巨人族

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巨人族

魔装機神F』に登場した大型知的生命体。遥か太古の時代のラ・ギアスに文明を築いた種族であり、『EX』の頃から伝説の存在として名前だけは登場していた。余りにも古い時代の存在であるため、伝承位しか資料が残っておらず、作中の人物達の口から上がるにしても僅かな知識を基に推測を披露する位であった。

種族としての特徴は、巨人という名前の通り非常に巨大な人型をしている事。確認されている固体は最低でも魔装機と同等かそれ以上のサイズをしている。また、サイズに見合った肉体の強靭さは魔装機との格闘戦を可能にし、光学兵器のような攻撃までしてくる。生身の生物とは言い難い鎧を纏ったような外見をしているが、作中人物達の台詞からすると機械ではなくあくまで生命体であるようだ。巨人族の王は自身らを『ハーカーム』と呼ぶ。

概要

二億年近く前、外界からクロスゲートを通ってラ・ギアスへと渡ってきた異世界の種族。意図せず辿り着いたその世界が外部からの干渉を受け付けない優れたシェルターとなりうる事に気付いた彼らは、来るべき「試練」から生き残るためにラ・ギアスを「閉楽園」と呼び自身らの住処とすることを決める。

彼らは「試練」に対抗する手段として、現地の住民であるラ・ギアス人に知性を与えてそれを統治し、強い力と意志を持つ存在として育て上げようとした。そしてその目論見通りに人間は成長していったが、やがて彼らは巨人族の想定以上にまで成長、自尊心や探究心に目覚めたことにより巨人たちに反旗を翻す。そして彼らが量産した機動兵器ゼルヴォイドたちの自爆特攻によって遂には滅ぼされることになってしまった。しかし巨人たちは滅びの際に強大な怨念を残しており、これが後のヴォルクルスを始めとするラ・ギアスを滅びに導く怨霊と化す。彼らの怨念は時間とともに力をつけ、かつてトロイアと呼ばれた55000年前のラ・ギアス大帝国がマグゥーキという召喚魔獣を使役した大戦で乱れた際、三邪神として地底世界に光臨。破壊の限りを尽くしてラ・ギアスを滅ぼさんとした。

邪神の降臨を招いたトロイア国民は3柱の怨念に関して完全に無防備であったため、当時の地底世界はまさに崩壊寸前にまで追い込まれたという。窮したトロイアの民は一人の女性を人身御供に束縛した結界で邪神を封印するなど強引な手段をとらざるをえなかったようだ。その後、本編の5000年前にあたる戦記の時代にも破壊神と調和神が降臨を果たしているが、この時代、人柱となった女性の身に何が起きたかは語られていない(三邪神が完全復活=封印が完全に解ければ楔となった人間も消滅するため、復活したのはあくまで分身体だと思われる。また、戦記の時代より遡ること200年前の記録にある「暗黒の100年」と呼ばれた時代に邪神が降臨していたかも不明)。

戦記の時代から更に時計の針が進んだ現在(新暦4959年頃)、封印の楔により身動きを封じられたヨーテンナイは邪神封じの結界を維持したまま外界に赴く自由を求めて「静死の棺」と名付けた計画を実行に移す。「静死」の到来したラ・ギアスは、ヨーテンナイと彼女の下僕の活動しか赦さぬ独善的な世界であるため、魔装機神操者及びシュウと彼女の対決は避けられぬものとなった(時系列的に第二章の「メモリアルデイ」から約半年ほど過ぎた日にあたる)。

王都ラングランの地下でヨーテンナイと「アンティラス隊」との間に戦端が開かれ、追い詰められた彼女はアストラル界から更なる力を引き出さんとした。そのとき活性化した「クロスゲート」という過去(三邪神がトロイアに降臨した時)になかった因子が混ざり、邪神たちの身に「怨毒の浄化」という自浄活動……ヨーテンナイも予期しえなかった不測の事態が発生して巨人族が蘇生してしまった。怨念の凝り固まった姿から本来の姿に転身を終えた巨人たちは、ヨーテンナイを指の一指しで葬ったあと、「教化」の能力を行使してラ・ギアス全土の人間を再び支配下に置こうとするのだった(混同されがちだが、三邪神は怨みの念の集合体であるため本来の巨人族にあった人も含めた世界維持への関心はない。あくまで世界を滅ぼすことにしか興味がない。3柱ともハーカームのネガティブな破壊衝動が顕現したものであり、別人格といえる。また、ヴォルクルスと契約を交わしている教団のものが巨人と交戦しても何も影響が無いため、巨人族と三邪神は別の存在として確立されていると思われる)。

巨人たちの「門を用いて」「門が通じていた」という言葉から、別の場所にあるクロスゲートから来たとも取れるが詳細は不明。少なくともクロスゲートを通じて来た異界の者であるが、クロスゲートについての知識は世界間を繋ぐ通り道程度としか認識しておらず、ラ・ギアスへは「宿命」や「因縁」を道標として辿り着いただけである(この表現からすると、恐らくクロスゲートを完全に制御できているわけではない)。そもそもあれだけの巨体と力を誇り、強力な魔術(超能力)までも使えるとなれば、クロスゲートをその身に取り込んで更なる強化を計るという弱者特有の発想は非常に生まれにくいと思われる。

Iの第二章「メモリアルデイ」で未来見達が予言した「半年から一年後、ラ・ギアスにとって脅威となる存在が出現する」というのは彼らの襲来の事を指す。約11年前に予言され、魔装機神たちが作られる理由となった「魔神」ではない(『魔装機神F』攻略本)。

教化
ある種の洗脳。魔術(魔法)で標的の遺伝子に干渉し、巨人族の教えを至高とする思考形態を構築する。フィリスの例を見る限り、遺伝子に打ち込んだ楔を通して被術者の意志に介入することも可能なようだ。
原理は不明だが教化を浴びた人間達は彼らが搭乗する魔装機と同調させられており、搭乗機の大破と同時に昏倒して植物状態に陥るラ・ギアス人が続発し、大戦後の社会問題に及んでいる。

登場作品

OGシリーズ

第2次スーパーロボット大戦OG
リューネルートの「ヴォルクルスの影」でヤンロンが彼らの伝説を語る。ヤンロンによれば巨人族の文明を伝える名残に「化石」があるそうだ(もうひとつがラ・ギアスの地下に眠る巨大な神殿の数々)。
スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神F COFFIN OF THE END
最後の敵勢力。ガエン、アンティラス、ウーフ、イスマイルなどのラ・ギアスの神話に登場する神々は、そもそも巨人族であったらしい。今作に登場する巨人族の名称には全て「ヘブライ語」があてがわれているが、脚本の設定にB.B.スタジオのスタッフが大幅に関与したため。初期シリーズにあった巨人族の設定からどのくらい変化が生まれたかはわからない。
個体として非常に強力なため、アストラル(精霊)界の影響を色濃く受けるラ・ギアス内ならば、死後も怨念の集積体として君臨出来るところがこの種族の最大の強みである。此度の戦乱では「クロスゲート」という莫大な栄養源が加わり「神魂還元」をおこして三邪神形態から転身して生前の姿を取り戻しているが…。怨念集積体と生体、どちらの姿が厄介なのかは一概に言えない。

主な巨人族

メルマッド・ラグリー
一般兵。
メルマッド・ラカーブ
ラグリーよりも巨大で強力な上位個体。
フーム・ラカーブ
指揮官。作中最初に現れた黒い巨人であり、当初は彼が王であると思われた。
カドゥム・ハーカーム
巨人族の王。全ての巨人を統括する存在であり、彼が倒れれば巨人族そのものも崩壊するという。

関連人物

サーヴァ・ヴォルクルスルザムノ・ラスフィトートギゾース・グラギオス
滅ぼされたのちに残った怨念から生まれた三邪神。怨念であるため、ハーカームと違い世界存続に対する興味はかけらもない。
フィリス・ジャラヴ
巨人族の意思の代弁者たる巫女として使役される。

関連用語

アインスト
種族としての特徴や目的に幾つかの共通点がある。
クロスゲート
様々な世界に存在する時空を繋ぐ門。ラ・ギアスの地下深くにも存在しており、そこから彼らはやってきた。