概要
物語開始から15年前の西暦2287年にはAEUのメカニックチーフを務めていたが、親友で医師のモレノと共に偶然ガンダムを目撃をした事でソレスタルビーイングにスカウトされ、その一員となった。このためクルーの中ではCB最古参の一人であり、フェルト・グレイスの両親の死について知る数少ない人物でもある。在籍の長さもあって数多くのガンダムの開発に携わっており、CBの影の立役者とも言える。
気さくな性格の持ち主であり、「カッコよくないメカは勝てない」という持論を持つ。
『1st』ではガンダムが地上で行動することが多かったため、整備や補給・データ収集のため共に地上に降りていることがほとんどだった。『2nd』では第11話にて負傷してしまうが、第14話にて復帰している。『劇場版』では妻のリンダ・ヴァスティと共にダブルオークアンタの開発と調整作業を行っていた。最終決戦時にはリンダと共にELSに取り込まれそうになる。この時、泣きじゃくる娘のミレイナ・ヴァスティに対して、妻と共に笑顔で手を振っていた。しかし、ELSに取り込まれる前に、刹那・F・セイエイがELSとの対話に成功したので、夫婦共に間一髪で助かった。
登場作品と役柄
Zシリーズ
- 第2次スーパーロボット大戦Z破界篇
- 初登場作品。今作でのメカニック枠だが、出番は少ない。
- 第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
- 破界篇から引き続きメカニック枠。コロニーとCBのガンダムに隠された秘密について調べたり、ダブルオーライザーに関してカミーユから相談を受ける場面があるなど破界篇よりも出番が多い。なお、「ツインドライヴ」のダブルオーガンダム初出撃場面での刹那とのやり取りである変更が。
- 第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
- 第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦UX
- 長らくダブルオークアンタの開発に徹しているため、メカニック枠としての出番は少ない。しかし、妻との年齢差については劇場版からの登場なのにしっかり突っ込まれる。
- 今作ではクアンタムシステムの調整をしているため、クアンタムバーストは使うなと刹那に散々釘を刺していたが見事に発動されてしまうという損な役割を負うハメに。試金石だったので仕方ないが、心労いかばかりか。
- スーパーロボット大戦BX
- クアンタの開発に加えメカニックとしてはウリバタケが居る為か、UX同様に出番は少ない。
- しかしこちらではアレルヤの発言で第1次星間大戦の当事者として、ジェフリー艦長、フリットと並んで名が出ており、壮絶な時代を生き抜いてきた事がうかがえる。
単独作品
人間関係
- リンダ・ヴァスティ
- 愛妻。イアンとは不釣合なほど美人な上に、なんと25歳もの歳の差がある事に沙慈とアレルヤはそれぞれツッコミを入れた。
- ちなみに、迫ったのはなんとリンダの方からであったらしく、男達からすれば羨ましい話である。
- ミレイナ・ヴァスティ
- 娘。『2nd』からトレミーに乗艦。イアンのメカニックとしての腕前は、彼女にも受け継がれている。
- なお、2nd時点で14歳であるため、なんとリンダが18歳でイアンが43歳の時に生まれている事になる。
- ロックオン・ストラトス、ラッセ・アイオン
- 「おやっさん」と呼ばれ親しまれている。
- アレルヤ・ハプティズム
- 『2nd』にて、リンダの若々しさから「犯罪ですよ」と突っ込まれる。
- JB・モレノ
- プトレマイオスの船医でイアンとは旧知の仲。1st終盤の国連軍との最終決戦時にモレノが戦死した際には、彼の死を悼んだ。
- ルイード・レゾナンス、マレーネ・ブラディ、シャル・アクスティカ、ハナヨ
- 外伝の登場人物で、第2世代ガンダムマイスター。彼らとも知り合いである。ルイードは命の恩人でもある(本来はガンダムを目撃したため口封じに『処分』されるはずだったところを、無益な殺生を嫌うルイードのとりなしで、CB加入を条件に命拾いした)。スパロボ未登場。
- シェリリン・ハイド
- 弟子。尊敬されている。外伝登場で、スパロボ未登場。
- 沙慈・クロスロード
- 色々と面倒を見ており、人生の先輩とも言える立場である。
他作品との人間関係
- 厚井鉄男、リーロン・リットナー
- 『第2次Z』における、メカニック仲間。
- カミーユ・ビダン
- 『第2次Z再世篇』にて、ダブルオーライザーと刹那に関してある相談をされる。
- トロワ・バートン、C.C.
- 『第2次Z再世篇』にて、「ミレイナが父親に似なくて良かった」と言われてしまう。とはいえ、イアン自身も愛娘が美人である妻に似てくれた安堵があるのか、そのように言われても「微妙に怒れん」と複雑そうであった。
- シン・アスカ
- 『第2次Z再世篇』にてリンダを紹介した際に沙慈とアレルヤに続き、さらにツッコミを入れる。
- ドクターJ、プロフェッサーG、ドクトルS、H教授、老師O
- 『第2次Z再世篇』にて、かつて彼らとは同志であったことが判明する。なお、イアンは彼ら五博士に対して敬語で話すため、当時も五博士のほうが立場は上だった模様。作中でもトールギスが技術者としての目標だったことが語られる。
- 大十字九郎
- 『UX』では彼に初対面で「犯罪」呼ばわりされる。
- ……しかし、よりによって見方次第ではイアンより遥かに危ない彼が指摘するというのが何とも言えない点。
- タクヤ・イレイ
- 『第3次Z天獄篇』において、ソレスタルビーイングのガンダムのメンテも任せる。追加武装の組立や、終盤ではダブルオークアンタの最終調整を任せるに至る。『BX』でも共演。
- アマノ・ヒカル
- 『BX』では、原作やスパロボで散々突っ込まれたリンダとの年齢差について「アリ、だね!」と肯定的に見てくれていた。
- ウリバタケ・セイヤ、ロディ・マッドーナ、ウットビット・ガンヘイル、アイシャ・ブランシェット
- 『BX』で共演したメカニック達。タクヤも加えてバーサル騎士ガンダムの鎧の打ち直しなどで協力した。
名台詞
- 「わかっとるさ。ワシらは犯罪者だ。報いは必ず受ける」
- 2nd第4話にて沙慈との会話より。漂々とした年配者の印象のイアンだが、自分達が世界から見れば「稀代のテロリスト」であるという、しっかりとした自覚があった。
- 「頼むぞ…。命を守れ!」
- 2nd第17話より。衛星兵器メメントモリの破壊に向かう刹那に同行することを決めた沙慈に贈った言葉。
- なお、イアン役の声優である梅津氏は、この台詞が印象に残っていることをインタビュー記事にて語っている。
- 「刹那! トランザムは使うなよ!」
- 主にダブルオーがまだ実験段階の時に発言している。しかし、刹那は大抵この言葉を無視してトランザムを使用するパターンが多い(一応、使わなければならないほど追い詰められた状況である事も多いのだが)。
- そのためか、ネット上において上記の台詞のあと「わかった! トランザム!」と即答するコピペが流行ってしまっている。UXにおいては、仕方ないとは言え更に酷いことになってしまう。
- 「諦めるのはまだ早い!」
リンダ「最後の最後まで信じましょう!」
ロックオン「その通り! 俺たちは! ソレスタルビーイング!」
アレルヤ「切り開くんだ!」
マリー「未来を!」
アレルヤ「明日を!」 - 劇場版での台詞。ELSの侵食を受けたプトレマイオス2改の退艦命令を出したスメラギに反論したフェルトの意見に賛同して。
- こうして、ソレスタルビーイングメンバーの意見を聞いたスメラギは、あえて全員で艦に留まることを決断した。
迷台詞
- 「ワシはそのままの方がいいなあ」
- 2nd第4話エピローグより。寸法の合わないソレスタルビーイングの制服を着て赤面するスメラギを見た時の感想。イアンの色好みなオヤジの一面を表現した迷台詞。
- ちなみに、娘のミレイナは、そんな父親の意見に対して「セクハラです! パパ!」とコメントしている。
- 「ワシの嫁だ」
- 2nd第10話より。自分とは不釣り合いな美人の妻、リンダを見て驚愕したCBメンバーに対して。この後「若い」、「犯罪ですよ」と突っ込まれる羽目に…。
- 『第2次Z再世篇』ではそれらに加えて「何かが間違ってる!」と言われてしまう…。
- 「何じゃこりゃああああああああっ!?」
- 2nd第14話にて。メメントモリ攻略戦の間負傷して医務室で寝ていたため、戦闘後にダメージを追ったトレミーが地球に下りたことに気づかず、目が覚めてみれば艦に穴が開いており、そこから大自然が見えていたことに驚愕する。
- ちなみにノベライズ版によると、上記のトレミーのダメージがもう数メートルずれていたら医務室にいるイアンごと大穴が開いていた。
スパロボシリーズの名台詞
搭乗機体・関連機体
- ソレスタルビーイング所属の機体全般、プトレマイオス、プトレマイオス2
- 新型の開発と設計・整備・追加装備などの開発を担っている。
- オーライザー
- 大森氏が執筆したケロケロエース版ではオーライザーに搭乗し出撃する場面がある。
- ガンダムサンドロック改、ガンダムヘビーアームズ改
- 『第2次Z再世篇』ではキラ達と共にこの2機の改修を行う。
余談
- 原作では1stと2ndの間は4年間だが、Zシリーズにおける『第2次Z破界篇』と『第2次Z再世篇』の間は数ヵ月間になっている。そのため妻が娘を産んだ歳が原作の18歳から4年さかのぼってしまうことになり、ファンから「スパロボにおけるおやっさんは完全に犯罪だ」と指摘されることもある。……原作よりも歳の差が縮まっていると考えておくのが無難であろう。
- 実際この件は『第3次Z天獄篇』でのミレイナの発言と、上述の期間の問題でユーザー間でもネタにされていたが、Zシリーズのスメラギは『第2次Z破界篇』(原作1st)の時点で原作よりも歳を食っており、『第3次Z天獄篇』の時点で33歳。つまりリンダは34なので、ミレイナが生まれたのは彼女が16~17歳の時である。いずれにしても原作より遡っているのは確かだが。
- 水島精二監督によると、イアンは2nd第11話で負傷した際に退場(=死亡)する予定だったという。だが仮に彼が死亡したら、ソレスタルビーイングの後継のメカニックは、一民間人の沙慈や娘のミレイナといった若年者が担当することになってしまう。結局、彼等では荷が重いと判断し、イアンを生存させることに決めたという経緯がある。