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== 概要 ==
 
== 概要 ==
初期タイトルは『ゲキ・ガンガー3』で、第27話以降の放映時間変更時に『熱血ロボ』をタイトルに冠するようになったという設定。
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『ナデシコ』の世界において100年前に放送されたロボットアニメ。初期タイトルは『ゲキ・ガンガー3』で、第27話以降の放映時間変更時に『熱血ロボ』をタイトルに冠するようになったという設定を持つ。内容は『[[ゲッターロボ]]』を主体として、1970年代に展開された様々なロボットアニメや特撮などの要素がオマージュとして取り入れられており、オープニングを含む作中作画やテロップはすべて1970年代をイメージした物になっている。
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内容は『[[ゲッターロボ]]』を主体として、1970年代のロボットアニメや特撮などの要素が多く取り入れられている。人気を博し、後にスピンオフ作品として[[OVA]]『ゲキ・ガンガー3 熱血大決戦!!』が製作された。また、テーマ曲「レッツゴー ゲキ・ガンガー3」はヒーローアニメ・往年のスーパーロボットアニメのOP曲を彷彿とさせる出来で、これまた人気が高い。本編では未採用であった「飛翔け!ゲキ・ガンガー3」などの楽曲も含め、『ナデシコ』のアルバムCDに本編の楽曲と同格の扱いで収録されている。
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ナデシコ本編とは別のベクトルで人気を博し、後にスピンオフ作品として[[OVA]]『ゲキ・ガンガー3 熱血大決戦!!』が製作された。また、テーマ曲の「レッツゴー ゲキ・ガンガー3」はヒーローアニメ・往年のスーパーロボットアニメのOP曲を彷彿とさせる出来で、これまた人気が高い。本編では未採用であった「飛翔け!ゲキ・ガンガー3」などの楽曲も含め、『ナデシコ』のアルバムCDに本編の楽曲と同格の扱いで収録されている。
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スタッフは『ナデシコ』とは別チームが担当しており、また[[声優]]は『ナデシコ』と共通している(『ナデシコ』の脇役を演じる声優が『ゲキガン』では主役になっているなど、その配役は逆となっている)。
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スタッフは『ナデシコ』とは別チームが担当しており、また[[声優]]は『ナデシコ』と共通している<ref>『ナデシコ』の脇役を演じる声優が『ゲキガン』では主役になっているなど、その配役は逆となっている</ref>。
    
== 設定 ==
 
== 設定 ==
『ナデシコ』世界における21世紀末のアニメ業界では、もはや全てのパターンが出尽くし、究極的なマンネリ状態に陥っていた。そこで原点回帰として、1970年代の熱血アニメをモチーフとして制作されたのが本作である。当時ほとんどロストテクノロジーとなっていたセル画技術などを駆使しているなど、かなり力を入れて作られた作品である。しかし人気は振るわず、放送時間変更のうえ第39話で[[打ち切り]]になった。その後、再放送によって人気が出た(以上の設定は、フィルムブックやムック本などに記載されている設定。本編では出てこない)。
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『ナデシコ』世界における21世紀末のアニメ業界では、もはや全てのパターンが出尽くし、究極的なマンネリ状態に陥っていた。そこで原点回帰として、1970年代の熱血アニメをモチーフとして制作されたのが本作である。当時ほとんどロストテクノロジーとなっていたセル画技術などを駆使しているなど、かなり力を入れて作られた作品である。しかし人気は振るわず、放送時間変更のうえ第39話で[[打ち切り]]になった。その後、再放送によって人気が出た<ref>以上の設定は、フィルムブックやムック本などに記載されている設定。本編では出てこない</ref>。
    
『ゲキ・ガンガー』が制作されたのが2096年で、『ナデシコ』本編は2196年以降の話である。にも関わらず、[[主人公]]の[[テンカワ・アキト]]と[[ダイゴウジ・ガイ]]がのめり込んでファンになっており、特に全話を[[ナデシコ]]艦内に持ち込んでいたガイの影響で、作中では序盤から頻繁に登場する。物語開始から100年前の古い作品なのですでに著作権フリーにでもなっているのか、作中では頻繁にフィギュアやシール、ゆるキャラのようなぬいぐるみが登場しており、劇場版では地球でもグッズが普通に売られている。
 
『ゲキ・ガンガー』が制作されたのが2096年で、『ナデシコ』本編は2196年以降の話である。にも関わらず、[[主人公]]の[[テンカワ・アキト]]と[[ダイゴウジ・ガイ]]がのめり込んでファンになっており、特に全話を[[ナデシコ]]艦内に持ち込んでいたガイの影響で、作中では序盤から頻繁に登場する。物語開始から100年前の古い作品なのですでに著作権フリーにでもなっているのか、作中では頻繁にフィギュアやシール、ゆるキャラのようなぬいぐるみが登場しており、劇場版では地球でもグッズが普通に売られている。
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クーデターの成功後は、『ゲキ・ガンガー』を政治的な扇動に用いてきた草壁が失脚し、また木連に[[地球]]の文化が流入することになる。その結果、[[続編]]『[[劇場版 機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-]]』のころまでには、木連内部における『ゲキ・ガンガー』熱はかなり薄まったようである。
 
クーデターの成功後は、『ゲキ・ガンガー』を政治的な扇動に用いてきた草壁が失脚し、また木連に[[地球]]の文化が流入することになる。その結果、[[続編]]『[[劇場版 機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-]]』のころまでには、木連内部における『ゲキ・ガンガー』熱はかなり薄まったようである。
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なお、'''『ゲキ・ガンガー』の[[世界観|世界]]では『ナデシコ』が放映されている'''。『ナデシコ』本編の第14話「『熱血アニメ』でいこう!」は正月放映にあわせた総集編(通常の放映枠が特番で使えず早朝放映となったため、見逃しても問題がないようにという配慮)になっているのだが、この回は通常のOP(とCM)が終わった後のAパート冒頭で、今度は『ゲキ・ガンガー』のOPが始まり、本編も『ゲキ・ガンガー』の登場人物であるジュンペイが、『ナデシコ』を見ようとしたら総集編であることを嘆くという設定で物語が始まるという、非常に手の込んだつくりになっている。また、同エピソードでは「キョアック星の王子アカラが'''『ナデシコ』に出てくる[[エステバリス]]の[[ディストーションフィールド]]・アタックを参考にしてゲキ・ガンガーに攻撃してくる'''」という筋書きになっているが、これは前掲の通り、『ナデシコ』に登場する木連がゲキ・ガンガーの機体を模倣してジンを作っていることの伏線とも取れる。『ゲキ・ガンガー』のオープニングはすべて1970年代をイメージした画風・フォントになっている。
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なお、『ナデシコ』の世界で『ゲキ・ガンガー』が放送されていたように、'''『ゲキ・ガンガー』の[[世界観|世界]]では『ナデシコ』が放映されている'''事が、『ナデシコ』本編の第14話「『熱血アニメ』でいこう!」で語られている。同話は正月放映にあわせた総集編(通常の放映枠が特番で使えず早朝放映となったため、見逃しても問題がないようにという配慮)になっているのだが、この回は通常のOP(とCM)が終わった後のAパート冒頭で、今度は『ゲキ・ガンガー』のOPが始まり、本編も『ゲキ・ガンガー』の登場人物であるジュンペイが、『ナデシコ』を見ようとしたら総集編であることを嘆くという設定で物語が始まるという、非常に手の込んだつくりになっている。また、同エピソードでは「キョアック星の王子アカラが'''『ナデシコ』に出てくる[[エステバリス]]の[[ディストーションフィールド]]・アタックを参考にしてゲキ・ガンガーに攻撃してくる'''」という筋書きになっているが、これは前掲の通り、『ナデシコ』に登場する木連がゲキ・ガンガーの機体を模倣してジンを作っていることの伏線とも取れる。
    
『ナデシコ』の作風は「一見明るいオタク的なロボットアニメだが、本質は暗くシビア」というものであり、「勧善懲悪」という分かりやすいテーマを掲げているスーパーロボット作品である『ゲキ・ガンガー3』は、必ずしも肯定的には描かれていない。「過去に死亡した仲間が復活する」「[[正義]]が悪を倒すことで、ハッピーエンドで完結する」という内容の最終回はその象徴的な話であり、「[[ダイゴウジ・ガイ|ガイ]]や[[白鳥九十九|白鳥]]が死亡し、決して戻ってこない」「[[木星蜥蜴]]は絶対悪ではなく、最終的には和平を結ぶ」という『ナデシコ』の話と真っ向から対立する。ただ、全否定もされておらず「あまりに非現実的だが、それに憧れる気持ちは間違っていない」という形で肯定されている。
 
『ナデシコ』の作風は「一見明るいオタク的なロボットアニメだが、本質は暗くシビア」というものであり、「勧善懲悪」という分かりやすいテーマを掲げているスーパーロボット作品である『ゲキ・ガンガー3』は、必ずしも肯定的には描かれていない。「過去に死亡した仲間が復活する」「[[正義]]が悪を倒すことで、ハッピーエンドで完結する」という内容の最終回はその象徴的な話であり、「[[ダイゴウジ・ガイ|ガイ]]や[[白鳥九十九|白鳥]]が死亡し、決して戻ってこない」「[[木星蜥蜴]]は絶対悪ではなく、最終的には和平を結ぶ」という『ナデシコ』の話と真っ向から対立する。ただ、全否定もされておらず「あまりに非現実的だが、それに憧れる気持ちは間違っていない」という形で肯定されている。
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こうした『ゲキ・ガンガー3』の複雑な立ち位置は、最終回を見たアキトの'''「そりゃあ、ひどい話だった」「ひどい話だったけど、ゾクゾクした。ゲキ・ガンガーを好きだった俺の気持ち、[[熱血]]を信じた俺の気持ちを信じたい」'''という台詞に象徴されている。
 
こうした『ゲキ・ガンガー3』の複雑な立ち位置は、最終回を見たアキトの'''「そりゃあ、ひどい話だった」「ひどい話だったけど、ゾクゾクした。ゲキ・ガンガーを好きだった俺の気持ち、[[熱血]]を信じた俺の気持ちを信じたい」'''という台詞に象徴されている。
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== ゲキ・ガンガーの各形態・パイロット ==
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== 登場人物 ==
=== 各形態 ===
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;ゲキ・ガンガー
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:[[ゲッター1]]に相当する空中戦・汎用形態。
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;ウミガンガー
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:海戦・スピード形態。モチーフは[[ゲッター2]]。
  −
;リクガンガー
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:陸戦・肉弾戦形態。モチーフは[[ゲッター3]](通常形態は[[ゲッターポセイドン]])。
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;ゲキ・ガンガーV
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:海燕ジョー死亡後に登場する新型ゲキ・ガンガー。旧ゲキ・ガンガーよりも大型化し、各部が角ばったデザインになっている。ゲキ・ガンガーの発展型的なフォルムだがウミガンガーやリクガンガーに相当する形態があるかは不明。超熱血クラッカー、ゲキガ・スピンなど[[コン・バトラーV]]がモチーフと思わしき武器を持つ。
  −
:;ドラゴンガンガー
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::ゲキ・ガンガーVの強化形態の一つ。しかし、設定画のみで番組内には登場していなかった。[[オモイカネ]]デバッグ作業のイメージ空間で実体化したゲキ・ガンガーに対し、[[テンカワ・アキト|アキト]]はこの機体のイメージで対抗している。
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::「登場予定が打ち切りで中止になった幻のメカ」という点から、モチーフは[[レイズナーMk-II]]と思われる。
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=== 各パイロット ===
   
括弧内は担当声優並びにその人が演じる『ナデシコ』の登場人物。
 
括弧内は担当声優並びにその人が演じる『ナデシコ』の登場人物。
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=== 主要キャラクター ===
 
;天空ケン(真殿光昭 / [[ムネタケ・サダアキ]])
 
;天空ケン(真殿光昭 / [[ムネタケ・サダアキ]])
 
:ゲキ・ガンガー3のメインパイロットで熱血リーダー担当。[[流竜馬]]がモデル。
 
:ゲキ・ガンガー3のメインパイロットで熱血リーダー担当。[[流竜馬]]がモデル。
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;竜崎テツヤ(松本保典 / [[秋山源八郎]])
 
;竜崎テツヤ(松本保典 / [[秋山源八郎]])
 
:ジョーが死亡した後の交代要員。モデルはいないが、キャラクター的には[[剣鉄也]]に近い。名前は[[竜崎一矢]]からと思われる。
 
:ジョーが死亡した後の交代要員。モデルはいないが、キャラクター的には[[剣鉄也]]に近い。名前は[[竜崎一矢]]からと思われる。
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=== 国分寺超研究所 ===
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;国分寺博士(小杉十郎太 / [[ゴート・ホーリー]])
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:国分寺超研究所の所長。ゲキ・ガンガーの開発者。小杉氏はナレーターも兼任。
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;国分寺ナナコ(南央美 / [[ホシノ・ルリ]])
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:国分寺博士の娘。真冬でもへそ出しルックというファッションが特徴。[[早乙女ミチル]]がモデル。
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;ジュンペイ(横山智佐 / [[スバル・リョーコ]])
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:70~80年代ロボットアニメの定番といえる研究所に出入りしている少年。
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;テンサイ(松井菜桜子 / [[イネス・フレサンジュ]])
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:眼鏡をかけた天才少年。
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;カウボーイ・ジョニー(置鮎龍太郎 / [[アカツキ・ナガレ]])
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:アメリカからやって来たテキサスロボのパイロット。[[ジャック・キング]]がモデル。
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=== キョアック星人 ===
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;ハイペリオン皇帝(田中信夫 / [[フクベ・ジン]])
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:キョアック星の総帥。
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;アカラ王子(岡野浩介 / メカニック)
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:キョアック星人の地球侵略司令官。ゲキガンチームの[[ライバル]]。
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;ミーエ・ミーエ(岡本麻弥 / [[ハルカ・ミナト]])
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:その名の通り見え見えな作戦を立案するアカラ王子の従女。
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;ロウコッツ(置鮎龍太郎)
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:アカラ王子の従者。
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;魔将軍マッサカ(中嶋聡彦)
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:アカラ亡き後の地球侵攻司令官。ジョーの命を奪いゲキ・ガンガーを破壊した強敵。
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;アクアマリン / ドルガー(水谷優子 / [[アクア・クリムゾン]])
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:第33話のゲストキャラである双子のパイロット。
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;サファイヤ(桑島法子 / [[ミスマル・ユリカ]])
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:過去にキョアック星人に故郷を征服されたジュエル星人。アカラ王子の命令で地球に侵攻した。
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== 登場メカ ==
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=== ゲキ・ガンガー ===
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;ゲキ・ガンガー
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:[[ゲッター1]]に相当する空中戦・汎用形態。メインパイロットは天空ケン。
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;ウミガンガー
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:海戦・スピード形態。モチーフは[[ゲッター2]]。メインパイロットは海燕ジョー。
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;リクガンガー
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:陸戦・肉弾戦形態。モチーフは[[ゲッター3]](通常形態は[[ゲッターポセイドン]])。メインパイロットは大地アキラ。
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;ゲキ・ガンガーV
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:海燕ジョー死亡後に登場する新型ゲキ・ガンガー。旧ゲキ・ガンガーよりも大型化し、各部が角ばったデザインになっている。ゲキ・ガンガーの発展型的なフォルムだがウミガンガーやリクガンガーに相当する形態があるかは不明。超熱血クラッカー、ゲキガ・スピンなど[[コン・バトラーV]]がモチーフと思わしき武器を持つ。
 +
:;ドラゴンガンガー
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::ゲキ・ガンガーVの強化形態の一つ。しかし、設定画のみで番組内には登場していなかった。『ナデシコ』本編で[[オモイカネ]]のデバッグ作業中にイメージ空間で実体化したゲキ・ガンガーに対し、[[テンカワ・アキト|アキト]]がこの機体のイメージして対抗した。
 +
::「登場予定が打ち切りで中止になった幻のメカ」という点から、モチーフは[[レイズナーMk-II]]と思われる。
    
== ゲキ・ガンガーの武装 ==
 
== ゲキ・ガンガーの武装 ==
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