超文明ガーディム
超文明ガーディム(Super Civilization Gardim)とは、『スーパーロボット大戦V』に登場するオリジナル敵勢力。
概要
かつて大マゼラン銀河に存在していた「超文明」を名乗る星間国家。
本編から3000年前の新正暦世界で、当時のイスカンダルと大マゼラン銀河の覇権を賭けて争っていた。しかし、波動エネルギーを用いた兵器を保有するイスカンダルの戦力に徐々に押され気味となり、やがて敗れ滅んだとされている。その為、現在の大マゼラン銀河には彼等が存在していた痕跡は殆ど残っていない。
ガーディムは第1~11までの艦隊を保有しており、それらの艦隊がイスカンダルとの戦争に投入された。殆どの艦隊は壊滅したが、アールフォルツが司令官を務める「第8艦隊」だけが突如消息を絶つ。それ以降、第8艦隊は大マゼラン銀河において伝説の存在として伝わっていた。
しかし、本編の時代において第8艦隊が突如出現。ガーディム最後の生き残りとして、超文明ガーディムの再建・復興を目的に暗躍する。
実は、現代の第8艦隊におけるガーディム人の生存者は皆無で、司令官のアールフォンツを含めてシステム・ネバンリンナによって全て生前のガーディム人のデータを元に設計されたアンドロイドである。戦死した際には収集した各種データが同型機に引き継がれており、エージェント以外の量産型アンドロイドはそのデータを元に生産されている。アンドロイド達は同じくアンドロイドのアールフォルツによる調整の影響で自我に乏しく、ガーディムの為に全てを捧げることが当たり前という思考を植え付けられている。
一方過去の第8艦隊が消息を絶った原因は現代、即ち未来世界にネバンリンナによって旗艦のバースカルが、その後地球艦隊・天駆に敗れたオリジナルのアールフォルツが残りの艦隊を呼び寄せた為と明らかになる。この艦隊には旧ガーディム人が幾人か居た様子だが、アールフォルツの振舞いからガーディム人を見限ったネバンリンナにより現代に転移した直後に皆殺しにされてしまい、結果作中で登場した生身のガーディム人は、オリジナルのアールフォルツだけであった。
ガーディム人
超文明ガーディムを築いた異星人で、かつて大マゼラン銀河の母星で暮らしていた。外見はガミラス人やイスカンダル人と同様、生気のない蒼白な肌を除いては地球人と遜色ない容姿である。ガミラス人と同じく、地球人を「テロン人」と呼んでいる。
時空・次元関連の技術力は非常に優れており、異なる並行世界への移動も容易に可能など、その技術力はずば抜けて高い。
その反面、ガーディム人のメンタリティーは醜いまでの傲慢に染まっており、ガーディム以外の種族や文明を「劣等種族」と蔑んで徹底的に見下している。自分達を大マゼラン銀河の本来の支配者であると自称し、また彼等は他の惑星への侵略行為を「矯正」と評しており、自分達の侵略を受け入れ支配下に入ることを至高の幸福であると本気で信じている。
このように自分達の秩序と合理化の理念を他者に強いる独善的な考えは、ガーディム人の為政者や指導者には共通したもので、多くのガーディム人もこの思想に染まっているが、全てのガーディム人がこのような性格ではなく、ごく少数ながら他の種族との共存共栄の道を選ぶガーディム人もいたようである。
文明
ガーディムの文明は、徹底的な合理化・効率化と目したシステムや制度によって全てが管理されている。
その管理システムは個人の誕生から始まり、結婚・出産・就業といった一生の生活全てが徹底的に管理されている。結果、システムの管理の元に生活している多くのガーディム人は愛や思いやり等、人が持つ「人間性」と云うべき感情が欠如しており、上述のような他者を見下すことしか出来ない冷酷で傲慢な性格になってしまっている。
その為、ガーディムには恋愛や結婚等の愛に関する文化は存在しない。デスラーはこれをガーディム滅亡の原因と語っている。
滅亡
徹底した管理社会を敷いていたガーディムであったが、その社会に不満を抱く人々も存在しており、やがて不平不満によって蓄積した怒りが爆発したことにより内乱が発生してしまう。その管理社会が仇となり、内乱による秩序や社会体制の崩壊と混乱に耐えられるだけの活力が消失していたガーディムは内乱の余波によりあっけなく滅亡してしまった。
管理社会に不満を抱き、他種との融和を考える人々は、内乱が発生した時点でシステム・ネバンリンナを手に母星を脱出して太陽系へと向かった。だが、そこで勃発したエンブリヲとミケーネの戦いに巻き込まれその多くが命を落としてしまった。
末裔
管理体制を嫌った人々の内乱から母星を脱出しながらも、エンブリヲとミケーネの戦いに巻き込まれ犠牲となったガーディム人であったが、ナインの調査により、その遺伝子はある種族に受け継がれていることが判明した。
その種族とは「新正暦世界の地球人」(ヤマトの乗組員から数人見つかっている)。ガーディムが劣等種と見下した地球人こそが傲慢さを捨て、人間らしさを取り戻したガーディム人の末裔だったのである。
登場作品
単独作品
- スーパーロボット大戦V
- 本作のオリジナル敵勢力。序盤は無人機が度々出現するだけだが、中盤辺りから有人機も登場する。
- 近年のスパロボにおけるオリジナル敵勢力の中ではかなり出番が少ない部類に入る。ネームドキャラとの初戦闘も中盤に差し掛かる辺りで、版権敵勢力との関係も見下しの対象故か殆どなく、黒幕としての側面はエンブリヲやブラックノワールが引き受けている。一方で、本作の中核を担うイスカンダルとの関係性は深い。
- しかし、ラスボスがルート次第で強烈なキャラクター性を発揮する等、影が薄いというわけではない。
- ちなみに歴代でもほとんど前例のない専用BGMが存在しないオリジナルの敵勢力である(正確にはネバンリンナのみ存在するが、優先度が低め)。
人物
- アールフォルツ・ローム・ハルハラス
- ガーディム第8艦隊司令官。
- ジェイミー・リータ・スラウシル
- ガーディム第8艦隊の一等武官。
- グーリー・タータ・ガルブラズ
- ガーディム第8艦隊の二等武官。
一般兵
協力者
兵器
ガーディムはガミラス同様、艦隊戦に主軸を置いた戦闘を展開する。その為に純粋な人型兵器は存在せず、地球艦隊・天駆の機体群を「興味深い」と評している。また、兵器群はゾヴォークやガディソード同様に純粋な機械技術のみが用いられている。
関連用語
- システム・ネバンリンナ
- ガーディムの文明再興の要となるシステム。
余談
- ガーディムの兵器や一部の人物の名は、実在した数学者に由来している。
- 『宇宙戦艦ヤマト2199』との関わり合いが深いが、文明等の設定はその続編『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』に登場するガトランティス帝国によく似ている。