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412 バイト追加 、 2013年10月12日 (土) 12:45
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*デュランダルが大量破壊兵器による敵国民間人の虐殺を選択肢に入れてもなお従ったこと等。
 
*デュランダルが大量破壊兵器による敵国民間人の虐殺を選択肢に入れてもなお従ったこと等。
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その反面前回の主人公の一人として、シンの精神面における導き手の役割を期待されたアスランや周囲の大人たちが全くそれを為せなかったがために成長する機会を失った不運なキャラクターとも言える。逆にシン自身、成長する機会を深く考えず自分の感情のまま行動し、潰している。
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その反面前回の主人公の一人として、シンの精神面における導き手の役割を期待されたアスランや周囲の大人たちが全くそれを為せなかったがために成長する機会を失った不運なキャラクターとも言える。逆にシン自身、成長する機会を深く考えず自分の感情のまま行動し、潰してもおり、自分を優遇してくれる人物に甘えていたとも言える。
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彼の戦う動機は親しい人物の死が大きな要因であり、それ故戦争をなくすことを誰より強く願っていたのは間違いなく、感情まで否定される類のものではない(それが原因で軍人としては問題のある行動が多いのも事実ではあるが)。アスランに対する態度もシンにも非はあるが、先述の通りアスランの上官としての不手際にも一因がある。<br />
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彼の戦う動機は親しい人物の死が大きな要因であり、それ故戦争をなくすことを誰より強く願っていたのは間違いなく、感情まで否定される類のものではない(それが原因で軍人としては問題のある行動が多いのも事実ではあるが)。アスランに対する態度もシンにも非はあるが、先述の通りアスランの上官としての不手際にも一因がある。
歴代の主人公達が多くの人間に出会って成長していったことに比べると、シンは良き理解者や人との出会いに恵まれず、比較的良好な関係であったトダカやハイネはあまりにも出会った期間が短く、アスランもシンを導くのには未熟、キラに直接出会って和解したのも最後の最後でステラの死後は彼自身の人間関係の希薄さ([[オーブ]]時代の人間関係が不明なのもあるが)も含めて、歴代のガンダム主人公の中でも孤独な境遇だったと言える。<br />
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歴代の主人公達が多くの人間に出会って成長していったことに比べると、シンは良き理解者や人との出会いに恵まれず、比較的良好な関係であったトダカやハイネはあまりにも出会った期間が短く、アスランもシンを導くのには未熟、同期であるレイは友情はあるもののシンを利用しようとし、ルナマリアとは恋人になる終盤までこれといったものはなく、上官であるタリアには迷惑をかける、友人であるヨウランたちとの関わりもあまりなく、キラに直接出会って和解したのも最後の最後でステラの死後は彼自身の人間関係の希薄さ(オーブ時代の人間関係が不明なのもあるが)も含めて、歴代のガンダム主人公の中でも孤独な境遇だったと言える。無論、シン自身の性格が一番の原因ではあるが。
逆に言えば、そうした境遇もあってか、主人公という立場の割には重大な情報を得る機会が乏しく、本人も積極的に情報を集める描写は無かった。その結果、[[レイ・ザ・バレル|レイ]]以外の主要人物が有する「秘密」や抱えている「事情」と「背景」、そしてアークエンジェル隊がデュランダルに敵対する切っ掛けとなったラクス暗殺未遂やミーアの死など、戦いの裏で大きな事件が起きていた事も文字通り「何も知らない」状態だった。これがシンの思考が(良くも悪くも)一方向に固まってしまう原因だったと言える。<br />
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逆に言えば、そうした境遇もあってか、主人公という立場の割には重大な情報を得る機会が乏しく、本人も積極的に情報を集める描写は無かった。その結果、レイ以外の主要人物が有する「秘密」や抱えている「事情」と「背景」、そしてアークエンジェル隊がデュランダルに敵対する切っ掛けとなったラクス暗殺未遂やミーアの死など、戦いの裏で大きな事件が起きていた事も文字通り「何も知らない」状態だった。これがシンの思考が(良くも悪くも)一方向に固まってしまう原因だったと言える。
最後のキラとの和解(※)も賛否両論あるが、新たな人間関係を構築する一歩を踏み出したとも言えるので、もしSEEDの続編が描かれて彼が登場するならばその変化も注目すべきだろう。<br />(※FINAL PLUS及びスペシャルエディションのみで、TV放送版ではない場面)
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最後のキラとの和解(※)も賛否両論あるが、新たな人間関係を構築する一歩を踏み出したとも言えるので、もしSEEDの続編が描かれて彼が登場するならばその変化も注目すべきだろう。
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(※FINAL PLUS及びスペシャルエディションのみで、TV放送版ではない場面)
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作中における[[主人公]]であるものの、主人公として全体的に出番や活躍が多いとは言えず、特にストーリー後半はメイン視点が前作主人公である[[キラ・ヤマト]]に移ってしまい、終盤はキラ側に敗北する結末も手伝って、実質主人公の座を失ってしまったといえる。EDのキャストクレジットではシンがリストの一番上だったが、終盤ではキラに奪われてしまった(シンはアスランより下の三番目に)。さらに雑誌のインタビューにて遂に監督自ら「主人公は[[キラ・ヤマト]]です」と言われてしまう。
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作中における主人公であるものの、主人公として全体的に出番や活躍が多いとは言えず、特にストーリー後半はメイン視点が前作主人公であるキラ・ヤマトに移ってしまい、終盤はキラ側に敗北する結末も手伝って、実質主人公の座を失ってしまったといえる。EDのキャストクレジットではシンがリストの一番上だったが、終盤ではキラに奪われてしまった(シンはアスランより下の三番目に)。さらに雑誌のインタビューにて遂に監督自ら「主人公はキラ・ヤマトです」と言われてしまう。
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ストーリーの途中で、前作主人公や他のキャラクターに出番を喰われる事例というのは、アニメや漫画等では決して少なくないが(スパロボ参戦作品では『[[グレートマジンガー (TV)|グレートマジンガー]]』終盤の[[剣鉄也]]や『[[機甲戦記ドラグナー]]』終盤の[[ケーン・ワカバ]]等)、彼の場合2000年代の中でも著名な作品であるのも手伝い、OP演出や脚本進行上もそれが露骨に顕在化したため、主役の座を奪われた人物の代表的存在となってしまった。その影響もあって一部のメディア等においてはDESTINYの主人公=キラと紹介される事もある。
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ストーリーの途中で、前作主人公や他のキャラクターに出番を喰われる事例というのは、アニメや漫画等では決して少なくないが(スパロボ参戦作品では『グレートマジンガー』終盤の剣鉄也や『機甲戦記ドラグナー』終盤のケーン・ワカバ等)、彼の場合2000年代の中でも著名な作品であるのも手伝い、OP演出や脚本進行上もそれが露骨に顕在化したため、主役の座を奪われた人物の代表的存在となってしまった。その影響もあって一部のメディア等においてはDESTINYの主人公=キラと紹介される事もある。
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一部では'''復讐鬼'''というイメージで語られる事もあるが、憎しみの感情で戦っていたと取れるのはあくまでもステラ死後のフリーダム戦のみであり、本編全体としては当てはまるとは言い難い。また初期の極一部の資料では、「強い[[ナチュラル]]蔑視がある」と記されているが、作中では他の[[ミネルバ]]クルーとは違って[[ナチュラル]]蔑視の発言は全く無く(海に落ちたステラを救出した時もナチュラル云々は一切口にしていない)、妹のマユもナチュラルである説もあり、誤記あるいは空文化した設定であると思われる。
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一部では復讐鬼というイメージで語られる事もあるが、憎しみの感情で戦っていたと取れるのはあくまでもステラ死後のフリーダム戦のみであり、本編全体としては当てはまるとは言い難い。どちらかというと感情のまま、敵を倒しており猪突猛進という言葉の方が合っている。また初期の極一部の資料では、「強いナチュラル蔑視がある」と記されているが、作中では他のミネルバクルーとは違ってナチュラル蔑視の発言は全く無く(海に落ちたステラを救出した時もナチュラル云々は一切口にしていない)、妹のマユもナチュラルである説もあり、誤記あるいは空文化した設定であると思われる。
    
ただ、総じて本編や設定資料などにおいて過去のオーブで暮らしていた頃の境遇(オーブに住んでいた期間は諸説有り定かではなく、家族とトダカ以外の人間関係も不明)や移民の立場から軍組織であるザフトに入った明確な理由(名台詞の項参照)等の心情があまり描写されなかった事もあって(公式外伝である『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY』で本編開始直前のシンが登場しているが、あくまでメインがインパルスガンダムである為か殆ど台詞もなくキャラクター描写もほとんどされていない)、キラやアスランと比べると不明瞭であり、続編や後発の資料などによる設定の統一と補完が待たれる。
 
ただ、総じて本編や設定資料などにおいて過去のオーブで暮らしていた頃の境遇(オーブに住んでいた期間は諸説有り定かではなく、家族とトダカ以外の人間関係も不明)や移民の立場から軍組織であるザフトに入った明確な理由(名台詞の項参照)等の心情があまり描写されなかった事もあって(公式外伝である『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY』で本編開始直前のシンが登場しているが、あくまでメインがインパルスガンダムである為か殆ど台詞もなくキャラクター描写もほとんどされていない)、キラやアスランと比べると不明瞭であり、続編や後発の資料などによる設定の統一と補完が待たれる。
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