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− | == フル・フロンタル(Full Frontal) ==
| + | *外国語表記:[[外国語表記::Full Frontal]] |
| *[[登場作品]]:[[ガンダムシリーズ]] | | *[[登場作品]]:[[ガンダムシリーズ]] |
| **[[機動戦士ガンダムUC]] | | **[[機動戦士ガンダムUC]] |
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| *所属:[[ネオ・ジオン]]([[袖付き]]) | | *所属:[[ネオ・ジオン]]([[袖付き]]) |
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| + | == 概要 == |
| [[ネオ・ジオン]]の残党を糾合した組織、通称「[[袖付き]]」の首魁を務める[[仮面キャラ|謎の仮面の男]]。「丸裸」を意味するその名とは裏腹に、真意を容易につかませない謎めいた言動と行動でバナージ達を翻弄する。 | | [[ネオ・ジオン]]の残党を糾合した組織、通称「[[袖付き]]」の首魁を務める[[仮面キャラ|謎の仮面の男]]。「丸裸」を意味するその名とは裏腹に、真意を容易につかませない謎めいた言動と行動でバナージ達を翻弄する。 |
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| 地球連邦の存続事態を脅かし得る程の強大な「力」を持った「[[ラプラスの箱]]」やその鍵を握る[[ユニコーンガンダム]]を巡り、[[バナージ・リンクス]]や[[ロンド・ベル]]と激突を繰り返す事になるが、箱の利用方針に関しては、[[ザビ家]]の遺児でシャアの忘れ形見とも言える[[オードリー・バーン]]([[ミネバ・ラオ・ザビ]])と対立している。 | | 地球連邦の存続事態を脅かし得る程の強大な「力」を持った「[[ラプラスの箱]]」やその鍵を握る[[ユニコーンガンダム]]を巡り、[[バナージ・リンクス]]や[[ロンド・ベル]]と激突を繰り返す事になるが、箱の利用方針に関しては、[[ザビ家]]の遺児でシャアの忘れ形見とも言える[[オードリー・バーン]]([[ミネバ・ラオ・ザビ]])と対立している。 |
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− | 謎めいた言動の多い掴み所の無い人物で、時には味方にとっても理解しきれない部分を見せる事がある一方、シャア・アズナブル本人にしか知りえない独白や経験を知っている節を見せる事もある。しかしフロンタルはシャアを「敗北した人間」と冷たく見下すなど自身との同一性を否定しており、自身を「宇宙民の意志を受け入れる『器』」と称している。また、仮面で素顔を隠しているのも、フロンタル本人曰く「ファッションのようなもの」に過ぎないらしく、バナージの依頼であっさりと外したこともある。
| + | 謎めいた言動の多い掴み所の無い人物で、時には味方にとっても理解しきれない部分を見せる事がある一方、シャア本人にしか知りえない独白や経験を知っている節を見せる事もある。しかしフロンタルはシャアを「敗北した人間」と冷たく見下すなど自身との同一性を否定しており、自身を「宇宙民の意志を受け入れる『器』」と称している。また、仮面で素顔を隠しているのも、フロンタル本人曰く「ファッションのようなもの」に過ぎないらしく、バナージの依頼であっさりと外したこともある。 |
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| 人格的にどこか青臭さや未熟さを残したシャアと異なり遙かに強かな[[性格]]で、大人であるということを平然と武器にしてくる。いわば、シャアから人間的な部分を全て取り去った「赤い彗星という機械」、とも見られる。 | | 人格的にどこか青臭さや未熟さを残したシャアと異なり遙かに強かな[[性格]]で、大人であるということを平然と武器にしてくる。いわば、シャアから人間的な部分を全て取り去った「赤い彗星という機械」、とも見られる。 |
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| === その素性 === | | === その素性 === |
− | 原作小説版では、ジオン残党軍をひそかに支援していたジオン共和国のモナハン・バハロ国防大臣らが用意した'''(一年戦争時の)シャアを模して作り上げられた[[強化人間]]'''である。 | + | 原作小説版では、ジオン残党軍をひそかに支援していたジオン共和国のモナハン・バハロ国防大臣らが用意した'''(一年戦争時の)[[シャア・アズナブル]]を模して作り上げられた[[強化人間]]'''である。 |
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− | “赤い彗星”という絶対的指導者を失った後のネオ・ジオン残党が数だけの烏合の衆となり始めたことを危惧した「袖付き」のスポンサーたちは、シャアに代わるカリスマとして「シャアのそっくりさん」を作って送り込んだというわけである。しかしフロンタルがどのような手法でシャアに似せて作られたか、つまりクローンなのか他人を整形手術や精神操作で似せて作ったかについては明言されていない。いずれにしても彼は連邦側からの完全独立を画策していたバハロ国防大臣らの操り人形であり(自身を『器』と称しているのも、そういった立場を意識してかもしれない)、外見や雰囲気をシャアに似せているのもプロパガンダの手段に過ぎない。
| + | “赤い彗星”という絶対的指導者を失った後の[[ネオ・ジオン]]残党が数だけの烏合の衆となり始めたことを危惧した「袖付き」のスポンサーたちは、シャアに代わるカリスマとして「シャアのそっくりさん」を作って送り込んだというわけである。しかしフロンタルがどのような手法でシャアに似せて作られたか、つまりクローンなのか他人を整形手術や精神操作で似せて作ったかについては明言されていない。いずれにしても彼は連邦側からの完全独立を画策していたバハロ国防大臣らの操り人形であり(自身を『器』と称しているのも、そういった立場を意識してかもしれない)、外見や雰囲気をシャアに似せているのもプロパガンダの手段に過ぎない。 |
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− | しかしフロンタルはシャア・アズナブル本人にしか知りえない独白や経験を知っていると思しき一面も見せており、当人は「アクシズ・ショックを経てもなお変わらなかった人類に絶望した、サイコフレームに宿るシャアの意思がその模写である自らに宿ったゆえである」と語っている。どういった経緯でシャアの思念が宿ったのか、またそもそも彼の主張の真偽も判然としないが、宿っているとしてもそれはシャアの思念の一部分でしかなく、しかしフロンタルはその背景からシャアとは全くの別人でもない。バナージがフロンタルの中に見た「虚無」の正体がまさにこれで、肉体を動かしているのはフロンタルでありながら、その根幹にあるのはシャアという別の人間の記憶や経験、という不協和音である。
| + | しかしフロンタルはシャア本人にしか知りえない独白や経験を知っていると思しき一面も見せており、当人は「アクシズ・ショックを経てもなお変わらなかった人類に絶望した、[[サイコフレーム]]に宿るシャアの意思がその模写である自らに宿ったゆえである」と語っている。どういった経緯でシャアの思念が宿ったのか、またそもそも彼の主張の真偽も判然としないが、宿っているとしてもそれはシャアの思念の一部分でしかなく、しかしフロンタルはその背景からシャアとは全くの別人でもない。[[バナージ・リンクス]]がフロンタルの中に見た「虚無」の正体がまさにこれで、肉体を動かしているのはフロンタルでありながら、その根幹にあるのはシャアという別の人間の記憶や経験、という不協和音である。 |
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| OVA版においては、特にEP7で小説版と違う人物像になっている。行動自体は小説版と大きく違わないが、意思は明確にシャアそのものであるような描写がされており、また器と自称しながらも彼自身の意思で行動しているようにも見える。最終決戦でもバナージを説得することにこだわった結果、対話によって敗北するという結末を迎える。モナハン・バハロは登場せず、誰がフロンタルを作ったのか最後まで明らかにならないため、小説版の設定が残っているのかも不明である。また、劇場限定版BD付録の脚本では、器であるフロンタルに本物のシャアの残留思念の一部が宿ったと明言されている。 | | OVA版においては、特にEP7で小説版と違う人物像になっている。行動自体は小説版と大きく違わないが、意思は明確にシャアそのものであるような描写がされており、また器と自称しながらも彼自身の意思で行動しているようにも見える。最終決戦でもバナージを説得することにこだわった結果、対話によって敗北するという結末を迎える。モナハン・バハロは登場せず、誰がフロンタルを作ったのか最後まで明らかにならないため、小説版の設定が残っているのかも不明である。また、劇場限定版BD付録の脚本では、器であるフロンタルに本物のシャアの残留思念の一部が宿ったと明言されている。 |
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| 小説版ではメガラニカ内部で自らの抱える虚無に衝き動かされるままバナージ、ミネバと相対。バナージと撃ち合い'''左目を撃ち抜かれる'''という明らかな致命傷を負いながらも彼を猛追、それこそシャアの思念に乗っ取られた人形として血みどろの白兵戦を繰り広げた(一時はバナージを殺す寸前まで追い詰めている)。 | | 小説版ではメガラニカ内部で自らの抱える虚無に衝き動かされるままバナージ、ミネバと相対。バナージと撃ち合い'''左目を撃ち抜かれる'''という明らかな致命傷を負いながらも彼を猛追、それこそシャアの思念に乗っ取られた人形として血みどろの白兵戦を繰り広げた(一時はバナージを殺す寸前まで追い詰めている)。 |
− | その後シナンジュに搭乗し激闘を繰り広げ、最終的にはその虚無ごとバナージに引導を渡された。
| + | その後[[シナンジュ]]に搭乗し激闘を繰り広げ、最終的にはその虚無ごとバナージに引導を渡された。 |
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− | OVA版最終巻と同時期に発表された「不死鳥狩り」では上記の戦闘を行いながら、別の地点でネオ・ジオング(コアユニットとして[[ヤクト・ドーガ (クェス専用)|ヤクト・ドーガ]]を使用)のパイロットの[[強化人間]]にその虚無が乗り移ってフェネクスと激戦を繰り広げている。
| + | OVA版最終巻と同時期に発表された「不死鳥狩り」では上記の戦闘を行いながら、別の地点で[[ネオ・ジオング]](コアユニットとして[[ヤクト・ドーガ (クェス専用)|ヤクト・ドーガ]]を使用)のパイロットの[[強化人間]]にその虚無が乗り移ってフェネクスと激戦を繰り広げている。 |
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| OVA版ではシャアの思念ではなく、「自らを器と定義して、そのように振る舞う男」としての個我が成立している。ラプラスの箱の強奪に失敗した後にメガラニカを脱出、ネオ・ジオングに搭乗してバナージと戦うも、あくまでも自らの論理を以ってバナージを引き込もうと、砲火を交わしつつ論戦を繰り広げた。 | | OVA版ではシャアの思念ではなく、「自らを器と定義して、そのように振る舞う男」としての個我が成立している。ラプラスの箱の強奪に失敗した後にメガラニカを脱出、ネオ・ジオングに搭乗してバナージと戦うも、あくまでも自らの論理を以ってバナージを引き込もうと、砲火を交わしつつ論戦を繰り広げた。 |