カロ=ラン・ヴイ

2016年11月4日 (金) 15:24時点におけるケニー (トーク | 投稿記録)による版 (→‎名台詞)

概要

フューリア聖騎士団の裏方として、情報収集や暗殺などの隠密任務を遂行する「諜士」たちの長。 彫りの深い顔立ちと鋭い目つきが印象的な禿頭の男で、諜報活動は元より機動兵器の扱いには騎士以上のレベルで熟達している。また、幹部である「士長」に位置する為、騎士以外で専用のラフトクランズを与えられている。

筋金入りの現実主義者かつ利己主義者で、騎士の誇りや民を重んじるフューリー全体の方針そのものに反感を募らせており、いずれグ=ランドンに反旗を翻して実権を掌握し、ゾヴォークバルマーに取り入ってそれら全てを支配するという野心を持っていた。

グ=ランドンが自らの目的のために動く裏で、自身もまたいずれ来る反旗の時に備えて動き回り、グランティードの奪取やダ=ニーアの謀殺など表向きはグ=ランドンに組する形で暗躍。 さらに手駒として、騎士団を放逐されたジュア=ムを拾ってクストウェル・ブラキウムを与えた。

鋼龍戦隊の侵攻に際しズィー=ガディンの起動の時間を稼ぐためという名目で前線に出る。 それでも戦隊の進撃を止めるには至らず敗北するも、刻旅の杜を人質に時間を稼ごうとする。が、復仇に燃えていたトーヤはブラフと断じて聞く耳を持たず、いよいよ進退窮まり撤退しようとする。

が、その瞬間に背後からズィー=ガディンの攻撃を受けてコックピットを貫かれ、皮肉にもエ=セルダに対して行った不意討ちを自身が受ける形で死亡した。

登場作品と役柄

OGシリーズ

スーパーロボット大戦OG ムーン・デュエラーズ
初登場作品。物語序盤でアシュアリー・クロイツェル社の月支部への攻撃をソ=デスに命令し、エ=セルダことセルドアに瀕死の重傷を負わせた張本人として扱われており、トーヤにとっては父親の仇となっている。声優が声優なだけに、に続いて「名有りの島田兵2号」と呼ばれることも。

パイロットステータス設定の傾向

諜士長という肩書き以上の実力を持つ。追い詰めるほど実力を発揮してくる。

精神コマンド

OGMD
直感加速偵察集中鉄壁かく乱(ツイン)
いかにも諜士らしいラインナップ。火力を上げる精神コマンドが無いのは不意討ちや闇討ちを得意とする故か。

特殊技能(特殊スキル)

指揮官L3底力L7援護攻撃L2連続攻撃L3見切り気力+(ダメージ)

固有エースボーナス

反撃時に与える最終ダメージ+20%
更にアビリティ「反撃」をもつため、事実上25%のダメージアップとなる。

人間関係

シャナ=ミア・エテルナ・フューラ
主君。しかし彼女に対して叛意を抱いているだけでなく、グ=ランドンと違い危害を加える事にも何の躊躇も無い。
グ=ランドン・ゴーツ
総代騎士。彼と結託して暗躍していたが、野心を見透かされており最後には切り捨てられた。[1]
ダ=ニーア・ゲルト
宰士長。シャナ=ミアの出奔を機に利用価値無しとなった事で、彼を始末した。
ソ=デス・ズォー
直属の部下。
ジュア=ム・ダルービ
騎士団を放逐された彼を諜士として取り立てた。ただ拾われた彼は「捨て駒」でしかなかった。
エ=セルダ・シューン
聖禁士長。グランティードが持ち出された際のゴタゴタで不意をついて彼に致命傷を与えた。
トーヤ・シウン
エ=セルダの死の原因であるため、彼から父の仇と狙われる。

名台詞

「攻めに出れば、守りに隙が生じるのは必然」
汎用戦闘台詞。彼のカロクアラはクローシールドを両腕に付けた機体であり、攻防一体の武器によって守りも徹底しているのは慎重な性格の表れか。ただし前述の通り、最期はガウ=ラ内での戦闘において味方に「背後」という隙を突かれ死亡してしまう。
カロ=ラン「確かに、容易く使える代物ではないが……貴様ら騎士の理は、我ら諜士には関係なきことよ」
アル=ヴァン「だから、背後から撃つのも厭わぬと?卑怯な……!」
カロ=ラン「耳に心地良いぞ。貴様ら騎士は、優位の時にそのような台詞を吐かぬ。敗れる時、死ぬ時になって初めて、敵を卑怯卑劣と罵るのだからな」
冒頭のイベントにてエ=セルダに不意討ちで致命傷を与えた時のやり取り。目的の為なら手段を選ばない諜士の性質と、冷酷な彼の人間性がよく分かる台詞である。
なお後半の台詞に関してはピンチになった途端に本性を剥き出しにする輩はスパロボにおいても数え切れないぐらい存在する為、何とも言えない。
(フッ……所詮、貴様は捨て駒よ)
第44話「冷たい世界(前篇)」にて、ジュア=ムを奮起させる為に次期諜士長の座と家族の件をチラつかせて出撃させた直後に心中でこう呟く。彼にとってジュア=ムはズィー=ガディンが起動するまでの単なる足止め役に過ぎない。
なお、この台詞と本人の性格から察するに万一ジュア=ムが鋼龍戦隊を返り討ちにした所で、次期諜士長の座どころか即座に切り捨てられていた可能性すら否定できない。ただしこの台詞、実はカロ=ラン本人へのブーメランにもなっていた。
「フューリーを誤った方向へ導こうとする者に君主の資格はない」
「我らは、その気になれば、とっくの昔に地球を支配していた。それがどうだ?」
「冷たい衛星の地下に籠り、ヴォーダの門の防人となって幾星霜……何故、地球人より優れた我らが、そのような目に遭わねばならぬ?」
第45話「冷たい世界(後篇)」の冒頭にてシャナ=ミアに語った自らの本心にして皇家に背いた理由。
フューリーの視点において「自分達は地球人より優れている」という思い込みを除いては概ね正論であり、この事実だけはシャナ=ミアも言い返せなかった。
ただし、その時にフューリーが地球を制圧していた場合、ヴァウーラ以外にも(少なくとも)地球人のルーツと関係があるアインストバラルと戦う羽目になっていただろうが。
「フューリーの純血と皇家の存続、騎士のプライド、民の救済などに拘るから、行き詰まるのだ。我らが生きる場は、地球以外にいくらでもある。ゾヴォークバルマー……まずは大樹に依り、いずれ中から食い破れば良い」
同話にて語った自らがフューリーを掌握した後の計画の概要。ゾヴォークはともかくバルマーに身を寄せた所で、カロ=ラン如きではあの霊帝どころかその代理ですらどうにか出来るとは思えないのだが…。
「がっ!?グ……グ=ランドン……!?」
同話での撃墜後のイベントにて。いよいよ窮地に追いやられ、頑なに使おうとしなかったラースエイレムを起動させようとするも、グ=ランドンに背後からの一撃を受ける。
どうもこの瞬間までグ=ランドンが自分を切り捨てる筈が無いと高を括っていた模様。他者を駒として暗躍していた彼も、前々から自身の魂胆を見透かされていた事、そして自らもまた捨て駒でしかなかった事に愕然とするも、全ては遅かった。

搭乗機体

ラフトクランズ・カロクアラ
カロ=ランの専用機で、諜士団が保有する唯一のラフトクランズ。
威力偵察用にカスタマイズされている他、騎士の機体ではない為「騎士機」とは呼ばれず、ソード・ライフルを持たない代わりにクロー・シールドを両腕に装備している。

余談

  • カロ=ランの声優である島田敏氏は前作でコンターギオを演じており、二作品連続で敵組織の幹部を演じた事になる。
    • ただし所謂「イロモノ」キャラであったコンターギオとは違い、カロ=ランはパプテマス・シロッコのように冷徹な低い声で演じている。

脚注

  1. シャナ=ミアやエ=セルダに刃を向けたことで、「一度主君に刃を向けた者は二度目を躊躇わない」と警戒されていた。