- 2006年5月18日 ~ 8月17日(WOWOW) 全12話
- 2003年4月25日 PCゲーム『斬魔大聖デモンベイン』発売
- 2004年7月1日 PS2ゲーム『機神咆吼デモンベイン』発売
- 初参戦スパロボ:スーパーロボット大戦UX(2013年)
概要
ニトロプラスより発売されている成人向けPCゲーム『斬魔大聖デモンベイン』(正確に言うと最初の文字は「“斬”の下部に“天”」と書く)並びにそれを移植した全年齢向けPS2版『機神咆吼デモンベイン』を原作とするテレビアニメ。クトゥルフ神話をモチーフに巨大ロボット、変身ヒーローものとしてアレンジした作品。
ストーリーは概ねゲーム版におけるルートの一つ(所謂アルルート)に準拠している。ただし12話という短さもあって一部シナリオどころかキャラクター等もカットされた。それ故原作ファンに批判されるどころかニトロプラスからも後のお祭りゲームやドラマCDでネタにされるなど評価は散々。
なお、アニメ版名義とはいえアダルトゲームからの参戦は事実上本作が初となる(ただし、原作が成年向けである作品は『ゼオライマー』『イクサー』といった前例がある)。
ちなみに続編作品『機神飛翔デモンベイン』(未参戦)は15歳以上推奨とレーティングが下げられている。
ストーリー
科学と共に魔術理論が進歩し、急激に発展を遂げた世界。その世界の中心とも称される大都市「アーカムシティ」は、魔術犯罪結社「ブラックロッジ」に脅かされていた。
だがブラックロッジに対抗するため、覇道財閥は一体の巨大ロボット――「デモンベイン」を開発していた。
デモンベインの起動に必要な「力ある魔導書」の捜索を依頼された私立探偵・大十字九郎は、ブラックロッジに追われる一人の少女と出会う。
その少女こそが力ある魔導書、「アル・アジフ」そのものだった。
アルを巡る逃走劇に巻き込まれた九郎は、偶然発見したデモンベインにアルと共に乗り込む。
その瞬間からアーカムシティの、ひいては世界の命運を賭けた戦いの幕が切って落とされたのであった。
登場人物
大十字探偵事務所
- 大十字九郎
- 主人公。アーカムシティに住む三流私立探偵。デモンベインのパイロットとしてブラックロッジとの戦いに身を投じる。
- アル・アジフ
- 幼い少女の姿をしているが、正体は魔導書「ネクロノミコン」の化身。九郎と契約を結び、共に戦う。
覇道財閥
- 覇道瑠璃
- 覇道財閥の当主である少女。戦闘の際は司令官を勤める。
- ウィンフィールド
- 瑠璃に仕える執事。執事としても優秀だが、常人にして魔術師並の戦闘力の持ち主でもある。
- チアキ
- 覇道財閥に仕えるメイド兼オペレーター。技術者でもあり、デモンベインの整備も担当している。
- ソーニャ
- 覇道財閥に仕えるメイド兼オペレーター。
- マコト
- 覇道財閥に仕えるメイド兼オペレーター。
ブラックロッジ
トップ
アンチクロス
- アウグストゥス
- ブラックロッジ幹部魔術師「アンチクロス」のひとり。魔導書「金枝篇」と契約している。
- ティベリウス
- ブラックロッジ幹部魔術師「アンチクロス」のひとり。魔導書「妖蛆の秘密」と契約している。
奇怪な覆面とオネエ言葉が特徴。 - カリグラ
- ブラックロッジ幹部魔術師「アンチクロス」のひとり。魔導書「水神クタアト」と契約している。
骸骨のような覆面をつけたレスラーのような大男で、普段は無口で物静かだが、キレると手がつけられない。 - クラウディウス
- ブラックロッジ幹部魔術師「アンチクロス」のひとり。魔導書「セラエノ断章」と契約している。
メンバー最年少である少年。 - ウェスパシアヌス
- ブラックロッジ幹部魔術師「アンチクロス」のひとり。魔導書「エイボンの書」と契約している。
- ティトゥス
- ブラックロッジ幹部魔術師「アンチクロス」のひとり。魔導書「屍食教典儀」と契約している。
- ネロ
- ブラックロッジ幹部魔術師「アンチクロス」のひとり。魔導書「無銘祭祀書」と契約している。
構成員
- ドクター・ウェスト
- ブラックロッジの破壊メカ制作担当のマッドサイエンティスト。本作のコメディリリーフ。
- エルザ
- ドクター・ウェストが製作したアンドロイド。語尾に「~ロボ」と付ける。
- ブラックロッジ構成員
- 末端の戦闘員。
その他
登場メカ (鬼械神)
覇道財閥
- デモンベイン
- 高位の魔導書によって招喚される神の模造品「鬼械神(デウス・マキナ)」を基に作られた巨大兵器。魔術的な鬼械神と機械的なロボットの中間の存在と言える。
ブラックロッジ
鬼械神
- リベル・レギス
- マスターテリオンが「ナコト写本」を用いて招喚する鬼械神。
- レガシー・オブ・ゴールド
- アウグストゥスが「金枝篇」を用いて招喚する鬼械神。
- ベルゼビュート
- ティベリウスが「妖蛆の秘密」を用いて招喚する鬼械神。
- クラーケン
- カリグラが「水神クタアト」を用いて招喚する鬼械神。
重装甲と怪力を誇る。伸縮可能な腕を使った攻撃のほか、水柱や氷塊を操る魔術で攻撃を行う。 - ロードビヤーキー
- クラウディウスが「セラエノ断章」を用いて招喚する鬼械神。
- サイクラノーシュ
- ウェスパシアヌスが「エイボンの書」を用いて招喚する鬼械神。
- 皇餓
- ティトゥスが「屍食教典儀」を用いて招喚する鬼械神。
- ネームレス・ワン
- ネロが「無銘祭祀書」を用いて招喚する鬼械神。
破壊ロボ
- 破壊ロボ(スーパーウェスト無敵ロボ28號)
- ドクター・ウェストが作成した巨大兵器。その大きさはデモンベインを上回る。
鬼械神ではなく純粋に科学技術や錬金術といったものの産物。ドラム缶のような胴体と巨大なドリルが特徴。 - 作中では様々なカスタマイズが施されたものが何機も登場するが、ドラム缶のような胴体とドリルだけはほぼ共通している。
- 量産型破壊ロボ
- 物語後半にブラックロッジが投入した量産機。コックピットはあるものの、通常は自動操縦モードで破壊活動を行う。
- オリジナルの破壊ロボに比べるとだいぶ小型化されており、ドリルなどの趣味的な武装も採用されていないが、代わりに飛行能力が追加されている。
- 個々の戦闘力はそれほどでもないが、数に物を言わせて襲いかかってくる。
- ゲーム版には、本機をベースにしたドクターウェスト専用機「ゾンバイオ」が存在する(アニメ版には未登場)。
- デモンペイン
- ドクター・ウェストが作成したデモンベインの偽物。「ベ」ではなく「ペ」となっている。
参戦作品と扱われ方
- スーパーロボット大戦UX
- 初登場作で堂々の参戦。アニメ版名義での参戦だが鋼屋ジン氏のTwitterによればスタッフはゲーム版もチェックしていた様子で、各所にゲーム版や小説版、続編『機神飛翔デモンベイン』絡みの小ネタが頻繁に挿入されている[1]。
第2弾PVではスパロボシリーズとしては前代未聞のパンモロカットインを披露し、いい加減乳揺れには慣れたプレイヤー達を唖然とさせた。 - シナリオ面においては、アニメ版の描写不足だった部分を他参戦作品との大規模なクロスオーバーで補っているのが特徴。特に舞台が同じアメリカ(本作の世界観では「ユニオン」だが)の『HEROMAN』や、マキナ繋がりで『鉄のラインバレル』の面々と大きく絡む。
主題歌とBGM
- 「人、神、機 -Man God Machine-」
- (歌:生沢佑一、作詞:渡邊カズヒロ・江幡育子、作曲・編曲:磯江俊道)
- オープニングテーマ。TVバージョンはフルバージョンにおける「歌い出し→3番」という珍しい組み合わせになっている。
- 「モダンローズ」
- (作詞・歌:いとうかなこ、作曲・編曲:村上正芳)
- エンディングテーマ。なお、生沢氏といとう氏はPC版・PS2版の主題歌も担当している。
- 「機神咆吼―交錯する刃金と刃金」
- 劇中BGM。主にデモンベインの出撃・戦闘シーンで流れる。UXにてデフォルト戦闘BGMに採用。ちなみに、このBGMにボーカル入りアレンジを施したものがPS2版主題歌「機神咆吼ッ!デモンベイン!」である。
- なお、アニメ版のBGMは基本的にゲーム版から流用されているため、下記も含めて全てゲーム・アニメ共通のBGMである。
- 「破神昇華―渇かず飢えず無に還れ」
- 劇中BGM。レムリア・インパクト使用時などに流れる。UXでも必殺技イベント時に度々使用される。
- 「天才と何とかは紙一重というかむしろ完全に向こう岸」
- 劇中BGM。ドクター・ウェストのテーマ。UXでは非採用だがウェストがエレキギターを鳴らした際のSEとしてイントロが採用されている。
各話リスト
話数 | サブタイトル | 登場メカ | 備考 | 再現スパロボ |
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第1話 | I AM PROVIDENCE | |||
第2話 | EVIL SHINE | |||
第3話 | REANINATOR | |||
第4話 | THE INVADERS | |||
第5話 | THE SHADOW OVER INNSMOUTH | |||
第6話 | QUO VADIS | |||
第7話 | BIG“C" | |||
第8話 | SHADOW IN THE DARK | |||
第9話 | THE HUNT | |||
第10話 | METALLIC WARCRY | |||
第11話 | THE RETURN OF THE SORCERER | |||
第12話 | STRANGE EONS |
余談
- スパロボではヘビーユーザーとしてすっかり有名な緑川光氏だが、本作で主人公のライバルであるマスターテリオンを演じていることもあり、以前からこの作品のスパロボ参戦を熱望していたというエピソードも知られている。
- 主役機であるデモンベインは原作ゲームのシナリオライターである鋼屋ジン氏が『第4次』プレイ中にグルンガストに名づけた名前である事をTwitterにて語っている[2]。
- 参戦名義となったアニメ版は話数不足・スケジュールの逼迫等が災いしてファンからは非常に評判が悪い出来であり、担当した脚本家がブチ切れ、あろうことか原作会社であるニトロプラスまでもが公式で黒歴史ネタとして何度も弄っているほど。特に原作では主要人物の一人で、OPやEDに登場し第一話にもシルエットが出ているメタトロン(とサンダルフォン)が、第二話以降は存在をなかったことにされたところがネタにされていた。
- ニトロプラスがPC版を出した2003年に発売した『沙耶の唄』にも(こちらはシナリオライターが違うが)連想される程度にクトゥルフ神話の要素が入っている(こちらは18禁のとんでもなくグロテスクなゲームなのでプレイにはそれなりの注意が必要)。
デモンベイン公式サイトに掲載されている短編小説では『沙耶の唄』に登場したものと同種と思しきクリーチャーとアル・アジフ(アイオーン搭乗)が戦闘していた。- ちなみに『沙耶の唄』のシナリオライターである虚淵玄氏はPS2版主題歌『機神咆吼ッ!デモンベイン!』の作詞を手がけている。
- PC版とPS2版以降で声優表記が変わっている。例としては『大十字九郎:ヘルシー太郎⇒伊藤健太郎』、『マスターテリオン:氷河流(読み:ひかる)⇒緑川光』など。これは原作が18禁作品という土壌による所謂大人の事情である。
商品情報
DVD
ゲーム