マーダル

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マーダル(Mardoul)

20年程前に惑星アーストに忽然として現れた残忍なる征服者。豪胆にして知略に富む正体不明の人物で、ボーダー王国を陥落させた張本人。

第一期アースト文明にて建造された機甲兵を発掘、強大な力を得て惑星アーストの統一を目指す。

主人公であるジョジョにとっての強大な壁であると共に、その成長を見守り続ける人物の一人。

登場作品と役柄

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦BX
初登場作品。原作同様絶対的なカリスマ性と大器を持つ大物悪役ぶりは健在で、戦いの主な舞台をアーストから地球に移し、ドレイクをはじめとする他勢力と組みつつ力を太らせていく。最終的にZマスターと相打つ形になり、Zマスターという悪すらも喰らい尽くすマーダルという究極悪の最期は必見である。

人間関係

ハイ・シャルタット
マーダル親衛隊長。マーダルへの忠義一筋の男。
ローダン
マーダルの腹心。マーダル軍最強の軍団「ローダン軍」を率いる将軍。後に思想の違いから反乱を企てる。
プロッツ
マーダルに「無重力の谷」の管理を任された老人。
ビルセン
「鉄の塔」建造をマーダルによって任された老人。
ザバ
マーダル配下の猪突猛進型の将軍。
ジョルディ・ボーダー(ジョジョ)
彼の故郷であるボーダー王国を陥落させる。
フェリア・ボーダー
ジョジョの実母。その美貌に執着し、妻に迎えようとする。
ヒルムカ
高度文明連合のB3級調査官。彼女の干渉行為に気付き、告発を行う。

他作品との人間関係

ドレイク・ルフト
BXでは地球に転移後、彼と同盟を結ぶ。彼もまたマーダル同様に大器を持った「王」であり、互いの力量と器を認め合う存在である。マーダルの思想が彼の野心に火をつけて戦いの純度を磨き上げていく。
騎士ゼノンマンサ
BXでは協力関係。彼からも敬意を表されている。
グラハム・エーカー
BXでは、Zマスターへの特攻を選んだマーダルの信念を「死ではなく、人類が生きるための道標」と評した。
ジェフリー・ワイルダーオズマ・リーミハエル・ブランクラン・クランルカ・アンジェローニ
BXではアーストに転移してきた彼らを拘束し、一時的に配下に収めていた。完全な部下として徴用するつもりだったようだが、叶うことはなかった。
シェリル・ノーム
BXではアーストに転移してきた彼女を拘束し、地球への転移の為に利用する。
Zマスター
BXでは一瞬の隙を突いて、ザ・パワーの力を積んだ指揮戦車で内部に突入、「惑星ランプレートの危機はランプレート人の手で救う事が未来に必要」として特攻し、相打ちとなった。
ブルーヴィクター
BXでは当初は協力関係にあり、彼の戦士としての有様やデストルークの守護者としての強固な信念を高く評価している。

名台詞

「永遠に続く平穏などに何の意味がある…。生と死がせめぎあい、欲望と理想が錯綜し、喜びと悲しみが世界を彩ってこそ、楽土」
「張り裂けんばかりの悲しみ、包みきれんばかりの喜び…」
「生きとし生けるものの楽土は混沌にこそある!」
「全ての悪を葬り過去を拭い去ったアースト人は、このランプレートの人工天体に、確かに理想の楽園を実現した。しかし、そこで全てが止まった」
「無気力と沈滞だけが支配し、活力が失われた。人々は……そう、お前の母のように、生きたまま長い眠りについたのだ」
「苦痛も無く美しいまま眠り続けるのと、たとえ混乱と矛盾に苦しみながらも自由に生きるのと、お前はどちらを選ぶ!」
ジョジョ「決まってる!」
「余もお前と同じ考えだ」
「クレセント銀河に生命の力を復活させるために、余はアーストに埋もれた暗黒の力を求めた。敢えて悪をなし、憎悪と暴力を楽園に放つのだ」
「恐ろしい混乱となるだろう。クレセント銀河は地獄と変わる。それを克服してこそ、真の楽園が生まれるのだ」
「王子よ、余と共に戦え。余の同志と共にクレセント銀河を破壊し、再生するのだ」
「確かに余の為にアーストは乱れ、汚された。しかし、それだからこそ、お前のような生命力にあふれた者が生まれたのだ。お前を育て逞しく鍛えたのは、『悪の力』なのだ!」
そもそもの行動理念。圧倒的な力で相手を圧し、それでも足掻く相手が自らにとっての『抑止力』たらんとするならば、その相手はその圧倒的な力――即ち『悪の力』という水を得て成長したと言える。そしてマーダルは成長したジョジョすらも取り込まんとする。
「ハイ・シャルタット、余との事は夢と思ってアーストへ帰れ」
「そしてジョルディ王子を支え、全ての未来に光を照らすのだ!」
最終回にて、惑星ランプレートが高度文明連合の超兵器・イレイザーにより消滅すると知る。この時マーダルは己の戦いが失敗に終わった事、そして敗北を悟った。しかし、惑星ランプレートを、そしてそこに生きる人々を愛する征服王は一人ランプレートに残る事を選んだ。その際、忠誠心篤い側近・ハイに下した最期の命令。
しかし、ハイは初めてマーダルの命令に逆らい、彼の後についてランプレートに残り、ランプレートと運命を共にしたのだった…。
BXでは、45話にて、Jらと共にZマスター内部に突入した際にこの台詞が使われている。この後、ハイが命令に逆らい後を追うのか、それとも従いジョジョを支えるのか…それはプレイヤー次第である。

スパロボシリーズの名台詞

「フフ、手元に置いておくだけでは意味がない」
「ワシは真に価値のある物ならば、足元になびかせてみたいのだ」
「たとえそれが、敵となる者であってもな…」
クォーターの面々を前線に投入することを諌言するハイに対し、マーダルは大胆にもこう発言した。自らの大望のためならば、敵すらも徴用する。自らの首を掻くことになろうとも、その毒すらも飲み込まんとする器量を感じさせる。そして何より、マーダルの危険性を象徴するといってもいい台詞である。典型的な支配者体質といってもいいが、マーダルの場合『自らの危険性を完全に飼い慣らしている』という前提がある。
「止めるな!これはランプレートの民の為に必要な事!生の放棄ではない!」
「ランプレートの危機をランプレート人の手で救う!」
「それはこれから先の未来で、この星に住む者達の誇りとなる!歪んだ福音を打ち砕く力となるのだ!」
BX45話「伝説の光芒」にて、Zマスター内部に突入したマーダルが何をしようとしているのか察したジョジョを止めて。「闘争」こそが「生命」の本質、それを信念とする征服王は強大な力と「闘う」姿を見せるため、制止を振り切る。
「フフフ…これがワシの負け方よ!目に焼き付けよ、ジョルディ王子!」
同じく45話にて、ザ・パワーをZマスターの本体である心臓原種にぶつけようとする際、通信越しにその様子を見ているジョジョに「負け」を認めつつ、こう言い残す。この言葉を最期に、カリスマと大器を併せ持った征服王は光の中に消えた。

余談

  • 敵役でありながら壮大な野望と理想を抱き、強固な信念、聡明さとカリスマ、非常に大きな大器を併せ持った人物であり、演じた故・加藤精三氏の重厚な演技も相まって、ファンからは「ロボットアニメ史上屈指の名悪役」「真の主人公」と評されるほど非常に評価の高いキャラクターである。