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| == 概要 == | | == 概要 == |
− | 遥か未来で戦っている超巨大な最強最後のゲッターロボ。
| + | 遥か未来で戦っている超巨大な最強最後の[[ゲッターロボ (兵器)|ゲッターロボ]]。 |
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− | 巨大[[戦艦]]型[[ゲットマシン]]3機によって構成されている。スパロボの演出に登場するのはこの「戦艦型ゲットマシン」の方であり、合体形態のエンペラーは人型ロボットである。頭部のデザインや翼がないことなど、フォルムそのものは先祖であるドラゴンに近いが、ドラゴンにあるマント状のパーツがなく、またショルダーアーマーの代わりにゲッターレザーが存在。さらに頭部の角部分がドラゴンよりも長く、真ゲッター1に近い(頭部はスパロボなどでみられるゲットマシンの艦首部分そのまま)。 | + | 巨大[[戦艦]]型[[ゲットマシン]]3機によって構成されている<ref>スパロボの演出に登場するのはこの「戦艦型ゲットマシン」の方であり、合体形態のエンペラーは人型ロボットである。</ref>。頭部のデザインや翼がないことなど、フォルムそのものは先祖であるドラゴンに近いが、ドラゴンにあるマント状のパーツがなく、またショルダーアーマーの代わりにゲッターレザーが存在。さらに頭部の角部分がドラゴンよりも長く、真ゲッター1に近い<ref>頭部はスパロボなどでみられるゲットマシンの艦首部分そのままであり、超合金魂でもその変形ギミックは踏襲されている。</ref>。 |
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− | 搭乗人物は不明だが、ゲッター軍団と言語による意思疎通を行っていた際(この時は「ゲッターエンペラー」と呼ばれている)の声は'''[[流竜馬]]'''のものと同じであった。
| + | パイロットは不明だが、ゲッター軍団と言語による意思疎通を行っていた際(この時は「ゲッターエンペラー」と呼ばれている)の声は'''[[流竜馬]]'''のものと同じであった<ref>アニメ『ゲッターロボアーク』では合体時の掛け声は石川英郎氏が担当している。</ref>。 |
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− | ゲットマシン一つが惑星クラスの大きさで、ゲッタービーム一撃で惑星ごと敵勢力を吹き飛ばす。防御面では、あらゆる攻撃に対して効果を発揮する[[ゲッター線]]シールドを備える。また、[[巴武蔵|ムサシ]]など指揮系統の人間は[[クローン]]のような予備肉体が用意されており、死亡した場合は新しい肉体が記憶を引き継いで戦線復帰する。
| + | ゲットマシン一つが惑星クラスの大きさを持ち、ゲッタービーム一撃で惑星ごと敵勢力を吹き飛ばす。防御面では、あらゆる攻撃に対して効果を発揮する[[ゲッター線]]シールドを備える。他にも機体の手で時空跳躍の亜空間入り口を握り潰そうとするなど、物理的にありえないアクションを見せている。3機合体時にはビッグバンを引き起こす程のゲッター線が発生するなど超ド級のスケールで、現在も進化し続けているらしい。なお宇宙空間に出てしまった以上、陸海空が存在しないため、どの形態がどのような性能を持っているのかは全く不明。 |
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− | 他にも機体の手で時空跳躍の亜空間入り口を握り潰そうとするなど、物理的にありえないアクションを見せている。3機合体時にはビッグバンを引き起こす程のゲッター線が発生するなど超ド級のスケールで、現在も進化し続けているらしい。なお宇宙空間に出てしまった以上、陸海空が存在しないため、どの形態がどのような性能を持っているのかは全く不明。
| + | 配下として無数のゲッター艦隊を従えており、[[巴武蔵|ムサシ]]など艦隊を指揮する人間は[[クローン]]のような予備肉体が用意され、万が一死亡した場合は新しい肉体が記憶を引き継いで戦線復帰する<ref>純粋な人間遺伝子のコピーであり、正確にはクローンとは異なるとの事。</ref>。艦隊に属する末端の兵器は一見するとヘリや戦車など旧来兵器のように見えるが、実際にはゲッター線シールドや変形機構を備えたゲッターロボの一種である。 |
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− | 単純な空間把握ではない知覚能力を持っており、何者かが時間移動をするとそれを感知できるらしい。また、ゲッターとの縁が深い拓馬にも精神的に接触していたような描写がある。エンペラーと深い縁を持つ拓馬が相手ならば、全宇宙規模での探査なども可能な様子を見せていた。なお、エンペラーの誕生を根本的に排除しようと時空を遡ってゲッターを駆逐しようとする作戦が行われたことがあるが、逆にゲッターの力を高めるという結果に終わってしまっている。エンペラーがそこにある、という時点でどうやっても誕生は阻止できないらしい。これはメタ的に言えば、'''エンペラーが登場してしまった時点で既にエンペラーの誕生は阻止できない'''ということである。
| + | 単純な空間把握ではない知覚能力を持っており、何者かが時間移動をするとそれを感知できるらしい<ref>『アーク』ではゲッターとの縁が深い拓馬にも精神的に接触していたような描写があり、エンペラーと深い縁を持つ拓馬が相手ならば、全宇宙規模での探査なども可能な様子を見せていた。</ref>なお、エンペラーの誕生を根本的に排除しようと敵対勢力が時空を遡ってゲッターを駆逐しようとする作戦を行ったが、逆にゲッターの力を高めるという結果に終わってしまっている。エンペラーがそこにある、という時点でどうやっても誕生は阻止できないらしい。これはメタ的に言えば、'''エンペラーが登場してしまった時点で既にエンペラーの誕生は阻止できない'''ということである。アニメ版『ゲッターロボ アーク』では、'''存在自体が特異点'''となっており、[[タイムトラベル|歴史改変]]による[[平行世界|世界線の分岐]]は起こらず、'''宇宙の存在そのものが消滅する'''と武蔵は述べている。 |
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− | 逆に言えば、'''そもそもエンペラーが存在していなければ阻止できる'''という事になる。これを示す例として、小説『スーパーロボット大戦』における[[闇の帝王]]が支配する未来世界では『[[UFOロボ グレンダイザー]]』完結から約100年後に発生した機械の叛乱により人類は滅亡寸前まで追いつめられ、[[早乙女研究所]]も消滅。ゲッター線のテクノロジーが闇の帝王に握られた(そして[[真ゲッターロボ (ロボット)|真ゲッターロボ]]以上のロボットを作ろうとしなかった)ため、'''結果としてエンペラーの誕生が阻止されている'''。この未来世界では最終的には闇の帝王一派の全滅に伴って、ゲッター線のテクノロジーが完全に消滅していると思われる。闇の帝王一派がこのような事が出来た最大の理由として、'''同作の時点では『ゲッターロボサーガ』作中でもエンペラーがまだ登場していない'''…文字通りエンペラーが存在していないので阻止できたというわけである(なので闇の帝王一派もエンペラーの誕生を阻止したという自覚は一切ない)。
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− | アニメ版『ゲッターロボ アーク』では、'''存在自体が特異点'''となっており、[[タイムトラベル|歴史改変]]による[[平行世界|世界線の分岐]]は起こらず、'''宇宙の存在そのものが消滅する'''と武蔵は述べている。
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| == 誕生 == | | == 誕生 == |
− | 詳細は不明。
| + | 誕生の詳しい経緯は不明。 |
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− | 漫画版『真ゲッターロボ』で繭のような物を形成して進化しながら地中深くに沈んだ[[ゲッタードラゴン]]が、『ゲッターロボアーク』のラストでついに覚醒している(ライガーやポセイドンの顔もあるようで姿はシルエットが窺えるのみ)。石川賢氏はインタビューで「エンペラーは[[ゲッターロボG (ロボット)|ゲッターロボG]]が[[真ゲッタードラゴン]]に進化した後、最終進化を遂げたもの」と解説している。この[[真ゲッタードラゴン]]がさらに『真ゲッターロボ 未知との遭遇』で垣間見た未来のゲッター聖ドラゴンへの進化を経由して、さらにエンペラーへと進化したと思われる。
| + | 『アーク』作中の解説によれば、遥か未来、太陽系の封鎖を突破して外宇宙への進出に成功した人類がロボット兵器で異星人を征服して植民地化するようになっていた時代、人類は初めて自分達より強大な勢力を持ったアンドロメダ流国に遭遇。決して降伏を認めず細胞の一片すら根絶やしにするというアンドロメダ流国の徹底した殺戮により人類は滅亡の淵に立たされたが、その時、人類に忘れ去られかけていた太陽系から3隻の巨大戦艦型ゲットマシンが発進し、戦況をひっくり返した(第一次オリオン大戦)。 |
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− | 未来の地球では人類がゲッター線によりメカと同化、空は並のメカでは突破不可能な雷雲で覆われ、天空には聖獣ドラゴン(ゲッター聖ドラゴン)が存在している。地上の人々は雷雲を越えた先に楽園があると信じている。
| + | ゲッターエンペラーは戦うたびに進化して巨大化していき、人類もその庇護下でゲッター軍団を生み出し、ゲッターエンペラー出現による第一次オリオン大戦勃発から2500年後(連載時は700年)になっても第三次オリオン大戦という形で宇宙の大戦争は続いている。 |
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− | 一方、宇宙ではゲッターを脅威と見なす異星人により太陽系は外宇宙から壁のようなもので遮断されており、進化してゲッターと共生する人類は外宇宙に出ることを試みるが爆破されたり帰還しなかったりと何らかの妨害も受けていた。この現状を認識した人類とゲッターは新たなる進化へと向かっていき、皮肉にもこれがエンペラー誕生に繋がっていく。本来これらの出来事はゲッター聖ドラゴンの回で描く予定であったらしいが地球の様子しか描かれず対談で明かされるに留まり、漫画化は石川氏の死で実現しなかった。
| + | その根底は、漫画版『真ゲッターロボ』で繭のような物を形成して進化しながら地中深くに沈んだ[[ゲッタードラゴン]]であり、『ゲッターロボアーク』のラストで覚醒<ref>ライガーやポセイドンの顔もあるようで姿はシルエットが窺えるのみ</ref>。石川賢氏はインタビューで「エンペラーは[[ゲッターロボG (ロボット)|ゲッターロボG]]が[[真ゲッタードラゴン]]に進化した後、最終進化を遂げたもの」と解説している。この[[真ゲッタードラゴン]]がさらに『真ゲッターロボ 未知との遭遇』で垣間見た未来のゲッター聖ドラゴンへの進化を経由して、さらにエンペラーへと進化したと思われる。 |
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− | 厳密にはさらに[[真ゲッターロボ (ロボット)|真ゲッターロボ]]とも融合している。そのためか、ドラゴンに始まるGの系譜であるにもかかわらず、イーグル号のフォルムは悪魔を思わせる初代ゲッター1の意匠を残している(ジャガー号、ベアー号はGの意匠を持つ)。「ゲッターの意思」は『ゲッターロボ號』のラストで真ゲッターと共に火星に飛び立って眠りについていた為、ゲッターエンペラーの肉体になったと思われるゲッタードラゴンが経た顛末はゲッターエンペラーに記憶されていない。
| + | 未来の地球では人類がゲッター線によりメカと同化、空は並のメカでは突破不可能な雷雲で覆われ、天空には聖獣ドラゴン(ゲッター聖ドラゴン)が存在している。地上の人々は雷雲を越えた先に楽園があると信じていた。一方、宇宙ではゲッターを脅威と見なす異星人により太陽系は外宇宙から壁のようなもので遮断されており、進化してゲッターと共生する人類は外宇宙に出ることを試みるが爆破されたり帰還しなかったりと何らかの妨害も受けていた。この現状を認識した人類とゲッターは新たなる進化へと向かっていき、皮肉にもこれがエンペラー誕生に繋がっていく。本来これらの出来事はゲッター聖ドラゴンの回で描く予定であったらしいが地球の様子しか描かれず対談で明かされるに留まり、漫画化は石川氏の死で実現しなかった<ref>これらのエピソードは宇宙進出の件と矛盾するように思われるが、詳細は不明。</ref>。 |
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− | そして遥か未来、太陽系の封鎖を突破して外宇宙への進出に成功した人類がロボット兵器で異星人を征服して植民地化するようになっていた時代、人類は始めて自分達より強大なアンドロメダ流国に遭遇。決して降伏を認めず細胞の一片すら根絶やしにするというアンドロメダ流国の徹底した殺戮により滅亡の淵に立たされたが、その時、人類に忘れ去られかけていた太陽系から3隻の巨大戦艦型ゲットマシンが発進して戦況をひっくり返す。ここに第一次オリオン大戦の幕が切って落とされた。
| + | 厳密にはドラゴン単体での進化ではなく、[[真ゲッターロボ (ロボット)|真ゲッターロボ]]とも融合しており、ドラゴンに始まるGの系譜であるにもかかわらず、イーグル号のフォルムは悪魔を思わせる初代ゲッター1の意匠を残している(ジャガー号、ベアー号はGの意匠を持つ)。ただし、「ゲッターの意思」と記憶は『ゲッターロボ號』のラストで真ゲッターと共に[[火星]]に飛び立って眠りについていた為、ゲッターエンペラーの肉体になったと思われるゲッタードラゴンが経た顛末はゲッターエンペラーに記憶されていない。 |
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− | ゲッターエンペラーは戦うたびに進化して巨大化していき、人類もその庇護下でゲッター軍団を生み出し、ゲッターエンペラー出現による第一次オリオン大戦勃発から2500年後(連載時は700年)になっても第三次オリオン大戦という形で宇宙の大戦争は続いている。
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| == 目的 == | | == 目的 == |
− | 未来の地球人類は「ゲッター線に選ばれた」と考えており、このゲッターエンペラーを使って全宇宙を支配しようとしている(無論、ゲッター側の真意は不明)。このため歴代ゲッターロボに比べるとお世辞にも正義の味方ではなく、特に『アーク』でのエンペラー(及び人類)は悪役も同然である。
| + | 未来の地球人類は「ゲッター線に選ばれた」と考えており、このゲッターエンペラーを使って全宇宙を支配しようとしている(無論、ゲッター側の真意は不明)。このため歴代ゲッターロボに比べるとお世辞にも正義の味方ではなく、特に『アーク』でのエンペラー(及び人類)は悪役も同然である<ref>捕虜を認めず、都市を破壊し惑星を腐らせる姿は敵であるアンドロメダ流国とどっこいどっこいである。</ref>。 |
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− | とはいえ、『ゲッターロボ』世界の宇宙戦争は戦争の皮を被った'''異生物同士の生存競争'''である事を忘れてはならない。アークで語られた内容によれば、宇宙に進出した人類を待っていたのは弱肉強食の果て無き戦いの連続であり、時には利害の一致による共闘こそあれど、[[ゼントラーディ|文化による共感]]も[[ELS|異種との対話]]も存在し得ない。同じ地球出身の恐竜帝国(ゴール三世)ですらアンドロメダ流国を撃退した後は用済みになったゲッターを裏切る算段であり、未来で一度人類を追い込み、今度は逆に追い込まれているアンドロメダ流国もゲッターエンペラーと人類を滅ぼした後は今度は自分たちが再び宇宙征服を再開するつもりであった。ゲッターエンペラーが宇宙を滅ぼす悪であろうとも(石川氏が'''「アーク」におけるゲッターを絶対悪と位置付けている''')、滅ぼすか滅ぼされるかの世界において人類種を守護しているのは紛れも無い事実なのである。 | + | とはいえ、『ゲッターロボ』世界の宇宙戦争は戦争の皮を被った'''異生物同士の生存競争'''である事を忘れてはならない。アークで語られた内容によれば、宇宙に進出した人類を待っていたのは弱肉強食の果て無き戦いの連続であり、時には利害の一致による共闘こそあれど、[[ゼントラーディ|文化による共感]]も[[ELS|異種との対話]]も存在し得ない。同じ地球出身の[[恐竜帝国]](ゴール三世)ですらアンドロメダ流国を撃退した後は用済みになったゲッターを裏切る算段であり、未来で一度人類を追い込み、今度は逆に追い込まれているアンドロメダ流国もゲッターエンペラーと人類を滅ぼした後は今度は自分たちが再び宇宙征服を再開するつもりであった。ゲッターエンペラーが宇宙を滅ぼす悪であろうとも<ref>石川賢氏は'''「アーク」におけるゲッターを絶対悪と位置付けている'''。</ref>、滅ぼすか滅ぼされるかの世界において人類種を守護しているのは紛れも無い事実なのである。 |
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| ゲッター軍艦の司令官である武蔵曰く | | ゲッター軍艦の司令官である武蔵曰く |
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| 余談だが、進化の形の予見には『虚無戦記』のラ=グースの存在を示唆する台詞もある。武蔵が語った「'''究極の進化、それは…宇宙を支配すること……'''」という言葉も、これらと関わると考えた場合、単純な宇宙征服ではなく空間支配の意味合いとも受け取れる。また地中深くのドラゴンから聞こえた弁慶の声も、生命は純粋になればなる程により強大な宇宙を求めて宇宙を喰ってゆく、と同様の意味に取れることを語っている。 | | 余談だが、進化の形の予見には『虚無戦記』のラ=グースの存在を示唆する台詞もある。武蔵が語った「'''究極の進化、それは…宇宙を支配すること……'''」という言葉も、これらと関わると考えた場合、単純な宇宙征服ではなく空間支配の意味合いとも受け取れる。また地中深くのドラゴンから聞こえた弁慶の声も、生命は純粋になればなる程により強大な宇宙を求めて宇宙を喰ってゆく、と同様の意味に取れることを語っている。 |
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− | ただ、『真説・魔獣戦線』や『虚無戦記』とゲッターロボサーガは、石川氏の構想がどのようなものであったにせよリンクしないまま未完となっているため、時天空との関連も、エンペラーの目的も、'''永遠に謎のまま'''である。 | + | ただ、『真説・魔獣戦線』や『虚無戦記』とゲッターロボサーガは、石川氏の構想がどのようなものであったにせよリンクしないまま未完となっているため、時天空との関連も、エンペラーの目的も、'''永遠に謎のまま'''であり、これらのリンクもあくまでファンの推測でしかない。 |
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| + | == サイズ == |
| + | エンペラーを語る上で欠かせないのが、その大きさである。 |
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| + | エンペラーは『真』で登場した時点では惑星より大きい程度だったが、『アーク』で描かれた2500年後には[[太陽系]]に匹敵するサイズにまで至るとされている<ref>石川賢氏のコメントより。太陽系の定義は異説もあるがオールトの雲までを含めると、最小では直径2光年程度、最大では直径3光年=30兆km程度</ref>。 |
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− | エンペラーは『真』で見た未来の時点では惑星より大きい程度だったが、『アーク』で描かれた2500年後では[[太陽系]]に匹敵するサイズにまで至るとされている(石川賢氏のコメントより。太陽系の定義は異説もあるがオールトの雲までを含めると、最小では直径2光年程度、最大では直径3光年=30兆km程度)。発表当時はロボット作品史上最大のロボットであり、スパロボに間接的に登場している機体では未だに最大のロボットである。また確固たる物理的実体を持つ機体としては今でも最大と言える([[天元突破グレンラガン (ガンメン)|天元突破グレンラガン]]、[[超天元突破グレンラガン]]は認識宇宙で実体化した機体であり、オルタニティコンボイは高次元の上位存在と化しており、大きさは意味を成さない)。匹敵する可能性があるのは軍神[[デモンベイン]]であるが、こちらの最終的なサイズは不明である(確認されている最後のサイズは約5550km)。
| + | 発表当時はロボット作品史上最大のロボットであり、スパロボに間接的に登場している機体では未だに最大のロボットである。また確固たる物理的実体を持つ機体としては今でも最大と言える。 |
| + | |
| + | 注目すべきは、'''現実の空間に存在している'''ということである。石川賢氏のインタビューに曰く、「合体するのにかなりの年数かかってると思うよ」「『エンペラーチェンジ!』なんて叫んでる場合じゃない、むしろ'''合体するまでに人が生まれ死んでいく'''、みたいな」「例えば火星から地球まで手を動かす。'''動いたと気付くのは一世代前で、ぶつかる時には相当な年数が経っている'''と」とのこと。ならば攻撃するのにそこまで時間をかけていいものかと思うが、最終到達点は空間支配であるが故、扱う側は'''質量が大きくなくてはならない'''<ref>これは石川氏の持論『同じ力を持っている奴同士が戦うなら、最後はでかいやつが勝つ』に基づいている。能力はもちろん、大きさまでインフレする最大の理由がこれである</ref>。 |
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| + | 比較対象として語られる事が多い[[天元突破グレンラガン (ガンメン)|天元突破グレンラガン]]、[[超天元突破グレンラガン]]は認識宇宙で実体化した機体であり、物質的な大きさには意味を成さない。匹敵する可能性があるのは軍神[[デモンベイン]]であるが、こちらの最終的なサイズは不明である(確認されている最後のサイズは約5550km)。SRW非参戦作品では、『トランスフォーマーシリーズ』に登場するユニクロンが惑星サイズ(惑星形態時で全長9万キロ)の巨体として知られている<ref>同シリーズではオルタニティコンボイやオメガコンボイ等が登場しているが、これらは高次元の上位存在と化したり大きさの概念を捨てているのでやはり物質的な大きさに意味は無い。</ref> |
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− | 注目すべきは、天元突破やオルタニティと異なり'''現実の空間に存在している'''ということである。石川氏のインタビューに曰く、「合体するのにかなりの年数かかってると思うよ」「『エンペラーチェンジ!』なんて叫んでる場合じゃない、むしろ'''合体するまでに人が生まれ死んでいく'''、みたいな」「例えば火星から地球まで手を動かす。'''動いたと気付くのは一世代前で、ぶつかる時には相当な年数が経っている'''と」とのこと。何とも気の長いゲッターロボである。ならば攻撃するのにそこまで時間をかけていいものかと思うが、最終到達点は空間支配であるが故、扱う側は'''質量が大きくなくてはならない。'''(これは石川氏の持論『同じ力を持っている奴同士が戦うなら、最後はでかいやつが勝つ』に基づいている。能力はもちろん、大きさまでインフレする最大の理由がこれである)
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| == 能力 == | | == 能力 == |
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| === 武装・必殺技 === | | === 武装・必殺技 === |
| ;エンペラーチェンジ | | ;エンペラーチェンジ |
− | :ゲットマシン3機でエンペラー1・2・3のいずれかに合体する。のだが、この過程で発生するゲッター線の奔流がビッグバンレベルであり、'''合体が完了した時点で戦闘が終わってしまう'''。 | + | :ゲットマシン3機でエンペラー1・2・3のいずれかに合体する。のだが、この過程で発生するゲッター線の奔流がビッグバンレベルであり、'''合体が完了した時点で周囲の敵や惑星が粉砕される為、戦闘が終わってしまう'''。 |
| ;ゲッターレザー | | ;ゲッターレザー |
− | :1の肩にある切断武器。真ゲッター1の腕にあったものと同じ。 | + | :1の肩にある切断武器。形状は真ゲッター1の腕にあったものと同じ。 |
| ;ゲッターパンチ | | ;ゲッターパンチ |
− | :殴りつける。亜空間を握りつぶすことも可能。 | + | :巨大な腕で殴りつける。その掌は亜空間を握りつぶすことも可能なほどに大きい。 |
| ;ゲッタービーム | | ;ゲッタービーム |
| :ゲッター線のビーム砲。ここまでとんでもない存在であっても、やはり「ゲッターロボ」なので当然所持。合体前の状態で発射したビームですら惑星を消し炭に変えることができる。 | | :ゲッター線のビーム砲。ここまでとんでもない存在であっても、やはり「ゲッターロボ」なので当然所持。合体前の状態で発射したビームですら惑星を消し炭に変えることができる。 |
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| :ゲッター線による防御フィールドを張る。時空を超える技術を持つ異星人が作った兵器の総攻撃や、惑星をも消し飛ばすエネルギーを持つ宇宙戦艦が何隻特攻してきても傷一つつかない。 | | :ゲッター線による防御フィールドを張る。時空を超える技術を持つ異星人が作った兵器の総攻撃や、惑星をも消し飛ばすエネルギーを持つ宇宙戦艦が何隻特攻してきても傷一つつかない。 |
| ;エンペラートマホーク | | ;エンペラートマホーク |
− | :玩具オリジナル設定の武器。 | + | :超合金魂で設定された玩具オリジナル武器。 |
− | :後述の[[ゲッターロボ大決戦!]]のコミカライズでは、射出した物を真ゲッター1が使用している。 | + | :後述の[[ゲッターロボ大決戦!]]のコミカライズでは、射出した物を真ゲッター1が使用。『ゲッターロボDEVOLUTION』では、エンペラーの姿と能力をコピーした敵が使用している。 |
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| == 原作における扱い == | | == 原作における扱い == |
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| == 登場作品 == | | == 登場作品 == |
− | その無茶苦茶な能力と戦いのスケール上、スパロボにはユニットとしては未参戦だが、作品によっては[[真ゲッター1]]や[[真ドラゴン]]の「(真)シャインスパーク」の[[カットイン]]でイーグル号に相当する戦艦型のゲットマシンの姿を見る事ができる(つまり'''エンペラーが出てきたことはない''')。また敵の組織やある一部の人間に、その存在をなんらかの形で知られており、敵意を剥き出しにされるケースが多い。 | + | その無茶苦茶な能力と戦いのスケール上、スパロボにはユニットとしては未参戦だが、作品によっては[[真ゲッター1]]や[[真ドラゴン]]の「(真)シャインスパーク」の[[カットイン]]でイーグル号に相当するエンペラーイーグル号の姿を見る事ができる(つまり'''エンペラーそのものは参戦していない''')。また敵の組織やある一部の人間に、その存在をなんらかの形で知られており、敵意を剥き出しにされるケースが多い。 |
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| === [[αシリーズ]] === | | === [[αシリーズ]] === |
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| == 名場面 == | | == 名場面 == |
− | ゲッターエンペラーに立ち向かう昆虫人の艦隊をゲッタービームで消し飛ばす際「'''まかせろ、[[月]]ごとふっ飛ばしてやる!'''」と発言しており、その声は[[流竜馬]]の声そのものだった。なお、この月は[[地球]]の月に比べて遥かに大きいにも拘らず本当に消し飛んだ。 | + | ;はるか未来の戦い |
| + | :ゲッターエンペラーに立ち向かう昆虫人の艦隊をゲッタービームで消し飛ばす際「'''まかせろ、[[月]]ごとふっ飛ばしてやる!'''」と発言しており、その声は[[流竜馬]]の声そのものだった。なお、この月は[[地球]]の月に比べて遥かに大きいにも拘らず本当に消し飛んだ。 |
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− | ;「ああ~、ダビィーンが押し潰される!」<br/>「エンペラーのゲッター線量が上がっていくぞ、ウォォ! この指数はビッグバンを引き起こすだけの…」<br/>「ゲッターチェンジをさせてはならん!! 阻止せよ!!」 | + | :;「ああ~、ダビィーンが押し潰される!」<br/>「エンペラーのゲッター線量が上がっていくぞ、ウォォ! この指数はビッグバンを引き起こすだけの…」<br/>「ゲッターチェンジをさせてはならん!! 阻止せよ!!」 |
− | :ゲッターエンペラーと戦う昆虫人のセリフ。ダビィーンは彼らの住む惑星であるが……。 | + | ::ゲッターエンペラーと戦う昆虫人のセリフ。ダビィーンは彼らの住む惑星であるが……。 |
− | ;「惑星ダビィーン消滅!!」<br/>「星域のゲッター指数がますます上がっていきます!」<br/>「駄目だ、もう…我々の武器は全て無意味になった!!」 | + | :;「惑星ダビィーン消滅!!」<br/>「星域のゲッター指数がますます上がっていきます!」<br/>「駄目だ、もう…我々の武器は全て無意味になった!!」 |
− | :ゲッターチェンジを防ぐことは出来なかった。ゲッターエンペラーは合体しただけでこの有様である。上述するように、これは'''ゲッターと対立する異星人のセリフ'''である。もはやゲッターロボは紛れもなく宇宙の侵略者であるが、もしゲッターが時天空に挑む兵器であるのなら'''宇宙を征服し終えた所で本当の戦いのスタート地点となる'''。 | + | ::ゲッターチェンジを防ぐことは出来なかった。ゲッターエンペラーは合体しただけでこの有様である。上述するように、これは'''ゲッターと対立する異星人のセリフ'''である。もはやゲッターロボは紛れもなく宇宙の侵略者であるが、もしゲッターが時天空に挑む兵器であるのなら'''宇宙を征服し終えた所で本当の戦いのスタート地点となる'''。 |
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| == 関連機体 == | | == 関連機体 == |
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| *原作漫画でゲッターエンペラーが率いる視界を埋め尽くすほどのゲッター軍団は圧巻の一言だが、よく見るとギャグのような形状のゲッター、[[スーパーデフォルメ|デフォルメ]]された[[ゲッター1]]と[[ゲッター2]]、'''ヤカン'''などが紛れ込んでいる。 | | *原作漫画でゲッターエンペラーが率いる視界を埋め尽くすほどのゲッター軍団は圧巻の一言だが、よく見るとギャグのような形状のゲッター、[[スーパーデフォルメ|デフォルメ]]された[[ゲッター1]]と[[ゲッター2]]、'''ヤカン'''などが紛れ込んでいる。 |
| *2019年に超合金として初めて立体物としてお披露目され、それぞれの戦艦型ゲットマシンに正式名称(エンペラーイーグル号、エンペラージャガー号、エンペラーベアー号)が付けられ、スパロボでの演出に登場しているのは'''エンペラーイーグル号'''となる。 | | *2019年に超合金として初めて立体物としてお披露目され、それぞれの戦艦型ゲットマシンに正式名称(エンペラーイーグル号、エンペラージャガー号、エンペラーベアー号)が付けられ、スパロボでの演出に登場しているのは'''エンペラーイーグル号'''となる。 |
− | | + | *エンペラーが登場を知覚した時点でその誕生を阻止出来ないという事は、逆に言えば、'''そもそもエンペラーが存在していなければ阻止できる'''という事になる。これを示す例として、小説『スーパーロボット大戦』における[[闇の帝王]]が支配する未来世界では『[[UFOロボ グレンダイザー]]』完結から約100年後に発生した機械の叛乱により人類は滅亡寸前まで追いつめられ、[[早乙女研究所]]も消滅。ゲッター線のテクノロジーが闇の帝王に握られた(そして[[真ゲッターロボ (ロボット)|真ゲッターロボ]]以上のロボットを作ろうとしなかった)ため、'''結果としてエンペラーの誕生が阻止されている'''。この未来世界では最終的には闇の帝王一派の全滅に伴って、ゲッター線のテクノロジーが完全に消滅していると思われる。闇の帝王一派がこのような事が出来た最大の理由として、'''同作の時点では『ゲッターロボサーガ』作中でもエンペラーがまだ登場していない'''…文字通りエンペラーが存在していないので阻止できたというわけである(なので闇の帝王一派もエンペラーの誕生を阻止したという自覚は一切ない)。 |
| == 商品情報 == | | == 商品情報 == |
| <amazon>B07P8T9GP4</amazon> | | <amazon>B07P8T9GP4</amazon> |
− | | + | == 脚注 == |
| + | <references /> |
| {{ゲッターロボシリーズ}} | | {{ゲッターロボシリーズ}} |
| {{DEFAULTSORT:けつたあえんへらあ}} | | {{DEFAULTSORT:けつたあえんへらあ}} |
| [[Category:イベント・演出でのみ登場するメカ]] | | [[Category:イベント・演出でのみ登場するメカ]] |
| [[Category:ゲッターロボシリーズ]] | | [[Category:ゲッターロボシリーズ]] |