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東洋における龍は一概して「蛇型の竜」を指す。東洋の龍は胴体が長く、手足が短く、首周りに長い鬣を持つ。首回りの鱗は「逆鱗」と呼ばれ、触られると激しく怒りを表すと言われる。
東洋における龍は一概して「蛇型の竜」を指す。東洋の龍は胴体が長く、手足が短く、首周りに長い鬣を持つ。首回りの鱗は「逆鱗」と呼ばれ、触られると激しく怒りを表すと言われる。
東洋の龍は西洋とは異なり畏敬の念で見られる「[[神]]」とされることが多い。古来より農耕文化が盛んな東洋においては、川の流れを蛇に喩えることがあった。その事から、水を司る蛇(ナーガ)の親玉として、龍の概念が生じたとされる。龍の中でも長い時を生き、膨大な霊力を有する者は「[[龍神丸|龍神]]」あるいは「[[シェンロンガンダム|神龍]]」と呼ばれる。従って、東洋の龍は雨や雷などを操るとされる。
東洋の龍は西洋とは異なり畏敬の念で見られる「[[神]]」とされることが多い。古来より農耕文化が盛んな東洋においては、川の流れや、雲・雷といったのたうつ自然の有様を蛇に喩えることがあった。その事から、水を司る蛇(ナーガ)の親玉として、龍の概念が生じたとされる。龍の中でも長い時を生き、膨大な霊力を有する者は「[[龍神丸|龍神]]」あるいは「[[シェンロンガンダム|神龍]]」と呼ばれる。従って、東洋の龍は雨や雷などを操るとされる。
それから転じて、鯉が高い滝をよじ登る試練を乗り越えたり、蛇が海や山で莫大な年月を修行すれば龍になるという伝説も生まれ、「登竜門」「海千山千」の語源となった。端午の節句のこいのぼりは前者の伝承に因む。
それから転じて、鯉が高い滝をよじ登る試練を乗り越えたり、蛇が海や山で莫大な年月を修行すれば龍になるという伝説も生まれ、「登竜門」「海千山千」の語源となった。端午の節句のこいのぼりは前者の伝承に因む。
西洋のドラゴンも基本的には自然の象徴……であるのだが、西洋において自然とは畏敬の念を有するものではなく「人間と敵対するもの」というイメージが強い(特に、キリスト教の教えが広まってからは)。その為、西洋におけるドラゴンは'''[[天使・悪魔|悪魔]]'''の化身とされる。[[ギリシア神話]]におけるカドモスのドラゴン退治、キリスト教の聖女マルタの悪竜タラスク討伐、古代ローマのゲオルギウスのドラゴン狩り、[[北欧神話]]のジークフリートによるファーヴニル征伐など、西洋の竜伝説は基本的に'''「いかにして悪の限りを尽くす大[[怪獣]]を[[正義]]のヒーローが倒したか」'''という善悪二元論的な語り口で描かれることが多い。かの有名な吸血鬼ドラキュラは「邪悪な竜の子」の意。
西洋のドラゴンも基本的には自然の象徴……であるのだが、西洋において自然とは畏敬の念を有するものではなく「人間と敵対するもの」というイメージが強い(特に、キリスト教の教えが広まってからは)。その為、西洋におけるドラゴンは'''[[天使・悪魔|悪魔]]'''の化身とされる。[[ギリシア神話]]におけるカドモスのドラゴン退治、キリスト教の聖女マルタの悪竜タラスク討伐、古代ローマのゲオルギウスのドラゴン狩り、[[北欧神話]]のジークフリートによるファーヴニル征伐など、西洋の竜伝説は基本的に'''「いかにして悪の限りを尽くす大[[怪獣]]を[[正義]]のヒーローが倒したか」'''という善悪二元論的な語り口で描かれることが多い。かの有名な吸血鬼ドラキュラは「邪悪な竜の子」の意。
勿論そうした話において竜が全て純粋悪として描かれているわけではなく、稀に人々に力や英知を預ける「善良なドラゴン」が描かれることもあった。こうしたドラゴンは東洋龍と同じく力の象徴として、紋章や国旗などに描かれることがある。ウェールズの国旗にも描かれている赤い竜や、中世ハンガリー王国のドラゴン騎士団などが知られている。吸血鬼ドラキュラのモデルである串刺し公ヴラド三世の仇名「ドラキュラ」は単に「ドラゴンの子」の意味で、ドラゴン騎士団の一員だった父親のヴラド二世が「ドラクル(ドラゴン公)」と呼ばれていたことに由来する。一口に竜騎兵と訳される銃砲を装備した騎兵隊は他にも少なからぬ欧州系国家に見られ、実態は変わりつつも一部でその名を現代にも残している。
==竜・ドラゴンを扱った作品==
==竜・ドラゴンを扱った作品==