差分

1,307 バイト追加 、 2021年3月12日 (金) 23:47
24行目: 24行目:     
=== 人物 ===
 
=== 人物 ===
自らの研究を先の段階へと進めること以外は一切考慮の対象にはなく、全て自身の研究にとって有用であるか、有用であるとすればどのように研究に役立てられるかといった価値基準でしか判断を行わない冷酷な人物だが、「研究」という物事を客観的に捉えた上で行動している他、自身はおろか世界全体が危なくなるような題材に危機感を持つなど、この手の科学者にありがちな狂人じみた一面はあまり見られない。一方で「AIだけなら100%の力しか出せないが人間とAIならば120%の力を出せる」という主張に耳を傾けるなど人間の持つ可能性の力を信じている節がある。
+
一言で言うならば'''「冷酷だがあらゆる意味で現実主義な科学者」'''といったところであり、自らの研究を先の段階へと進めること以外は一切考慮の対象にはなく、全て自身の研究にとって有用であるか、有用であるとすればどのように研究に役立てられるかといった価値基準でしか判断を行わず人使いも荒い。その反面「研究」という物事を客観的に捉えた上で行動している他、自身はおろか世界全体が危なくなるような題材に危機感を持つなど、この手の科学者にありがちな狂人じみた一面はあまり見られない。一方で「AIだけなら100%の力しか出せないが人間とAIならば120%の力を出せる」という主張に耳を傾けるなど人間の持つ可能性の力を信じている節がある。
    
=== 来歴 ===
 
=== 来歴 ===
43行目: 43行目:  
;[[第2次スーパーロボット大戦OG]]
 
;[[第2次スーパーロボット大戦OG]]
 
:MXにおけるゼーレの立ち位置がガイアセイバーズに変わっただけでMXと同様の立ち回り。
 
:MXにおけるゼーレの立ち位置がガイアセイバーズに変わっただけでMXと同様の立ち回り。
:MXであった各所への根回しや駆け引き上手な様子・強かさの描写が薄れており、総じて道化じみている印象がある。
+
:OG外伝でイェッツトを使って危険な実験を実施して狂喜していた件とはうって変わって、MX同様にAI1の危険性を正しく認識する、あまりに自分勝手なエルデの思想を'''「観点が歪んでいる」'''とまで断じるなど、再びそれなりの思慮深さをもった人物に立ち戻った。
 +
:その反面、MXであった各所への根回しや駆け引き上手な様子・強かさの描写が薄れているほか、研究の成果を破壊されて取り乱す描写があるなど、総じて道化じみている印象がある。
    
== 人間関係 ==
 
== 人間関係 ==
51行目: 52行目:  
:ヒューゴのパートナーに指名し、同じく機動兵器のテストパイロットとする。彼はこの2人を通じ、「人の意志」の力による機動兵器の制御がどれほどのものかを見極めようとしていた。
 
:ヒューゴのパートナーに指名し、同じく機動兵器のテストパイロットとする。彼はこの2人を通じ、「人の意志」の力による機動兵器の制御がどれほどのものかを見極めようとしていた。
 
;[[アルベロ・エスト]]
 
;[[アルベロ・エスト]]
:ヒューゴと同じく開発した機動兵器を与え(強奪させ)、ヒューゴの機体と争わせる。だが、アルベロもまた彼を利用する関係にあった。OGシリーズでは騙したことでアルベロに憎悪されることとなる。
+
:ヒューゴと同じく開発した機動兵器を与え(強奪させ)、ヒューゴの機体と争わせる。だが、アルベロもまた彼を利用する関係にあった。OGシリーズでは騙したことでアルベロに憎悪されることとなるが、アルベロ本人が手にかけるまもなく、ミタールはほぼ自滅といっていい末路を迎えた。
 
;[[エルデ・ミッテ]]
 
;[[エルデ・ミッテ]]
:アルベロのパートナーに指名して、[[AI1]]の制御を任せる。最終的には利害が決定的に対立し、彼女に射殺される。MXではある程度行動を予測し時に対策を採っていたが最終的にはその執着を読み切れなかったのに対して、OGでは警戒感すらほとんど抱いていない様子で、その行動を放置した結果意に沿わない数々の事態を招いてしまっている。
+
:アルベロのパートナーに指名して、[[AI1]]の制御を任せる。最終的には利害が決定的に対立し、彼女に射殺される。
 +
:MXではある程度行動を予測し時に対策を採っていたが最終的にはその執着を読み切れなかったのに対して、OGでは警戒感すらほとんど抱いていない様子で、その行動を放置した結果意に沿わない数々の事態を招いてしまっている。
 
;[[ドナ・ギャラガー]]
 
;[[ドナ・ギャラガー]]
 
:プロジェクト初期段階の産物である「[[ウェンディゴ]]」の開発者。だが、試作段階で失敗し、彼女は追い落とされる。
 
:プロジェクト初期段階の産物である「[[ウェンディゴ]]」の開発者。だが、試作段階で失敗し、彼女は追い落とされる。
73行目: 75行目:  
:『PORTABLE』では薬が不要になっていないため、この台詞は存在しない。
 
:『PORTABLE』では薬が不要になっていないため、この台詞は存在しない。
 
;「ならば、言おう…ここ最近…特にメディウスの形状変化後のAI1の思考パターンから不可解な揺らぎが検出されている。例えるなら、それは人の感情…あるいは物欲…AI1は指定対象外の物にまで深い興味を示し、それらを学習…いや、物理的に吸収しようとしている…自らが制御するラズムナニウムによってな」</br>「正気で言っているのか?このままでは、AI1は[[デビルガンダム]]と似たような能力を持つに至るぞ」
 
;「ならば、言おう…ここ最近…特にメディウスの形状変化後のAI1の思考パターンから不可解な揺らぎが検出されている。例えるなら、それは人の感情…あるいは物欲…AI1は指定対象外の物にまで深い興味を示し、それらを学習…いや、物理的に吸収しようとしている…自らが制御するラズムナニウムによってな」</br>「正気で言っているのか?このままでは、AI1は[[デビルガンダム]]と似たような能力を持つに至るぞ」
:第41話(『PORTABLE』では第42話)「ここより永遠に」より。AI1を危険視する理由をエルデに述べる。お世辞にも善人とは言えないミタールだが、自身はおろか世界全体の危機を招くような兵器の開発を避けようとするなど、一応の良識は持っていることを示している。
+
:第41話(『PORTABLE』では第42話)「ここより永遠に」より。AI1を危険視する理由をエルデに述べる。お世辞にも善人とは言えないミタールだが、自身はおろか世界全体の危機を招くような兵器の開発を避けようとしているばかりか、AI1の危険性を正しく認識していたことを示しており、一応の良識派持っている事がわかる台詞である。
 
;「私の理論が正しいことを証明するため…そして、金と名誉を得るためだよ。そうでなければ、研究を続けることが出来んからな。故に、私は軍や委員会を利用し…また、彼らも私を利用するのだ」
 
;「私の理論が正しいことを証明するため…そして、金と名誉を得るためだよ。そうでなければ、研究を続けることが出来んからな。故に、私は軍や委員会を利用し…また、彼らも私を利用するのだ」
:TEアブゾーバーを作り出したそもそもの理由。あくまで研究のためとはいえ私利私欲、それも'''「金と名誉のため」'''と公言してはいるが、権力や支配へは興味を示していないなど、良くも悪くも根は学究肌の人物である事を示す台詞である。
+
:TEアブゾーバーを作り出したそもそもの理由。あくまで研究のためとはいえ私利私欲、それも'''「金と名誉のため」'''という俗物じみた思想の元に研究をしていると公言しているが、権力や支配へは興味を示していないなど、良くも悪くも根は学究肌の人物である事を示す台詞である。
 
;「私を俗物と軽蔑するかね?しかし、君も私と同じく、己の欲求には非常に素直な人間であるはずだ。そして、君にとっても他人とは自分の研究に利用できるか、できないか…そのどちらかの存在でしかないはず。我々は似た者同士…互いの研究目的や利益のため、もっと利用しあうべきなのだよ」</br>エルデ「ですが、あなたはAI1の進化に疑問を持っておられる…。それは私の目的に反します」</br>「当然だ。あれにデビルガンダムのような力を与えてどうする?この世界や人類を滅ぼすつもりだとでも言うのか?」
 
;「私を俗物と軽蔑するかね?しかし、君も私と同じく、己の欲求には非常に素直な人間であるはずだ。そして、君にとっても他人とは自分の研究に利用できるか、できないか…そのどちらかの存在でしかないはず。我々は似た者同士…互いの研究目的や利益のため、もっと利用しあうべきなのだよ」</br>エルデ「ですが、あなたはAI1の進化に疑問を持っておられる…。それは私の目的に反します」</br>「当然だ。あれにデビルガンダムのような力を与えてどうする?この世界や人類を滅ぼすつもりだとでも言うのか?」
:直後の発言。確かにミタールとエルデは色々と似たもの同士であったが、[[AI1]]に対する反応<ref>エルデが後先を考えずAI1の成長そのものを重視するのに対し、ミタールはそれに対して危機感を持っている。</ref>を見てもわかる通り、結局は'''似て非なる者'''だった。
+
:直後の発言。あっさりと自分を俗物であると認めている。確かにミタールとエルデは色々と似たもの同士であったが、[[AI1]]に対する反応<ref>エルデが後先を考えずAI1の成長そのものを重視するのに対し、ミタールはそれに対して危機感を持っている。</ref>を見てもわかる通り、結局は'''似て非なる者'''だった。
 
;「…研究とはそれを評価する人間がいてこそ成り立つものだ。君にも観客のいない演劇などナンセンスだということがわかるだろう?」
 
;「…研究とはそれを評価する人間がいてこそ成り立つものだ。君にも観客のいない演劇などナンセンスだということがわかるだろう?」
:ミタールの「研究」に関する持論。金と名誉を得るという目的で研究を進めるミタールにとって、自らの研究を評価して貰えない以上は物事が進まない事など明白で、エルデの「観客は自分ひとりで良い」という発言は到底認められるものではなかった。早い話が'''「研究とは自己満足では駄目」'''という話である。
+
:上述から続くミタールの「研究」に関する持論。金と名誉を得るという目的で研究を進めるミタールにとって、自らの研究を評価して貰えない以上は物事が進まない事など明白で、エルデの「観客は自分ひとりで良い」という発言は到底認められるものではなかった。
 +
:早い話が'''「研究とは自己満足では駄目」'''という話であり、いち科学者としてはこの上極まりない正論である。この一連の台詞からミタールという科学者がステレオタイプな悪の科学者とは根が違う事がわかる。
 +
:
   −
=== OGシリーズ ===
+
=== OG外伝 ===
 
;「……顔で判断するな、顔で」
 
;「……顔で判断するな、顔で」
:『OG外伝』「狼達との邂逅」より。[[ラズムナニウム]]を使って[[アインスト]]の生物兵器化を行う最中で[[エリック・ワン|エリック]]が「見た目が変わってきている上に人の言うことを聞かなさそうな顔をしている」という指摘をした際の返答。エリック自身は危機感を持っていたのだがやや恍けた指摘をしてきたため、やや呆れ気味である。
+
:『OG外伝』「狼達との邂逅」より。[[ラズムナニウム]]を使って[[アインスト]]の生物兵器化を行う最中で[[エリック・ワン|エリック]]が「見た目が変わってきている上に、'''人の言うことを聞かなさそうな顔をしている'''」という指摘をした際の返答。エリック自身はアインストを利用した実験に危機感を持っていたのだが、いかんせん指摘内容がこの様だったので、ミタールも呆れている。
:また、生物兵器の開発自体、MXでデビルガンダムの危険性をきちんと理解した上で危機感を持っていたミタールが行うような事ではないことと、ミタール自身も悪人面であると当時に顔だけで判断できない面がある事も踏まえると、いろいろと突っ込みどころのある台詞である。
+
:また、生物兵器の開発自体、MXでAI1やデビルガンダムの危険性をきちんと理解した上で危機感を持っていたミタールが行うような事ではないことと、ミタール自身も悪人面であると当時に顔だけで判断できない面がある事も踏まえると、いろいろと突っ込みどころのある台詞である。
 
;「クッ……ククク……フフフフ……ハハハ……ハハハ! 素晴らしい、素晴らしいよ! ハハハハハハ!!あのイェッツトは、あのような機能を持つまでに至っていたか!」
 
;「クッ……ククク……フフフフ……ハハハ……ハハハ! 素晴らしい、素晴らしいよ! ハハハハハハ!!あのイェッツトは、あのような機能を持つまでに至っていたか!」
:『OG外伝』「放たれた凶獣」より。[[イェッツトレジセイア|イェッツト]]へと変貌した[[アインストレジセイア|ヘッド]]の能力を目の当たりにして。デビルガンダムを危険視していた『MX』と比べると完全にキャラが違っている。
+
:『OG外伝』「放たれた凶獣」より。[[イェッツトレジセイア|イェッツト]]へと変貌した[[アインストレジセイア|ヘッド]]の能力を目の当たりにして狂喜する。後始末と自身の名誉を考えている様子すらないこともあり、デビルガンダムを危険視していた『MX』と比べると完全にキャラが違っている。
 
:結局狂気を見せたのはこの時のみであり、『OG2nd』では元の性格に立ち戻った。
 
:結局狂気を見せたのはこの時のみであり、『OG2nd』では元の性格に立ち戻った。
 +
 +
=== 第2次OG ===
 
;「君のそういう観点は、どうも歪んでいるな」
 
;「君のそういう観点は、どうも歪んでいるな」
 
:AI1を巡り'''「うるさい子供など欲しくない」'''というエルデの発言を聞いて発した辛辣な一言。ミタール自身もいろいろと歪んでいる節はあるがエルデ程ではなく、危ないものは危ないとはっきり判断をつけている。
 
:AI1を巡り'''「うるさい子供など欲しくない」'''というエルデの発言を聞いて発した辛辣な一言。ミタール自身もいろいろと歪んでいる節はあるがエルデ程ではなく、危ないものは危ないとはっきり判断をつけている。
93行目: 99行目:  
:アルベロの死、試作8号機及び9号機を失った報告を聞いた上で、まだAI1があるからプロジェクトは大丈夫だというエルデの指摘を受けた上で取り乱す。名誉を重視するミタールの思想が垣間見える。
 
:アルベロの死、試作8号機及び9号機を失った報告を聞いた上で、まだAI1があるからプロジェクトは大丈夫だというエルデの指摘を受けた上で取り乱す。名誉を重視するミタールの思想が垣間見える。
 
;「この際だ、はっきり言っておこう。これ以上、君の歪んだ愛情に付き合う気はない」<br />「AI1は危険だ。何度でも言うが、あれをMODEL-Xに搭載させるつもりはない。私のTEアブゾーバーにあのような物は不要なのだよ」
 
;「この際だ、はっきり言っておこう。これ以上、君の歪んだ愛情に付き合う気はない」<br />「AI1は危険だ。何度でも言うが、あれをMODEL-Xに搭載させるつもりはない。私のTEアブゾーバーにあのような物は不要なのだよ」
:OG2nd「紅の聖誕祭(前篇)」より。AI1を危険視する彼はついにエルデを見限る事を決心するが…。
+
:「紅の聖誕祭(前篇)」より。AI1を危険視する彼はついにエルデを見限る事を決心するが…。
 
;「エ、エルデ!正気か!?」<br />「こ、ここで私を殺せば、君もただでは済まんぞ!」<br />「わ……分かった!君の言う通りにしよう!だから、命だけは…」
 
;「エ、エルデ!正気か!?」<br />「こ、ここで私を殺せば、君もただでは済まんぞ!」<br />「わ……分かった!君の言う通りにしよう!だから、命だけは…」
 
:彼女に銃を突き付けられ、取り乱した様子で命乞いをするも…。
 
:彼女に銃を突き付けられ、取り乱した様子で命乞いをするも…。
匿名利用者