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基本的に皇族は後方で構えており戦場へ赴くことは無いのだが、コーネリアの場合は「世間一般がイメージするブリタニア皇族」とはかけ離れた思想を持ち、戦に美学と矜持を求め、「命を懸けて戦うからこそ統治する資格がある」という戦国武将の様な持論を持つ。しかし、それ故に極めて好戦的でもあり、自らが命懸けの戦いを楽しみたいが為に部下達を戦闘に参加させず、わざわざ単独で敵部隊を殲滅し、拠点を制圧しようとする等、軍事行動を行う指揮官としては問題のある行動も目立ち、ギルフォードを不安にさせる事も少なくない。これらの要素は幼い頃より[[ルルーシュ・ランペルージ|ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア]]らの母である[[マリアンヌ・ヴィ・ブリタニア]]に憧れていた事であり、武門の道へと進んだのも彼女の存在が大きい。ただし、彼女を「憧憬」としている反面、「理解」はしておらず、その極めて危険な本質については知らないままとなっていた(元・ナイトオブツーで親交のあったベアトリクス・ファランクスから聞かされて、初めてその本性を知るに至っている)。
 
基本的に皇族は後方で構えており戦場へ赴くことは無いのだが、コーネリアの場合は「世間一般がイメージするブリタニア皇族」とはかけ離れた思想を持ち、戦に美学と矜持を求め、「命を懸けて戦うからこそ統治する資格がある」という戦国武将の様な持論を持つ。しかし、それ故に極めて好戦的でもあり、自らが命懸けの戦いを楽しみたいが為に部下達を戦闘に参加させず、わざわざ単独で敵部隊を殲滅し、拠点を制圧しようとする等、軍事行動を行う指揮官としては問題のある行動も目立ち、ギルフォードを不安にさせる事も少なくない。これらの要素は幼い頃より[[ルルーシュ・ランペルージ|ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア]]らの母である[[マリアンヌ・ヴィ・ブリタニア]]に憧れていた事であり、武門の道へと進んだのも彼女の存在が大きい。ただし、彼女を「憧憬」としている反面、「理解」はしておらず、その極めて危険な本質については知らないままとなっていた(元・ナイトオブツーで親交のあったベアトリクス・ファランクスから聞かされて、初めてその本性を知るに至っている)。
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規律厳しい性質故にブリタニア人が[[イレヴン]]を始めとするナンバーズに対し不当な差別をする事を「『国是』として正義」と認識しており、エリア11の総督としてはナンバーズとの融和政策を手緩い物と断固として認めず、ブリタニア人とナンバーズを区別し反抗の意志を削ぐまで徹底的に弾圧する政策をとり、部下達にも人種差別を徹底させている。また、「私の命令を実行出来ない兵は必要ない」と容赦無く切り捨て、ルルーシュには「[[テロリスト]]が自国民を人質に取ろうが無視する」とまで評されており、異母妹である[[マリーベル・メル・ブリタニア]]も、彼女に似た気質の持ち主となっている。ナンバーズに対しては、ブリタニアにとって有益にならないと見なせば人権すらも認めようとはせず、サイタマゲットーでは「そこに住むイレヴンの多くがテロリストと繋がっている」という言い掛かりに近い理由で、老若男女一切を問わない冷酷非道な無差別虐殺を決行し、白旗を上げて投降の意志を示す者さえ慈悲を見せず容赦無く殺害させた程。一方で、ブリタニアにとって有能な者や忠義に従う者には素直に受け取り、妹のユーフェミアを救ったスザクの事も早い段階で認めていて、藤堂の処刑係を彼にしたのは誰が見ても分かる功績を立たせてやるという彼女なりの気遣いで、やり方は独善的だがコーネリアにとって踏み絵ではなかった(かつての恩師を殺さねばならないスザク本人やユーフェミアからしてみれば、踏み絵以外の何物でもないが…)<ref>コードギアス反逆のルルーシュDVDマガジンⅠより。</ref>。一方で統治はあまり得意ではないらしく、劇中でも薬物の密売人が「武人だからこういうことには疎い」と腐敗を招いている描写があった<ref>ただし、テロリストに武器や兵器等の横流しをしていた軍隊の綱紀粛正を図っていたので、一時的にその弊害が出ていたという見方もできる。脚本の大河内一楼氏は『月刊ニュータイプ』2008年9月号にて、「政治家としても優秀」「一番能力が高い個人かも」と語っている</ref>。コーネリア本人はそういった内部の腐敗を絶対に許さないタイプなので、総督を務める領地であろうと容赦無くメスを入れる事も辞さない。故にクロヴィスの軟弱な政治体制は批判に値するものであった。
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規律厳しい性質故にブリタニア人が[[イレヴン]]を始めとするナンバーズに対し不当な差別をする事を「『国是』として正義」と認識しており、エリア11の総督としてはナンバーズとの融和政策を手緩い物と断固として認めず、ブリタニア人とナンバーズを区別し反抗の意志を削ぐまで徹底的に弾圧する政策をとり、部下達にも人種差別を徹底させている。また、「私の命令を実行出来ない兵は必要ない」と容赦無く切り捨て、ルルーシュには「[[テロリスト]]が自国民を人質に取ろうが無視する」とまで評されており、異母妹である[[マリーベル・メル・ブリタニア]]も、彼女に似た気質の持ち主となっている。ナンバーズに対しては、ブリタニアにとって有益にならないと見なせば人権すらも認めようとはせず、サイタマゲットーでは「そこに住むイレヴンの多くがテロリストと繋がっている」という言い掛かりに近い理由で、老若男女一切を問わない冷酷非道な無差別虐殺を決行し、白旗を上げて投降の意志を示す者さえ慈悲を見せず容赦無く殺害させた程。一方で、ブリタニアにとって有能な者や忠義に従う者には素直に受け取り、妹のユーフェミアを救ったスザクの事も早い段階で認めていて、藤堂の処刑係を彼にしたのは誰が見ても分かる功績を立たせてやるという彼女なりの気遣いで、やり方は独善的だがコーネリアにとって踏み絵ではなかった(かつての恩師を殺さねばならないスザク本人やユーフェミアからしてみれば、踏み絵以外の何物でもないが…)<ref>コードギアス反逆のルルーシュDVDマガジンⅠより。</ref>。良くも悪くも実力主義な人物であり、ただナンバーズを下等な人種として見下すブリタニア保守貴族層とは一線を画す。この辺りは父親の[[シャルル・ジ・ブリタニア]]に近いかもしれない。一方で統治はあまり得意ではないらしく、劇中でも薬物の密売人が「武人だからこういうことには疎い」と腐敗を招いている描写があった<ref>ただし、テロリストに武器や兵器等の横流しをしていた軍隊の綱紀粛正を図っていたので、一時的にその弊害が出ていたという見方もできる。脚本の大河内一楼氏は『月刊ニュータイプ』2008年9月号にて、「政治家としても優秀」「一番能力が高い個人かも」と語っている</ref>。コーネリア本人はそういった内部の腐敗を絶対に許さないタイプなので、総督を務める領地であろうと容赦無くメスを入れる事も辞さない。故にクロヴィスの軟弱な政治体制は批判に値するものであった。
    
基本的に他人にはブリタニア人、ナンバーズを問わずに厳しいが、肉親や身内に関しては致命的なまでに甘い面があり、ユーフェミア程では無いものの、ブリタニア皇族としては珍しく異母兄弟達にも情を持つ人物でもある。特に同母妹のユーフェミアの事は、皇族、副総督としては厳しくしているが、基本的に溺愛し、彼女に関すると普段の冷徹さと的確な判断力が鈍って感情的になり、公私混同させた行動に出てしまう事も多く、[[ブラックリベリオン]]時はこれが完全に仇になってしまう形で撃墜されてしまった。また、ブリタニア皇族として、軍人として、国益の為に他国への侵略・ナンバーズへの圧政及び虐殺を容赦無く行ってきた反面、自分と同じブリタニア人に関しては「テロリストに人質に取られた場合は別として、暴力や弾圧をされる事は良しとしない」という、ある種の自分勝手と言える考え方をしている。後に異母兄の[[シュナイゼル・エル・ブリタニア]]が[[ダモクレス要塞|天空要塞ダモクレス]]を使ってブリタニアを含めた全体に恐怖政治を展開しようとし反発した点からも、コーネリアが'''「自分達ブリタニアが『侵略者』で、己自身がナンバーズ対して行ってきた苛烈な統治もまたシュナイゼルと同様の恐怖政治に過ぎない」'''という理解が根本的に乏しかった事をうかがわせる。小説版では、シュナイゼルからこの点について「コーネリアは存外に覚悟が足りない(大局的な視点に立った際に自らが属するブリタニアの身を斬る覚悟がない)」と評され呆れられていた。
 
基本的に他人にはブリタニア人、ナンバーズを問わずに厳しいが、肉親や身内に関しては致命的なまでに甘い面があり、ユーフェミア程では無いものの、ブリタニア皇族としては珍しく異母兄弟達にも情を持つ人物でもある。特に同母妹のユーフェミアの事は、皇族、副総督としては厳しくしているが、基本的に溺愛し、彼女に関すると普段の冷徹さと的確な判断力が鈍って感情的になり、公私混同させた行動に出てしまう事も多く、[[ブラックリベリオン]]時はこれが完全に仇になってしまう形で撃墜されてしまった。また、ブリタニア皇族として、軍人として、国益の為に他国への侵略・ナンバーズへの圧政及び虐殺を容赦無く行ってきた反面、自分と同じブリタニア人に関しては「テロリストに人質に取られた場合は別として、暴力や弾圧をされる事は良しとしない」という、ある種の自分勝手と言える考え方をしている。後に異母兄の[[シュナイゼル・エル・ブリタニア]]が[[ダモクレス要塞|天空要塞ダモクレス]]を使ってブリタニアを含めた全体に恐怖政治を展開しようとし反発した点からも、コーネリアが'''「自分達ブリタニアが『侵略者』で、己自身がナンバーズ対して行ってきた苛烈な統治もまたシュナイゼルと同様の恐怖政治に過ぎない」'''という理解が根本的に乏しかった事をうかがわせる。小説版では、シュナイゼルからこの点について「コーネリアは存外に覚悟が足りない(大局的な視点に立った際に自らが属するブリタニアの身を斬る覚悟がない)」と評され呆れられていた。
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