テイニクェット・ゼゼーナン(Teiniquet Zezeenan)
ゲストによる「地球文明抑止計画」の指揮官。この計画を利用して地球の強大な軍事力を独占し、本国での地位を得ようとした。
地球人に対して極端なまでの偏見を持っており、「猿」「下等生物」呼ばわりする等、その価値を一切認めようとしなかった。その夜郎自大に極まりない振る舞いは、敵どころか、味方にまで反感を抱かれたり軽蔑されたりしているが、本人にその自覚はあまりない。指揮官としてもパイロットとしても優秀とは言えない俗に言う「無能」な男で、終始尊大な態度ばかりが目立っている。
南極事件の際には、筆頭書記官としてゾヴォークと地球の調印式に参加。地球側に提供した、ブラックボックス化された特異点(ブラックホールの中心に存在するもの。後にグランゾンに搭載される)に密かに細工を施し、地球に次々と戦乱が起きるように仕向けていた。なお、この行為は、ゾヴォーグでは完全に違法行為なものであったとされている。
登場作品と役柄
旧シリーズ
一応黒幕ともいえる存在なのだが、作中ではこれと言ってプレイヤー陣営を戦慄させるようなイベントはなく、地球人を見くびっては一泡吹かされる役回りばかりを演じており、どこか不遇な扱いな感が否めないキャラである。
- 第4次スーパーロボット大戦
- ラストボスで、精神コマンド「激怒」が効かない。シュウと戦う選択をした場合、ネオ・グランゾンに瞬殺される。なぜか性格も「弱気」。
- バラン・シュナイル自体は強い筈なのだが、上記で説明された通りの小物な言動、ネオ・グランゾンに瞬殺される、性格が「弱気」な点に加えて地中から接近した真ゲッターとドリルスペイザーと合体したグレンダイザーによって1ターンで瞬殺可能なのが小物振りを強めている。
- ちなみに、キャラクター事典には「部下たちには優しい一面もある」という記述があったが、ゲーム本編中の描写ではそのような一面は見られない。
- 第4次スーパーロボット大戦S
- 基本的には第4次と同じだが、最終面のイベントが変更されており、初期配置の敵を全て倒さないと戦うことができなくなった。
- スーパーロボット大戦F
- 顔出し程度の登場。
- スーパーロボット大戦F完結編
- ラスボスの座をシャピロやシロッコに奪われてしまうが、乗機の性能が第4次時代とは比較にならないほど強くなっているので注意。性格は「普通」になり挑発でおびき寄せる事も出来るようになった。
OGシリーズ
- スーパーロボット大戦OG ディバイン・ウォーズ
- 南極での会見でちらっと登場し、ファンを驚かせた。これにより、OGシリーズでも旧シリーズのようにゲスト(ゾヴォーグ)が地球に関わっていることを示唆したことになる。
- スーパーロボット大戦OG ジ・インスペクター
- ウェンドロとメキボスが南極事件について会話する場面で回想で登場するのみ。
- 第2次スーパーロボット大戦OG
- ゲストの首魁として登場。声優は最低野郎を演じた広瀬正志氏に交代している。今作では虚栄心の強い面も描かれ、シュウ・シラカワの手引きで鋼龍戦隊やガイア・セイバーズと対面する事になった際は、司令官という立場な上にパイロットとして特に優秀ではないにも拘らず、わざわざライグ・ゲイオスに搭乗して自ら出撃するという、つまらない見栄を張っており、護衛を任されたセティからは、むしろ迷惑がられていた。
- 二度対決する機会があるのだが、どちらも小物感を露呈する結果に終わる(仮にも首魁にも関わらず性格が「超強気」な辺りにも、小物臭さがにじみ出てしまっている)。二度目に至ってはルイーナやバラルといった人知を遥かに超越した敵と散々やり合った後なので「もっと強い奴が出てきてもいいのに」とか散々な事を言われてしまう。そして「F完結編」同様、メキボスの提案を蹴った為に三将軍に離反される。
- 実は「テーマ曲、主題歌が常時流れ続けるボス」の中では一番最初に登場するのだが、分岐中での対峙である上、そのルートにトロンベがいないため、BGMがトロンベよりも優先されていたかどうかは不明である。
パイロットステータス設定の傾向
能力値
意外にも旧作品ではゲスト三将軍やメキボスとほぼ変わらない能力値。特にニュータイプ等の能力値の補正が存在しない4次ではなかなか優秀なパイロットなので、ラスボスとしての面目はかろうじて保ってると言えよう。
しかしOGにおいては終盤のボスとは思えないほど低い能力値で、格闘・防御に至っては200に届いていない。命中・回避は高水準だが後が追い付かず、技量も低いため再攻撃が容易に発動する。シュウの評する通り恐れるに足らない敵で、折角の高性能機体であるバラン・シュナイルも、完全に宝の持ち腐れ状態である。
実は初期能力はユーゼス、ペルフェクティオに比肩するほど高いのだが、成長タイプが「射撃系・成長限界型」であるため、自軍と相対する高レベル時には伸びしろがなくなっているのがその原因。
精神コマンド
パイロットステータス設定の傾向
精神コマンド
- 第4次(S)
- ド根性(最終面のイベントでのみ使用)
- F完結編
- 根性、ひらめき、熱血、挑発、ド根性、自爆
- なぜか自爆を覚えている。このことが第2次OGで意識されたのかどうかは不明(後述)。
- 第2次OG
- 必中、不屈、鉄壁、ド根性、熱血、強襲(ツイン)
- 典型的な受け型スーパー系のラインナップ。
特殊技能(特殊スキル)
- 第2次OG
- 連続攻撃L3、底力L7、ガード、気力+ (撃破)、指揮官L4
- 「気力+」は余程油断しなければ発動せず、指揮官もバラン・シュナイル搭乗時には周囲に友軍がいないために意味を成さない。とことんツキに見放された男である。ただし、機体性能と地形効果、底力とガードのおかげでしぶといことはしぶとい。火力不足だと詰むこともあるので、そこはゲスト三将軍やシュウの立ち回り方がカギ。
固有エースボーナス
人間関係
- グロフィス・ラクレイン
- 部下。ただし彼は直属の部下ではなく、傭兵として雇っている。いずれは彼の実家であるデルファルテ家の名を利用するつもりだったらしい。
- ゼブリーズ・フルシュワ
- 部下。内心では呆れられているが、仕事上という理由で表向きは忠実に従われている。
- ジュスティヌ・シャフラワース
- 部下。ゼブ同様に、内心ではあまり好感は持たれていない。
- メキボス・ボルクェーデ
- ゾヴォーグの枢密院特使。地球との戦争をやめるように呼びかけられるも、ゼゼーナンは聞き入れなかった。
- シュウ・シラカワ
- 南極事件の現場にいた時からの因縁。何者にも利用されず束縛されない事を最も尊ぶ彼は、ゼゼーナンによってグランゾンが地球に混乱を起こす道具としていいように使われた事が許せなかった。ヴォルクルスの呪縛を離れた後、ゼゼーナンに復讐を目論む。旧シリーズでは単身、OGシリーズでは鋼龍戦隊と共に対峙。
- ニブハル・ムブハル
- どういう事情かは知らないが、彼の命を救っているらしい。
- クェパロク・ナーモ
- 以前から懇意にしているゾヴォークの戦争商人でゴライクンルの一人。彼を通じてロフを傘下に引き入れた。最終的には失態続きにより見限られる。なお、彼も後にシュウによって抹殺されている。
版権作品との人間関係
名台詞
旧シリーズ
- 「メキボス! 下等生物などに感化されおって!」
- ゼゼーナン唯一のDVE。OGシリーズではメキボスに対する特殊セリフとして採用。
- 「知っているか!? こやつらは何千、何万という生物の種を、絶滅に追いやっているのだぞ! 銀河法に照らし合わせれば、極刑に値する!」
「それだけならまだしも、こやつらは同じ種の仲間をも下らぬ理由で根絶やしにした! そのような下等生物に、生き延びる価値などない!!」 - ゼゼーナンを象徴する台詞のひとつで、ウェンドロと同様の見解。
- 「見よ! この力! これこそ、私が全宇宙の支配者となるべく定められた証!! ふははははは!!」
- どんな名分をかざしても、結局本心はこれ。尤も、彼如きが全宇宙の支配者になれるのならば、スパロボのラスボスは全員が全宇宙の支配者になれそうである。ちなみに、彼を利用したシャピロ・キーツも似たような考えの持ち主であるが、ゼゼーナン程身の程知らずではない。
- 「バ、バカな!なぜだ!? こんな下等種族に…この私が…そんな…バカなぁぁぁぁぁっ!!」
OGシリーズ
- 「猿共全ての練度が、そこまで高いとは思えん。 いくら連中が闘争心に長けた生物であってもな」
「事前に情報が漏れていたのだ。それ以外に考えられん。 ……まさか、お前達ではあるまいな?」 - 第24話「地球を護る剣」において、第一波の攻撃が失敗した事を受けて。この時点でセティからは嫌悪感を抱かれている。
- 「己の国すら一つにまとめられぬ愚かな種族を我々が導いてやろうというのだ。ありがたく思え」
- 第44話「特異点崩壊」より。自分達も派閥争いしている事を忘れているのではないだろうか? その辺りに関しては決戦時にメキボスからも指摘されている。
- 「私は、かつて地球へ赴いた時、その歴史を調査した……驚いたよ、ここまで愚かな種族がこの銀河系に生存しているとはな」
「知っているか? 貴様らは何千、何万という種をわずかな期間で絶滅に追いやっているのだぞ」
「星間連合種保存法に照らし合わせれば、無期刑に値する。そのような下等生物に、自治権を認めるわけにはいかん」 - 宇宙ルート第57話「激震の白い大地」より。バルマーとゾヴォークが敵対しているためか『銀河法』が『星間連合種保存法』に変更され、口調と発言の内容がややマイルドなものになっている。(『極刑』→『無期刑』、『生き延びる価値はない』→『自治権を認めるわけにはいかない』)。確かに何千何万という種を絶滅に追いやったのは一理ある指摘ではあるが、地球側の法律を棚上げし自分の星の法律を適用して侮辱している地点で、やってることは価値観の押し付けである。
- 「お、覚えておくがいい、メキボス! 貴様も枢密院も、私の計画を阻止した事を後悔する日が必ず来る!」
「いいか、地球は間違いなく銀河の病巣だ! 今のあの星を見ろ! 人外のモノ共に蝕まれている!猿共だけではない! 地球から発せられた災いは、必ずや銀河を覆い尽くす!!あの星は呪われているのだ! 災厄の源なのだ! 必ず、必ず後悔する日が来るぞ! 必ずな!!いずれ、貴様らも私と同じ運命を辿る!! 悔いろ! 悔いろ!! 悔いるがいいぃぃぃ……!!」 - OGシリーズにおけるゼゼーナンの本心にして最期の台詞。色々な意味で小物感が強調されていたゼゼーナンも、最期の最期は自分のスタンスだけは全く曲げておらず、命乞いをする事も死に恐怖する事も無く、プライドの高さに恥じぬ大往生を遂げた。プレイヤーからはこの点を評価する声も見受けられ、メキボスも「散り際だけは潔かった」と評している。実際、遺言とは対照的に死に様の方は彼にあるまじき大物然としたものだったことは否定できない。また、結果的にゼゼーナンの計画の明かされていない暗部を持って行ったまま死んだため、メキボスはゾガルが後々の追及を受けて不利にならないように自爆したのかもしれない可能性を思い浮かべていた。
- その内容にしてもアインストやダークブレインの事を考えると間違っているとも言い切れない台詞でもあり、事実ゼゼーナン打倒後にヒリュウ改と共に地球へ降り立ったメキボスは、その災いの一端を目の当たりにすることになる。だがまさか自分達の足元に別の災いが眠っていたとは、この地点では誰も知る由は無かった…。
- なおバラン・シュナイル自体はゼゼーナン自身が自爆装置を起動させたことによって爆散するのだが、F完結編での彼は何故か精神コマンドに自爆を持っており、これを意識したネタなのかどうかは不明。