「新人類」の権利と政治への優先的介入を明記した「箱」の第七章碑文だが、この「宇宙に適応した新人類」というセンテンスが、よりによって反連邦のリーダーであるジオンその人によって唱えられた「ニュータイプ」と偶然一致してしまったことで、'''「地球連邦はジオニズムと同じ思想を持ち、新人類の発生を予見した上で、それを秘匿・否定していた」という事実が後付けで発生してしまったのである'''(わかりやすく言うと「連邦政府はスペースノイドの権利を認めるつもりがそもそもなかったんじゃないか」という疑惑に裏付けを与えてしまうのである)。もし「箱」の存在がジオニズム信奉者達に知れれば、彼らはその碑文を根拠に政治的権利を主張するのは必然であり、それを拒む連邦との間で激しい衝突が起こることも予想された。<ref>もっとも仮に秘匿されず正式に発表されていたとしても、ジオニズムが唱えられ広まった時点で同じ問題が発生するのは明らかである。</ref>何よりも「存在を知りながら隠し続けた」という事実が、連邦の政治的・思想的な不正義を証明する口実として使われるのは明白であり、連邦政府は沈黙し、秘匿し続けるしか道がなかった。 | 「新人類」の権利と政治への優先的介入を明記した「箱」の第七章碑文だが、この「宇宙に適応した新人類」というセンテンスが、よりによって反連邦のリーダーであるジオンその人によって唱えられた「ニュータイプ」と偶然一致してしまったことで、'''「地球連邦はジオニズムと同じ思想を持ち、新人類の発生を予見した上で、それを秘匿・否定していた」という事実が後付けで発生してしまったのである'''(わかりやすく言うと「連邦政府はスペースノイドの権利を認めるつもりがそもそもなかったんじゃないか」という疑惑に裏付けを与えてしまうのである)。もし「箱」の存在がジオニズム信奉者達に知れれば、彼らはその碑文を根拠に政治的権利を主張するのは必然であり、それを拒む連邦との間で激しい衝突が起こることも予想された。<ref>もっとも仮に秘匿されず正式に発表されていたとしても、ジオニズムが唱えられ広まった時点で同じ問題が発生するのは明らかである。</ref>何よりも「存在を知りながら隠し続けた」という事実が、連邦の政治的・思想的な不正義を証明する口実として使われるのは明白であり、連邦政府は沈黙し、秘匿し続けるしか道がなかった。 |