アレディ・ナアシュ
アレディ・ナアシュ(Aledy Na'ash)
修羅族の国の一つ「波国」出身の少年で、『無限のフロンティアEXCEED スーパーロボット大戦OGサーガ』の主人公。
幼い頃から非凡な素質を持ち、生来の流派である「覇皇拳」の他、師匠のシンディ・バードから「機神拳」を伝授され、二つの流派を使いこなすことが出来る。その強さは内外に知られているようで、味方からも敵方からも「剛錬」の二つ名で呼ばれる。彼の属するシンディの一派はゲルダ一派との激しい争覇の最中にあり、彼自身も操音のヘイムレンら剛敵との死合を繰り広げていたが、10年戦争終結後に波国に次元転移してきたエンドレス・フロンティアの妖精族・ネージュ・ハウゼンらと触れ合ううち、次第に戦いのみに生きる修羅の生き様に迷いを持つようになる。
なお、修練の中でシンディより、覇気の解放を封じ込めて行動を封殺する「封魂の掌打」という技を伝授されている。これは覇気で動く機械である羅刹機にしか通用しない技だが、最終戦ではこれが勝利の決め手となった。
その後、波国はヴァールシャイン・リヒカイトの駆逐に伴う平行世界間の再構成に巻き込まれ、エンドレス・フロンティアに融合することとなる。この結果、ネージュらは元の世界へ帰還することができたが、同時に修羅のロストテクノロジーである羅刹機・アルクオンが、この新たな世界の何かに反応し、覇龍の塔から忽然と姿を消してしまう。ネージュを故郷へ送り届けるため、また行方不明となったアルクオンを探すため、未知なる無限の開拓地へと足を踏み出した彼は、様々な仲間との出会いや剛敵との戦いを通じて大きく成長していくことになる。最終的にはアルクオンに自身を主として認めさせるだけの実力と修羅の掟を曲げても自身の信念を貫く強い精神を併せ持つようになり、その様はシンディから「修羅として弱くなったが、一人の男として強くなった」と認められ、ヘイムレンやエイゼルからいずれ修羅王となる器である事を仄めかされるまでに成長。全ての戦いが終わった後は、波国の民を纏め、エンドレス・フロンティアで生きて行くために努力することを誓うのだった。
基本的に物を入手する手段は略奪という概念の修羅であるが、彼の場合はドゥルセウス封墓で物品の売買の概念を持っているような発言をする。これはネージュに教わっていたとも考えられるが、シンディが「月に一度だけ甘物を食べる」という事からも、少なくとも波国ではその手の食べ物を作っており、それが流通する市場があるなどして彼が売買の概念を持っていた可能性もある。
ハーケン役の檜山氏が「(関氏が声を当てるので)やんちゃ系かと思ったらすごく真面目な役だった」と評しているように、基本的にはどこまでも無骨で真面目であり、二言目には「修練」という言葉を口にする自制心の強い性格。また、過剰なほどの露出がある女性陣達に対して、当初はいささか動じたような反応を見せるなどウブな一面があるようである(旅の後半では慣れたのか動じなくなっている)。ノリの軽さと余裕が信条のハーケンとは様々な意味で対照的であり、ハーケンが柔の主人公なら、アレディは剛の主人公、また、ハーケンが既に完成された主人公なら、アレディは成長する主人公といったところである。その一方、修羅の掟に迷いを抱いている点などは修羅の初代主人公・フォルカに似通っており(作中でもコウタが度々アレディとフォルカが似ている事を明言している)、デザインにおける共通点も多い。しかし、最終的に見出した道は「修羅としての」新たな生き方であり、修羅ではなく人としての道を見出したフォルカとはこの点で異なる。
モチーフは『アラジンと魔法のランプ』のアラジンだが、デザイナーの斉藤氏が「フォルカとの差別化を図る上での最大のポイントは、森住氏の提案によるバカでかいチョンマゲというヘアスタイル」と述べているように、デザイン上は和のテイストも強い。そのヘアスタイルと愚直なまでの修行精神からハーケンに「サムライボーイ」と言われる事も。
先頭時の台詞にはモチーフのアラジンを意識したものの他、必殺技の際に轟魔を展開する事、そのカットインのポーズ、後述の小牟の掛け合いといい、世紀末世界のアレよりも中の人に絡むネタを意識したものが多い。
登場作品と役柄
- 無限のフロンティアEXCEED スーパーロボット大戦OGサーガ
- 主人公として初登場し、ストーリー的にも戦闘要員としても八面六臂の大活躍。前作のハーケンに比べ年齢が若いこともあり、本作のストーリーは戦いの中での彼の成長が強く描かれる格好になっている。なお、ネージュと出会う前のアレディについては細かい事は謎のままである。ただし、会話等から伺い知る点では現在の彼と性格が違うらしい(修羅特有の性格と言うべきか)。
相関関係
『無限のフロンティアEXCEED』以降
- ネージュ・ハウゼン
- 波国に転移してきた妖精族の姫。修羅としては持ち得なかった物を彼女との触れ合いの中で得、戦いに迷いを抱くようになる。エンドレス・フロンティアへの転移後、アルクオン捜索と共に、彼女の帰郷の護衛のために旅を始めることになる。
ちなみにアレディはネージュに優しい理由として当初「年寄りは大事にしなければならないから」と発言し、彼女の怒りを買ったが、彼の側も不器用なりにネージュを意識している台詞も散見され、2人の関係はエンディングのラストカットを以て結実することになる。 - シンディ・バード(影業のシンディ)
- アレディの師。彼女から機神拳を伝授された。ちなみに、彼女が彼に行う修行は「実戦などは児戯」と評されるほどに過酷であるらしい。
- ヘイムレン・シルバート(操音のヘイムレン)
- ゲルダ一派の上級修羅。アレディとはライバル的な関係にある。アレディが甘くなった事に嫌悪感を抱いていたが、最終的にはアレディの信念を認め、身を引いた。
- ゲルダ・ミロワール(凍鏡のゲルダ)
- シンディと対立しているゲルダ一派の長。
- リグ・ザ・ガード
- 波国に対し戦いを仕掛けてきた謎の勢力・アグラッドヘイムの闘士で、唯一覇龍の塔への侵入を果たした男。アレディと死合を演じ、因縁の間柄になる。
『無限のフロンティア』以前
- ハーケン・ブロウニング
- 前作主人公。色々な面でアレディとは好対照。スヴァイサーとの最終決戦では息の合った連携攻撃を放つ。
- 楠舞神夜
- 初対面時に、神夜を「天女」と評した。
- キュオン・フーリオン
- アレディ、ネージュと一番最初に合流することになる前作メンバー。出会って早々一戦交えることになり、アレディに向かって『バクハツチョンマゲ』と早速の暴言を披露。一方でアレディの人柄に関しては「珍しく普通の良い人」と評価している。
- カッツェ・コトルノス
- 彼からは色目で見られて妖しげな空気に…。
- コウタ・アズマ
- アレディをかつての戦友と似ていると評し、彼の信念を後押しする。
- アインスト・アルフィミィ
- 自分の存在に悩む彼女に、「あなたはあなたらしくあればいいのです」と諭した。
他作品の人間関係
関連機体
- 羅刹機アルクオン
- 旅立ちの理由にして当初の最終目標。幾度にも渡る遭遇を経て、決着を迎える。
習得する使用技
詳細は使用技/無限のフロンティアEXCEEDを参照。
- “封魂”の掌打
- 最終戦のイベントで使用した技。機神拳の奥義の一つで、モーションは剛衝殻+魔滅拳。覇気の解放を封じ込め、動きを完全に封殺する。その特性上、行動の全てが覇気に依存する羅刹機に対して使用され、生身の肉体を持つ修羅に対しては意味を持たない。最終戦では「魂を持った機械」であるスヴァイサーに対して使用することで、エネルギーの解放を封殺して目論見を潰すことに成功した。
習得する精神コマンド
詳細は精神コマンド/無限のフロンティアEXCEEDを参照。
習得する特殊技能
戦闘中に自分の行動順が回ってきた時、発動条件を満たすと一定確率で発動。消費するパラメーターは一切ない。
詳細は特殊技能/無限のフロンティアEXCEEDを参照。
キャラクターBGM
名台詞
- 「異世界より集いし新たな仲間達が、新たな魂で繋がれる…世界(すべて)はひとつになり、刻は再び動き出す!」
- EXCEEDのCMにおける台詞。修羅なのにジョジ○?とか言ってはいけない。
- 「戦野を駆ける一矢とならん!」
- 真覇朧撃烈破使用時の台詞の一つ。この台詞のモチーフは「アラジンと魔法のランプ」も収録されている『千夜一夜物語』である(千夜→戦野 一夜→一矢)。
- 「開け、轟魔よ! 我に力を!」
- 真覇朧撃烈破使用時の台詞の一つ。この台詞のモチーフは「開け、ゴマ」。
- 「覇皇拳は、至高にして究極!」
- 覇皇終極波動覇使用時。OG外伝でのアルカイドの台詞が元ネタ。
- 小牟「ぬしのその手が真っ赤に燃える!」
アレディ「勝利を掴むために、轟き覇壊する!」 - 戦闘開始台詞の一つ。大方のファンの予想通り、やっぱりあった「Gガンダムネタ」。が、意外にも台詞の中ではGガンネタはこれ以外にほとんど存在しない。
- 「問題ない」
- セーブポイントに入ったときの台詞。そしてやっぱりあった「フルメタネタ」。実はフルメタネタもこれだけである。
- ネージュ「あなたの覇神拳、見せて差し上げなさい?」
アレディ「『覇皇拳』と『機神拳』です、ネージュ姫殿!」 - 開始台詞の一つ。いつもの突っ込みと違い本気で不服そうに返している。
- 「獣羅……いや、魚羅か!?」
- ボニーとの対面時。そんなのがいるのか?
- 琥魔「出張商店『猫騒堂』より、送料込みでお送り致しま~す♪」
アレディ「琥魔殿、送料くらいは持つべきです」 - 中盤、T-erosの捕捉に関しての話題になった際に。何気にシュールな一言だが、ここからしても波国はフォルカ達の羅国に比べて文化的な面のレベルが高い様子。
- 「しかし、王とは崇高にして孤高なる者……そう簡単に会えるものでしょうか?」
- ルボールへの面会の話になった際の一言。王族への認識は基本的にこんな感じらしい。シャインを前にしたフォルカほど極端ではないのは、ネージュとの交流で若干価値観の変化が生じたためだろう。
- 「……大切なのは、生き方だと思います。己を信じるのもまた、修練です」
「アルフィミィ殿。あなたは何者でもなく……“あなた”として生きればいいのです」 - 新フォルミッドヘイムにおいて、自らの存在に悩むアルフィミィに対して。他の何者でもない、今ある「己」を大切にすればいい、と助言するが、この言葉は巡り巡ってアレディ自身にも形を変えて戻ってくることに。
- 「羅刹機アルクオン……物言わぬ機兵よ。おまえが何を求めてここまで来たのか、それは訊くまい」
「すでに亡き者の思念と、今を生きる我が覇気……おまえがどちらを選ぶべきなのか、この戦いにて決めるがいい……!」
「来い、漆黒の羅刹機。……轟き、覇壊せし者よ!」 - アインストレジセイアの内部において、ヴァールシャインに憑依されたアルクオンヘと語りかける。ちなみにDVE。
- 「己の争覇も成し遂げず、異邦の地に闘争を広げる……それこそ修羅の恥ではないのですか?」
- 中盤でゲルダと対峙した場面より。彼にとって、あくまで修羅の戦いは修羅がすべきものであり、他者を巻き込むほどに広げるべきではないものなのである。
- 「凍鏡のゲルダよ。私のことならば何とでも言えばいい。……だが、我が師を愚弄することは許さん……!」
- 上の台詞の後に師匠であるシンディを「恥さらし」と侮蔑したゲルダに対して、怒りを露わにした。
- 「……だが、それでは無責任なのだ」
「そうだ。己の命に、魂に責任を持てぬ者が……どうして高みに至ることが出来よう」
「剛力を持ち、敵を殺める。弱者は滅び、強者が残る。だが、ヘイムレン……己の力と業、そして命だけで、一体どれほどのものがつかめる?」
「物理的な修練だけではなく、心にも強さを持つためには……己の修練のみでは限界がある」
「流浪の民となった、今こそ……我々はそれを理解すべきなのだ」 - ゲルダとの決着後、ヘイムレンに己の見出した争覇を語る。
- 「祈るのは、この戦いが終わった後でいい。我が修練…この時のためにあったと信じよう」
「この争覇、未知なる無限の開拓地を守るためにっ!!」 - スヴァイサーに対しての宣言。この気迫に満ちた言葉と共に、最終決戦の幕が落とされる…。
- 「ここは未知なる無限の開拓地……我々の世界ではないッ!!」
「我々の闘争は、我々だけがすべきなのだ!!」 - 動きが止まったスヴァイサーを一喝して。他の世界にまで己が闘争を持ちこむアグラッドヘイムは、アレディ達とは絶対的に相容れることはない存在であった。
- 「この一撃に我が修練の全てを込めて……」
「この争覇を終局へ導かんッ!」
「はぁあああっ!!」 - 最後の一撃で「封魂の掌打」を放った際の台詞。
- (修羅の神よ、もしおられるのならば……)
(死凶星を我らの頭上から遠ざけたまえ……) - 墜落するアグラッドヘイムにて、ツァイトに乗り込んだ後で。スヴァイサーに言った通り、本当に「祈る」ことになった。
- 「あの方たちには、あの方たちだけの争覇があります。よい形で終わる事を……願うだけです。」
- エンディングにて「ゼノサーガ」の3人を送り返した後で。その思いは通じたのだろうか……?
- 「ありがとうございました。あなた方の売上げに、死凶星が落ちぬよう……祈っています」
- エンディングにて、クレオ、カッツェ、ドロシーら商人組との別れ際。妙に深刻そうな表情なのがミソ。
- 「アグラッドヘイムが崩壊した今、我が波国を元の世界に戻す方法はないでしょう」
「だから、ここで生きていきます。未知なる無限の開拓地……このエンドレス・フロンティアで」
「修羅達をまとめ……ともに生きていこう、と」
「我々がすべきは……できることは争覇だけではない。それを伝えるだけです」
「その結果、再び拳を交えることになるやも知れません。それでも、やらねばなりません。我々修羅が、この世界の一員となるために」