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| 『[[スーパーロボット大戦F]]』の直接の続編だが、本来は分割発売する予定ではなかったのが、製作の遅れが響いたため、前後編に分割され販売された。 | | 『[[スーパーロボット大戦F]]』の直接の続編だが、本来は分割発売する予定ではなかったのが、製作の遅れが響いたため、前後編に分割され販売された。 |
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− | === 戦闘システムと難易度 === | + | == システム == |
− | *基本システムはスーパーロボット大戦Fと同じ。しかし、後述するように敵味方のステータス設定がスパロボFと大きく異なり、序盤の雑魚敵の攻撃ですら「'''当たれば負け'''」というバランスになっている。
| + | == 既存システムと変更点 == |
− | *敵ユニットの[[能力]]がFのものから大幅に上昇しており難易度は高い。
| + | 基本システムは『F』と同じ。『F』からの変更点として以下のものがある。 |
− | **[[命中]]と[[回避]]の補正値が高い[[ニュータイプ]]([[強化人間]])などのガンダム系ユニット([[モビルスーツ]])やパイロットの能力を前提に調整が行われたかのようなゲームバランスとなっている。このため、能力値がニュータイプに比べて低く設定されているパイロットは使い勝手が非常に悪くなり、命中補正系の[[精神コマンド]]を持たない場合は、敵ユニットに攻撃を当てることすらままならない。<br />後発の作品に見られる命中率・回避率を補正する効果([[指揮官]]、[[信頼補正]]など)やパイロットの育成要素も無いため、パイロットの持つ命中・回避の値が重要な要素となる。
| + | |
− | **スーパー系ユニットは[[地形適応]]が軒並み[[宇宙]]「B」に設定されている。宇宙が戦闘の舞台となるゲーム後半になると、攻撃力や防御力が低下してしまい、前述の能力値の問題も相まって、リアル系ユニットに比べて苦戦を強いられることとなってしまう。
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− | **同名ユニットでも味方バージョンとはかなりの差がある。数が多く出現するザコほどその傾向が強い。
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− | **改造段階が10段階の改造が解禁される敵ユニットと違って、プレイヤー側はゲーム終盤まで5段階のままで制限される。このため改造による機体強化がすぐに頭打ちとなり、戦力として使えるパイロットや機体が非常に限定されるものになってしまう。機体改造によるフォローが行えないため、初期能力が優秀な『F完結編』に入ってから入手できる機体はともかく、『スパロボF』から続投した機体のほとんどが2軍落ちを余儀なくされることになる。
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| *マップクリア時、各パイロットの残りの[[SP]]×2が[[経験値]]として加算される。 | | *マップクリア時、各パイロットの残りの[[SP]]×2が[[経験値]]として加算される。 |
− | *終盤戦には2ルートの分岐により、エンディングが異なる。戦う相手も大きく変わる。<br />また、バッドエンディングが3種類ある。 | + | *Fでは5段階止まりだった改造段階は、後半より10段階改造が解禁される。 |
− | *ゲーム開始時の[[改造]]段階は『F』と同様に5段階までで、終盤戦になると10段階までの改造が解禁される。<br />この解禁される6段階目以降は必要な[[資金]]が高いもののその見返りは大きく、改造値が桁違いに高い。2軍ユニットでも改造次第で主力として使えるほか、武器によっては追加資金投入で[[マップ兵器]]などが追加される。<br />敵ユニットはこの恩恵をゲームスタート時から受けられるが、その反面味方ユニットはゲーム終盤まで5段階改造での戦いを強いられ、このことが本作の高難易度の理由となっている。 | + | *反撃命令をマニュアル以外に設定しておくと、[[エネミーフェイズ]]に敵から[[MAP兵器]]を撃たれた時に自動的に[[回避]]か[[防御]]を行うようになった。 |
− | *スパロボFと同様に、全パイロットは[[反応]]が'''200'''に達すると2回行動が可能になるのだが、各パイロットに固有のレベルが設定されており、そのレベルに達すると反応が200になり[[2回行動]]が可能となる。そのレベルに達していないとレベルが上がっても反応の値は199とストップしてしまう。反応は命中・回避と同じく命中率・回避率に関係する重要なステータスにも関わらず、このステータスの成長が止まってしまうことによって、ニュータイプ能力を持たないパイロットはここでも命中・回避において大きく不利になってしまっている。ただしスパロボFの時より必要レベルが引き上げられているため、「スパロボFでは2回行動出来ていたのに完結編に引き継いだら2回行動出来なくなる」と言う事態も発生し得る。 | + | |
− | *[[スーパーロボット大戦F|F]]では未対応だったスーパー系キャラの顔グラに於ける表情の変化が、本作より実装されるようになった。
| + | == 難易度 == |
− | *反撃命令をマニュアル以外に設定しておくと、[[エネミーフェイズ]]に敵から[[MAP兵器]]を撃たれた時に自動的に[[回避]]か[[防御]]を行ってくれる。
| + | *敵味方のパラメータ設定がスパロボFから変更され、敵ユニットの[[能力]]はFから大幅に引き上げられているためその難易度はFを大きく上回る。序盤の雑魚敵の攻撃ですら「'''当たれば負け'''」というバランスとなっている。 |
| + | *[[命中]]と[[回避]]の補正値が高い[[ニュータイプ]]([[強化人間]])などのガンダム系ユニット([[モビルスーツ]])やパイロットの能力を基準にしたかのようなパラメータ調整となっている。このため、能力値がニュータイプに比べて低く設定されているパイロットは使い勝手が非常に悪くなり、命中補正系の[[精神コマンド]]を持たない場合は、敵ユニットに攻撃を当てることすらままならない。<br />後発の作品に見られる命中率・回避率を補正する効果([[指揮官]]、[[信頼補正]]など)やパイロットの育成要素も無いため、パイロットの持つ命中・回避の値が重要な要素となる。 |
| + | *スーパー系ユニットは[[地形適応]]が軒並み[[宇宙]]が「B」に設定されている。そのため宇宙が戦闘の舞台となるゲーム後半になると、攻撃力や防御力が低下してしまう。前述の能力値の問題も相まって、リアル系ユニットに比べて苦戦を強いられる。 |
| + | *同名ユニットでも味方バージョンとはかなりの差がある。数が多く出現するザコほどその傾向が強い。 |
| + | *改造段階が10段階の改造が解禁される敵ユニットと違って、プレイヤー側はゲーム終盤まで5段階のままで制限される。このため改造による機体強化がすぐに頭打ちとなり、戦力として使えるパイロットや機体が非常に限定されるものになってしまう。機体改造によるフォローが行えないため、初期能力が優秀な『F完結編』に入ってから入手できる機体はともかく、Fから続投した機体のほとんどが2軍落ちを余儀なくされることになる。 |
| + | *ゲーム開始時の[[改造]]段階は『F』と同様に5段階までで、終盤戦になると10段階までの改造が解禁される。<br />この解禁される6段階目以降は必要な[[資金]]が高いもののその見返りは大きく、改造値が桁違いに高い。2軍ユニットでも改造次第で主力として使えるほか、武器によっては追加資金投入で[[マップ兵器]]などが追加される。<br />敵ユニットはこの恩恵をゲームスタート時から受けられるが、その反面味方ユニットはゲーム終盤まで5段階改造での戦いを強いられる事となる。この辺りも本作の高難易度化の大きな要因となっている。 |
| + | *Fと同様に、全パイロットは[[反応]]が'''200'''に達すると2回行動が可能になるのだが、各パイロットに固有のレベルが設定されており、そのレベルに達すると反応が200になり[[2回行動]]が可能となる。そのレベルに達していないとレベルが上がっても反応の値は199とストップしてしまう。反応は命中・回避と同じく命中率・回避率に関係する重要なステータスにも関わらず、このステータスの成長が止まってしまうことによって、ニュータイプ能力を持たないパイロットはここでも命中・回避において大きく不利になってしまっている。ただしスパロボFの時より必要レベルが引き上げられているため、「スパロボFでは2回行動出来ていたのに完結編に引き継いだら2回行動出来なくなる」と言う事態も発生し得る。 |
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− | === 話題 ===
| + | == 話題 == |
| + | *[[スーパーロボット大戦F|F]]では未実装だったスーパー系キャラのフェイスアイコンの表情の変化が、本作より実装されるようになった。 |
| + | *終盤シナリオは2ルートの分岐により、それぞれエンディングが異なり戦う相手も大きく変わる。<br />また、バッドエンディングが3種類ある。 |
| *当ゲームから始める場合には予めセーブデータがいくつか用意されており(ランダムで出てくる)、資金が100万ある状態でスタートとなるが、全機体が無改造である上に強化パーツの揃いも良くないので、結果的にスパロボFから引き継いだデータには劣る。<br />また、仲間にする為の条件がスパロボFから継続するキャラを仲間にすることは出来ない(主に[[トッド・ギネス|トッド]])。 | | *当ゲームから始める場合には予めセーブデータがいくつか用意されており(ランダムで出てくる)、資金が100万ある状態でスタートとなるが、全機体が無改造である上に強化パーツの揃いも良くないので、結果的にスパロボFから引き継いだデータには劣る。<br />また、仲間にする為の条件がスパロボFから継続するキャラを仲間にすることは出来ない(主に[[トッド・ギネス|トッド]])。 |
| *スパロボFと同様に後にPS移植版も発売。変更点も『スパロボF』と同様で、BGMは全て作り直されている。これは、セガサターンの音質関連のスペックが優秀で、そのままPSに移植することが不可能だったため。結果、楽曲「VIOLENT BATTLE」のように大幅に曲調が変わってしまった曲もあった。不評だったせいか、プレイステーション版のサウンドトラックCDは発売されていない。 | | *スパロボFと同様に後にPS移植版も発売。変更点も『スパロボF』と同様で、BGMは全て作り直されている。これは、セガサターンの音質関連のスペックが優秀で、そのままPSに移植することが不可能だったため。結果、楽曲「VIOLENT BATTLE」のように大幅に曲調が変わってしまった曲もあった。不評だったせいか、プレイステーション版のサウンドトラックCDは発売されていない。 |
| *本作はロンド・ベルが宇宙に上がる場面(シナリオ「ソラと大地のケモノ」のあたり)からシナリオライターが、シリーズ総監督兼任の阪田雅彦氏から堀川和良氏に変更されている。<br />これは開発中に阪田氏が体調を崩し、静養する必要があったためである。作り手の影響か、スーパーロボット系キャラの出番が極端に減少し、殆どリアルロボット系キャラクターのみで物語を進行すると言っても過言ではないほど、偏りの激しいシナリオになった事も批判要因のひとつとなっている。主人公をはじめ、'''EDで一言も喋らないキャラクターが多数存在'''する。 | | *本作はロンド・ベルが宇宙に上がる場面(シナリオ「ソラと大地のケモノ」のあたり)からシナリオライターが、シリーズ総監督兼任の阪田雅彦氏から堀川和良氏に変更されている。<br />これは開発中に阪田氏が体調を崩し、静養する必要があったためである。作り手の影響か、スーパーロボット系キャラの出番が極端に減少し、殆どリアルロボット系キャラクターのみで物語を進行すると言っても過言ではないほど、偏りの激しいシナリオになった事も批判要因のひとつとなっている。主人公をはじめ、'''EDで一言も喋らないキャラクターが多数存在'''する。 |
− | *ゲーム開始時にスタートボタンを押さないで待っていると、オール主役機による[[オープニング戦闘デモ]]が流れる。 | + | *SS版のみ、内蔵時計に連動した「誕生日祝福イベント」が存在し、登録したプレイヤーの誕生日を『新世紀エヴァンゲリオン』のキャラクター達が祝ってくれる。 |
− | *SS版のみ、内蔵時計に連動した「誕生日祝福イベント」が存在し、登録したプレイヤーの誕生日を『新世紀エヴァンゲリオン』のキャラクター達が祝ってくれる。当然、システムの異なるPS版には実装されていない。 | + | *寺田PはSS版発売時のインタビューで、「スパロボFと完結編の両方を買ってくれた方への最低限の礼儀として、2本をまとめて販売することはしない」と発言。後のPS版や廉価版の発売時、そして現在にいたるまで、この姿勢は真摯に守られている。 |
− | *寺田PはSS版発売時のインタビューで、「スパロボFと完結編の両方を買ってくれた方への最低限の礼儀として、2本をまとめて販売することはしない」と発言。後のPS版や廉価版の発売時、そして現在にいたるまで、この姿勢は律儀に守られている。
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| *2011年11月9日には『スパロボF』と共にゲームアーカイブスで配信(価格:1,200円)。 | | *2011年11月9日には『スパロボF』と共にゲームアーカイブスで配信(価格:1,200円)。 |
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