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[[一年戦争]]終結後より抵抗活動を続ける[[ジオン公国軍#ジオン残党軍|ジオン残党軍]]の中でも最大の勢力を誇る[[デラーズ・フリート]]の首魁。スキンヘッドに髭面と、威厳のある風貌が特徴。
[[一年戦争]]終結後より抵抗活動を続ける[[ジオン公国軍#ジオン残党軍|ジオン残党軍]]の中でも最大の勢力を誇る[[デラーズ・フリート]]の首魁。スキンヘッドに髭面と、威厳のある風貌が特徴。
[[ジオン公国軍]]時代は宇宙攻撃軍大佐<ref>デラーズ紛争時には「中将」とされている。なお本編中デラーズの[[軍階級|階級]]について言及された事が無く、[[小説|小説版]]や各種解説・設定等の主に紙媒体の情報である。昇進の経緯は不明。</ref>で、政治面ではギレン派に属する。佐官ながら[[ザビ家]]の血縁者か司令官クラスでなければ指揮出来ない[[グワジン|グワジン級]]戦艦である[[グワデン]]の指揮を任され、ア・バオア・クーでは総帥直属艦隊司令に就任している事からも、[[ギレン・ザビ]]からは強い信任を得ていた事が伺われる<ref>佐官級でグワジンを単独で指揮したのはドズル・ザビの腹心ラコック大佐と、キシリア・ザビの腹心マ・クベ大佐等、ザビ家に近い人間ばかりで、[[ソーラ・レイ]]のコントロール艦として利用されたグワジンには、アサクラ大佐が指揮している。また、グワデンは本来、ギレンの座乗艦であったという説もある。</ref>。
[[ジオン公国軍]]時代は宇宙攻撃軍大佐<ref>デラーズ紛争時には「中将」とされている。なお本編中デラーズの[[軍階級|階級]]について言及された事が無く、[[小説|小説版]]や各種解説・設定等の主に紙媒体の情報である。昇進の経緯は不明。</ref>で、政治面ではギレン派に属する。佐官ながら[[ザビ家]]の血縁者か司令官クラスでなければ指揮出来ない[[グワジン|グワジン級]]戦艦である[[グワデン]]の指揮を任され、ア・バオア・クーでは総帥直属艦隊司令に就任している事からも、[[ギレン・ザビ]]からは強い信任を得ていた事が伺われる<ref>佐官級でグワジンを単独で指揮したのはドズル・ザビの腹心ラコック大佐と、キシリア・ザビの腹心[[マ・クベ]]大佐等、ザビ家に近い人間ばかりで、[[ソーラ・レイ]]のコントロール艦として利用されたグワジンには、アサクラ大佐が指揮している。また、グワデンは本来、ギレンの座乗艦であったという説もある。</ref>。
ファンサイト等ではしばしばギレン親衛隊の隊長だった、と解説されているが、これは腹心の[[アナベル・ガトー]]や[[カリウス]]らを含めて、[[コンピュータゲーム]]『ギレンの野望』のオリジナル設定である。
ファンサイト等ではしばしばギレン親衛隊の隊長だった、と解説されているが、これは腹心の[[アナベル・ガトー]]や[[カリウス]]らを含めて、[[コンピュータゲーム]]『ギレンの野望』のオリジナル設定である。
=== 人物 ===
=== 人物 ===
軍人として極めて高潔な人物であるのと同時に、他のジオン軍人の追随を許さない程の高度な戦略眼の持ち主でもあり、「[[星の屑作戦]]」を立案した張本人でもある。また、モビルスーツのパイロットとして活躍していた時期もあるらしく、自らの専用機としてカスタマイズされた[[リック・ドム]]を所有している。一方で、ロマンチストな面も持ち合わせ、作戦名や拠点である「[[茨の園]]」の命名といったネーミングセンス、芝居がかった台詞等からもその事が伺われる。
軍人として極めて高潔な人物であるのと同時に、他のジオン軍人の追随を許さない程の高度な戦略眼の持ち主でもあり、「[[星の屑作戦]]」を立案した張本人でもある。また、モビルスーツのパイロットとして活躍していた時期もあるらしく、自らの専用機としてカスタマイズされた[[リック・ドム]]を所有している。一方で、ロマンチストな面も持ち合わせており、前述の作戦名や自らの拠点に「[[茨の園]]」と命名したネーミングセンス、芝居がかった台詞に演説、ガトーとのやり取り等からもその事が伺われる。
しかし、また一方ではギレン・ザビを「崇拝」の域なまでに信奉する狂信的なジオニストでもあり、グワデンの執務室にはギレンを模した胸像を飾り、本人と直接会話しているかの様に話しかける等、奇行も見せている。また、一年戦争の終結後に共和制に移行して連邦と和平を結んだ本国の人間達を「売国奴」と蔑み、亡きギレンと政治的な対立関係にあった[[キシリア・ザビ]]の事は「女狐」と唾棄する程までに嫌悪していた。更に、ギレンの様な苛烈な選民思想を見せる事こそ無いものの、自らの信じる理想の為ならば戦場ではない観艦式での核攻撃や[[コロニー落とし]]といった虐殺まがいな手段も行使したり、先の戦いで散った者達を「無駄死に」にしない為ならば敵・味方を問わずに「新たな犠牲」を出す事も厭わない。そして、軍人ですらない[[アースノイド]]の民間人に至っては幾ら犠牲にしても無関心でいられる等、その非情な本質面に関しては、間違い無く信奉するギレンに通じるものがあった。
ジオンと言うよりも、自らの個人的な理想主義や価値観に一辺倒であった部分もある。事実、明らかにデラーズ・フリートと相容れない思想の持ち主である[[シーマ・ガラハウ]]の参加を「自らの手で導く」と息巻いてガトーからの忠告も聞き入れずに認めてしまったり、スペースノイドの地球連邦に対する発言力を強化出来ると確信して星の屑作戦を実行に移したりもしているが、結局最終的には全て裏目に出てしまう形で終わっており、自らの落命にも繋がっている。この為、戦術家・軍政家としては極めて優秀だった反面、「政治を視野に入れた戦略家」としては問題的な人物でもあった。
=== 劇中での活躍 ===
=== 劇中での活躍 ===
それから3年後となる宇宙世紀0083年、スパイから送られた機密資料より、[[ガンダム開発計画]]を知ったデラーズは、その計画で開発された機体の中でも、戦術核の使用を前提とした[[ガンダム試作2号機]]に目を付け、それを利用した「星の屑作戦」を立案。ガトーを前線指揮官として地球に向かわせて「[[デラーズ・フリート]]」を名乗り、対[[地球連邦政府|地球連邦]]ゲリラ活動を開始する。
それから3年後となる宇宙世紀0083年、スパイから送られた機密資料より、[[ガンダム開発計画]]を知ったデラーズは、その計画で開発された機体の中でも、戦術核の使用を前提とした[[ガンダム試作2号機]]に目を付け、それを利用した「星の屑作戦」を立案。ガトーを前線指揮官として地球に向かわせて「[[デラーズ・フリート]]」を名乗り、対[[地球連邦政府|地球連邦]]ゲリラ活動を開始する。
作戦は順調に進んでいき、ガトーの搭乗する試作2号機によるソロモン観艦式への核攻撃、シーマによるコロニージャック及び月方面を経由した地球へのコロニー落としも、ほぼデラーズの思惑通りに推移していたのだが、それまでの悪行が祟ったか、作戦中に[[シーマ・ガラハウ]]の[[裏切りイベント|裏切り]]に遭い、星の屑作戦終盤に頭を撃ち抜かれる形で射殺され、死亡する。最終的にはジオンを憎んでいたシーマに寝首をかかれる結末になったものの、シーマ無くして「[[星の屑作戦]]」の成功があり得なかったのは何とも皮肉な結果と言える。自業自得と言えば、それまでかもしれないが…。
死後、宇宙世紀0083年に自らが引き起こした一連の戦いは「'''[[デラーズ紛争]]'''」と呼称される事になったが、コロニー落としの件に関しては「事故」という形で処理され、更に皮肉な事に'''デラーズらが起こした紛争そのものが原因で、彼らの同胞であるジオン残党や[[スペースノイド]]達全体に対し、[[30バンチ事件|苛烈な弾圧]]を行う[[ティターンズ]]の台頭を招いてしまい'''、そしてそれは「[[グリプス戦役]]」という、より悲惨な戦いへと続いていく事になる。
また、デラーズの存在は、地球圏に残留していたジオン残党軍にとって大きな支柱になっており、デラーズ紛争前に起きたジオン関連のテロ事件の中には、デラーズによる直接・間接的な支援も行われていた物もある(代表的な例は、宇宙世紀0081年に残党勢力の一つであるインビジブル・ナイツによって引き起こされた「水天の涙作戦」)。それ故に、デラーズの死はその後のジオン残党軍の弱体化を招くには十分であった様で、所属していた人間の中には、後の宇宙世紀の歴史で結成される[[エゥーゴ]]に鞍替えした者もいる。
== 登場作品と役柄 ==
== 登場作品と役柄 ==