スカブコーラル
スカブコーラル(Scab Coral)とは「約束の地」と呼ばれる惑星を覆っている珊瑚のような大地。『交響詩篇エウレカセブン』の世界観と物語の根幹。
概要
まだ約束の地が「地球」と呼ばれた時代。「EUREKA」と呼ばれるロケットが宇宙へと発射された。そのロケットが海に墜落し、ロケット内の実験物が生命を持つ存在へと成長した。これがスカブコーラルである。
スカブコーラルは加速的に地球の大地を取り込み、生物さえも取り込んでしまった。最終的に地球はスカブコーラルに覆われた星へと変貌した。生き残った人類は一度宇宙へ避難し、スカブの活動が休眠した時期に戻ってきた。一方、スカブコーラルは「知性生命体」であり、地球に他の生物がいなくなってしまったことで、スカブコーラルは孤独に耐え切れなくなっていた。人類の帰還により彼らとの接触を求めるが、取り込むこと以外にコミュニケーションの方法を知らないスカブコーラルは、人類と対話を行う端末として、人類を模した生命体を作り出した。
それが「人型コーラリアン」サクヤであり、エウレカである。彼女らは完全に人間そっくりに作られているため、自身がコーラリアンであるという自覚を持って生まれてはいない。
サクヤはスカブコーラルを信仰するヴォダラク教の頂点となり、エウレカはアドロック・サーストンの「スカブコーラル知性体仮説」を実証する存在となった。
スカブコーラルには「司令クラスター」という頭脳と呼べるものが存在し、その内には取り込まれた人類が精神のみ存在している。スカブコーラルは数十万兆の生命体が上乗せされた存在であり、それらが一斉に目覚めると人類が滅ぶどころか、次元破壊すら引き起こされてしまう。またスカブコーラルは極度の刺激を与えると「抗体コーラリアン」という無作為に生命を奪う存在を生み出す。この刺激を与えるのが「オレンジ」で、デューイ・ノヴァクがオレンジを投下して司令クラスターが存在する場所を突き止めた。これに対してスカブコーラルはトラパーを介して、約束の地に住む人類を隕石により任意で抹殺しようとする。デューイは司令クラスターを発見し、刺激を与えてコーラリアンの活動を阻止する。さらにデューイはコーラリアンの活動阻止と共に、スカブコーラルの目覚めを食い止めるべく「代理司令クラスター」を立てようとした。それがエウレカであり、アネモネであった。
エウレカは代理司令クラスターとなり、スカブコーラルの目覚めを食い止める役目を担うが、エウレカ自身がそれを望んでいないと分かったレントン・サーストンは、ニルヴァーシュ type ZERO spec3を駆り、代理司令クラスターへと突入。レントンの告白に、エウレカが応え、自我を持つニルヴァーシュからもスカブコーラルと共に生きていくことを語り、エウレカやレントンの意思に応えたスカブコーラルの一部は約束の地から、別世界へと旅立った。
その後、旅立ったスカブコーラルが行き着いた先が、「ポケットが虹でいっぱい」と「AO」の物語である。
スカブコーラルが齎す影響
スカブコーラルからは生体エネルギーの一種「トラパー」が発生。これを応用して機械を空中へと飛ばせる技術が開発された。「リフボード」もその一つ。
また、スカブコーラルからは「アーキタイプ」と呼ばれる生体人形が発掘され、これを素体として人型ロボット「LFO」が開発された。「ニルヴァーシュ」はスカブコーラルの恩恵を得て作られた存在であった。
関連用語
登場作品
Zシリーズ
- スーパーロボット大戦Z
- 概ね原作通りだが、違う点は多元世界が構成されたことで、スカブコーラルの大地は取り除かれて、約束の地と呼ばれた本来の地球が現れたこと。オレンジは地殻貫徹弾でなく時空振動弾とされ、それを提供したのはジエー・ベイベルである。多元世界が構成されたことで、スカブコーラルと共に地球の次元境界線が安定していないため、ZEUTHはUNによって多元世界の成り立ちを伝えて「人類の意思の統一」を図る。統一された意思をトラパーにより運び、νガンダムの「サイコフレーム」によって大特異点に集中、世界を修復・安定させようとする。そのためにはスカブコーラルも多元世界の安定を望む必要があり、代理司令クラスターとなったエウレカとレントンの告白によってスカブコーラルとの対話も果たした。
- 多元世界の修復を望まぬジ・エーデル・ベルナルが現れて妨害を図るが、レントンとエウレカとニルヴァーシュも協力してジ・エーデルを倒す。しかし、戦いの余波とエウレカが離れたことで代理司令クラスターが不安定となり、次元境界線が安定しなくなったが、アクエリオンに搭乗したアポロとシリウスと頭翅による「無限合體拳」により代理司令クラスターの活動を安定させた。これにより多元世界のスカブコーラルは人類と対話し、無事に別世界へと旅立った。