『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』は、テレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』のストーリーを庵野秀明監督が自ら再構築した劇場用作品。以下の3作までが公開されている。詳細は各リンク先参照。
作品名 | 上映開始日 |
---|---|
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 EVANGELION:1.0 YOU ARE (NOT) ALONE. |
2007年9月1日 |
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 EVANGELION:2.0 YOU CAN (NOT) ADVANCE. |
2009年6月27日 |
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q Quickening EVANGELION:3.0 YOU CAN (NOT) REDO. |
2012年11月17日 |
シン・エヴァンゲリオン劇場版:ll EVANGELION:3.0+1.0 |
2020年公開予定 |
概要
テレビ版『新世紀エヴァンゲリオン』から一部の設定やデザインが変更され、新しいキャラクターやエヴァンゲリオンが登場する。タイトルから「新世紀」が外されているが、これは既に「新世紀」(21世紀)に入ったためとの事。通称は『新劇』『新訳』であり、旧劇場版とは区別されている。また、庵野監督の意向もあってTV版・旧劇場版は『旧世紀版』とも呼称される。『序』『破』『Q(急)』とは雅楽の演奏に由来する言葉であり、起承転結と同じような意味で用いられる物語の構成方法である。
地上波においては、放送権を持つと見られる日本テレビから『金曜ロードショー』枠で放映されている。この放映ではシーンの一部がカットされる等、公開版やビデオソフト版と異なった編集がされ、タイトルには「TV版」と付いている。
『破』は興行成績40億円、『Q』は興行収入52.6億円と、ロボットアニメ劇場用作品において国内史上最高記録をマークしている作品である。また、DVD・BDソフトも同様の記録を樹立しており、『序』は60万枚、『破』は80万枚を超えるセールスを達成している。
スパロボシリーズにおいて
初参戦の『スーパーロボット大戦L』では『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』名義で『序』と『破』がまとめられて表記されたが、次に参戦した『スーパーロボット大戦モバイル』以降は個別に表記されるようになっている。
TV版と比べてEVAの装備がほぼ刷新されたため、『L』及び『第3次スーパーロボット大戦Z』ではEVAの使い勝手が大幅に変わっている。具体的には、従来近接格闘型だったEVA初号機が射撃特化となっており、近接武装は殆ど無い。逆にEVA弐号機は近接武装が多く、『L』では最大射程が3という有様である。EVA零号機はというと、パレットライフルと格闘以外の攻撃手段が無く、戦闘能力は殆ど皆無であるが、代わりに盾を含む強力な防御能力と修理を持ちサポート役として活躍することになる。
登場人物やストーリーの方面では、難解な世界観や用語の説明が不十分、なおかつ現時点では未完結ゆえか、スタッフが扱いに困っている様子がうかがえる。この点は真希波・マリ・イラストリアスやアヤナミレイ (仮称)など新劇場版が初出となるキャラクターの扱いの悪さや、『第3次Z』(Zシリーズ)の世界観をもってしても『Q』が再現されなかったことに現れている。『Q』公開前に参戦した『L』では、EVAパイロットたちが原作以上に成長し、他作品とのクロスオーバーが積極的に取り入れられるなど扱いは決して悪くはなく、『破』の段階の途中で終わらせた事で「彼らがようやく幸せに」なれたのは皮肉のような有様だったが、更に後の『V』では『Q』の要素をある程度折衷させつつスパロボらしい穏便な着地を得ている。