冬月コウゾウ
冬月コウゾウ(Kozo Fuyutsuki)
NERV副司令。常にゲンドウの横に控えている。性格は知的で温厚、かつ冷静な人物である。使徒やEVA、NERVの秘密を知る数少ない人間の一人であり、ゲンドウの計画に古くから協力していた。ゲンドウ不在の際は直接指揮を執ることもある。
元々は、形而上生物学を専攻していた大学の助教授(後に教授)であり、人付き合いにあまり魅力を感じていなかったのか付き合いは悪かったが、学生達からは飲み会に誘われるなど人気者であった。同じ研究室の教授からユイを紹介された事から、彼女とゲンドウとの縁が始まる。
「セカンドインパクト」発生後は、一年間あまりは旧豊橋にてもぐりの医者として過ごしていた。その後、ゲンドウに誘われて南極へ赴き、セカンドインパクトの原因調査を行った。調査の結果、セカンドインパクトを起こす原因となったのがゼーレと知り、この事実を世間に公表しようとするが、ゲンドウからセカンドインパクト時に失われた遺産を見せられ、彼の協力者となる。
EVAに関する実験中、エヴァンゲリオンの搭乗実験体となったユイが、エヴァに取り込まれるバイオハザードが発生。ゲンドウはゼーレとは別の野望を抱き、冬月は彼に付き合うことを決める。
使徒との戦いの末、サードインパクトが発生し、彼も補完されてしまう。彼の前にユイが現れたことから、彼もゲンドウと同じくユイを求めていたのである。
原作ではナレーターや狂言回し的役割が与えられ、多くの秘密が彼の口から語られている。また、通勤途中の車内では経済紙を読んでいる。
なお、声優の清川元夢氏も温和な人柄であり、冬月のイメージと合致している(キャラクターモデルとしても清川氏を参考にしている)。また、エヴァの世界観の原点となった『ふしぎの海ナディア』でも冷徹な紳士ガーゴイルを演じており、そのガーゴイルも古い遺産の説明を淡々と話している。なお、『ふしぎの海のナディア』DVD-BOX(2001年版)の箱絵で描かれたガーゴイル/ネメシス・ラ・アルゴールの素顔は冬月コウゾウと酷似している。
『新世紀エヴァンゲリオン2』において、実はシンジにユイの面影を感じていた…というか投影していた面もあり、シンジに何故か女装させるという(しかもポーズまでとらせる)危ない一面も判明。
登場作品と役柄
原作同様、解説を行う機会が多い。
旧シリーズ
αシリーズ
- スーパーロボット大戦α
- 終盤ネルフが事実上の解散となるが、彼自身はSDFに転属せず、NERV本部に残ることになる。
- スーパーロボット大戦α for Dreamcast
- 新規EDルートでは補完計画を止めようとする加持と対峙するが、未来をSDFに託し妨害を行うことはなかった。その後姿を見せなくなるがどうやらBF団によって爆破されたNERV本部で加持と共に最期を迎えたようである。
- 第3次スーパーロボット大戦α
- レイ巨大化の際にはMXとはやや違い、反応したマジンカイザーや真ゲッター等のαナンバーズのロボットに対し、それぞれ心の中で発動した理由を語る。また、何故か『真ゲッターロボ (原作漫画版)』に登場した昆虫人類やαシリーズに登場しない百鬼帝国、『新ゲッターロボ』に登場する「鬼」についても知っているような素振りを見せた。その後の処遇は不明。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦L
- 新劇場版設定で登場。
単独作品
- スーパーロボット大戦MX
- 今回、『ラーゼフォン』と『エヴァ』のクロスオーバーで、それ関連の内容が凄まじくややこしい事になるが、終盤レイが巨大化したときに長々と解説してくれる為(それでもややこしいが)、存在感は大きい。尚、終盤では彼もネルフスタッフと共に月臣元一朗に保護され、ナデシコ内に収容される。EDではTERRAの副司令となった。
人間関係
- 碇ゲンドウ
- ネルフの司令官。友人であり同志であり恋敵でもある。学生時代、交際中だったユイの指導教官である冬月に接触するために警察沙汰を起こし、冬月を身元引受人に指名した。
- 碇ユイ
- 京都の大学で教員をしていた時の学生。冬月は彼女のレポートを評価し、才能を活かす道を勧めていたが、彼女はゲンドウと結婚する道を選ぶ。
- 加持リョウジ
- ゼーレに拘束された冬月を助けた。
- 赤木ナオコ
- 知人であり、ゲヒルン時代の同僚。スーパーコンピューター・MAGIの完成直前に死亡。彼女の娘である赤木リツコの事も学生時代から知っている。
- 葛城ミサト
- 彼女の父とは知人。セカンドインパクトに被災した直後の彼女を見たことがある。
- 青葉シゲル
- オペレータートリオの1人。冬月直属の部下という設定がある。
他作品との人間関係
名台詞
迷台詞
- 冬月「ぬるいな」
ゲンドウ「ああ」 - 第拾壱話「静止した闇の中で」におけるゲンドウとのやりとり。電源供給をストップされたネルフ内は、エアコンも止まり、かなり蒸し暑くなっていた。そんな中にも関わらず、ゲンドウと冬月はいつものように顔色一つ変えずにいたため、部下たちに「さすがですね」と感心されていた。…だが、実は2人とも水の入ったバケツに足をつけて涼んでいるだけであった。
- 本編中は一貫してシリアスだったこの2人の数少ないコメディシーンである。
スパロボシリーズでの名台詞
- (そうか…真・ゲッターロボに満たされているゲッター線は生命の進化を促すエネルギー…)
(その意思が歪められた進化である補完計画を許すはずがない…)
(マジンカイザーは光と闇の力を…ヒトの心を持った魔神…)
(それがヒト以外のモノへの人工的な進化を認めるはずがない…)
(さらにライディーンは遥か昔にSTMCと戦うため造られた神の戦士…)
(STMCからの逃避とも言える補完計画を良しとするはずがない…)
(そして、(主人公名)が持つ力は…古の文明が我々へ託した最後の希望…)
(それを受け継ぐ者が同じ過ちを繰り返すわけがない…) - 復活したシンジと共に人類補完計画を止めるべく甲児、竜馬、洸、そしてαの主人公が駆け付けたときの台詞。
- 「かなりの暴論な上、間違いもあるが…根本的な考え方はそれで構わん」
- MX終盤にて宇宙の終焉をゴム風船に例えた甲児の説明に対する評価。
- 「私も君達も碇という演出家の意図に従って、舞台の上を右往左往するだけの存在だ」
- 第3次α宇宙ルートより。イカロス基地内でミサトと再会し、ゲンドウの潜伏先を詰問された際に、冬月自身も把握していない事を語った上で、現時点に於ける両者の状況を皮肉る。
- (当然だろう。ゲッター線は進化をうながす力であり、そして、それは人の意志に反応する)
(やはり、ゲッター線は補完をヒトとしての進化の放棄と見たか…)
(どうする、ゲッター線よ? 我等を銀河に不適格な生命体としてその未来を摘むか?)
(この宇宙のハチュウ人類や別宇宙の鬼、昆虫人類と同じように…) - 第3次αにてゲッター線が人類補完計画に敵意を露にした際の台詞。αシリーズの世界に存在したハチュウ人類はともかく、αシリーズはおろかSRWシリーズに一度も登場していない昆虫人類について何故知っているのかは謎である。また、ここで言う「鬼」とは、百鬼帝国とも『新ゲッターロボ』に登場する「鬼」とも受け取ることができ、どちらかを指しているのか、それとも意図的にどちらとも受け取れるような台詞となっているのか、その真意は定かではない。
- (ヒトの心を持った魔神……兜十蔵博士がどのような手段で機械に魂を宿らせたのかはわからない……)
(だが、その存在はヒトの存在が他者によって歪められて行くことを決して許しはしないか……) - 第3次αにて、マジンカイザーが人類補完計画に敵意を露にした際の台詞。αの台詞と合わせてマジンカイザーが魂を持っている事がわかる。
- (イデ……器を捨て、一つになった意志……)
(同じ結論に辿りついた補完を支持するということか)
(ならば、補完によって一つになった心はイデとも融合するかも知れんな……) - 同じシーンにて、イデオンが出力を下げて行くのを見て。どうやらイデの正体についても知っていた様子。
- (それともまつろわぬ神のごとく、無限の力とは別の道を行くか……)
- クォヴレールートのみこの台詞が追加。ケイサル・エフェスに関する伏線となっている。
- 「この先は何が起こるかわからん…か。フフフ、年甲斐もなくワクワクさせてくれるじゃないか」
- LでSEELEのシナリオが意味を成さなくなった事を受け、NERVはこれからも先の見えない戦いを続けると語ったゲンドウに。