次元獣(Dimension Armed Monster)
『第2次スーパーロボット大戦Z』に登場。数年前から多元世界に現れだした別次元の生命体。通称「DM(Dimension Monster)」。
次元震の発生に伴って出現し、無差別に破壊活動を行うため「第一級災害」として扱われている。その正体は、破界の王ガイオウが操るゲールティランによって次元獣化(ヴァイオレイション)された人間および機動兵器のなれの果てである。ガイオウがいる間は統率のとれた行動をしていたが、そのガイオウが消えた後は見境ない破壊活動に戻っている。
聖インサラウム王国に遺された個体は、アンブローン・ジウスの手によって制御装置を取り付けられ、王国の戦力として運用されている。元はアークセイバーであるため、ユーサー・インサラウムは使用に否定的だったが、深刻な戦力不足だったのとアンブローンの強引な説得により、「王国のために戦うのならば」と渋々許可した。後にアンブローンは次元科学の研究を進め、ガイオウのそれを再現した「人造リヴァイヴ・セル」を開発。インサラウムが生み出した「人造次元獣」の再開発に成功している。
前述の通り元々は人間&機動兵器のはずだが、「次元獣」と呼称されているだけあって外見や攻撃方法、鳴き声などはもはや恐竜(あるいは怪獣)のそれであり、ロボットらしさはほとんど伺えない。また、使用する武装の名称が妙に安直なのも特徴である。
再世篇における最終局面で記憶を取り戻したガイオウ曰く次元獣を「戦利品」と評したが、これは恐らく来るべき災厄への対抗戦力を指していると思われ、インサラウム人を次元獣にしたのはガイオウの「戦いからの逃避(本人は災厄に立ち向かい、敗れた)」の遠い言い回しなのかもしれない。
登場作品
Zシリーズ
- 第2次スーパーロボット大戦Z破界篇
- 初登場作品で、以下の「#ガイオウ旗下」に挙げる全ての次元獣が登場する。操縦者は機体と同一の「次元獣」名義。ブルダモン以上の機体(個体?)はバリアを標準装備しており、生半可な攻撃は無効化されてしまう。そのうえ次元獣は早い段階から底力を持つため、上位機体のHPを半端に削ったりするとそれなりに強い攻撃すらも弾いてしまうことも。また、同様に上位個体は早い段階で見切りを持つため、鈍重そうな外見に反して意外と避けることが多く、またこちらへの攻撃命中率も高いという「耐える・避ける・当てる」の三拍子が揃っている。出番が多い上に大抵の場合一度にウジャウジャ出てくるという、「嫌な敵の条件」をほぼ全て兼ね備えた難敵である。能力値の伸びが特殊で、特に技量は著しく高く、故に再攻撃が発動しにくいのも厄介である。
- なおパイロットとしての扱いはあくまで「名無しの雑魚」であるため、経験値の基本値は大ボスクラスの個体であっても低め。それでも数が多い・手間がかかる・リターンは少ない、とますます以って嫌な敵である。
- 第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
- 新たに「制御次元獣」なるものが登場する。頭部にバイザーのような装置が被せられており、顔グラフィックもそれに合わせて変化している。聖インサラウム王国の戦力であり、アンブローン・ジウスの次元科学によって制御された次元獣である。また中盤からは、ガイオウのそれをモデルとした人造リヴァイヴ・セルにより、「人造次元獣」が登場している。序盤からガンガン登場する上に性能が上がる一方のため、相変わらず嫌な敵。
- 制御次元獣は破界篇と比べて防御面が弱体化し、D・フォルトも消えた。人造次元獣、および最終話でガイオウの取り巻きとして出てくる「真次元獣」はきっちり持っているが、相変わらず無効化系なので大火力でブチ抜けば問題ない。ただしタフさは前作以上。武装名はランクが上がるごとにまともになっていき、真次元獣は恐らく本来のものと思われる名称になっている。
次元獣の種類
ガイオウ旗下
「DAMON」にカテゴライズされる個体は全て完全体への移行段階であり、次元将の力を受けることで真次元獣へ変わる。
- 次元獣ダモン
- 次元獣における最下級の個体。次元獣の正式名称「Dimension-Armed MONster」の頭文字から取ってダモンと呼称されている。インサラウムも同様の名称を使用しているが、これは名づけ元であるエーディック研にもたらされた情報がアイム・ライアードから情報を得ていたカルロスであるため。力の持たない人間、あるいは次元獣化(ヴァイオレイション)の過程によって不具合が起きるとこの姿になる。次元獣としては不完全であるため、通常空間では長くても10分しか存在できず、消滅してしまう。
- 次元獣ブルダモン
- 当初は「ダモン(角付き)」と呼称されたが、のちにブルダモンという名が与えられた。ダモンとは異なり通常空間でも消滅することはない。また、ブルダモン以上の次元獣は「D・フォルト」と呼ばれるバリアを備えている。再世篇で現れる制御次元獣は頭部に機械パーツが追加されており、そのせいか性能が低下している。なお、他の制御次元獣としてのライノダモン、ディノダモンも同じ特性を持つ。
- 次元獣ライノダモン
- インサラウムの準騎士に相当する人間とその機体が次元獣化した姿。
- 次元獣ライノダモンMD
- 体色が白く変化したライノダモン。「モビーディック(白鯨)」のコードネームがつけられている。マルグリット・ピステールの弟シェーヌと乗機のジェイドルーンがヴァイオレイションした姿でありマルグリットはこの次元獣を常に気にかけている。
- 次元獣ディノダモン
- インサラウムの王宮警護騎士アークセイバーとその機体が次元獣化した姿。
- 次元獣リヴァイダモン
- インサラウムにおける戦略兵器、それに搭乗した戦士たちが次元獣化した姿。
- 名称不明の次元獣
- OPデモに登場した次元獣。他の次元獣とは違い、飛行している。本編中は一度も敵ユニットとして登場しないが、リヴァイダモンの攻撃で登場している。ビームのような武装や、相手に突き刺さって自爆する事で攻撃する。
- ヴィシュラカーラ
- ガイオウが着座する超巨大次元獣。その圧倒的戦闘力はガイオウ自身に依るところが大きく、この個体自体の能力はリヴァイダモンレベル。上級次元獣にも関わらずD・フォルトを持たない。正体は次元将の戦闘支援ユニット。
人造次元獣
- 人造次元獣アダモン
- アンブローン・ジウスによって開発された次元獣。人造とは言っても、ガイオウの作り出した次元獣を解体・再構成して組み上げられたパッチワーク。正式名称である「Artificial Dimension-Armed MONster」の略称からアダモンと呼称されている。機械式の制御システムを組み込み、補助動力としてDECを使用している。自律性の乏しさが欠点だがパワーは抜群。
- 次元獣ダモン (エスター)
- 人造リヴァイブ・セルによってエスター・エルハスとブラスタEsが変化した姿。完全に次元獣化していないためか、エスター自身の意識も残っており、ゼロのギアスも効いた。最後は揺れる天秤のスフィアと尽きぬ水瓶のスフィアの共鳴により元の姿に戻った。
- 人造次元獣ルーク・アダモン
- 拠点戦闘用の人造次元獣。精神攻撃型のタイプ:サイキック、極小次元震動でピンポイント爆撃を行うタイプ:キャノン、強襲型のタイプ:アサルトが存在。
- 人造次元獣ギガ・アダモン
- 人造次元獣の完成型。人造リヴァイヴ・セルによって培養された人工筋肉とDEC、戦闘用バイオビーストの脳とDエクストラクターが組み合わされている。
- 人造次元獣エクサ・アダモン
- アンブローンが乗艦パレス・インサラウムごと自らをヴァイオレイションした姿。核となったアンブローンは自我が崩壊していたが、当人はインサラウムのため、ユーサーのために全て承知の上で次元獣と化している。
次元将ヴァイシュラバ旗下(真次元獣)
金色に輝く次元獣。次元獣の完全体であり、そのため真次元獣の名を冠する。
- 真次元獣ブルダモン
- 軍団の前衛。通常のライノダモンに匹敵する性能とされている。
- 真次元獣ライノダモン
- 突破力に優れた次元将軍団の中核。
- 真次元獣ディノダモン
- 他を圧倒する軍団の精鋭。なお、大図鑑では「リヴァイダモン級」と誤記されている。
- 真次元獣リヴァイダモン
- 軍団の指揮官に当たる。
次元将ヴィルダーク旗下
天獄戦争で新たに確認された個体=インサラウムが確認していない種類であるために「ダモン」の名称は冠しない。ヴィルダークの心の迷いが原因で完全な真次元獣化がされていない。
- 次元獣ヴァルナー
- ヴィルダークが率いる唯一の次元獣。
専用BGM
- 「DAMON」
- ライノダモンMD、ディノダモン、ギガ・アダモンでは強制BGMとして流れる。それ以外では第三軍勢力として敵勢力と戦闘になったときに使用される。リヴァイダモン、ヴィシュラカーラにおいては使用されない。
- 「多界侵蝕警報」
- リヴァイダモン、ヴィシュラカーラ初登場時、ルーク・アダモンで強制BGMとして流れる。
- 「禁断の魔獣」
- エクサ・アダモンの専用曲。
関連人物
- ガイオウ
- (怪物化とはいえ)創造主にして支配者。
- アンブローン・ジウス
- 人造次元獣を作り上げた科学者。最後は祖国のために自らをも次元獣と化した。
- アイム・ライアード
- ほぼ確実に嘘と思われるが、次元獣を自称したことがある。また、召喚術師よろしく次元獣を召喚・使役できる(ガイオウから指揮権を借り受けていたのか、スフィア・リアクターの事象制御の能力によるものかは不明)。
関連用語
余談
- スーパー戦隊シリーズの一つである1991年放映の特撮作品『鳥人戦隊ジェットマン』では、敵側の勢力「次元戦団バイラム」に所属するザコ怪人が「次元獣」(作中後半からは強化されて「バイオ次元獣」)と呼称されていた。現状では特撮作品のスパロボ参戦の可能性は皆無なので混同する恐れはないものの、既存の有名作品の用語と同一名称であるために、『ジェットマン』を連想する人も多いようである。