイガンだ…!」
- 同上、説得の続き。彼もまた友情と使命感に挟まれて葛藤していることがわかる台詞。やはりアセムと戦うのは本意ではない様だが、覚悟の違いを示す為にアセムに銃を突きつける…。ただし、前話では戦闘中に「私は迷ってなどいない」と言い放ちながらも説得を試みるあたりは、ゼハート自身も相当な迷いを抱えている事は間違いなく、これらの言葉は自分自身に言い聞かせている側面もあるだろう。
- 第二部・アセム編EDテーマ『My World』の歌詞「僕が僕であるために失っちゃいけないものは何?」を意識した台詞とも取れるが、この歌詞はこの時のアセムにも悪い意味で当てはまっているのが切ない。そして、皮肉にも第四部・三世代編のゼハートにも当てはまっているだろう。
- 余談だが、この後にゼハートは湖の中に隠していたゼイドラに乗って逃走するが、「どうやって隠した?」と一部で話題になった。
- 「アセム…。ガンダムの性能に助けられたな…!」
- 同上。その後の戦闘でAGE-2の新形態ダブルバレットによってマジシャンズ8の内の2名が倒され、撤退する際の捨て台詞。本来ならば負け惜しみにしか聞こえない台詞だが、先述の問答からのアセムの様子を考えると否定もできない。
- ただし、この時は焦りからアセムも気付いていないが、たとえ性能頼りだとしてもアセムがXラウンダーを倒したのも事実で、ウルフが彼にスーパーパイロットの道を示す際にもこの戦果を指摘している。
- 「あなたはフリット・アスノへの特別な感情で動いている!そんなことでは…」
「処分は考えておく。」
(特別な感情か…) - 自身を最前線から外したことに反発したデシルに対して。しかし、デシルは逆に開き直り独断専行を行う結果になってしまった。
- 最後の独白は自身もまた何度も見逃してきたアセムに対して甘さが抜けきっていないことに対する自嘲である。
- 「例え兄でも、妨げになるなら…。」
「私は…どんなことをしてもたどり着くと誓ったのだ…! イゼルカント様が見せてくれた、未来に…!」 - ドールからデシルを見殺しにした事実を指摘されるも、ゼハートなりに覚悟を示す。
- これにはドールも突き動かされ、ゼハートを庇い彼がエデンの実現を成し遂げてくれると信じて散っていくが、ゼハートが何をしても結局たどり着けず、逆に追い詰められてしまう、という後の展開を考えると皮肉な台詞である。
キオ編
- 「ガンダム…またもや私の前に立ちはだかるのか」
- 第29話より。オリバーノーツ襲撃時に、ガンダムAGE-3と対峙して。ちなみに、「赤い彗星の再来」と呼ばれる男もまた、ゼハートと同様の趣旨の発言をしている。
- 「スパイは人類が戦争を覚えた時代から存在している。それをとやかく言われる筋合いは無い……戦争はゲームではないのだよ、坊や!!」
- 第33話より。ロストロウラン基地でキオと対峙した時の言葉。シャナルアの弱みに付け込んでスパイに仕立て上げた事を糾弾されたが、ゼハートはこの言葉で逆に切り返した。
- かつて、戦争を自分本位のゲームとしか見ていなかった兄・デシルとは真逆の考えで戦争を捉えている事が伺える。
三世代編
- 「掴んだ!ガンダムレギルスの力!!」
- シドとの戦闘において、ゼハートは遂にガンダムレギルスを使いこなすことに成功、ツインアイを煌めかせる。機体の方がゼハートに追い付いたゼイドラの時との対比にもなっている。
- 「私はもう後へなど退けない! 私に残された道は、エデンに続く道のみだ!」
- ダズ・ローデン、ドール・フロスト、そして兄のデシル・ガレットの幻から自身を後押しする言葉を投げかけられて。精神も限界が近づいていたゼハートが次にとった行動は、あまりにも非情なものだった…。
- (私は…一体何をやっているのだ……!? 一体何を!?)
「わかっている! 何としてもガンダムは落とす! この戦いに勝利してみせるッ!」 - 味方を犠牲にしてまでもガンダムを落とせず、これまでに死んでいったヴェイガンの者達がゼハートを嘲笑する、という幻覚を見て。既にいない者達に衝き動かされるように、ゼハートは再びレギルスに乗り込む。
- 『MOE』では「死者の手が無数に生えてきてゼハートを引きずり込もうとする」という幻覚を見ているが、どちらの描写も追い詰められていたゼハートに追い討ちをかけるには十分すぎた。
- 『BX』においては前者は撃墜時、後者はアレンジした上で対ガンダムの特殊戦闘台詞に採用されている。
- 「全てが……こぼれ落ちていく……! どうして掴めないんだ……!!」
- フラムを囮にしてディグマゼノン砲でガンダムを殲滅する、という作戦が失敗に終わり、愕然と呟く。エデンのために大きすぎる犠牲を払いながら、彼は結局何もつかめなかった。
- 『BX』では第41話での撃墜時の台詞に採用されている。
- 「必ずやり遂げねばならないのだ…! 人の感情など、とうに捨てている!」
- アセムと対峙して。イゼルカントが提唱するプロジェクト・エデンは、手段と思想にこそ問題があるものの「人が人らしく生きられる世界を取り戻す」事が目的であった。アセムの言う通り、ゼハートが人の感情を捨てた時点で大義として成立しなくなっている。
- しかし、プレッシャーに潰されつつあるゼハートにはそれすらもわからず、ただエデンのためという妄執にも似た使命感がヴェイガンの白いガンダムを駆る。
- 「おおおおおおっ!! ガァァンダムゥゥゥッ!!」
- AGE-FXに斬りかかった際の叫び。『BX』でも採用されているが、何故かイベント戦闘でシドに攻撃した際の台詞になっている。
- 「やっと……俺に追いついたな…。大したものだ…」
- AGE-2ダークハウンドに敗北して。Xラウンダーではない上に、かつてあらゆる意味で戦士として自らの足元にも及ばなかったアセムが徐々に戦士として成長していき、そして自らに追いつき、追い越した事に敵ながら感慨深げだった。
- 「やり遂げたかったんだ……イゼルカント様のなさろうとした事を……私達の夢を……でなければ、私は何のために生きたのか…わからないんだ」
「お前たちと過ごしたMSクラブでの毎日……あの時、私は満たされていた…。お前は力を持った私に嫉妬していたのだろう…しかし、本当は俺もお前が羨ましかったんだ…」
「俺も愛する人と子を作り…お前のように生きたかった…」 - アセムに敗北し、ようやく明かした本音。ゼハートにとってのエデンとは戦いの先にあるものではなく、アセムやロマリーと共に過ごしたあの日々だった。
- 途中からはヴェイガン軍人としての一人称「私」ではなく、一個人としての一人称「俺」を使っている。
- 「ありがとう、アセム…」
- TVアニメ版・OVA『MOE』共通の最期の台詞。
- この直後に、ダークハウンドをレギルスの爆発に巻き込まないように蹴り飛ばし、アンカーもビームキャノンで焼き払い、宇宙に散った。
MEMORY OF EDEN
- 「俺は前に進むしか……ないのだぁぁぁ!!」
- アセムの「人が人である為のエデンではなかったのか!?」という言葉に対してOVA『MOE』ではこう切り返した。
- TV版と異なり、イゼルカントの真意を知り、間違った理想だったと悟ったゼハートだったが、後述の本音の通り犠牲になった同志達の為にも最早後戻りは出来なかった…。
- 「プロジェクト・エデンの真の目的は私だって既に知っている…それが私の望まぬ未来であったことも…」
「イゼルカント様の望んだ世界は確かに私の願った世界ではなかった…だが、それを認めてしまったら今までの戦いで死んでいった者たちはどうなる…? 彼らが命をかけてエデンを求めた思いはどうなる…? それを無為にすることはできない…」 - 『MOE』におけるアセムに対しての本音。戦いで死んでいった者たちへ報いるためにとプロジェクト・エデンを敢行していた事を語る。その方針は親友の父親と通ずるものがあった。
PSP版
- 「デシル兄さん…。結局私は兄さんと同じだ。…目的のために人の心を利用した。フラムは私を…愛してくれていたというのに…。」
- フラムの死後の独白。かつて敵を倒すために味方を操って死なせた兄の所業を今の自身の行動に重ねて、後悔の言葉をこぼす。
- …だが、肝心のガンダム撃破は失敗。直後、これまでに散っていったかつての仲間達から失望の言葉を投げかけられ、更にはフラムから「私は何のために死んだのですか?」と問いただされ、挙句そのデシルからも「お前には最初からエデンの創造など不可能だったんだ。」「イゼルカント様もさぞかし悲しんでおられるだろうなあ。」と嘲笑されてしまう。
- 後に放映されたTV版やOVA版よりストレートに批判されている分、こちらもこちらで悲惨な状況になってしまった。
小説版
- 「ファーデーンで戯れたせいで、AGEシステムを入手する機会を逸した兄上のお言葉、肝に銘じておきます」
- 小説版第3巻にて、コールドスリープから目覚めたデシルに対して皮肉を飛ばす。
- 「アセム! お前はこんなところで何をやっているんだ! お前は父親をやっていなければダメじゃないか! アセムゥゥゥゥ!」
- 小説版第4巻より。戦死したと思っていたアセムが生きていて、その上息子であるキオと交戦しているのを見て感情を爆発させ、立場も作戦内容も全て忘れて敵陣へ単独で突撃。
- 自分が望んでも手に入れる事のできなかった家族を持ちながら、それを捨てたアセムを殴ってやろうとしたのだが、ゼハートのこの行動で敵も味方もすべて混乱し、結果AGE-3の鹵獲につながった。
迷台詞
- (私の任務は諜報活動を行う潜入工作員だ。極力目立たないように振る舞わねばならない)
(…なのだが。なぜ皆、私の方を見ている!) - OVA『MOE』より。ゼハートはアセムが通うスペースコロニー「トルディア」内のスージー・マスコビー・スクールへの転校(潜入)初日、クラスの女子生徒達からの熱い視線を浴びてしまって。
- 潜入工作員の自覚を持つゼハートは慎重な言動を心掛けていたのだが、彼自身が美形[2]であった事がアダとなり、肝心の任務が果たせなくなってしまっていた。真面目な性格の人物であるゼハートの数少ないコミカルな場面。
- なお、程無くゼハートはロマリーとアセムの誘いでMSクラブへ入部し、一学生として学園生活を送る事となる。
- 「よく意味がわからないのだが…」
「やっぱり、意味がわからない」 - 同上。ロマリーの発案によって、MSクラブ部員の親睦とチームワーク強化を目的とした合宿をトルディア内のコロニービーチで行う事になった際のゼハートの反応。
- 部活とは直接的に関係が無い海水浴を楽しむ部員達の姿に、始めは困惑するゼハートだったが、少しづつ彼の顔に微笑が見られるようになっていく。
- ある意味、アセムやロマリー達と共に学生生活をすごした一年半の時期こそが、ゼハートにとっての「エデン」だったのかもしれない。
スパロボシリーズの名台詞
- 「…甘いな、ロマリー・『アスノ』」
「私はヴェイガンだ。若き日にお前達と共にいた男ではない。イゼルカント様の理想を実現する為なら、お前も、アセムの息子も慈悲なく殺す」 - 『BX』第29話「再会、そして別れ」にて、トルディアを訪れた際、ロマリーと再会した時の訣別のセリフ。
- 「…かつて貴様のように、地球種と関わりを持ったヴェイガンがいた…しかし、その二人は共に手を取り合う事は出来なかった。それがヴェイガンと地球種というものだ!」
- 『BX』第41話「君の中の英雄」にて、ディーン・アノンとの戦闘前会話より。キオと共闘する事を選んだディーンに対し、かつて同じ時を過ごしつつも決別したとある男達の事を語る。その「ヴェイガン」が、かつての友人たる「地球種」と再び手を取り合えるか……それは、プレイヤー次第である。
- 「皆、選んだのだ。ザナルド…」
「復讐ではなく、人が人らしく生きる当たり前の行い、人を救うという道を」 - 同ステージより、生存フラグが成立した際の台詞。現れたのはザナルドの裏切りにより、死んだはずのアセム、そしてゼハート。だが、彼は参謀ニューの転移魔法で間一髪生きていた。本心を吐露し、「プロジェクト・エデン」とは違う真の楽園(エデン)を目指す事を決めたゼハート。復讐という魔物に取りつかれたザナルドを討つため、黒と白のガンダムが宇宙を駆ける。
- 「私は心のどこかで、ずっとこんな時を望んでいたのかもしれない……誰もが考えもしなかった道……それが今、目の前に築かれようとしている。この道を私は信じるぞ、アセム!」
- 同話より。生存フラグが成立した場合の初戦闘時台詞。かつて考えはしたが、実現できるはずもないとあきらめていた地球とヴェイガンの和解の道。
- エデンにたどり着くという重荷から解放されたゼハートは「プロジェクト・エデン」とは違う真のエデンへの道を進むため、親友・アセムと再び手を取る事を選んだ。
- 「こうして、お前と俺で酒を飲み交わす事になるとはな」
- 同じく第41話にてバロノークにやって来て、アセムと二人で酒を酌み交わして。原作ではかなわなかった、和解後の二人の交友の瞬間。
- 「必ずアセムと共に会いに行く。約束しよう、ロマリー」
- 同じく第41話にて、決戦後、アセムと二人で酒を酌み交わしていた時に入ってきたロマリーの通信を受けて。あの卒業式の日に断ち切ったはずの縁。しかし、それでもまだアセムとロマリーは縁を残してくれていたことに感謝しつつ、全てが終わってからの再会を約束した。
- 「今の私には、重荷を分かち合える友がいる…!」
- BXへの参入後の汎用戦闘台詞。ヴェイガンの未来という重荷も、もう一人だけで背負う必要は無い。親友・アセムのみならず、今共に戦う仲間全てが、ヴェイガンだけでなく地球圏全ての未来を共に背負っている。自分もその一人として、ガンダムレギルスが新たな戦場を飛翔する。
- 「わずかではあったが、私の下に仕え、そして戦った仲間達だ。見送りぐらいはさせてほしいものだな」
- 『BX』エンディングにて、ひっそりとスダ・ドアカワールドに帰ろうとしていた法術士ニューを引き留めて。短い間だったが、共に楽園(エデン)を求め、駆け抜けた日々を忘れる事はない。
搭乗機体
(ほぼ)一貫して赤いカラーリングの機体に搭乗している。MSだけでなく、ゼハートが座乗する艦艇も赤に塗られている。
ちなみに、機体色には「火星の赤」という、ヴェイガンにとって深い意味合いが込められている。
- ゼダスR(SRW未登場)
- アセム編にて序盤に搭乗。兄・デシルのかつての愛機の改良型。
- ゼイドラ(SRW未登場)
- アセム編での主な搭乗機。Xラウンダーであるゼハートの為に調整されたMS。
- ギラーガ
- キオ編・三世代編での主な搭乗機。後にXトランスミッターを搭載し「ギラーガX」へと改造される。
- ウロッゾR(SRW未登場)
- キオ編ロストロウラン戦での搭乗機。
- ガンダムレギルス
- 三世代編後半より、イゼルカントから受け継ぎ搭乗。
- OVA『MOE』では、赤く塗り替えた。
- ファ・メナス
- かつての主力艦ファ・ボーゼの同型艦で、アセム編での座乗艦となる巨大母艦。ゼハートのパーソナルカラーである赤に染められている。SRW未登場。
- ファ・ゼオス、ファ・ザード
- キオ編以降での座乗艦となる新型戦闘艦。ファ・ザードはファ・メナス同様赤に染められている。ファ・ザードはSRW未登場。
余談
- 機体の赤いカラーリングやモビルスーツ搭乗時の仮面とそのデザイン等からも明白であるが、ゼハート・ガレットはシャア・アズナブルのオマージュキャラでもある。
- ただし、ゼハートが着用する仮面は正体を隠すためではなく、自身のXラウンダー能力を安定させるための制御デバイスである。そのため、ゼハートのXラウンダー能力についていけるガンダムレギルス受領後は外している。
- スペシャルエディションOVA『機動戦士ガンダムAGE MEMORY OF EDEN』で描かれた学生時代の『ピーター・パン』の劇では、ゼハートがピーター・パン役を演じている。
- これは後年、ゼハートがコールドスリープをして、外見が青少年期のままになっている事を暗示する場面であると考えられる。
- 先述のOVA『MOE』およびキオ編以降のコミカライズにあたる『機動戦士ガンダムAGE ~クライマックスヒーロー~』ではヴェイガンギア・シドが登場しないため、ゼハートが当作品におけるラスボスとなっており、キオとの絡みも濃く描かれている。
商品情報
脚注
- ↑ TV版第17話では、ユノアから「銀髪のかっこいい人」と評されている。
- ↑ 2.0 2.1 『MOE』では、ゼハートの転校先のクラスの女子生徒達(ロマリーを除く)が、彼の顔を見て頬を赤く染めている描写が存在している。ちなみに、この光景を見ていた男子生徒のマシル・ボイドは、ゼハートの事を「目立たないでいようとして、逆に目立っちゃうタイプ」と評している。
- ↑ 実際、『MOE』後編のエンディングロール(キャスト欄)では「ゼハート・ガレット 神谷浩史」がトップに位置している。
- ↑ 4.0 4.1 『MOE』ではゼラ・ギンスが未登場のままで完結するので、ゼハート・ガレットが当作品のラストボスの役割を担う。
- ↑ 根底にある他者への思いやりや部下に慕われるカリスマ性から、ゼハートが人の上に立つ資質が無いという訳ではないし、メタフィクション的に言えば「作戦が成功すると、AGEシステムが失われる等してバッドエンド一直線」という見方もある。
- ↑ 後者は想定される時期が本編の第45話から第46話の間と見られる為、生存・加入させていれば不自然ではなくなる。
- ↑ 一方、『MOE』ではゼハート達の母校スージー・マスコビー・スクールがヴェイガンに直接襲撃を受け、炎上してしまう事になる。