秋津マサト

2015年6月27日 (土) 10:40時点におけるケニー (トーク | 投稿記録)による版 (→‎名台詞)

秋津マサト(Masato Akitsu)

冥王計画ゼオライマー』の主人公

15年前に木原マサキによって日本に齎された試験管ベイビー。実はマサキのクローン受精卵から生まれた存在である。

ゼオライマーのパイロットとして登録されていた為、日本政府の監視下に置かれていた。15歳の誕生日に真実を知らされ、自分の意思とは関係なく狂気の戦いに身を投じる事となる。潜在意識にゼオライマーに関するかすかな記憶と知識を持ち、無意識の内にゼオライマーの操縦ができる。

本来は内気な普通の中学生であり、非情になれない優しい面を持つが、戦闘中に凶悪な木原マサキの人格に変貌してしまう二面性がある。それは木原マサキが自らが仮に死亡しても冥王になるという野望から、マサトがゼオライマーに乗るとマサキとしての人格が上書きされ覚醒するように仕組まれていたものだった。

事実を知った後はそんな自分に恐怖したものの、悩み苦しんだ末にマサキを受け入れ、それでいても秋津マサトとして生きることを決意した。最後はマサキの野望を砕く為に、幽羅帝と共に消滅する道を選んだ。

人格合一後は美久や八卦衆に対する視点が大きく変化しており、この部分から終盤の彼を「マサトの人格に引きずられたマサキ」と見る向きもある。

なお、原作漫画版での主人公の名前は秋津マサキ。アニメでは声の演技だけでは音が同じ為区別が難しいという事情からマサトへと変更されている。 スパロボユーザー間では下の名前の「マサト・マサキ」で区別しているケースが多いが原作漫画版では両方とも読みはマサキである為、木原マサキの項にも記して有るが 苗字呼称で表記した方が混同が少なくなる為そちらの表記が望ましい。

登場作品と役柄

原作では最後はゼオライマーもろとも消滅してしまうマサトだがスパロボでは補正がかかることもあってか、彼の辿る結末が大きく変わっている。

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦J
覚醒を覚えなくなったが、美久が代わりに覚えるために特に問題はない。声優ネタクルーゼと対戦するとクルーゼが特殊な戦闘台詞を喋る。また、MXほど邪険に扱われてはいない。
初期レベルの設定の都合上、たいていの場合は最後まで美久よりレベルが低くなる。MXよりゼオライマーの性能が向上したため非常に強力。

単独作品

スーパーロボット大戦MX
初参戦作品。幾つかのイベントを経て味方に参入するが、イベントでマサキ化するおかげでマグネイト・テンに攻撃してしまうため、マグネイト・テン参入時に白い目で見られることになり、わだかまりが解けるのは原作イベント終了後になる。
機体性能は強力だが、最初は性格が「弱気」のため、気力上げに苦労するがマサキと統合されると「強気」に変化。この際、ステータスもマサキと同値になりパワーアップする。
言動その他を見る限り、本作での彼の人格はマサキをベースにマサトの性格が融合した状態らしい(マサキの中に在った「人間性」が表に出ている、とも言い換えられる)。
スパロボ学園
グー属性以外の天のゼオライマーのメインパイロットとして参戦。他作品ほどではないが、1ターン目で気合を使うと2ターン目には次元連結システムが発動するため、本作でもかなりの強さを誇る。
スーパーロボット大戦Card Chronicle

パイロットステータスの傾向

能力値

MXでは射撃に優れていたが、Jでは格闘寄りのスーパー系で、ゼオライマーとは相性が悪い。秀でているのもMXでは防御・技量だったがJでは回避。MXで暴れすぎたためにゼオライマー共々下方修正されてしまっている(それでも強すぎるのだが)。

精神コマンド

MX
必中鉄壁直撃熱血気合覚醒
J
不屈直撃必中熱血気合鉄壁

特殊技能(特殊スキル)

底力援護攻撃EXPアップ
MXのもの。マップ兵器の使用頻度が高い為か、獲得経験値ダウン補正を補えるEXPアップを覚える。しかし、他に覚えたい技能も多い為、思い切って上書きするのも手である。
アタッカーSP回復集中力といった基本のものを除けば、Eセーブヒット&アウェイが最優先で習得させるべき技能である。前者は燃費の悪さを補う為に、後者はマップ兵器版の「メイオウ攻撃」を連発する時の位置取りに役に立つ。余裕があれば、ガンファイトを覚えさせると攻撃力や射程の面で、通常戦闘をこなすのが楽になるだろう。あるいは、SPアップで不足しがちなSPを補うのも良い。通常攻撃版の「メイオウ攻撃」は射程が長い為援護攻撃向きだが、ゼオライマーそのものが単機で戦う事が多いので、援護攻撃は上書きの候補になる。
底力援護攻撃援護防御コンボ
Jのもの。

パイロットBGM

「覚醒、ゼオライマー」

人間関係

氷室美久
マサトと共にゼオライマーに乗る少女。実は重大な秘密をその体に秘めている。
沖功
マサトを戦闘マシーンにしようとするが…。
木原マサキ
マサトのオリジナルであった人物。自身の野望のためにマサトを作り出し、利用しようとするが…。
幽羅帝
鉄甲龍の首領。「恋人・耐爬(たいは)の仇」「裏切り者の血を引くクローン」(どちらもマサキのせい)として、彼女から理不尽な虐待を受けた。しかし彼女もまた…。

他作品との人間関係

スーパー系

碇シンジ神名綾人
MXでは境遇が近いこともあり、友人同士になった。
渚カヲル
MX終盤では、彼に自分と同じ「野望の道具として創られた生命」という匂いを敏感に感じ取った。後にターミナルドグマ内での対話で、彼の口からゼオライマーとゼーレの関連性を明かされ、衝撃を受ける事となる。
ロム・ストール
MXでは鉄甲龍との決着が着いた直後に訪れた窮地を彼に救われた。
デューク・フリード
マグネイト・テン配属当初の険悪な雰囲気の中、彼から敢えて「仲間」として受け入れられる。
剣鉄也神隼人
MXに於けるシ・アエンシ・タウの姉妹との決戦で、メイオウ攻撃にマグネイト・テンの面々を巻き込んだ事から、部隊配属当初は彼らから敵視される。
式部雅人
Jで同じ名前の彼に対して言った結城沙羅の発言に反応するシーンがある。

ガンダムシリーズ

レイモンド・ビショップ
Jでは彼に叱咤激励され、戦う事を決意した。
アスラン・ザラカガリ・ユラ・アスハ
Jではジェネシスから彼らを救出した。
ラウ・ル・クルーゼ
Jでは彼に一貫して「木原マサキ」と呼ばれ、世界を破滅に導く事を促されるが、マサトも一貫して彼を拒絶した。

リアル系

グン・ジェム
MXでの試作型ギルガザムネとの戦闘前会話では、バイオフィードバックシステムに取り込まれ、狂乱状態に陥った彼の姿にマサキの傀儡だった頃の自分を重ね合わせ、撃破する事で彼を欠陥システムの呪縛から解放しようと決意する。
千鳥かなめ
Jではレイモンドと同様、彼女にも叱咤激励される。

バンプレストオリジナル

紫雲統夜
Jでは境遇が近く、友人同士になった。終盤では、木原マサキフューリーの因縁もあり絡みが多い。
フェステニア・ミューズ
Jでは中盤で原作通りに自身の正体を知った後、自身の出生に絶望して生きる事を諦めかけていたところを彼女に叱咤される。
フューリーの面々
彼らからも一貫して「木原マサキ」と呼ばれた。

名台詞

「教えてくれ……ゼオライマーは……ゼオライマーとは何だぁぁっ!!」
1話の締め。風のランスターと対戦して、気がついたら相手が消滅していたのだから叫びたくなるのも無理はない。
「もし、それを知ることでその仕打ちの意味がわかるのなら、僕が誰なのかわかるのならっ! 僕は…知りたい」
ラスト・ガーディアンに引き続き、幽羅帝に拉致されて、訳の分からないままに虐待されるので、その意味を知りたくて叫んだ。
「……こいつに乗ることぐらいしか、僕に出来ることはないからね」
シ姉妹が出撃してきたので、迎撃に出るためにゼオライマーに乗り込んだ時、美久に「大丈夫? 出来るわね」と聞かれた際に答えた台詞。幽羅帝から出生の秘密を聞かされて、すっかりやさぐれてしまっている。
「……駄目だよ」
「僕はあれに乗る人を知っている。僕はその人を殺してしまうかも知れない」
「……だけど、人間の女だ。それに……まだ足下に避難していない人がいっぱいいる……出来ないよ!! 僕には!!」
シ・タウと交戦する直前の台詞。風のランスターの時には中の人がいるなんて思いもよらなかった、あるいはゼオライマーが有人操縦であることから予想はしておりその事実から目を逸らしていたが、確実に操縦者がいると知ってしまったからには戦うことができなくなった。沖が懸念していたことが出てしまったわけで、マサトの優しさが滲み出ている台詞である。
…が、その想いはマサキによって無残にも踏みにじられることになる。
「……僕はマサトでもマサキでもない」
「わかった…わかってしまったんだよ…。僕はどちらでもない……もう、どちらにもなれはしないんだ。」
「僕は木原マサキのクローンだ。そして、ゼオライマーにはマサキの人格と記憶がインプットされていた。僕は、それを受けることで、木原マサキそのものになったはずだった。そう…思っていたんだ…。だけど、消せなかったんだ。秋津マサトを…!15年間平凡な少年として生きていたもう一つの人格を…!木原マサキの野望に引きづられて悲鳴を上げている愚かな少年が…ここに生きているんだ…」
「僕は……誰だ…?」
幽羅帝以外の八卦衆を殲滅した後のマサトが、自身のアイデンティティを見出せなくなってしまって吐いた絶望。
「優しいな、君は。…君だけじゃない。八卦衆もみんな、美しい心を持っていた。どうして、僕の造った君たちだけが優しく…そして、僕だけが薄汚いんだ!!」
ゼオライマーに乗ればまた木原マサキになってしまう(これは再度ゼオライマーから木原マサキの人格再生プログラムを実行される事を危惧しての発言でありかつその決定権はゼオライマー自体に有る為である)と介錯を頼んだが、それを拒み涙を流す美久を見てこぼした台詞。僕の造ったという台詞から、マサトとマサキとの意識が混在しているのが伺える。
なお、確かに八卦衆の「美しい心」が窺い知れるエピソードはあるのだが、それらはマサトの目が届かない場所で展開されている。自身を卑下する相対的手段として対立者を極度に美化しているのか、「そういう風に作った」というマサキの知識に基づく物言いかは不明。心優しいマサトにとってはそれほど絶望が深いことを表す台詞でもある。
「ゼオライマー……お前が僕の宿命ならば、共に消えればいい」
最後の出撃前、ゼオライマーに語りかけた言葉。やるべきことをきっちり定めて達観してしまっている。
「行こう、美久」
最後の出撃時の台詞、消滅への出発なのにその表情はとても明るい。
「僕は何をしたっていうんだ!?何でいつもいつも逃げる羽目になるんだ、まったく!」
バラエティドラマCD『大冥界』オープニングより。冒頭の台詞は本編のセルフパロディである。この直後ゴミ箱に隠れるも、美久にゴミ箱を蹴られて出てきてしまい連行される。

スパロボシリーズの名台詞

「次元連結システムの力を使えば……ゼオライマーは、負けない…!」
スパロボでのメイオウ攻撃時の決め台詞の一つ。本当に強すぎる。
「今、僕たちは……真の冥王となる……!」
MXにて、ハウドラゴンの本拠地に乗り込み自爆する直前の台詞。
「…ふ、ふふふ…」
「これが…僕の運命だっていうのか…?僕は…彼らを全て犠牲にし…自分一人だけ生き残ってしまった…!僕もゼオライマーと共に滅ぶべきだったのに…僕一人だけ…!」
MXでの幽羅帝との最終決戦で、諸共に滅する覚悟を決めながらも生き残ってしまい、絶望の中で発した台詞。しかし、直後の美久の発言に救われることとなる。
マサト「…僕に…木原マサキの業を背負って、生きていけというのか…?」
美久「…そうよ。私達が生き残ったことには、何かの意味があるはず…」「まだ私達には、この世界でやらなければならないことが残っているのよ」
マサト「やらなければならないこと…」
美久「マサト君…あなたはわかっているはずよ」
マサト「…ああ。僕は知っている…冥王計画と同時に、この世界へ終末をもたらそうとする者達がいることを…だから、僕は……」
美久の励ましによって、マサトは決意を新たにするが…
「や、やっぱり、これが…これが僕の運命なのか…!?」
直後に現れたギャンドラーに追い詰められ、絶体絶命の状況で再び絶望しかける。だが次の瞬間、戦友の命を救うべくあの男が姿を現した…
「僕は……僕は木原マサキでもあり、秋津マサトでもある…でも、僕は冥王にはならない…僕は秋津マサトとして生きる…!」
自らの宿命にケリをつけ、マグネイト・テンへと戻ってきたマサトに、改めて「お前は誰だ?」と問う隼人へ毅然と言い放つ。『秋津マサト』としての個人を確立した宣言に、隼人も長く引き摺っていた彼への不信感を棄てる。
「自分しか存在しない地平…木原マサキは全てが失われた世界こそ、安らぎを得られると思ったのでしょう…」
マサトなりに解釈した『木原マサキ』の人物像に対する総論。
「僕はゼオライマーを本来の目的通りに使うつもりはない…それが…僕の贖罪なんだ。決して、この世界を終わらせたりはしない…!」
ターミナルドグマ内でのカヲルとの対話で、彼が言う「ガフの扉を開く鍵」=次元連結システムを、終末をもたらす為に使わない事を力強く宣言する。
「僕だってそうだ…!僕もゼオライマーのために作られた人形だ!だけど、僕達は人としてみんなと同じ世界で生きていく…!そのために…僕はゼオライマーの力を使う!!あなたを冥府に誘うために!!」
MXの最終決戦にて、エルデに対して。肥大したエゴのままに暴走するAI1を破壊すべく、「天」の名を持つ冥王が冥府への扉を開く。悲劇的な原作とはまったく違う答えに至った、MXのマサトの決意表明とも取れる台詞である。
沙羅「雅人! あんた人に面倒押しつけて自分はこんな所でのんびりかい!?」
マサト「え!? す、すみません」
Jにて。名前ネタである。
「あんたの悪意には吐き気がする…どうしてそんなに、人を憎めるんだ?」
Jにてクルーゼと対峙した際の台詞。クルーゼはマサトを木原マサキと呼んだ上で「人道主義者になった」「君にそんな事を質問する権利があるとは思えない」と嘲笑するが、マサトとクルーゼが同じ立場であることに目を背けているのだから、マサトの発言は至極当然だろう。
「お前の言うとおりだ、ジュア=ム」
「だから俺は、幽羅帝や八卦衆の命も背負っていかなきゃいけないんだ!こんなところで死ぬ事は出来ない、行くぞ美久!」
Jの第50話でジュア=ムと戦闘したときの会話。彼にも木原マサキ扱いされた際、自らの手でマサキの創造物を手にかけたことを非難されるが、当のマサトは彼の言葉を認めつつも、その罪を背負う覚悟でジュア=ムを断じた。