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| === 人物 === | | === 人物 === |
− | 2mを超える身長にスキンヘッド、分厚いレンズのゴーグル([[一年戦争]]時の負傷が原因による、[[医療・病障害|視覚障害]]の矯正を目的としたもの)の装着と、威圧的な外見をしているのが特徴的<ref>近藤和久による漫画「サイドストーリー・オブ・ガンダム・ゼータ」では、[[一年戦争]]時に[[ジオン公国軍]]に捕らわれて、[[南極条約]]を無視する形で視力に障害をきたす程の凄惨な拷問を受けたのが原因であると設定され、その事が狂信的な[[アースノイド]]至上主義とスペースノイドへの苛烈なまでの憎悪を植え付けるに至ったと考えている人が多い。一方、富野由悠季の小説版ではブレックス・フォーラから、'''「彼は政治家だ」、「一年戦争さえ経験したことのない男」と酷評交じりに否定されている'''(一年戦争には参加していないか、交戦することない後方部署にいたと思われる)。</ref>。 | + | 2mを超える身長にスキンヘッド、分厚いレンズのゴーグル([[一年戦争]]時の負傷が原因による、[[医療・病障害|視覚障害]]の矯正を目的としたもの)の装着と、威圧的な外見をしているのが特徴的<ref>近藤和久による漫画「サイドストーリー・オブ・ガンダム・ゼータ」では、[[一年戦争]]時に[[ジオン公国軍]]に捕らわれて、[[南極条約]]を無視する形で視力に障害をきたす程の凄惨な拷問を受けたのが原因であると設定され、その事が狂信的な[[アースノイド]]至上主義とスペースノイドへの苛烈なまでの憎悪を植え付けるに至ったと考えている人が多い。一方、富野由悠季の小説版ではブレックス・フォーラから、'''「彼は政治家だ」「一年戦争さえ経験したことのない男」と酷評交じりに否定されている'''(一年戦争には参加していないか、交戦することない後方部署にいたと思われる)。</ref>。 |
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− | [[ジャミトフ・ハイマン]]直属の部下としてティターンズの総指揮を執るが、ジャミトフの思想について共感をしている訳では無く、自らにとって憎悪の対象であるスペースノイド達への弾圧に都合がいい為、従っているに過ぎず(現に、[[グリプス戦役]]の前となる[[デラーズ紛争]]では、ジャミトフと対立関係にある[[ジョン・コーウェン]]の派閥に所属していた)ジャミトフ側もバスクに対しては快く思われていなかった。目的の為に手段を選ばないどころか、時として目的と手段を履き違えているとしか思えない非道な作戦を行使する事さえあり、[[カミーユ・ビダン]]の母親であるヒルダを急ごしらえのカプセルに閉じ込めて宇宙空間へ漂わせる、「[[30バンチ事件]]」を代表する[[スペースコロニー]]への毒ガスの注入といった部分からもその事がうかがえる。短気な面もあり、後述にもあるがティターンズ内の部下は勿論、地球連邦軍所属の兵士に対しても何度も「修正」を行っている。 | + | [[ジャミトフ・ハイマン]]直属の部下としてティターンズの総指揮を執るが、ジャミトフの思想について共感をしているわけではなく、自らにとって憎悪の対象であるスペースノイド達への弾圧に都合がいいため従っているに過ぎず(現に、[[グリプス戦役]]の前となる[[デラーズ紛争]]では、ジャミトフと対立関係にある[[ジョン・コーウェン]]の派閥に所属していた)ジャミトフ側もバスクに対しては快く思われていなかった。目的の為に手段を選ばないどころか、時として目的と手段を履き違えているとしか思えない非道な作戦を行使する事さえあり、[[カミーユ・ビダン]]の母親であるヒルダを急ごしらえのカプセルに閉じ込めて宇宙空間へ漂わせる、「[[30バンチ事件]]」を代表する[[スペースコロニー]]への毒ガスの注入といった部分からもその事がうかがえる。短気な面もあり、後述にもあるがティターンズ内の部下は勿論、地球連邦軍所属の兵士に対しても何度も「修正」を行っている。 |
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| 一方、軍人としての能力は「戦術の天才」と評される程優れており、高圧的だが[[ジャマイカン・ダニンガン]]の様に強者の威を利用して威張ったり保身に走る様な小物ぶりは見せず、また戦闘においても常に最前線に出て部下を叱咤し、断固として敵に屈しない不屈の精神力を見せる等、悪い意味ながらも武人肌的な面も持ち、上司としては頼れる人物。また、ティターンズという組織全体の有益になるならば、[[ジェリド・メサ]]や[[ヤザン・ゲーブル]]の様にクセの強い人物でも重用している事から、組織運営の手腕や着眼についても確かな物を持っており、作中でも敵意や対抗心を見せていた[[パプテマス・シロッコ]]を最も最初に重用したのも、実はバスクであったりする<ref>重用した後、予想以上に優秀で掴み所の無いシロッコを危険に感じたのが、彼を敵視するようになった理由と言え、これはジャミトフも同様である。</ref>。更に、グリプス戦役の後半期には、自らの人生の最大の怨敵である[[サイド3]]の[[ジオン公国|ジオン共和国]]と取引を行う事で、[[ア・バオア・クー|ゼダンの門]]の整備やグリプスの要塞化も短期間で済ませる等、柔軟さも見せている。ジャミトフがシロッコに暗殺された後も、事の真相をある程度把握した上で組織の乗っ取りを企んだシロッコに断じて屈しようとしなかった部分からも、歪んだ信念の持ち主であってもそれを簡単に曲げてしまったり日和見に走る様な真似はしない気骨さは見せていた。それら以前となる連邦軍将校時代(デラーズ紛争の時期)でも、軍人としての信念を優先させてしまっていた[[エイパー・シナプス]]とは対照的に、切迫した状況を理解して[[シーマ・ガラハウ]]率いる海兵隊との共闘を受け入れたりしている。 | | 一方、軍人としての能力は「戦術の天才」と評される程優れており、高圧的だが[[ジャマイカン・ダニンガン]]の様に強者の威を利用して威張ったり保身に走る様な小物ぶりは見せず、また戦闘においても常に最前線に出て部下を叱咤し、断固として敵に屈しない不屈の精神力を見せる等、悪い意味ながらも武人肌的な面も持ち、上司としては頼れる人物。また、ティターンズという組織全体の有益になるならば、[[ジェリド・メサ]]や[[ヤザン・ゲーブル]]の様にクセの強い人物でも重用している事から、組織運営の手腕や着眼についても確かな物を持っており、作中でも敵意や対抗心を見せていた[[パプテマス・シロッコ]]を最も最初に重用したのも、実はバスクであったりする<ref>重用した後、予想以上に優秀で掴み所の無いシロッコを危険に感じたのが、彼を敵視するようになった理由と言え、これはジャミトフも同様である。</ref>。更に、グリプス戦役の後半期には、自らの人生の最大の怨敵である[[サイド3]]の[[ジオン公国|ジオン共和国]]と取引を行う事で、[[ア・バオア・クー|ゼダンの門]]の整備やグリプスの要塞化も短期間で済ませる等、柔軟さも見せている。ジャミトフがシロッコに暗殺された後も、事の真相をある程度把握した上で組織の乗っ取りを企んだシロッコに断じて屈しようとしなかった部分からも、歪んだ信念の持ち主であってもそれを簡単に曲げてしまったり日和見に走る様な真似はしない気骨さは見せていた。それら以前となる連邦軍将校時代(デラーズ紛争の時期)でも、軍人としての信念を優先させてしまっていた[[エイパー・シナプス]]とは対照的に、切迫した状況を理解して[[シーマ・ガラハウ]]率いる海兵隊との共闘を受け入れたりしている。 |
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− | 劇中でも、ジャミトフから動向を問題視されつつも重用され続け、[[ハマーン・カーン]]からは軽視されつつ[[クワトロ・バジーナ|クワトロ・バジーナ(シャア・アズナブル)]]や[[ブレックス・フォーラ]]、[[ブライト・ノア]]はバスクの存在を脅威と見なしていた事からも、「冷酷非道」であっても「無能」な人物では無かったと言え、むしろバスクの手腕が無ければティターンズを巨大組織にする事は出来なかったのは確かである。 | + | 劇中でも、ジャミトフから動向を問題視されつつも重用され続け、[[ハマーン・カーン]]からは軽視されつつ[[クワトロ・バジーナ|クワトロ・バジーナ(シャア・アズナブル)]]や[[ブレックス・フォーラ]]、[[ブライト・ノア]]はバスクの存在を脅威と見なしていた事からも、冷酷非道であっても無能な人物では無かったと言え、むしろバスクの手腕が無ければティターンズを巨大組織にする事は出来なかったのは確かである。 |
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| === 劇中の様相 === | | === 劇中の様相 === |
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| 一年戦争からグリプス戦役までの空白が描かれ、[[地球連邦軍]]の[[ジョン・コーウェン]]准将の派閥に所属する将校として登場<ref>'''[[小説|小説版]]『[[機動戦士Ζガンダム|Ζ]]』では、後方勤務など「[[一年戦争]]に参加していない」とも解しうる設定であった'''が、『[[機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY|0083]]』の時点においては、前線で戦う将校であることは間違いなくなった。</ref>。一年戦争を過ぎている為に、既に顔には視力障害の矯正用ゴーグルが掛かっており、この頃にはもうスペースノイドへの激しい憎悪を深めていたと思われる。しかし、「[[コロニー落とし]]」という最悪な状況であった為か(やはり負傷の原因が近藤による漫画設定の拷問ではなかった可能性も高い)、シーマ率いる海兵隊との共闘は[[エイパー・シナプス]]とは対照的に受け入れているが、最初からアテにはしておらず、あくまでも敵対する[[デラーズ・フリート]]と潰し合いをさせる目論見であった模様。 | | 一年戦争からグリプス戦役までの空白が描かれ、[[地球連邦軍]]の[[ジョン・コーウェン]]准将の派閥に所属する将校として登場<ref>'''[[小説|小説版]]『[[機動戦士Ζガンダム|Ζ]]』では、後方勤務など「[[一年戦争]]に参加していない」とも解しうる設定であった'''が、『[[機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY|0083]]』の時点においては、前線で戦う将校であることは間違いなくなった。</ref>。一年戦争を過ぎている為に、既に顔には視力障害の矯正用ゴーグルが掛かっており、この頃にはもうスペースノイドへの激しい憎悪を深めていたと思われる。しかし、「[[コロニー落とし]]」という最悪な状況であった為か(やはり負傷の原因が近藤による漫画設定の拷問ではなかった可能性も高い)、シーマ率いる海兵隊との共闘は[[エイパー・シナプス]]とは対照的に受け入れているが、最初からアテにはしておらず、あくまでも敵対する[[デラーズ・フリート]]と潰し合いをさせる目論見であった模様。 |
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− | デラーズ・フリートによってジャックされ[[地球]]に向かって落下しようとしていたスペースコロニーを[[ソーラ・システム]]で迎え撃とうとしていたが、ここでは'''「味方([[コウ・ウラキ|コウ]]と第一地球軌道艦隊の先鋒艦隊)が射線上で戦っているにも関わらず、ソーラ・システムを使う」'''という、『Ζ』におけるバスクの非情さの片鱗を垣間見せてる。後に部下(ジャマイカン)が同じようなことして即座に謀殺されたりしているように、'''後年ティターズ内ですら非難される行為を当時から行っていた。'''しかし、それでもコロニーの破壊までには至らず、北米への落下を許してしまう事になった。 | + | デラーズ・フリートによってジャックされ[[地球]]に向かって落下しようとしていたスペースコロニーを[[ソーラ・システム]]で迎え撃とうとしていたが、ここでは'''「味方([[コウ・ウラキ|コウ]]と第一地球軌道艦隊の先鋒艦隊)が射線上で戦っているにも関わらず、ソーラ・システムを使う」'''という、『Ζ』におけるバスクの非情さの片鱗を垣間見せている。後に部下(ジャマイカン)が同じようなことして即座に謀殺されたりしているように、'''後年ティターズ内ですら非難される行為を当時から行っていた。'''しかし、それでもコロニーの破壊までには至らず、北米への落下を許してしまう事になった。 |
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− | コーウェン失脚後、ジャミトフ派に鞍替えした結果、先述の凶行は「お咎め無し」となっており、発足間も無いティターンズの[[指揮官]]に任命。演説にて、地球の守護者として自分達ティターンズが発つ事を世界中に宣言するのだった。
| + | コーウェン失脚後、ジャミトフ派に鞍替えした結果、先述の凶行はお咎めなしとなっており、発足間も無いティターンズの[[指揮官]]に任命。演説で地球の守護者として自分たちティターンズが発つことを世界中に宣言するのだった。 |
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| ==== グリプス戦役時([[機動戦士Ζガンダム|Ζ]]) ==== | | ==== グリプス戦役時([[機動戦士Ζガンダム|Ζ]]) ==== |
− | ティターンズ総帥の[[ジャミトフ・ハイマン]]大将の片腕として、前線において総指揮を任されている。事実上のティターンズのNo.2<ref>あくまでも「実戦部隊での最高階級」にすぎない。本編中ではティターンズ将官クラスの軍服を着ている人物は多数確認できる(一例としてジャミトフの副官は階級章から中将と思われる)ため、バスクよりも[[軍階級|階級]]が上の人物は存在している。</ref>だけあって、軍人としては優秀だが、非情な反スペースノイド主義者で反地球連邦の集会を行っていたスペースコロニーの住民を毒ガス(G3ガス)で全滅させた「30バンチ事件」の実行を命令した張本人でもあり、結果的にブレックスを中心に「[[エゥーゴ]]」が結成される遠因となっている。 | + | ティターンズ総帥の[[ジャミトフ・ハイマン]]大将の片腕として、前線において総指揮を任されている。事実上のティターンズのNo.2<ref>あくまでも実戦部隊での最高階級にすぎない。本編中ではティターンズ将官クラスの軍服を着ている人物は多数確認できる(一例としてジャミトフの副官は階級章から中将と思われる)ため、バスクよりも[[軍階級|階級]]が上の人物は存在している。</ref>だけあって軍人としては優秀だが、非情な反スペースノイド主義者で反地球連邦の集会を行っていたスペースコロニーの住民を毒ガス(G3ガス)で全滅させた「30バンチ事件」の実行を命令した張本人でもあり、結果的にブレックスを中心に「[[エゥーゴ]]」が結成される遠因となっている。 |
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− | 他にも、カミーユの両親を人質にする、[[ジャブロー]]を味方ごと[[核ミサイル|核攻撃]]で爆破する<ref>北爪宏幸氏の[[漫画]]『機動戦士ZガンダムDefine』では、「ジャブローから脱出した連邦軍将兵さえも口封じの為にジェリドに全員を処刑させる」という非道を行っている。</ref>、[[コロニーレーザー]]をサイド2のコロニーに向けて試射する、無防備のエゥーゴの指導者を暗殺させる、陽動作戦としてまたもや毒ガスを使う等々、その暴虐ぶりには枚挙に暇が無い。また、平時でも'''(友軍である地球連邦軍であっても)ティターンズ以外の人間を見下しており'''、バスクの戦術に意見したブライトを暴力で黙らせる事もあった。他に、[[レコア・ロンド]]や[[一般兵]]、ドゴス・ギアの艦長も殴り飛ばした事がある<ref>ただし、エゥーゴから寝返った身であるレコアの場合は、裏切り者である自らの立場をわきまえてない部分もあった為、自業自得と言えなくもない。</ref>。 | + | 他にも、カミーユの両親を人質にする、[[ジャブロー]]を味方ごと[[核ミサイル|核攻撃]]で爆破する<ref>北爪宏幸氏の[[漫画]]『機動戦士ZガンダムDefine』では、ジャブローから脱出した連邦軍将兵さえも口封じの為にジェリドに全員を処刑させるという非道を行っている。</ref>、[[コロニーレーザー]]をサイド2のコロニーに向けて試射する、無防備のエゥーゴの指導者を暗殺させる、陽動作戦としてまたもや毒ガスを使う等々、その暴虐ぶりには枚挙に暇が無い。また、平時でも'''(友軍である地球連邦軍であっても)ティターンズ以外の人間を見下しており'''、バスクの戦術に意見したブライトを暴力で黙らせる事もあった。他に、[[レコア・ロンド]]や[[一般兵]]、ドゴス・ギアの艦長も殴り飛ばした事がある<ref>ただし、エゥーゴから寝返った身であるレコアの場合は、裏切り者である自らの立場をわきまえてない部分もあった為、自業自得と言えなくもない。</ref>。 |
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| 最期は[[ティターンズ]]乗っ取りを企んだ[[パプテマス・シロッコ|シロッコ]]に反発し[[ドゴス・ギア]]艦隊ごと自勢力を維持しようとした事で、ティターンズは事実上の内乱状態になったが、結局はシロッコの策略にはまり、レコアの乗る[[パラス・アテネ]]にドゴス・ギアのブリッジごと撃ち抜かれて死亡した<ref>一方、劇場版『Ζ』では撃ち抜く役は[[ヤザン・ゲーブル|ヤザン]]に変更された。こちらもシロッコの息のかかった者で、自らが重用していた事もあってか、彼が自信を裏切って討ちに来た事は驚きを隠せなかった模様。小説版『Ζ』ではブリッジを撃ち抜かれなかったが、エゥーゴのコロニーレーザー発射に巻き込まれて戦死している。</ref>。 | | 最期は[[ティターンズ]]乗っ取りを企んだ[[パプテマス・シロッコ|シロッコ]]に反発し[[ドゴス・ギア]]艦隊ごと自勢力を維持しようとした事で、ティターンズは事実上の内乱状態になったが、結局はシロッコの策略にはまり、レコアの乗る[[パラス・アテネ]]にドゴス・ギアのブリッジごと撃ち抜かれて死亡した<ref>一方、劇場版『Ζ』では撃ち抜く役は[[ヤザン・ゲーブル|ヤザン]]に変更された。こちらもシロッコの息のかかった者で、自らが重用していた事もあってか、彼が自信を裏切って討ちに来た事は驚きを隠せなかった模様。小説版『Ζ』ではブリッジを撃ち抜かれなかったが、エゥーゴのコロニーレーザー発射に巻き込まれて戦死している。</ref>。 |
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| 元々徹底したアースノイド至上主義者の思想を持っていたとされている。 | | 元々徹底したアースノイド至上主義者の思想を持っていたとされている。 |
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− | ただし、問題的な存在であるのは確かだが、何もバスクだけがジオンに対し常軌を逸した憎悪を抱いていたわけではない。彼と同様に'''特にジオンに対して憎んでいた人物は、ティターンズだけではなく、地球連邦軍にもいたのは否定しようの無い事実'''である。'''既に一年戦争の時代より、バスクのみならず地球連邦軍の兵士達の過半数が、ジオンによって行われたコロニー落としやコロニー潰し(コロニーへの毒ガス注入・ミサイル攻撃・メガ粒子攻撃)によって、家族や友人・恋人を奪われた遺族達'''に占められていた。『[[機動戦士ガンダム|初代]]』の小説版や『[[機動戦士ガンダム 第08MS小隊|第08MS小隊]]』でも、連邦兵士達のジオンへの敵意が凄まじいという描写があり、『[[機動戦士ガンダムUC|UC]]』の[[スベロア・ジンネマン]]の過去からも、連邦側のジオンへの激しい憎悪が語られている。 | + | ただし、問題的な存在であるのは確かだが、何もバスクだけがジオンに対し常軌を逸した憎悪を抱いていたわけではない。彼と同様に'''特にジオンに対して憎んでいた人物は、ティターンズだけではなく地球連邦軍にもいたのは否定しようのない事実'''である。'''既に一年戦争の時代より、バスクのみならず地球連邦軍の兵士達の過半数が、ジオンによって行われたコロニー落としやコロニー潰し(コロニーへの毒ガス注入・ミサイル攻撃・メガ粒子攻撃)によって、家族や友人・恋人を奪われた遺族達'''に占められていた。『[[機動戦士ガンダム|初代]]』の小説版や『[[機動戦士ガンダム 第08MS小隊|第08MS小隊]]』でも、連邦兵士達のジオンへの敵意が凄まじいという描写があり、『[[機動戦士ガンダムUC|UC]]』の[[スベロア・ジンネマン]]の過去からも、連邦側のジオンへの激しい憎悪が語られている。 |
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− | また、一年戦争からデラーズ紛争の時期を冷静に顧みれば、一年戦争の時点でジオン側は'''コロニー落としという大量虐殺のみならず、[[マ・クベ|戦時条約の南極条約を何度も平然と無視する暴挙]]'''に出ている。一年戦争後においてジオンへの憎悪、蔑視がバスクに限らないのは「ある意味では仕方の無い話」であったと言える。
| + | また一年戦争からデラーズ紛争の時期を冷静に顧みれば、一年戦争の時点でジオン側は'''コロニー落としという大量虐殺のみならず、[[マ・クベ|戦時条約の南極条約を何度も平然と無視する暴挙]]'''に出ている。一年戦争後においてジオンへの憎悪、蔑視がバスクに限らないのはある意味では仕方のない話であったと言える。 |
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| そして、それに更なる追い打ちをかける事になったのが[[ジオン公国軍#旧ジオン軍の残党|ジオン残党軍]]による度重なる無差別テロ行為に加え、デラーズ・フリートによって実行された「[[星の屑作戦]]」であった。非戦闘地帯である[[ソロモン|コンペイトウ]]で行われた観艦式への[[アナベル・ガトー|核弾頭による無差別虐殺]]によって多くの連邦兵士・将校が犠牲となり、そして[[エギーユ・デラーズ|北米の穀倉地帯に向けて行われた二度目のコロニー落とし]]でも多大な犠牲が出てしまった為に、ここまで来れば、バスクでなくとも多くのアースノイド達がスペースノイドに恐怖を抱くのは火を見るよりも明らかであったと言える<ref>実際、デラーズ紛争の終盤では、二度もコロニーを落とされた事で連邦側の激しい怒りを買い、その後撤退しようとしたデラーズ・フリートは皆殺しに追い込まれる末路となっている。ただし、殲滅戦の前に連邦軍は投降勧告の呼びかけを行っており、これらをデラーズ・フリート側が無視したという側面もある</ref>。 | | そして、それに更なる追い打ちをかける事になったのが[[ジオン公国軍#旧ジオン軍の残党|ジオン残党軍]]による度重なる無差別テロ行為に加え、デラーズ・フリートによって実行された「[[星の屑作戦]]」であった。非戦闘地帯である[[ソロモン|コンペイトウ]]で行われた観艦式への[[アナベル・ガトー|核弾頭による無差別虐殺]]によって多くの連邦兵士・将校が犠牲となり、そして[[エギーユ・デラーズ|北米の穀倉地帯に向けて行われた二度目のコロニー落とし]]でも多大な犠牲が出てしまった為に、ここまで来れば、バスクでなくとも多くのアースノイド達がスペースノイドに恐怖を抱くのは火を見るよりも明らかであったと言える<ref>実際、デラーズ紛争の終盤では、二度もコロニーを落とされた事で連邦側の激しい怒りを買い、その後撤退しようとしたデラーズ・フリートは皆殺しに追い込まれる末路となっている。ただし、殲滅戦の前に連邦軍は投降勧告の呼びかけを行っており、これらをデラーズ・フリート側が無視したという側面もある</ref>。 |
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− | それらの事を踏まえれば、冷酷非道なティターンズの指揮官であったバスクの存在は、スペースノイドにとっては脅威であっても、彼等のテロにずっと怯え続けていたアースノイド達からしてみれば正に「毒を以て毒を制す存在」であったともいえ、バスクという存在は「一年戦争の時期よりスペースノイドに苦しめられたアースノイド達の怒りと憎悪の象徴と言える人物」と見る向きもある。
| + | それらの事を踏まえれば、冷酷非道なティターンズの指揮官であったバスクの存在は、スペースノイドにとっては脅威であっても、彼等のテロにずっと怯え続けていたアースノイド達からしてみれば正に毒を以て毒を制す存在であったともいえ、バスクという存在は「一年戦争の時期よりスペースノイドに苦しめられたアースノイド達の怒りと憎悪の象徴と言える人物」と見る向きもある。 |
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| しかし、'''あくまでジオン(コロニーにおけるサイド3であり宇宙移民の一部)との紛争であったはずなのに、スペースノイド全体に対するものとして(そこにバスク個人の差別、蔑視という私念が存在)、対象を拡大して弾圧していった論理のすり替えや扇動が存在していたのは紛れもない事実'''であり'''、'''それが身内に属する者達からすら離反を招き、'''遂には地球連邦からも手を切られてしまってティターンズ崩壊のみならず、後年のティターンズと一体関係にあった地球連邦(エゥーゴが最初から正規軍だったと捏造するも)に対するスペースノイドからの反発心増大(ロンド・ベルの立ち入りを一般人が妨害など)、登場する反連邦組織への世論下支えとなり、多くの紛争が発生していく。''' | | しかし、'''あくまでジオン(コロニーにおけるサイド3であり宇宙移民の一部)との紛争であったはずなのに、スペースノイド全体に対するものとして(そこにバスク個人の差別、蔑視という私念が存在)、対象を拡大して弾圧していった論理のすり替えや扇動が存在していたのは紛れもない事実'''であり'''、'''それが身内に属する者達からすら離反を招き、'''遂には地球連邦からも手を切られてしまってティターンズ崩壊のみならず、後年のティターンズと一体関係にあった地球連邦(エゥーゴが最初から正規軍だったと捏造するも)に対するスペースノイドからの反発心増大(ロンド・ベルの立ち入りを一般人が妨害など)、登場する反連邦組織への世論下支えとなり、多くの紛争が発生していく。''' |
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− | グリプス戦役後、ティターンズは「精鋭部隊とは名ばかりの、地球至上主義に凝り固まった危険思想を孕んだ過激なテロリスト集団」「連邦軍から生まれたジオン」のレッテルを貼られ、元構成員は不当な処罰を受けたり、僻地送り等の冷遇を受ける事になり挙げ句の果てに一部はティターンズ残党になったり、ネオ・ジオンに加わったりするが、'''ティターンズの負のイメージを定着させたのは、間違い無くバスク・オム(または腰巾着のジャマイカンも加えて)であり、上記の後年における諸紛争発生の件も含めて、その責任は非常に大きい'''と言わざるを得ないものがある。 | + | グリプス戦役後、ティターンズは「精鋭部隊とは名ばかりの、地球至上主義に凝り固まった危険思想を孕んだ過激なテロリスト集団」「連邦軍から生まれたジオン」のレッテルを貼られ、元構成員は不当な処罰を受けたり、僻地送り等の冷遇を受ける事になり挙げ句の果てに一部はティターンズ残党になったり、ネオ・ジオンに加わったりするが、'''ティターンズの負のイメージを定着させたのは間違い無くバスク(または腰巾着のジャマイカンも加えて)であり、上記の後年における諸紛争発生の件も含めて、その責任は非常に大きい'''と言わざるを得ないものがある。 |
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− | SRWではジャミトフに対して忠実なイメージがあるが、原作では'''どちらかというと「[[スペースノイド]]弾圧をし易くするためにジャミトフに従っていた」節が所々に見られた'''<ref>SRW以外の[[コンピュータゲーム|ゲーム]]ではより明確に描写されている。</ref>。一方、'''ジャミトフはバスクの暴虐な振る舞いに対して、「世間からの反感を増幅しかねない」として難色を示しており'''、特に劇場版ではジャミトフがバスクを警戒している描写がある。 | + | SRWではジャミトフに対して忠実なイメージがあるが、原作では'''どちらかというと[[スペースノイド]]弾圧をし易くするためにジャミトフに従っていた節が所々に見られた'''<ref>SRW以外の[[コンピュータゲーム|ゲーム]]ではより明確に描写されている。</ref>。一方、'''ジャミトフはバスクの暴虐な振る舞いに対して「世間からの反感を増幅しかねない」として難色を示しており'''、特に劇場版ではジャミトフがバスクを警戒している描写がある。 |
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| == 登場作品と役柄 == | | == 登場作品と役柄 == |
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| ;{{参戦作品 (人物)|第3次スーパーロボット大戦}} | | ;{{参戦作品 (人物)|第3次スーパーロボット大戦}} |
| :初登場作品。[[ディバイン・クルセイダーズ|DC]]のメンバーで第2遊撃軍司令官。キシリアの直属([[ティターンズ]]系はキシリア派所属)として原作通り毒ガス作戦等の非道な作戦を行う他、インスペクターとの同盟交渉に就く等、序盤からDC側の悪役として出番が多い。序盤から中盤は[[ドゴス・ギア]]、終盤はなんと[[ドロス]]に搭乗している。 | | :初登場作品。[[ディバイン・クルセイダーズ|DC]]のメンバーで第2遊撃軍司令官。キシリアの直属([[ティターンズ]]系はキシリア派所属)として原作通り毒ガス作戦等の非道な作戦を行う他、インスペクターとの同盟交渉に就く等、序盤からDC側の悪役として出番が多い。序盤から中盤は[[ドゴス・ギア]]、終盤はなんと[[ドロス]]に搭乗している。 |
− | :ちなみに、『[[第4次スーパーロボット大戦|第4次]]』ではティターンズが登場するのに彼は登場しない。死亡描写は無かったのだが彼は何処へ行ったのだろう?<ref>『第4次』のティターンズは「DC残党狩りを目的としたDCの再就職先」であるのだが、『第3次』のバスクは'''「本来撃退するはずの異星人と結託して地球連邦を敵視する」'''という行為を行なっている為、「異星人と結託していたバスクが地球連邦側に再就職するのは無理がある」と判断され、意図的にフェードアウトさせたのかもしれない。ただし『F』ではのうのうと連邦側にいたりするのだが(さらに言えば、[[OGシリーズ]]では[[リー・リンジュン]]が「[[インスペクター|異星人]]と結託していたにもかかわらず[[ガイアセイバーズ (OG)|地球連邦側]]に再就職する」行為を実践していたりする。ただしこちらは一応根回しがあったことが語られている。)。</ref> | + | :ちなみに、『[[第4次スーパーロボット大戦|第4次]]』ではティターンズが登場するのに彼は登場しない。死亡描写は無かったのだが彼は何処へ行ったのだろう?<ref>『第4次』のティターンズはDC残党狩りを目的としたDCの再就職先であるのだが、『第3次』のバスクは'''「本来撃退するはずの異星人と結託して地球連邦を敵視する」'''という行為を行なっている為、「異星人と結託していたバスクが地球連邦側に再就職するのは無理がある」と判断され、意図的にフェードアウトさせたのかもしれない。ただし『F』ではのうのうと連邦側にいたりするのだが(さらに言えば、[[OGシリーズ]]では[[リー・リンジュン]]が「[[インスペクター|異星人]]と結託していたにもかかわらず[[ガイアセイバーズ (OG)|地球連邦側]]に再就職する」為を実践していたりする。ただしこちらは一応根回しがあったことが語られている。)。</ref> |
| ;{{参戦作品 (人物)|スーパーロボット大戦F}} | | ;{{参戦作品 (人物)|スーパーロボット大戦F}} |
| :声がついた。原作同様のティターンズ幹部として登場するが、まだこの時点では味方側。戦闘はしないが、[[キャラクター事典]]での一言セリフは必聴。異星人と結託して地球連邦と敵対していた件については特に語られていない為、どのような手引きで連邦側へ鞍替えしたのかは不明。 | | :声がついた。原作同様のティターンズ幹部として登場するが、まだこの時点では味方側。戦闘はしないが、[[キャラクター事典]]での一言セリフは必聴。異星人と結託して地球連邦と敵対していた件については特に語られていない為、どのような手引きで連邦側へ鞍替えしたのかは不明。 |
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| === COMPACTシリーズ === | | === COMPACTシリーズ === |
| ;{{参戦作品 (人物)|スーパーロボット大戦COMPACT}} | | ;{{参戦作品 (人物)|スーパーロボット大戦COMPACT}} |
− | :シーン5のシナリオ23「刻の涙」にドゴス・ギアで登場。戦闘台詞と撃破時以外に台詞は無く、歴代で一番目立たないバスクかもしれない。 | + | :シーン5のシナリオ23「刻の涙」にドゴス・ギアで登場。戦闘台詞と撃破時以外に台詞はなく、歴代で一番目立たないバスクかもしれない。 |
| :;{{参戦作品 (人物)|スーパーロボット大戦COMPACT for WonderSwanColor}} | | :;{{参戦作品 (人物)|スーパーロボット大戦COMPACT for WonderSwanColor}} |
| ::リメイク前と出番は変わらないが、マップ上での台詞が追加されている。'''どうやらシロッコに騙され、ロンド・ベルの迫るグリプスIIに誘導された様子'''。 | | ::リメイク前と出番は変わらないが、マップ上での台詞が追加されている。'''どうやらシロッコに騙され、ロンド・ベルの迫るグリプスIIに誘導された様子'''。 |
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| :[[OZ]]のメンバー。[[カーツ・フォルネウス|カーツ]]・[[アイシャ・リッジモンド|アイシャ]]・[[エルリッヒ・シュターゼン|エルリッヒ]]・[[リッシュ・グリスウェル|リッシュ]]と、オリジナルキャラ全員と一通り絡んでいる。 | | :[[OZ]]のメンバー。[[カーツ・フォルネウス|カーツ]]・[[アイシャ・リッジモンド|アイシャ]]・[[エルリッヒ・シュターゼン|エルリッヒ]]・[[リッシュ・グリスウェル|リッシュ]]と、オリジナルキャラ全員と一通り絡んでいる。 |
| ;[[スーパーロボット大戦GC]]([[スーパーロボット大戦XO|XO]]) | | ;[[スーパーロボット大戦GC]]([[スーパーロボット大戦XO|XO]]) |
− | :'''なんと、登場前にジャミトフ共々逮捕・拘束されており、名前が語られるぐらいで影も形も登場しない'''。 | + | :'''なんと登場前にジャミトフ共々逮捕・拘束されており、名前が語られるぐらいで影も形も登場しない'''。 |
| :ただ、拘束されているのは確かだが、粛清されただの処刑されただのといった話は出てこないので、収監されているか、あるいは更迭もしくは罷免された可能性が高い。そのため'''最後まで生存している可能性が高いだけ原作より扱いは良い……のか?''' | | :ただ、拘束されているのは確かだが、粛清されただの処刑されただのといった話は出てこないので、収監されているか、あるいは更迭もしくは罷免された可能性が高い。そのため'''最後まで生存している可能性が高いだけ原作より扱いは良い……のか?''' |
| ;{{参戦作品 (人物)|スーパーロボット大戦X-Ω}} | | ;{{参戦作品 (人物)|スーパーロボット大戦X-Ω}} |
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| ;「省みよ! 今回の事件は地球圏の静謐を夢想した一部の楽観論者が招いたのだ! 『デラーズ・フリート』の決起等はその具体的一例に過ぎぬ!」<br />「また三日前、北米大陸の穀倉地帯に大打撃を与えたスペース・コロニーの落下事故を見るまでもなく、我々の地球は絶えず、様々な危機に晒されているのだ!」<br />「地球! …この宇宙のシンボルを<ruby><rb>忽</rb><rt>ゆるが</rt></ruby>せにしない為にも、我々は誕生した! 地球! …真の力を再びこの手に取り戻すため、ティターンズは起つのだ!」 | | ;「省みよ! 今回の事件は地球圏の静謐を夢想した一部の楽観論者が招いたのだ! 『デラーズ・フリート』の決起等はその具体的一例に過ぎぬ!」<br />「また三日前、北米大陸の穀倉地帯に大打撃を与えたスペース・コロニーの落下事故を見るまでもなく、我々の地球は絶えず、様々な危機に晒されているのだ!」<br />「地球! …この宇宙のシンボルを<ruby><rb>忽</rb><rt>ゆるが</rt></ruby>せにしない為にも、我々は誕生した! 地球! …真の力を再びこの手に取り戻すため、ティターンズは起つのだ!」 |
| :第13話で[[デラーズ・フリート]]との戦いが終結した後に行った演説。かくして、後世に悪名高き[[ティターンズ]]が発足する…。 | | :第13話で[[デラーズ・フリート]]との戦いが終結した後に行った演説。かくして、後世に悪名高き[[ティターンズ]]が発足する…。 |
− | :余談だが、公式年表ではコロニー落下は0083年11月13日で、ティターンズ創設演説は12月4日とされているため、「また三日前」の発言と矛盾してしまっており、設定に齟齬があったと思われる<ref>連邦の情報統制が行われた影響の可能性も残るが、コロニーが落下した日時を誤魔化すのは困難である上に、意義も薄い。</ref>。また、小説版では「先月の13日」とセリフの修正が行われている。 | + | :余談だが、公式年表ではコロニー落下は0083年11月13日で、ティターンズ創設演説は12月4日とされているため、「また三日前」の発言と矛盾してしまっており、設定に齟齬があったと思われる<ref>連邦の情報統制が行われた影響の可能性も残るが、コロニーが落下した日時を誤魔化すのは困難である上に、意義も薄い。</ref>。小説版では「先月の13日」に修正されている。 |
| :『[[スーパーロボット大戦α|α]]』のラストでもやや形を変えて同様の演説を行なっている。 | | :『[[スーパーロボット大戦α|α]]』のラストでもやや形を変えて同様の演説を行なっている。 |
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| :横暴で権力主義的であるバスク、そしてティターンズをよく表した台詞であり、[[エマ・シーン|エマ]]がティターンズを離反するきっかけになった。 | | :横暴で権力主義的であるバスク、そしてティターンズをよく表した台詞であり、[[エマ・シーン|エマ]]がティターンズを離反するきっかけになった。 |
| ;「愛人にとっては都合が良かったのではないのか?」 | | ;「愛人にとっては都合が良かったのではないのか?」 |
− | :第4話で人質にとった[[カミーユ・ビダン|カミーユ]]の母が戦闘中に死亡した後、その事を抗議してきたカミーユの父・フランクリンに対して。事実であるだけに、抗議しようとしたフランクリンは「ぐう」の音も出なかった<ref>近くにいた部下達もバスクに同調するかのごとくフランクリンに対して軽蔑の眼差しを向けていた。</ref>。 | + | :第4話で人質にとった[[カミーユ・ビダン|カミーユ]]の母が戦闘中に死亡した後、その事を抗議してきたカミーユの父・フランクリンに対して。事実であるだけに、抗議しようとしたフランクリンはぐうの音も出なかった<ref>近くにいた部下達もバスクに同調するかのごとくフランクリンに対して軽蔑の眼差しを向けていた。</ref>。 |
| :なお、この発言からフランクリンの愛人の事は軍内部でも知られていた可能性がある。また、直前のアレキサンドリア格納庫でのカミーユとフランクリンの言い争いはブリッジで盗み聞ぎされており、その際に「愛人か」と不敵な笑みと共に呟いている場面もある。 | | :なお、この発言からフランクリンの愛人の事は軍内部でも知られていた可能性がある。また、直前のアレキサンドリア格納庫でのカミーユとフランクリンの言い争いはブリッジで盗み聞ぎされており、その際に「愛人か」と不敵な笑みと共に呟いている場面もある。 |
| ;「汚名挽回? その言葉は実績を見せた者が言う事だ」 | | ;「汚名挽回? その言葉は実績を見せた者が言う事だ」 |
| :同上。[[ジェリド・メサ|ジェリド]]の「自分が汚名挽回をしたく」への返事。ペーペーの新人パイロットであるジェリドには無論実績などある筈もないので、出しゃばるなと牽制したのだろう。もしかしたら、暗に「気にするな」と言ってくれているのかもしれないが、バスクの様な人物に遠回しに言われても気遣いだと思う人は皆無であろう。 | | :同上。[[ジェリド・メサ|ジェリド]]の「自分が汚名挽回をしたく」への返事。ペーペーの新人パイロットであるジェリドには無論実績などある筈もないので、出しゃばるなと牽制したのだろう。もしかしたら、暗に「気にするな」と言ってくれているのかもしれないが、バスクの様な人物に遠回しに言われても気遣いだと思う人は皆無であろう。 |
− | :「挽回する程の」「汚名挽回は1970年代から誤用ではないか?」という議論が生じているが、1980年代はまだ普通に使われている時代の作品なので、当然だがバスクもこの言葉を間違いだと思ったりはしない。 | + | :「汚名挽回は1970年代から誤用ではないか?」という議論が生じているが、1980年代はまだ普通に使われている時代の作品なので、当然だがバスクもこの言葉を間違いだと思ったりはしない。 |
| :サンライズ公式のパロディ漫画『IPポリス つづきちゃん』では、前半部を汚名挽回という言葉についての指摘だと勘違いしたジェリドへ「挽回するほど実績あんのか」と返した。 | | :サンライズ公式のパロディ漫画『IPポリス つづきちゃん』では、前半部を汚名挽回という言葉についての指摘だと勘違いしたジェリドへ「挽回するほど実績あんのか」と返した。 |
| ;「シロッコ…貴公の許せんことは、自分以上に能力の高いものがいない、と思っていることだ。馬鹿にするな!!」 | | ;「シロッコ…貴公の許せんことは、自分以上に能力の高いものがいない、と思っていることだ。馬鹿にするな!!」 |
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| ;「我々は人殺しの集団ではない。一刻も早い平和を願っている事を忘れんでな」 | | ;「我々は人殺しの集団ではない。一刻も早い平和を願っている事を忘れんでな」 |
| :第41話にて、毒ガス作戦実行を命令された[[レコア・ロンド|レコア]]が「ティターンズへの忠誠を試すのなら、他にも方法があるはずです」と反論した際、彼女に対し[[修正]]と共にこう言い放つ。 | | :第41話にて、毒ガス作戦実行を命令された[[レコア・ロンド|レコア]]が「ティターンズへの忠誠を試すのなら、他にも方法があるはずです」と反論した際、彼女に対し[[修正]]と共にこう言い放つ。 |
− | :「'''自身のかつての所業を棚に上げた'''、厚顔無恥の極み」とも言える台詞。バスクの目に映るのは[[アースノイド]]だけである、という事がよく分かる。 | + | :'''自身のかつての所業を棚に上げた'''、厚顔無恥の極みとも言える台詞。バスクの目に映るのは[[アースノイド]]だけである、という事がよく分かる。 |
| ;「このまま逃がすものか! モビルスーツを回収しろ。グワダンを追う!」 | | ;「このまま逃がすものか! モビルスーツを回収しろ。グワダンを追う!」 |
| ;ドゴス・ギア艦長「大佐、冷静に。グリプス2の防衛が先です」 | | ;ドゴス・ギア艦長「大佐、冷静に。グリプス2の防衛が先です」 |
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| ;「ゼダンの門の破片に当たって沈む馬鹿がいるかッ!」 | | ;「ゼダンの門の破片に当たって沈む馬鹿がいるかッ!」 |
| :第45話より。ゼダンの門(旧[[ア・バオア・クー]])にアクシスが激突し、その余波により発生した破片群に巻き込まれて沈んでいく自軍の[[サラミス改級巡洋艦]]を罵る。 | | :第45話より。ゼダンの門(旧[[ア・バオア・クー]])にアクシスが激突し、その余波により発生した破片群に巻き込まれて沈んでいく自軍の[[サラミス改級巡洋艦]]を罵る。 |
− | :戦闘でも無い事で自分の手駒を失うことをイラついたのかもしれないが、この時ジャミトフは自分を気遣った部下に「ティターンズ艦隊員の心配をしろ」と発言しており、両者の「人としての良識さ」の対比になっている。 | + | :戦闘でも無い事で自分の手駒を失うことをイラついたのかもしれないが、この時ジャミトフは自分を気遣った部下に「ティターンズ艦隊員の心配をしろ」と発言しており、両者の人としての良識さの対比になっている。 |
| ;「正面!? シロッコのモビルスーツ隊が!!」<br />「ぐわあああああああああああ!!!」 | | ;「正面!? シロッコのモビルスーツ隊が!!」<br />「ぐわあああああああああああ!!!」 |
| :第48話における断末魔。 | | :第48話における断末魔。 |
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| === 単独作品 === | | === 単独作品 === |
| ;「そのアリンディーネ嬢のためにも、よけいな行動はせぬことだ」<br />「地上も混乱しておる。その娘は[[OZ]]が保護している。が、貴官の行動いかんでは、その娘に事故がおこるやもしれん」 | | ;「そのアリンディーネ嬢のためにも、よけいな行動はせぬことだ」<br />「地上も混乱しておる。その娘は[[OZ]]が保護している。が、貴官の行動いかんでは、その娘に事故がおこるやもしれん」 |
− | :『[[スーパーロボット大戦64|64]]』の[[アークライト・ブルー|アーク]]ルートより。'''反抗的な[[エルリッヒ・シュターゼン|エルリッヒ]]の恋人を人質に取っている'''事を示唆した台詞。『64』におけるバスクを象徴する台詞である。 | + | :『[[スーパーロボット大戦64|64]]』の[[アークライト・ブルー|アーク]]ルートより。'''反抗的な[[エルリッヒ・シュターゼン|エルリッヒ]]の恋人を人質に取っている'''ことを示唆した台詞。『64』におけるバスクを象徴する台詞である。 |
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| == 搭乗機体 == | | == 搭乗機体 == |
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| == 余談 == | | == 余談 == |
| *郷里氏死去後も長年後任は立てられていなかったが、2022年のゲーム『機動戦士ガンダム U.C.ENGAGE』では、[[声優:大友龍三郎|大友龍三郎]]氏が後任に起用されている。 | | *郷里氏死去後も長年後任は立てられていなかったが、2022年のゲーム『機動戦士ガンダム U.C.ENGAGE』では、[[声優:大友龍三郎|大友龍三郎]]氏が後任に起用されている。 |
− | *北爪宏幸氏の[[漫画]]『機動戦士ΖガンダムDefine』では、艦隊戦において伏兵や増援を駆使し[[エゥーゴ]]艦隊を幾度も追い詰める等、バスク・オムの優秀な戦術家としての面が強調されている。 | + | *北爪宏幸氏の[[漫画]]『機動戦士ΖガンダムDefine』では、艦隊戦において伏兵や増援を駆使し[[エゥーゴ]]艦隊を幾度も追い詰めるなど、優秀な戦術家としての面が強調されている。 |
− | **一方で失態を犯した部下に対して家族への補償と引き換えに死を前提とした「特務」を命じる、中立の立場を取った連邦正規軍の艦に対し躊躇無く砲撃を加える、ジャブローで捨て石にされた数百名の人員を独断で救出した[[ジェリド・メサ|ジェリド]]に対し、彼自身と[[マウアー・ファラオ|マウアー]]の助命の条件として他の全員の口封じを行う事を命じる等々、冷酷さも際立っている。副官である[[ジャマイカン・ダニンガン]]からはそうした本性を見抜かれているためか、本気でバスクを恐れている。 | + | **一方で失態を犯した部下に対して家族への補償と引き換えに死を前提とした「特務」を命じる、中立の立場を取った連邦正規軍の艦に対し躊躇なく砲撃を加える、ジャブローで捨て石にされた数百名の人員を独断で救出した[[ジェリド・メサ|ジェリド]]に対し、彼自身と[[マウアー・ファラオ|マウアー]]の助命の条件としてほかの全員の口封じを行うことを命じる等々、冷酷さも際立っている。副官である[[ジャマイカン・ダニンガン]]からはそうした本性を見抜かれているためか、本気でバスクを恐れている。 |
− | *近藤和久氏の漫画『サイドストーリー オブ ガンダムΖ』では、上述した通り「ジオン軍の捕虜となったバスクが、ジオン軍から電気椅子や薬物による拷問を受ける」場面が描かれた。この描写がのちに公式裏設定と誤解されることも多い訳だが、さらに本作では、拷問を受けたバスクは'''視力障碍だけでなく下半身不随という重傷を負わされている。'''基地内や軍艦内では移動式の専用座席から降りられないほどで、ベッドから身を起こす際にも椅子にすがりながら腰を曲げつつ降りるという姿を見せる。 | + | *近藤和久氏の漫画『サイドストーリー オブ ガンダムΖ』では、上述した通りジオン軍の捕虜となったバスクが、ジオン軍から電気椅子や薬物による拷問を受ける場面が描かれた。この描写がのちに公式裏設定と誤解されることも多い訳だが、さらに本作では、拷問を受けたバスクは'''視力障碍だけでなく下半身不随という重傷を負わされている。'''基地内や軍艦内では移動式の専用座席から降りられないほどで、ベッドから身を起こす際にも椅子にすがりながら腰を曲げつつ降りるという姿を見せる。 |
| **なお本作ではパラレルワールドということもあり、'''クワトロ・バジーナ=シャア・アズナブルはティターンズに所属'''して百式改に乗ってジオン残党狩りに従事しているが、そうなったのは'''バスクが[[セイラ・マス]]を人質に取っていたから'''であった。結局本作は打ち切りとなったため、結末は不明である。 | | **なお本作ではパラレルワールドということもあり、'''クワトロ・バジーナ=シャア・アズナブルはティターンズに所属'''して百式改に乗ってジオン残党狩りに従事しているが、そうなったのは'''バスクが[[セイラ・マス]]を人質に取っていたから'''であった。結局本作は打ち切りとなったため、結末は不明である。 |
− | *故・郷里大輔氏が『[[機動戦士ガンダム]]』で演じた[[ドズル・ザビ]]とはあらゆる面で正反対な人物である<ref>もっとも、'''ドズル・ザビもまた「[[ギレン・ザビ]]の[[計画]]・命令だったとは言え、[[コロニー落とし]]や毒ガス等を用いて[[地球|地球圏]]の総人口の半分を死に至らしめた側の責任者の一人」である'''。特に「ブリテッィシュ作戦」では陣頭指揮をしており、[[シーマ・ガラハウ]]のように「知らなかった」という立場では済まされず、『THE ORIGIN』では「負けたら、自分達は戦犯」と語っている。そういう意味では「五十歩百歩」とも言える。</ref>。 | + | *故・郷里大輔氏が『[[機動戦士ガンダム]]』で演じた[[ドズル・ザビ]]とはあらゆる面で正反対な人物である<ref>もっとも、'''ドズルも[[ギレン・ザビ]]の[[計画]]・命令だったとは言え、[[コロニー落とし]]や毒ガス等を用いて[[地球|地球圏]]の総人口の半分を死に至らしめた側の責任者の一人である'''。特に「ブリテッィシュ作戦」では陣頭指揮をしており、[[シーマ・ガラハウ]]のように「知らなかった」という立場では済まされず、『THE ORIGIN』では「負けたら、自分達は戦犯」と語っている。そういう意味では五十歩百歩とも言える。</ref>。 |
− | *視覚障害矯正の為にかけている特徴的なゴーグルであるが、TV版『Z』の3話において一時外した姿を見ることが出来る。 | + | *視覚障害矯正のためにかけている特徴的なゴーグルであるが、TV版『Z』の3話において一時外した姿を見ることが出来る。 |
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| == 脚注 == | | == 脚注 == |