カララ・アジバ(Kalala Ajiba)
理想主義者で、自分の理想と信念を持ち、好奇心が強い。蝶よ花よと育てられていたことはうかがえるが、その本質はじゃじゃ馬と言われていた。
ギジェ・ザラルと婚約していたが、彼が率いるイデ調査隊についていった際独断でソロ星に降下し、結果地球人とバッフ・クランの接触の原因となった。混乱の中、ソロシップに潜入する。
ソロ星で出会ったジョーダン・ベスと、異星人の壁を超えて愛し合うようになる。身籠ったベスの子、メシアがイデの発動を促した。
かなりの理想主義(コスモ曰く)の持ち主で、怒りをむき出しにする父・ドバや姉・ハルルに対しても対話の姿勢を持とうとしていた。そんな彼女をイデも見込んでいたのか彼女に加護を与え、乗っていた戦闘機が爆破されようが生身に加粒子砲が直撃しようが生き残るという神がかり的ともいえる状況を作り出すことになる。
だが、メシアを身ごもった状態でハルルの前に立ったとき、彼女は子を守るために他者を攻撃するというエゴに目覚めてしまう。結果、イデの加護のないままにハルルの銃弾が顔面を直撃、無残な死を遂げるのだった。そんなカララの死体の中でメシアが生き続けているという事実は、コスモやカーシャ達に“イデは自らの担い手にメシア達次世代を選び、自分達は用済みとなった”という絶望的な認識を与えることになる。
登場作品と役柄
旧シリーズ
- スーパーロボット大戦F
- 完結編の予告に登場。
- スーパーロボット大戦F完結編
- NPC。既にソロシップのクルーとなった後の設定で、ベスの子(メシア)を身ごもる。最終話で、ハルルと和解する。
αシリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦α
- ソロ星におけるベスとの出会いを始め、概ね原作通りの役割を担う。
人間関係
他作品の人間関係
名台詞
- 「私が調べる、と言っているのです。どうせ大した異星人もいないでしょう」
- 第1話で勝手にソロ星(ロゴ・ダウ)へ降り立ったときの台詞。その行動が後の悲劇を呼んでしまったとは知る由もない。
- また当時の彼女は異星人と言えばとんでもない異形異類だと思っていた。しかし、そのソロ星で全くと言っていいほど姿かたちの同じ「ロゴ・ダウの異星人」と邂逅してしまい、思わず息を呑むことに。
- 「ば、か…やろう?」
- 自らを迎えに来た兵達とソロ星軍との間で戦闘が始まってしまった。その現場に居合わせたカララは、ソロ星軍の先頭に立って敵兵を打ち払い味方に檄を飛ばす男(ジョーダン・ベス)の姿を見つけ、彼らの言葉を知るべく耳に翻訳機をつける。その性能は確かなものだが、戦死したソロ星兵に対する「馬鹿野郎!」はよく意味が分からなかったのか、こんな調子でつぶやいてしまう。
- しかし同胞が次々やられていくのを憤るのも忘れ、獅子奮迅の戦いを見せるベスに見とれている…というあたり、かなり困った人である。
- 「あ……あんなものが…、イデの巨神であるわけがない…!」
- 初戦闘時のイデオンを目の当たりにしての台詞。
- 「オレンジの信号弾を!」
- 第5話で、ダミド・ペッチの攻撃隊を退かせるために侍女に要求する。このセリフ自体は何てことないが、この信号弾の色をダミドらは「無条件の停戦要求」と読み撤退せざるを得なくなった。これは後の伏線でもあった。
- 「白旗を掲げる、白いハンカチを渡す、白手袋を投げる…すべて挑戦の合図です。しかも相手をこの地上から一人残らず殺すという、最大級の宣戦布告の合図です!」
- そして6話で、コスモが独断で白旗を掲げたことを間違いだと指摘した。
- ちなみに白旗についてはともかく、手袋とハンカチについては決闘の合図として実際にヨーロッパで使われていたという。
- 「イデの力…それは愛のようなものです。無限エネルギーなどという便利なものが、この世の中にあるものでしょうか?」
- ソロシップの捕虜となり、7話で意識のないまま思ってることを喋らせる機械にかけられた時のセリフ。あまりに突拍子のない言い方に尋問をしたシェリルは呆れ、止めようとしていたベスは「この人は科学的知識がないんだ」と感じた。
- もっとも、後にカララ自身が「イデの力は愛などというものではなくエゴだ」と考えを改めることに。
- 「私が戻ればお前は出世しよう。しかしなアバデデ。バッフ・クランの生き方が人の道の全てではないと私は信じている。そして、そのような人々もいるのだ」
「お前の健気さには感謝しよう…が、これまでだ。私を愚かと罵って構わぬ!」 - ソロシップに潜入し、カララを連れ出そうとしたアバデデ・グリマデ(SRWシリーズ未登場)を拒絶するセリフ。アバデデは父からも姉からもカララが見捨てられようとしていることに、サムライとしてはともかく夫や父親としては納得しかねて連れ戻そうとしたのだが、そのカララはアバデデの事情に一定の理解は示しながらも、バッフ・クランの生き方を捨てると宣言した(これまでカララもろとも殲滅する気で攻撃を仕掛けながら、今更連れ戻すなどよくもぬけぬけと…という思いもあったと見られるが)。
拒絶されたアバデデは「親も親なら、子も子か…」と、幼い我が娘を思いつつ途方に暮れてしまう。 - 「アバデデ・グリマデか…。忠義忠節だけの男、面白くもない…」
- 結局イデオンに敗れ戦死したアバデデへの手向け。カララにとってアバデデの行為は余計なお世話に他ならなかったが、だとしても冷酷な物言いである。先にシェリルとビンタの応酬になって苛立っていたことも手伝っているようではある。またアジバ家に比べなくとも円満であったグリマデ家に対するうらやみでもあったか。
- 「ええ…ですが、今は有難うと言わせてください」
- 11話で新たな敵(ハルル)の出方をどう思うか話し合い、ひとまず「姉が本気ならこんな物ではないから警戒しよう」とのカララの意見が通る。そこで全てを信じたわけではないと釘を刺すシェリルにこう言う。
- 前話でカララにかばわれながらも感謝しないと言い放ったシェリルとは見事に対比してしまい、その辺を意識したのかシェリルは眉をひそめた。
- 「ベ…ベスは…ベスはサムライです…!」
- 12話で実姉ハルルに辱められたところを助けに来たベスに。その後抱き合うベスとカララの上にイデオンの影が掛かっており、言い知れぬ不気味さを感じさせるカットとなっている。またベスはベスで、どこか後悔のようなものを感じさせる表情でカララを抱擁していた。
- 奇しくも、というべきか、ハルルもベスの奮戦振りに「サムライ」と舌を巻いていた。
- 「ちょう…のうりょくしゃ? スーパーマン?」
- 双子のテレパシーで連携を取るブフ兄妹を「超能力者か」と言ったベスに対し、言葉の意味が分からずに聞き返してしまう。
- それともバッフ・クランに『スーパーマン』があるのだろうか?小説版ではバック・フランの文化にも(ポルノ産業が存在するくらいの)娯楽文化はある事が示唆されてはいるが。
- 「バッフ・クランの地球とまったく同じに見えます…」
- 長旅の末コスモ達の地球にたどり着いたときのセリフ。「これからはバッフ・クランに帰りたいと言ったら君を殺さなければならない」と言うベスを安心させるために、自身の率直な感想も含めて地球の姿に感動してみせた。
この時は帰ってきた、もしくは第二の故郷にたどり着いた安堵感がソロシップに広がっていたのだが…。 - 「わが子を守るためなら親殺しの咎も背負いましょう」
- 最終話、カララが異星人の子を身ごもったと知り殺意を剥き出しにする父ドバに対し、カララもまた決別を宣言することになってしまう。同行しているジョリバが持っていた普通の検電器を「小型レーザー発振機」と偽り、ドバが怯んだ隙に辛くも逃げ果せた。この時点で既に母親のエゴが目覚めていたのかもしれない。
劇場版
スパロボシリーズの名台詞
F完結編
- 「姉さん…わかりました。私を撃つことで姉さんの気が少しでも晴れるのなら引き金をひいてください」
- 最終話「ファイナル・オペレーション-完結-」より。最終局面にてハルルと対話した時のセリフ。原作とは正反対。