バスク・オム
バスク・オム(Bask Om)
- 登場作品:ガンダムシリーズ
- 声優:郷里大輔
- 種族:地球人
- 性別:男
- 年齢:37歳
- 生年月日:宇宙世紀0050年
- 没年月日:宇宙世紀0088年2月20日
- 身長:203cm
- 所属:地球連邦軍(ティターンズ)
- 階級:大佐
- 役職:地球軌道艦隊司令官(0083)⇒ティターンズ総司令官
ティターンズの士官で、階級は大佐。分厚いレンズのゴーグルを装着している風貌が特徴的。
ティターンズ総帥のジャミトフ・ハイマン大将の片腕といえる男で、前線において総指揮を任されている。ティターンズのNo.2だけあって、軍人としては優秀(劇場版において味方から「戦術の天才」と評されている)だが非情な権力主義者で、反地球連邦政府の集会を行っていたコロニーの住民を毒ガス(G3ガス)で全滅させた「30バンチ事件」の実行者でもある。他にも、カミーユの両親を人質にする、コロニーレーザーをサイド2のコロニーに向けて試射する、陽動作戦としてまたもや毒ガスを使うなど、その暴虐ぶりには枚挙の暇が無い。また生身の状態では、同じ地球連邦軍でもティターンズ以外の人間を見下し、戦術に意見したブライトを暴力で黙らせる事もあった(他に、レコアや一般兵も殴り飛ばしたことがある)。最期はティターンズ乗っ取りを企んだシロッコの策略にはまり、レコアの乗るパラス・アテネにドゴス・ギアのブリッジごと撃ち抜かれて死亡した。劇場版では撃ち抜く役はヤザンに変更。どちらもシロッコの息のかかった者である。
一年戦争からグリプス戦役までの空白を描いた『機動戦士ガンダム0083』にも連邦軍の強硬派の一員として登場。デラーズ・フリートのコロニー落としをソーラ・システムで迎え撃とうとしていた。ここでも味方(コウ)が射線上で戦っているにも関わらず、ソーラシステムを使うという非情さを垣間見ることが出来る。
先述のゴーグルは、一年戦争時にジオン軍の拷問に近い尋問を受けたために視覚障害を負った影響で着用するようになったもの。元々それ以前から徹底したアースノイド主義者と同時に反スペースノイドの思想を持っていたとされているが、自身が負った障害への怒りが、先述のようにジェノサイドなどまで行うようになった原因の1つであることは想像に難くない。
SRWではジャミトフに忠実なイメージはあるが、原作ではどちらかというとスペースノイド弾圧をし易くするために従っていた節が所々に見られた(SRW以外のゲームではより明確に描写されている)。特に劇場版ではジャミトフがバスクを警戒している描写がある。
故・郷里大輔氏が機動戦士ガンダムで演じたドズル・ザビとはあらゆる面で正反対な人物である。
スパロボシリーズにおいて
スパロボにおいても原作同様に毒ガス攻撃や人質作戦等の卑劣な手段を平然と使用する横暴な権力主義者である事は変わらず、そのやり口は他作品のキャラからも嫌われており、リアル系における分かりやすい悪役として大抵悲惨な最期を迎える。
ただ、前述の通りジャミトフがSRWではバスク同様の地球至上主義に描かれている側面が強いせいか、互いに警戒する事はなくジャミトフに忠実な人物となっている。
登場作品と役柄
旧シリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦
- DCのメンバーで、キシリアの直属(ティターンズ系はキシリア派所属)として毒ガス作戦等の非道な作戦を行う等、DC側の悪役として出番が多い。序盤はドゴス・ギア、終盤はなんとドロスに搭乗している。ちなみに第4次ではティターンズが登場するのに彼は登場しない。死亡描写は無かったのだが彼は何処へ行ったのだろう?
- スーパーロボット大戦F
- 声がついた。原作同様のティターンズ幹部として登場するが、まだこの時点では味方側。戦闘はしないが、事典での一言セリフは必聴。
- スーパーロボット大戦F完結編
- 条件を満たすと、シロッコに特攻をしかける見せ場がある。
αシリーズ
- スーパーロボット大戦α
- ティターンズ所属。極東支部に圧力をかけてくる。リアル系4話でのみ敵として登場するため声が入っている。ただし、乗艦のアレキサンドリアがかなり堅いので撃墜どころか撤退させるのも一苦労。EDにてティターンズが復権した際には0083のラストで行った演説をする。
- スーパーロボット大戦α外伝
- 極東支部ルート第5話でスードリに乗って登場。ティターンズとの決着が付く第9話でもスードリに搭乗する。熟練度次第ではジャミトフと戦わないため、一応ティターンズの代表格として戦闘前のイベント台詞は多い。
- スーパーロボット大戦α for Dreamcast
- 新規EDルートでドゴス・ギアに乗ってくる。ジャミトフがパイロットとして登場しないため、実質ティターンズの大ボス扱い。戦闘前会話がα外伝からの流用ではあるが用意されている。このルートでは死亡するため、エピローグには登場せず。
単独作品
- スーパーロボット大戦64
- OZのメンバー。意見してくるリアル系ライバルを殴ったりする。タコメガネと言う仇名もつけられた。スーパー系のライバルとも割と絡む。
- スーパーロボット大戦GC(XO)
- なんと登場前にジャミトフ共々逮捕・拘束されており、名前が語られるぐらいで影も形も登場しない。ただ、拘束されているのは確かだが、粛清されただの処刑されただのといった話は出てこないので、収監されているか、あるいは更迭もしくは罷免された可能性が高い。そのため最後まで生存している可能性が高いだけ原作より扱いは良い…のか?
- スーパーロボット大戦Scramble Commander
- 大気圏にドゴス・ギアで静止していたが恐竜帝国のマグマ砲で跡形も無く吹っ飛ぶ。
Zシリーズ
- スーパーロボット大戦Z
- ガルダ級、アレキサンドリアに乗ってくる。艦長効果と底力でとにかく硬い。なお、本作ではドゴス・ギアにはイベントシーンでしか乗ってこない。
携帯作品
- スーパーロボット大戦A
- 序盤でブライトが三輪防人の説明をする際にバスクの事を引き合いに出しており、どうやら連邦軍内に在籍している模様。結局最後まで本人は登場しないものの、死ぬことなく生存している可能性もあることを考えると妙に後味が悪い。
没シナリオではシャアが逆襲を企てているが「シャドウミラー壊滅後、彼が台頭して連邦軍を腐敗させた結果、シャアが逆襲を企てることとなった」、というのは考え過ぎだろうか?
関連作品
- ヒーロー戦記
- ティターンズ所属で立ち位置は原作とほほ同じ。アムロの実力を高く買っており、彼をゼウスから引き抜こうとするが丁重に断られている。引き抜こうとした際、及び断わられた際の態度や発言を鑑みると、原作と比べると性格がまともな方に改変された印象を受ける。
中盤、ゼウスメンバーがエゥーゴ共和国を離れている隙を突いてクーデターを決行。共和国全土を手中に収めるものの、アポロン総統の意を受けたシロッコによって暗殺される。
人間関係
ティターンズ
- ジャミトフ・ハイマン
- 上司。バスク自身はジャミトフにとって代わろうとした野心があったか不明であるが、一方でジャミトフ自身の方はバスクの強硬すぎるやり方を快く思っていない面がある。少なくともゲーム中においてはジャミトフに忠実である。
- ジェリド・メサ
- 部下。毒ガスを「嫌な作戦」と言っているが、バスクに対しては特段何の描写もない。
- カクリコン・カクーラー
- 部下。序盤では彼のブライトに対する暴行を黙認した。
- エマ・シーン
- 部下。しかし、バスクの横暴さが一因となって離反する。
- パプテマス・シロッコ
- 味方ではあるが、シロッコの登用が自身に対する牽制という目的もあった為もあって危険視する。しかし結局は彼の謀略によって葬られる事になる。
- ジャマイカン・ダニンガン
- 部下。
- ヤザン・ゲーブル
- 部下。しかし劇場版においては彼に殺害される事になる。
- レコア・ロンド
- 当初は敵対関係にあったが後半は部下となり、彼女に毒ガス作戦を命じた際は反対されたことで修正した事もあった。TV版では彼女に止めを刺される事になる。
エゥーゴ
- ブレックス・フォーラ
- 互いに嫌っている関係。
- ブライト・ノア
- グリーンノアでMSの危険な飛行をしていた事を彼に非難されるが、バスクは全く意に介さず、直後の部下達によるブライトへの暴行も黙認した。
- カミーユ・ビダン
- エゥーゴに付いた彼に対して母親を人質にする等の卑劣な手段を取る。
地球連邦軍
- ジョン・コーウェン
- 0083年時代では彼の直属の部下で、コーウェンの派閥は強硬派。デラーズ紛争時は地球軌道艦隊司令。紛争後コーウェンが敗訴され、ジャミトフの部下となった。ちなみにコーウェンとジャミトフは派閥が違う。
- コウ・ウラキ
- 0083では直接の面識は無いが、ガトーと交戦していた彼もろとも攻撃しようとした。
- エイパー・シナプス
- 0083の終盤では彼を恫喝した。松浦まさふみの漫画版に至っては拘束しようとまでした。
- フランクリン・ビダン
- カミーユの父親。エゥーゴについたカミーユに対する人質とした。
- ヒルダ・ビダン
- カミーユの母親。フランクリンと同じく人質とし、カプセルに閉じ込めて宇宙空間に放出して事情を知らないジェリドに殺害させるという非道な作戦を行なった。
ジオン残党
他作品との人間関係
ガンダムシリーズ
- キシリア・ザビ
- 原作の設定では全く相反する思想と立場であるが、旧シリーズのDCにおいては彼女の指揮下にある。
- シャリア・ブル
- DCでの部下。
- キャラ・スーン
- DCでの部下。
- マシュマー・セロ
- DCでの部下。マシュマー自身は完全に嫌っていた。
- ウォン・ユンファ
- F完結編でティターンズを宇宙に逃す手引きをするが、ティターンズに対して見下した態度を取った事で激怒し、マフィアごときと侮蔑する。
- ロード・ジブリール
- Zでは元々は反目し合っていたが、シロッコやデューイのクーデター後は共同歩調をとる。最後はフロスト兄弟に陥れられ、ジブリール共々シロッコによってゴミ同然の捨て駒にされてしまう。
リアル系
スーパー系
バンプレストオリジナル
- ヴィガジ
- 第3次では彼と接触してDCとインスペクターの同盟交渉を行う。
- エルリッヒ・シュターゼン
- 64のリアル系男主人公のライバルで、部下。中盤、帝国の排除より地球圏支配のための地盤堅めを優先するバスクに度々進言するが、バスクはその進言を全て退けていた。最終的には理由をつけて出撃拒否をする彼を、無理矢理出撃させるべく恋人アリンディーネを人質に取ってマーチウィンドとの戦いに向かわせる。結局その行動が原因で彼はOZを離反することになる。
- リッシュ・グリスウェル
- 64のリアル系女主人公のライバルで、部下。中盤、帝国の排除より地球圏支配のための地盤堅めを優先するバスクとはソリが合わなかった。主人公の説得の後、マーチウィンドに参入する
- カーツ・フォルネウス
- 64のスーパー系男主人公のライバル。マーチウィンドの中核の1人ブラッド・スカイウィンドの動きを止めるため、度々マーチウィンド戦に投入する。
- アイシャ・リッジモンド
- 64のスーパー系女主人公のライバル。マーチウィンドの中核の1人マナミ・ハミルを追跡する彼女の願いを聞き入れ、度々マーチウィンド戦に投入する。
- イルムガルト・カザハラ
- α外伝では一時的に自身の部下を務めていたが、それは彼の仕組んだ芝居であり、人質に取っていたアヤ達を救出される羽目になる。
名台詞
機動戦士Ζガンダム
- 「一般将校は黙ってろ!」
「ここはティターンズの拠点である!正規の連邦軍と、やり方が違う!」 - 居住区でガンダムMk-IIのテストをしたことに抗議したブライトを、殴り飛ばしてからこう怒鳴り付けた。その後ブライトはカクリコンらにリンチされる。横暴で権力主義的であるバスク、そしてティターンズをよく表した台詞であり、エマがティターンズを離反するきっかけになった。
- 「愛人にとっては都合が良かったのではないのか?」
- 第4話で人質にとったカミーユの母が戦闘中に死亡した後、その事を抗議してきたカミーユの父であるフランクリンに対して。事実であるだけに、抗議しようとしたフランクリンは何も反論できなかった。
- 「汚名挽回だと…? それは実績をあげた者が言う台詞だ」
- ジェリドの「自分が汚名挽回をしたく」への返事。バスクも間違いに気づかないままである。劇場版ではジェリドの台詞が「汚名返上」に修正されたため、この台詞はなくなっている。
- 「シロッコ…貴公の許せんことは、自分以上に能力の高いものがいない、と思っていることだ。馬鹿にするな!!」
- 敵視するシロッコへの台詞。DVEで再現された。
- 「我々は人殺しの集団ではない!!」
- 41話にて、毒ガス作戦実行を命令したレコアが「他にも方法があるはずです」と反論した際、鉄拳制裁を加えたときの台詞。30バンチ事件やカミーユの両親を人質にとったりなど、ほとんどテロリスト同然の行為を繰り返してるのに、こんな言葉をいけしゃあしゃあと。彼の目に映るのは地球の人々だけであるという事がよく分かる。
- 「ヤザンは、本気なのかーっ!」
- 劇場版での断末魔。自艦から発進したハンブラビの砲撃を受けて死亡という最期であった。
機動戦士ガンダム 0083 スターダストメモリー
- 「やかましい! ヤツらを一撃せねばおさまらん!」
- 13話より。部下の制止を押し切ってソーラ・システムで味方の連邦軍もろとも攻撃しようとした際の台詞。この時点でバスクの非道振りが表れている。
- 「省みよ! 今回の事件は地球圏の静謐を夢想した一部の楽観論者が招いたのだ! 『デラーズ・フリート』の決起などはその具体的一例に過ぎぬ! また三日前、北米大陸の穀倉地帯に大打撃を与えたスペース・コロニーの落下事故を見るまでもなく、我々の地球は絶えず、様々な危機に晒されているのだ! 地球!…この宇宙のシンボルを揺るがせにしない為にも、我々は誕生した! 地球!…真の力を再びこの手に取り戻すため、ティターンズは起つのだ!」
- 第13話でデラーズ・フリートとの戦いが終戦した後に行った演説。αのラストでもやや形を変えて同様の演説を行なっている。
スパロボシリーズの名台詞
旧シリーズ
- 「ジャミトフ閣下‥‥今こそ、閣下の無念‥‥はらしてみせます!うおぉぉぉぉぉっ!!」
- F完結編においてシロッコに特攻した時の台詞。
αシリーズ
- 「強化人間を戦いから引き離して、何の意味があるというのだ!」
- α外伝9話でのティターンズとの決戦でジュドーと対決した際、プルツーを洗脳してティターンズの戦力とした事に激怒するジュドーへの台詞。原作同様の非道な態度にジュドーも人を人とも思わない奴とバスクを徹底的に批難し、またウッソと対決した際もカテジナをプルツーと同様の扱いをした事で怒りを買っている。
- 「か、艦橋に直撃!? うおおおっ!!」
- α外伝(DC版α)での断末魔。
Zシリーズ
- 「そんな猿芝居が通じるか!どうせ戦う事になるというのに、余計な恥をかかせおって!」
- ジブリールの引渡しを要求する件で、あまりにもお粗末な回答を行ったユウナにバスクが叫んだ台詞。ヘタレな上に空気が読めなさ過ぎるユウナの前では、冷酷非道なティターンズの司令官であるはずのバスクですら、まともな常識人に見えてしまうのは、なんともはや…。
- 「まだだ! まだ本艦は落ちん! 落ちてはならんのだ!!」
「くそぉぉぉぉぉっ!!」 - Zにおける断末魔。なお、この時のバスクの搭乗艦はアレキサンドリアで、ドゴス・ギアはシロッコに持ち逃げされてしまった。
単発作品
- 「そのアリンディーネ嬢のためにも、よけいな行動はせぬことだ」
「地上も混乱しておる。その娘はOZが保護している。が、貴官の行動いかんでは、その娘に事故がおこるやもしれん」 - 64のアークルートで反抗的なエルリッヒの恋人を人質に取っていることを示唆した台詞。64におけるバスクを象徴するともいえる台詞である
備考
2010年1月17日に声優の郷里大輔氏が他界された為、今後、SRWをはじめとするゲーム等のメディアに『機動戦士Ζガンダム』関連が登場する場合は代役、もしくはライブラリ使用による措置がとられるものと予想される。