フクベ・ジン

フクベ・ジン(Jin Fukube)

地球連合宇宙軍提督。ムネタケ・サダアキとは軍時代の同僚であった。第1次火星会戦においては連合宇宙軍第一艦隊旗艦リアトリスに乗艦して木星蜥蜴と戦闘。壊滅的な打撃を受けるも艦を特攻させてチューリップを撃沈し、地球軍からは「英雄」と賞賛された。しかし、撃沈したチューリップは火星地表に落下し、アキトの故郷であるユートピアコロニーは壊滅、多くの民間人が死亡する結果を齎す。故に、フクベはこれらの責任を強く感じて退役した。

その後、ネルガル重工にスカウトされてナデシコに乗艦することとなり、かつての提督らしいところは見せることのない昼行灯な人物となっていたが、火星に到着してからは率先して作戦を提示し、火星の北極で氷漬けの護衛艦クロッカスを動かす。アキト宛の遺書を残してナデシコを逃がすためにクロッカスで囮となって敵の集中砲火に消え戦死した……かに思われたが、木連の捕虜となっていたようで最終話「『いつか逢う貴女のために』」にて再登場する。その時には、アロハ姿でやたらと能天気な性格と変化していた。[1]

なお、TV版より後の時代におけるフクベの去就は不明。

登場作品と役柄

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦J
原作同様、火星に向かうナデシコに乗艦し、そして火星でナデシコを逃がす囮となる。
スーパーロボット大戦W
火星の北極に向かうエピソードが省略されたので、強襲揚陸艇ひなぎくで囮となる。
スーパーロボット大戦BX
プロローグで原作同様、ナデシコを逃がす囮となる。「かつてはゼントラーディとも戦った歴戦の将」と語られている。
原作と同じく死んだと思われていたが、ELSとの決戦では連合艦隊の一員として駆けつけた。

人間関係

ムネタケ・サダアキ
軍時代の同僚。後にナデシコを制圧する事で、袂を分かつことになる。
テンカワ・アキト
事情を知らない時のアキトからは「フクベは気さくで理解のある老人」と慕われていたが、アキトが真相を知った時には恨みを込めて殴打される。
もっとも、フクベ自身も責任は感じており、自ら囮となる前にはアキトに宛てた遺書をしたためていた。
ミスマル・コウイチロウ月臣元一朗秋山源八郎
『BX』では彼らと共に(元一朗と源八郎はフラグを満たさなかった場合のみ)ELSとの戦いの救援に駆け付ける。

他作品との人間関係

ヴァルストークファミリー
『W』では彼らにスペースマンの助け合いの精神が生きていることに感心する。一方で、軍はスペースマンの心意気を忘れたことを嘆いていた。
大河幸太郎
W』ではフクベ提督が生きていたことだけでなく性格の変化にも驚いていた。『BX』ではチューリップに突入する作戦がフクベ提督の発案と聞いて納得していた。
由木翼
『BX』ではフクベ提督について「ゼントラーディとの星間戦争にも参加した歴史の生き証人」だと語っている。
ブライト・ノアカティ・マネキンファルク・オクラムドナイジェル・ギャレットワッツ・ステップニーダリル・マッギネス
『BX』では彼らと共にELSとの戦いの救援に駆け付ける。

名台詞

「私は良い提督ではなかった。良い大人ですらなかっただろう。最後の最後で自分のわがままを通すだけなのだからな…」
「ただ、これだけは言おう。ナデシコは君らの艦だ。怒りも、憎しみも、も、すべて君達だけのものだ! 言葉は何の意味も無い! それは…」
第7話「いつかお前が『歌う詩』」より。木星蜥蜴の大軍からナデシコを逃がすべく護衛艦クロッカスに独り搭乗して囮になった老提督フクベ・ジンは、ユリカアキトら若者達に全てを託して火星散った…と、思われたが?
「私らしく、私らしく、私の未来見つけたぁくて やめとけやめとけ自爆なぞ」
最終話「『いつか逢う貴女のために』」より。この台詞と共にイズミのウクレレをかき鳴らし、コバッタに乗りながら衝撃の再登場を果たした。

スパロボシリーズの名台詞

「固いなぁ、大河君。今日は木連の新たな夜明けなのだからもっとスマイル、スマイル」
W』第25話「木星決戦!超重力の罠」より。木連との和解が成立した後、挨拶に来た大河に対して。
「大所帯だねえ~。それじゃあ、ワシも出なきゃあだね」
「久しぶりだねえ、艦長。ぶい」
BX』第43話「Trailblazer」より。ELSとの戦いに駆け付けた時の台詞。ちなみに、上記の台詞と同時にウクレレのSEが鳴るという演出がなされている。

脚注

  1. もっとも、『機動戦艦ナデシコ』第7話「いつかお前が『歌う詩』」では、「飲酒が厳禁である軍の規則を縫って、アイスティーに酒を垂らして飲んでいた」という砕けた一面を見せていた。案外、これがフクベの素の部分であったとも考えられる。