ラプラスの箱

2014年5月10日 (土) 00:32時点におけるケニー (トーク | 投稿記録)による版

ラプラスの箱(LAplus Box)

機動戦士ガンダムUC』の鍵となる、箱型であると思われる謎の物体。 ビスト財団の創始者であり、宇宙世紀0001年に起きた爆破テロ「ラプラス事件」の生還者であるサイアム・ビストが持ち帰った箱型の物体のことである。詳細は不明。

いずこかに秘匿されており、これが開かれるときに連邦政府は滅びる、という噂がある。

正体は、宇宙世紀元年を祝してセレモニーで公開されるはずだった、宇宙世紀憲章をしたためた石碑。サイアムの眠る氷室に封印されている。

サイアムの持ち帰った「箱」はオリジナルの石碑であり、これにはレプリカにも刻まれた第六章に加え、後に言うスペースノイドの権利を明文化した七番目の章立てが存在していた。
これは、マーセナス首相の暗殺が連邦政府の自作自演であることを裏付ける決定的な証拠となりえたが、サイアムは上手く立ち回ることでそれを握る己を守りつつ「箱」を自身から切り離して秘匿し、同時にいずれ来る「箱」の開放に備えてビスト財団を作り上げていた。

しかし、ジオン・ズム・ダイクンによって「宇宙に出た人間は、進化しうる」というジオニズム思想が世に出たことにより、スペースノイドの権利と政治への優先的介入を明記した「箱」の第七章碑文が、連邦政府にとって噂の域を超えた本物のタブーとなってしまったことで全てが狂い始める。もし「箱」の存在がジオニズムを信ずる者達に知れれば、世界全体が途轍もない混乱に包まれる。それを忌避した連邦政府は、真実を隠匿し続けた。この結果、「箱」=宇宙世紀憲章の石碑という単純な真相が世に出ることのないまま、サイアムの存在からその(政府にとっての)危険性だけが一人歩きし、ある種の都市伝説として広まっていくことになった。

宇宙世紀0096年、「シャアの反乱」の終結と、それに伴うネオ・ジオン総帥シャア・アズナブルの戦死により、ジオンは反連邦としての力を失う。生きながらえていたサイアムはこれを期に、連邦政府の絶対的統治のもとに人類が逼塞する危機を憂えて財団本来の目的である「箱」の開放を決断。孫のカーディアスにこの任務を通達する。
カーディアスは「箱」をネオ・ジオンの残党に譲渡しようとしたが、この時彼は連邦軍再編計画と銘打たれたニュータイプ殲滅計画「UC計画」のフラグシップ機であるユニコーンガンダムを利用することを考案。ユニコーンの真の力である「ニュータイプ・デストロイヤー・システム」の中枢に細工を施し、特定の場所でシステムが起動するたび「箱」のありかへと少しずつ搭乗者を導いていく仕掛け「ラプラス・プログラム」をインストールした。

だが、この計画をかぎつけたマーサ・ビスト・カーバインは「箱」を受け取るべくインダストリアル7を訪れたガラシェール隊を、連邦軍を動かして強襲させる。混乱の中でカーディアスは死亡したが、ユニコーンガンダムは数奇な偶然を経て彼の息子、バナージ・リンクスが受領・搭乗、戦火に身を投じる。
その後、紆余曲折を経て氷室へとたどり着いたバナージとミネバに対し、サイアムは「箱」の真実と己が元年に見た幻の意味、そして進化を続けてきた人間の可能性を語りつくして落命。「箱」の真実はミネバにより、世界に公表された。

それが後の世にどのような影響を与えたかは語られていないが、少なくともそれによって戦火が収まることがなかったのは確かである。

登場作品と扱われ方

Zシリーズ

第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
作品全体のキーワードの一つとして扱われている。クロノ保守派の「教義」がこれを守ることであるとされており、そこからするとZシリーズの「箱」には世界観に関する何らかの手がかりが記されているとも考えられるが……。

関連

ユニコーンガンダム
ユニコーンガンダム(1号機)にのみ搭載されている「La+(ラプラス)システム」は、ラプラスの箱の所在地を探索するのに最も重要なものである。